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生は危険?釣ったサバの刺身を安全に作る方法

サバを刺し身で食べるには
初心者向け魚料理特集魚の食中毒対策魚種別の魚料理

サバを生で食べるのは食中毒のリスクがあるから危険。これは広く知られていることです。

しかし食中毒になる要因とその対処方法を知れば、他の魚と比べて特に危険な魚だという認識はなくなります。それにより生で食べるハードルも下げることができます。

丸々と太った大きなサバが釣れたら刺身に挑戦してみませんか?

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サバは刺身で食べる価値がある

サバの刺身は美味い

サバを刺身で食べるのは危ないらしい。そんなリスクをおかしてまで生で食べる価値はあるのか。そんな意見はごもっともですが、まずはこちらを見ていただきたい。

サバの刺し身
ピカピカのサバの刺身

私が秋の武庫川一文字で釣ったサバを自分で処理をしたうえで刺身にしたものです。

どうでしょう?ピカピカで色鮮やかで美味しそうじゃないですか?

醤油に脂が浮くほどの脂のり
脂のりと青物の香りが絶妙なサバの刺し身

適度な脂乗り、青魚独特の香りと酸味、そして皆さんご存じサバの風味。実際めちゃくちゃ美味しかったのです。そして適切な処理をしたうえで食中毒にはならなかった。

面倒な処理をする価値がある

私は言いたい。

リスクをとってまでサバを生で食べる価値があるかと聞かれたなら「間違いなくある!」と。なぜならシンプルに美味いから。そしてアジなど他の魚に比べて特別危険かというとそうでもない。

この記事では適切な処理を解説していきます。そしてその処理は生きている超新鮮なサバを手に入れられる釣り人だからこそ再現できるものです。

生食のリスクはどんな魚にでもある

サバは他の魚と比較して食中毒になりやすい要因が少しだけ大きいのは確か。不安があるのなら無理せずサバ味噌など火を通した料理にすべき。

さば味噌
不安ならサバ味噌など火を通す調理を

しかしサバに限らずどんな生魚でも食中毒の可能性があります。サバというとアニサキス食中毒が有名ですが、アニサキスはアジにもタチウオにも寄生している可能性があるありふれた寄生虫です。

私はリスクと美味しさを天秤にかけて美味しさを優先するのでサバも刺身で食べます。考えはそれぞれなのであなたに合った選択をしてください。怖がって避けるのも正解です。

サバの刺身が危険だといわれるのはアニサキスが原因

生のサバを食べて食中毒になる主な要因は以下の3つ。

サバで食中毒になる主な原因
  1. 腸炎ビブリオ
  2. ヒスタミン
  3. アニサキス

腸炎ビブリオは海水由来の細菌なのでサバに限らずどんな魚でも同様にリスクがあります。ヒスタミンは加熱で無効化できないため生で食べようが熱を通そうがリスクは変わりません。

サバを生で食べるにおいて最大の障害となるのはやはり寄生虫アニサキスです。見た目のグロテスクさも危険という認識をより強くしています。

サバの消化器に寄生するアニサキスをブラックライトで照射
サバの内臓に寄生したアニサキスをブラックライトで照射して可視化

サバに寄生が多いアニサキス

サバにアニサキスが寄生している確率が高いのは確かです。

しかしアニサキスは熱を通すことで容易に死滅します。だからサバ味噌や塩焼きはほぼ安全(耐熱性のあるアレルゲンを考慮しない前提で)。

しかし生で食べた場合は生きたまま胃や腸に侵入させてしまうことになり、そこで腹痛などの症状を引き起こします。

アニサキスは当たり前に潜んでいる

いくら鮮度抜群だろうが透明度の高い海だろうがアニサキスのいるサバは当たり前に存在し、処理方法と運が悪ければ食中毒になる可能性があります。

鮮度が落ちることで本来は内臓にいるアニサキスが身に移動する。それが定説になっています。しかしサバが生きている段階で身に潜り込んでいる場合もあり、釣り場ですぐに内臓を抜いたからといって100%安全とはいえません。

鮮度の落ちたサバの身にアニサキスが潜り込んでいる様子
鮮度が落ちたサバで身の中からアニサキスを取り出すようす

しかし鮮度保持に注意を払うことでリスクを下げることは可能です。サバで起こる得る食中毒全般についてはこちらをご覧ください。

アニサキス食中毒を防ぐ釣ったサバの処理方法

私自身、大きく脂がのってそうなサバが釣れたとき、刺身にすべく釣り場で次の処理を行います。アニサキスとヒスタミン対策を兼ねた処理です。

自分で釣ったサバの食中毒対策
  1. 脳をピックなどで突いて脳締めをし動きを止める
  2. 鯖折りをするかエラを切って血抜きをする
  3. キッチンバサミを使って腹を肛門まで裂く
  4. エラをつかんで内臓ごと引き抜く
  5. 腹腔を掃除して中骨の下にある血合いも指でしごいて取り除く
  6. 以上の処理が済んだら直ちに潮氷に突っ込んで急速冷却

