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全魚種共通!釣った魚の基本的な下処理 下ごしらえ

初心者向け魚料理特集

食べられる魚を初めて釣ったあなた。まずはおめでとうございます!

せっかく自分で釣った魚。できるだけ美味しく食べたいですよね。

そのためには家に持ち帰ってなるべく早くやっておきたい下処理があります。下処理を早くやればやるほど鮮度が長く維持できますし、結果としてそれは魚を美味しく、そして安全に食べられることにつながります。

釣りで釣れる魚はたくさんの種類がありますが、おおむねどんな魚にも共通する「その日のうちに最低限これだけやっておくべき」下処理を解説します。

下処理さえしておけば、煮る焼く揚げるなどの調理に時間がとれなくても、数日間は刺身で食べられるほど新鮮な状態で保存することができます。

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ドレスの形状にすることを目標にしよう

釣ったその日に内臓を抜いて水分を除去する

下処理と聞くと、手間暇かかる面倒な処理と思うかもしれません。

でもやるべきことは単純で明確です。この記事では釣った魚の下処理について後ほど詳しく説明していきますが、端的にはこれを言いたいだけです。

その日のうちに内臓を抜き水分を取り除いて冷蔵保存する

エラを含む内臓を取り除いたうえで水分を取り除き冷やしておく。つまり鮮度落ちの原因になる要素を出来るだけ除去するということ。

これをするだけで魚の鮮度保持期間は飛躍的に長くなります。そしてより美味しく食べられるようになります。同時に食中毒対策にもなります。数日間は生で食べても問題なく、もちろん火を通す料理に使っても問題ありません。

釣りから帰ったあとは疲れていると思いますが、頑張って最低限の処理だけをしてしまいましょう。翌日に処理したからといって、いきなり不味くなったり食中毒のリスクが大幅に高まったりするわけではありません。しかしなるべく早く処理するにこしたことはないです。

売ってる魚と釣った魚の形状

魚をどのような状態にまで処理すべきか?

まずはそのイメージを明確にしてゴールを設定しておきましょう。

では魚屋さんやスーパーの魚売り場で売られている魚を思い出してください。調理がしやすいように、様々な形状に加工され売られています。

三枚におろした形状、大きな魚はブツ切りの切り身、皮と骨が取って切り分ければすぐに刺身で食べられる形状。頭も内臓もついたいわゆる丸魚も売られていますが、「さあ今日の晩御飯は魚料理だ!」って夕方の忙しい時間にそれを選んでイチから処理しませんよね。加工された魚は忙しい現代人に合った売り方です。

一方で釣りで釣れた魚はどうでしょう。

もちろん頭も内臓もついてます。ウロコもびっしり。なんか全体的にヌルヌルしてます。生臭いです。それらすべてを自分自身で処理せねばなりません。最近ではスーパーに持ち込んで下処理をしてくれるサービスもあるようですが。

持ち込んだ魚の処理はもちろん有料です。持ち込む手間も時間も料金も惜しまないなら有用だと思いますが、釣りをするからには自分で下処理されるのをおすすめします。

ドレスの形状に処理すれば鮮度長持ち

先ほど書いたように魚売り場では様々な形状に魚が加工され売られているわけですが、それぞれの形状に名前が付けられて流通しています。

業務用食品の日栄商事さんのサイトに詳しくて分かりやすい説明があります。

何も加工していない状態が「ラウンド」。

ラウンド状態のアジ
何も処理してない状態がラウンド(丸)

一般的には「丸のまま」とか「丸魚」で通じます。これを基本にして処理していくわけですね。ちなみに上の写真はラウンド状態のマアジ。内臓やエラがそのままなので鮮度落ちする要因が残ったままといえます。

ラウンドの状態から内臓とエラを取り除いだ形状が「セミドレス」。

セミドレス状態のニジマス
セミドレス状態のニジマス

頭はついていますが、魚のパーツの中でもとりわけ傷みやすい内臓とエラが除去されています。このおかげで、丸魚と比べて長く鮮度を保つことができます。これは管理釣り場で釣った40センチぐらいのニジマスをセミドレスにした状態。

ちなみにこのニジマスはセミドレス状態のまま2日ほど冷蔵庫で保存したのち刺身にして食べました。内臓とエラをとってしまえば、数日経っても問題なく刺身で食べられるんです。

セミドレスから頭を取り除いた形状が「ドレス」。

ドレス状態のアジ
ドレス状態のアジ

これはマルアジがドレスになったもの。

この記事ではこのドレスの状態まで下処理することをゴールとします。

1~2日以内に食べるなら、内臓とエラさえ取り除けばセミドレスでもドレスでもいいと思います。でも頭が付いてるとけっこうかさばるので、家庭の冷蔵庫では場所を取ってしまいます。

より厳密に美味しく食べたいというなら頭を落とさず、身の断面に空気が触れないようにした方がいいでしょうが、家で食べるならそこまでこだわらなくてもいいと思います。効率も優先。

鮮度を保ったまま保存するためには、ドレスの形状にして以下の要素を可能な限り取り除くことを念頭に置きましょう。

鮮度を保つために魚から取り除いておくべきもの
  • 内蔵
  • エラ
  • 血合い
  • 魚の表皮にあるウロコやぬめり
  • 表皮や腹腔の水分

これらをそのままにしておくと、雑菌の繁殖、腐敗、そして臭みの発生原因となります。

急いで三枚におろす必要はない

魚の処理、それはすなわち「三枚おろしにすること」という固定観念がないですか?

魚の扱いに慣れていなければ、魚の下処理と聞くと「必ず三枚におろす必要がある」と思われるかもしれません。

もちろん三枚におろしておけばその後の調理も食べるときも楽です。しかし焼き魚や煮魚などにする場合は、ドレスの形状で調理できることがほとんど。むしろ骨が支えというか芯のような役割をするので、熱を加えても身を崩さずに調理することができます。それに皮の直下や骨の周りにある身は美味しい。

また、魚の身の酸化を遅らせて長く鮮度を保ちたいなら、なるべく身が空気に触れないほうがいい。だから数日であれば骨や皮がついた形状のほうが保存という観点では適切といえます。そもそも生き物の皮というのは体を保護するためのもの。天然のサランラップみたいなもんです。人間だってそう。

回転ずしチェーンがわざわざ「店内皮引き」を売りにしてたりするじゃないですか?あれは、お客さんに食べてもらう直前まで皮が付いた状態で鮮度維持してますよっていうアピールです。それが本当に効果的かどうかはさておき。

処理の流れと下処理のために必要な道具

下処理の流れ

釣った魚の下処理をする大まかな流れを確認しましょう。

魚の下処理をする流れ
  1. 魚の表面にあるヌメリや汚れをとる
  2. なるべく内臓を傷つけずに頭を落とす
  3. エラと内臓を取り除く
  4. 血合いを掻き出してお腹を掃除する
  5. 水分をなるべく取り除いて冷蔵庫で保存

この流れは後ほど具体的に説明していきます。

下処理に必要な道具

下処理に必要な道具はこちら。

見出し
  • 包丁あるいはキッチンバサミ
  • お腹を掃除するための歯ブラシ
  • 水分を取り除くためのキッチンペーパー
  • 冷蔵保存するためのタッパジップロック的な袋

それぞれ補足していきます。

小魚ならキッチンバサミだけで処理できる

20センチ程度までの小さな魚であれば、無理に包丁を使わずともキッチンバサミで下処理できます。包丁が苦手でも大丈夫。魚のウロコやヌメリなどがハサミの隙間に挟まったり錆びたりしやすいので、2つに分解できるタイプをおすすめします。

魚の頭を落とす、お腹を開く、エラを切り離す、内臓を切り離す、血合いに刃を入れるなど、小魚の下処理はだいたいキッチンバサミだけで可能。大きい魚になると包丁が必要ですが、15センチぐらいまでの魚ならなんとかなります。