すべての工程を釣れてから5分以内に現地で。最後に書いた潮氷についてはこちらで詳しくまとめています。

帰宅してなるべく早く真水で洗いつつ、お腹の中をさらに掃除します。そこまでやってしっかり水分を拭ってやれば、少なくとも2日ぐらい問題なく生食できる状態で保存することができます。

しっかり目視のチェックを

その後3枚におろすとき、刺身に切り分けるときなど調理しながら目視でチェックするのも必須。

特に腹骨周辺や肛門周辺はとぐろを巻いたアニサキスがいないか注意。ここでは365nmのブラックライトが役立ちます。小さく半透明で見えにくいアニサキスを光らせて可視化できるからです。

ここまでやれば大幅にリスクが下がりますが、それでもゼロとはいえません。

内臓を除去するより前、まだサバが生きている状態で身の奥深くに潜んでいたならブラックライトでも見つけようがない。ゼロリスクに近づいているのですが絶対にゼロにはならないのです。このリスクをどう捉えるかはあなたの判断。

3枚におろしたサバの身
目視でのチェックは必須工程

身に潜り込んでいることが確認できなくても、明らかにアニサキスが多い個体なら生食は避けたほうが無難でしょう。

内臓をつけたまま持ち帰った場合は内臓の表面をブラックライトで照射してアニサキスを確認し、多く寄生しているようならやはり生食は避けたほうがいいでしょう。

釣った魚を刺身で食べるためのアニサキス対策

繰り返しますがアニサキスはサバだけに限った寄生虫ではありません。青物、青魚を中心にいろいろな魚に寄生している可能性があります。どんな魚でも念のための対策はしておきましょう。

サバの刺身を作るときのワンポイント

サバの薄皮の処理

薄皮は手で剥ごう

サバは青物の仲間。体の構造はどれも似たようなものなのでメジロやサゴシをさばく手順とほとんど変わりません。かなり基本的でシンプルな体の構造なので、釣れる魚の中でも特にさばきやすい部類です。ここでは詳細を省きます。

1つだけポイントを挙げるとすれば皮の処理。

サバの表皮は薄皮に覆われてており、これを丁寧に剥ぐことで美しいサバ柄の皮目と脂がのった銀皮の層を残すことができます。包丁を使うより手で剥ぐほうがきれいに処理できるはず。

サバの薄皮を手で剥ぐ
サバの薄皮は手で剥ぐことができる

皮の処理が苦手なら皮ごとバーナーで炙るという選択肢もあります。それはそれで香ばしい風味が加わって美味い。

サバの酢締めを軽く炙ったもの
軽く酢締めしたサバを薄皮ごとバーナーで炙ってみた

産地や養殖方法によって安全に食べられる

最近は生で安全に食べられるサバの流通も増えてきています。

養殖サバと九州地方のサバ

アニサキスが寄生する原因をできるだけ取り除いて養殖したサバ。身に移動することが少ない種類のアニサキスがほとんどの九州地方産のサバ。

手軽に生で食べてみたいという場合は、自分であれこれ頑張るよりそっちを選択するのが圧倒的におすすめ。

なお「九州産のサバにいるアニサキスは食べても無害」という認識は間違いです。内臓から抜け出て身に移る可能性が低い種類のアニサキスが主流だから、誤って口に入れてしまう可能性も低いというのが正解です。そしてやはり100%安全なわけではありません。

アニサキス、九州のサバも要注意 すぐ内臓を取り除き、よくチェック | 西日本新聞me
猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。サバやアジなどを生で食べた人に、寄生虫のアニサキスによる食中毒被害...猫の小町と申します。皆さんがお困りのこと...