もちろん包丁の扱いに慣れているのであれば包丁をお使いください。キッチンバサミより早く、そしてきれいな処理ができるはずです。断面がきれいなほうが見た目もいいし美味しく仕上がります。三枚におろす場合も包丁が必須です。

掃除用に歯ブラシを使おう

歯ブラシは魚の表面やお腹の中を掃除するときに役立ちます。特に、魚の背骨の下に張り付いている血合いを取り除くにはとても便利です。

歯ブラシでお腹の中を掃除する
歯ブラシでお腹の中を掃除する

使い古しで毛がバサバサになったものでも構いません。小魚なら子供用のヘッドが小さい歯ブラシのほうが使いやすいです。

無ければ手や指でゴシゴシすることで代用できますが、魚の表面やお腹の中には尖った箇所がある場合も。けがを防止するためにも歯ブラシなどの道具を使ったほうが安全です。

業務用ではこのような「ささら」という道具を使います。

でも家庭での処理なら歯ブラシで十分です。汚れたら躊躇なく捨てられるし、必ずストックがあるでしょうし。

水分除去用にキッチンペーパーを

キッチンペーパーは、調理中や保存時に魚の水分を取り除くために使用します。

水分除去は魚の鮮度保持や臭みの低減に大変重要です。魚だけではなく、処理工程ごとにまな板を洗って、その水分除去にも使います。安いものでいいのでたくさん用意しておきましょう。

保存時も、魚をキッチンペーパーをくるんでおけばしっかり水分が抜けます。大きな魚なら、内臓を抜いた後のお腹の部分に詰めたりもします。

保存容器としてのタッパやジップロック

下処理が終わった魚を冷蔵庫で保存するため、大きめのタッパやチャック付きビニール袋を用意しておくと便利です。

袋は基本的に使い捨てるものなので、100均で売っているような安いもので問題ありません。私はもっぱらダイソーのチャック付きフリーザーバッグを愛用しています。アイラップなど薄手のビニール袋だと魚のヒレなど尖った部分で簡単に穴が空いてしまいますので、すこし厚みのある丈夫なものを選びましょう。

保存だけではなく、魚に小麦粉や片栗粉をまぶすときに使ったり、酢と魚を入れて酢漬けにするときなど調理にも使えます。おすそ分けにも便利ですね。

私は魚専用の大きなタッパを用意して、そこにぎちっと詰めてから冷蔵庫に入れておくことが多いです。これはサバですが、きれいに隙間なく詰められると気持ちいい。

タッパに詰められた下処理済みのサバ
タッパに詰められた下処理済みのサバ

魚やその日の釣れ具合によりますが、タッパに詰めた魚はずっしりと重くて満足感を感じます。

魚を捌くために必要は道具はこちらの記事で詳しく解説しています。

魚の基本的な下処理手順を解説

では魚の下処理をする具体的な手順を説明していきます。もう一度、大まかな流れをおさらいしましょう。

魚を処理する大まかな流れ
  1. 魚の表面にあるヌメリやウロコ、汚れをとる
  2. なるべく内臓を傷つけずに頭を落とす
  3. エラと内臓を取り除く
  4. 血合いを掻き出してお腹を掃除する
  5. 表皮や腹腔の水分をなるべく取り除いて冷蔵庫で保存

面倒ですが、数をこなせば効率よくできるはずです。頑張って!

ここではアジの下処理を例にして説明していきます。

魚によって身の形や骨の形状が違うので、どんな魚でも同じようにすんなりいくわけではないですが、まずはアジやサバなど基本的な形の魚で覚えれば応用がききます。

魚の表面にあるヌメリやウロコ 汚れをとる

まずは魚の表面を水道水で流しながら表面の汚れやヌメリをとっていきます。ウロコもこの段階で落としておきましょう。水道水で表面を洗うことは、腸炎ビブリオによる食中毒対策にもなります。

小型の青魚なら、ここで歯ブラシを使って表面をこするだけで同時にウロコも取れます。

水を流しながらヌメリとウロコをとる
水を流しながらヌメリとウロコをとる

そこが持ち手になるので、頭や尾びれがついている状態のほうがウロコはとりやすいです。

揚げ物だとパリパリになるので気になりませんが、刺身や煮魚にウロコが混じっていると異物感を感じますし、そこに汚れやぬめりが貯まりやすいため臭みのもとにもなります。ウロコ取り、あるいは包丁の刃を立てて、尾から頭のほうへ刃先を滑らせてウロコをこそげとっていきます。

ウロコ取りがなければペットボトルの蓋などを代用できますが、尖ったヒレなどでケガをしないよう十分に気をつけてください。個人的にはあまりおすすめしません。何度もそれで怪我をしたので。

15センチ程度の小さなアジやイワシなどの青魚であれば、それほどウロコは目立ちませんし、持ち帰る途中のクーラーの中で大部分がとれているはず。歯ブラシで表面をこするだけでだいたい落ちます。

大きなウロコがびっしりついたタイのようなタイプの魚は、ウロコ取りを使ってしっかりとりましょう。

まずは100均で売ってるウロコ取りでも十分に使えます。魚によってはウロコ取りで取ったウロコが飛び散りやすいので、その場合は水を流しながらやると飛散が軽減できます。

ウロコが大きい魚の場合、背びれの近くにあるウロコなどを残してしまうと、そのあと3枚におろすときなど邪魔になります。

なお、ヌメリは完璧にとるのが難しいです。水を流しながらゴシゴシやってると、無限に湧いてくるかのよう。適当なところで切り上げましょう。後の処理で、キッチンペーパーなどで水分を取り除いてやればあまり気にならなくなるはず。

どうしても気になるなら酢を使うという方法があります。

なるべく内臓を傷つけずに頭を落とす

次に頭をおとしていきます。

頭と胴体の間に刃をいれてそのまま真っ二つ!でもいいのですが、なるべく内臓を傷つけないほうが臭み防止という点でベターです。その魚が食べているエサによっては、胃袋を切り裂いてしまうと悪臭を発することがあるので気を付けましょう。

まずキッチンバサミあるいは包丁で頭の後ろを半分ほど、ちょうど背骨を断ち切るあたりまで切断しましょう。このとき、まだお腹側は皮でつながっている状態です。

頭を半分切って背骨を断ち切る
頭を半分切って背骨を断ち切る

小魚であればそのまま頭をつかんで引きちぎるように下方向へもっていけば、エラと内臓と胸ビレが頭と一緒についてきます。このように。

頭をつかんで引くと内臓ごと取れる
頭をつかんで引くと内臓ごと取れる

大きな魚だとそのまま引きちぎるのが難しくなってくるので、包丁で皮一枚程度の深さでお腹周りにぐるりと浅い切り込みをいれてから頭を引きちぎってください。同じように頭を引っ張れば、エラと内臓と胸ビレが一緒に取れます。

内臓がついた頭はそのまま捨てましょう。それで出汁をとるということもできますが、エラを取り除くなど下処理が面倒だったりします。

エラと内臓を取り除く

頭を引きちぎった時点で消化器系の内臓は大部分が取り除かれますが、それでもいくつかは残ってしまいます。

これらを取り除くにはお腹を開く必要があります。魚のお腹から肛門があるところまで刃を入れて切り開いてください。ハサミでチョキチョキやってもいいし、包丁で切るのもいいです。包丁で切る場合は、肛門から頭の方向に刃を進ませればスムーズに切れます。

残りやすい内臓がいくつかあります。

まずは浮き袋。背骨の下あたりにある、白い膜につつまれた風船のようなものがそれです。これはつまんで引っ張るだけでシールのようにペリペリと剥がれます。魚によってほとんど目立たないものもあれば、空気がパンパンに詰まった風船のような状態のことも。

もうひとつ、肛門に繋がった長細い腸も残っているはずです。これも引っ張れば簡単に取れます。ここにアニサキスなどの寄生虫が潜んでいることが多いので、刺身にするならより念入りに取り除きましょう。