陸上養殖ならアニサキスのリスクゼロ

アニサキスはオキアミなどのエサ由来でサバに寄生するもの。

だから人工海水かつ人工飼料をエサにして育てれば100%寄生しようがありません。よってアニサキスに関してはゼロリスクが達成できます。それを実現した陸上養殖も行われています。

お嬢サバ:創造事業(物販飲食・不動産・SC・ホテルなど):JR西日本
地下海水で陸上養殖するため寄生虫が付きにくく、安心して生でお召し上がりいただける「お嬢サバ」

回転寿司などでも手軽に生サバを使ったお寿司を食べられるようになりました。今最も手軽に生のサバを食べられる手段だと思います。安全のためのマージンは広くとってあるはずなので安心して食べていいでしょう。

回転寿司で食べた生サバのお寿司
回転寿司でも食べられる生サバのお寿司

釣り人だからできるサバの鮮度保持対策

アニサキスは鮮度が落ちることで身に移動し食中毒になる可能性が高くなるもの。ヒスタミンもビブリオも同様。鮮度保持が最も重要です。

では釣り人としてサバの鮮度を保持するにはどうすればいいか。釣った直後からの迅速な処理がキーになります。

なるべく冷やして持ち帰ろう

しっかり冷やす 冷やし続ける

まず鉄則なのは釣れた直後から調理までしっかり冷やして保存すること。

これによってアニサキスが内臓から身に移ることを予防し、ヒスタミンの生成を防ぎます。

釣れたらキンキンに冷やした潮氷(海水を氷で冷やしたもの)につけて家まで持ち帰る。手を入れたら指先が痛くなるぐらいの冷たさにした潮氷で。氷は過剰なほど持っていくようにしましょう。空のペットボトルに水をいれて凍らせたものがおすすめです。

なるべく早く内臓を処理しよう

アニサキスが潜む内臓を除去する

次に、なるべく早く内臓を抜くまでの下処理をすること。これもヒスタミンの生成とアニサキスが身に移動することを軽減できます。

必ずその日のうちに。調理できなくても最低限内臓を抜いておくまでの下処理を済ませておきましょう。

いきてる間に血を抜こう

内臓を含め血液にも鮮度落ちの原因となる細菌や酵素が含まれているので、釣り場で血抜きが出来ればなお良しです。これはヒスタミン食中毒対策になります。

サバ折りで血抜きをする

最もかんたんなのはサバ折りという方法。サバの頭を掴んでから背中に向けて頭を折り曲げ、背骨と血管を断ち切ることで魚の動きを止めて効率よく血を抜く。これがサバ折りをする意味。

サバ折りをした場合、少なからず身が割れて身が直接水にさらされることになります。そこから鮮度落ちや臭みが回ることも考えられるので、万全を期すなら脳締めしたうえでエラを切るなどして血抜きをするほうがいいでしょう。

残酷な表現かもしれませんが、なるべく早く絶命させることで身に旨みのもとが残り美味しくいただくことができます。釣り上げたサバはハンドマッサージ機のごとく超高速でビチビチと動くので魚の中でも運動量が多い。どうせ食べるならサバがエネルギーを消費する前に締めて美味しく食べてあげましょう。

その場で内臓を抜いておこう

ヒスチジンがヒスタミンへと変わってしまう元凶は血と内臓にある。そしてアニサキスも多くは内臓の中に寄生している。

釣り場で内臓を抜く

ということは血抜きをしたうえで内臓(エラを含む)を早めに取り去ってしまえばサバにあたる確率を下げられる。

釣り場で血抜きが終わったらその勢いで内臓とエラを抜いちゃいましょう。エラを切ってお腹を開けばスルッと取れます。キッチンバサミが1本あれば簡単にできます。ついでに中骨の下にある赤黒い血合いも指でこそぎ取ればさらに安心。

釣り場で血抜きして内臓も抜いたサバ(オレンジ色のものは卵巣)
釣り場で血抜きして内臓も抜いたサバ(オレンジ色のものは卵巣)

なお、抜いた内臓はその場で捨てずに持って帰って家庭ごみとして処理しましょう。そのまま海に捨てた場合、不法投棄とみなされるおそれがあります。

知ることでリスクは回避できる

サバを生で食べるのは危険。

たしかにそれは間違っていません。アニサキスの寄生が多いという事実には変わりないわけで、それによる食中毒が起こりやすいのも事実。

しかしその食中毒の原因を知りできる限りの対処をすることで、高い確率でリスクを回避できるのもまた事実です。まだ生きている状態から食べるまでの過程を完璧なコントロール下におけるのは釣り人に与えられた特権。この特権を行使しないのはもったいない。

丸々と太ったいいサバが釣れたら刺身を検討してみてはどうでしょうか?

この記事は関西在住の釣り人が書きました

1978年大阪生まれ大阪育ち大阪在住。

家族共通の趣味を持つべく2014年に20年ぶりの釣りを再開。京阪神の海にて活動する小物ハンター。釣りの目的は現実逃避とおかずの確保。海は大きい、自分で釣った魚は美味しい。それでいい。

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