寄生虫や食中毒は怖いものですが、しっかりした処理をすることでほとんど回避できます。

ここまでくればお腹の中はすっからかん。内臓がすべて除去できたような気になりますが、実はもう一つ必ず除去すべき重要な内臓が残っています。

血合いを掻き出してお腹を掃除する

魚の処理に不慣れな人が見逃しがちなのが「血合い」です。血ワタとも呼ばれます。

魚の身において俗に「血合い」と呼ばれるものは2箇所ありますが、それぞれ異なる部位です。

ひとつは皮に近い身にある黒っぽい部分。ブリの照り焼きなんかだと分かりやすいですが、皮の下にある赤くて柔らかい身の部位です。火を通すと黒くなります。生の状態だと鮮度が落ちるにつれ赤黒く変色します。

もうひとつが背骨の下にある血が固まったような部分。どんな魚にも例外なくあります。

包丁で血合いの膜を切ってかきだす
包丁で血合いの膜を切ってかきだす

太い血管のように見えますが実際は腎臓。これも内臓の一部です。どす黒い血の塊のようなものなので、これを残しておくと鮮度低下や臭みの原因となります。初心者は見落としがちですが、どんな魚であれ必ず取り除きましょう。

小さな魚であれば歯ブラシなどでこするだけで落ちます。大きな魚の場合は、それを覆う白い膜に包丁で切れ目を入れてから歯ブラシでこすることで除去できます。

流水で流しながら歯ブラシでゴシゴシして、白い背骨が見えるまできれいに落としましょう。

歯ブラシで血合いを掻き出す
歯ブラシで血合いを掻き出す

アジサバイワシのような青魚はお腹周りが一面黒い膜で覆われており、これも臭みの原因となります。サヨリも同じくお腹が黒くて「サヨリの腹黒」という言葉で有名です。血合いと一緒に歯ブラシでこすれば簡単に落ちます。

ほんとに歯ブラシは役に立つぞ!

なお血合いの除去については、串や爪楊枝を輪ゴムで数本束ねたものを使うのも便利です。歯ブラシが無ければ思い出してください。

魚の身が水道水に触れると鮮度が落ちる味が落ちると言われますが、この工程まではジャブジャブ水を流して臭みの原因、食中毒の原因を取り除くことをおすすめします。反対にこれ以降はできる限り水分に触れさせないようにするのが魚を美味しく食べるコツです。

水分をなるべく取り除いて冷蔵庫で保存

ここまでくれば下処理はほぼ完了。

冷蔵庫で保存する前に、キッチンペーパーなどで魚の表面とお腹周りに残った水分をできるだけ取り除いてください。水分は鮮度低下と臭みのもとです。

水分が取り除けたら冷蔵庫で保存します。その際、再び新しいキッチンペーパーに包んでおくと保存中もより確実に水分が取り除けます。これはタチウオをキッチンペーパーに包もうとしているところ。新鮮なのでピッカピカです。

キッチンペーパーを使って水分を取りのぞく
キッチンペーパーを使って水分を取りのぞく

それらをまとめて、袋やタッパに入れて冷蔵庫へ。

キッチンペーパーに包んだまま冷蔵庫へ
キッチンペーパーに包んだまま冷蔵庫へ

大きな魚の場合は、キッチンペーパーを丸めてお腹に詰めておくとより水分除去に効果的。

例を見てみましょう。

これは関西でいうところのガシラ、つまりカサゴです。後でお刺身の飾りにするため頭は残したままのセミドレス形状。お腹にキッチンペーパーを詰めています。

刺身にするためセミドレス状態のガシラ(カサゴ)
刺身にするためセミドレス状態のガシラ(カサゴ)

魚種にもよりますが、このまま冷蔵庫に入れておくと、2~3日間は問題なく刺身で食べられます。定期的にキッチンペーパーを取り換えればさらに効果的。焼くなり煮るなり揚げるなりする調理の場合は、もう数日問題なく延長できます。

しっかり丁寧に処理さえすれば意外なほど魚の鮮度は長持ちしますし、ほとんど魚は適度な保存期間を設けることで刺身で食べる際の旨味が増します。

刺身ってハードルの高い料理と思われるかもしれませんが、釣り人にとっては最も手軽な魚の食べ方の一つ。しっかり下処理をしていろんな魚の刺身を味わってみてください!

鮮度を保ったまま魚を保存するコツ

釣ってから家に持ち帰るまでポイントも説明しておきます。

釣れたら持ち帰るまでしっかり冷やす

小魚が釣れたときなどは、いったん水くみバケツにキープすることがあると思います。

しかし夏場だとどんどん水温が上がり、アジサバイワシなどの青魚はすぐに死んでしまいます。そのままバケツに放置しておくことは、積極的に鮮度を下げて食中毒のリスクを高めることと同じ。

釣れたらなるべく早くキンキンに冷えたクーラーボックスの中に入れ、氷締めしたうえで保存してください。その後の鮮度維持に大きな影響をもたらします。

大きな魚は釣り場で内臓とエラを抜いておく

ある程度大きな魚が釣れた場合は、その場で血抜きをして内臓とエラを抜いておくと鮮度維持に効果的です。

血抜きと聞くと大げさなことのように思えますが、ハサミでエラを切るだけでもかなり血抜きの効果があります。大きな魚が釣れたらハサミなどでエラを切って、海水を入れたバケツに頭から放り込んでおきましょう。尾っぽを持ってフリフリするのも効果的。バケツの海水がみるみる赤く染まっていけば血が抜けている証拠です。

暑い時期はバケツにくんだ海水がすぐにお湯のようになってしまい、そこに魚を漬けておくとどんどん鮮度落ちしてしまいます。血抜きはそこそこで早めにクーラーボックスへ入れて冷やしましょう。

サバの血抜き中

エラは背中側に近い部分の根元を断ち切るのがコツ。

その後エラをすべて取り除いてお腹お開き内蔵を出しておきます。これは40センチちょっとのハマチを釣って血抜きをしたのち、内蔵を出そうとしているところです。

内臓処理をしようとしているハマチ
内臓処理をしようとしているハマチ

ここでも分解できるキッチンばさみが役に立ちます。

以上のことを含め、釣ってからすぐにやるべきことをまとめましたので、こちらをご覧ください。

丁寧に下処理すればたいがいの魚は美味しい

釣り人の間では、よく釣れる魚でも「臭くて食えたもんじゃない」と言われる魚がいます。

たとえば都市近郊の海で釣れたクロダイ(チヌ)なんかはその代名詞的な魚。いろいろな場所で釣れて引きが強いので釣りの対象魚としては人気が高いのですが、持って帰って食べる人は意外と少ない。シーバス、つまりスズキなんかもその傾向があります。

その魚を釣った時期や場所、その魚がどんなエサを食べているかによって確かに臭くなる傾向もあるのですが、きちんと丁寧な処理をすれば美味しく食べられることも多いのです。

これは大都市近郊の波止で秋に釣れた50センチ弱のチヌ、つまりクロダイを刺し身にしたもの。右側にある、マダイに似た赤い身がそれです。

サゴシとチヌの刺身盛り
丁寧に処理すれば都会で釣れたチヌも臭くない

なお、左側にある皮を炙った刺身はサゴシ。これもまた臭い魚とされています。

食べた結果、どちらも臭みなんてなし。美味しくいただくことができました。迅速に、そして適切に下処理をしたおかげ。

食べられる魚が釣れたらちょっとだけ手間を掛けて下処理をしてみましょう。釣りから帰ったら疲れているかもしれませんが、できるだけその日のうちに。きっと美味しく食べることができるはずです。

この記事は関西在住の釣り人が書きました

1978年大阪生まれ大阪育ち大阪在住。

家族共通の趣味を持つべく2014年に20年ぶりの釣りを再開。京阪神の海にて活動する小物ハンター。釣りの目的は現実逃避とおかずの確保。海は大きい、自分で釣った魚は美味しい。それでいい。

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