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全魚種共通!釣った魚の基本的な下処理・下ごしらえ

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せっかく自分で釣った魚、持ち帰って食べるのならできるだけ美味しく食べたいですよね。

そのためには、釣れてからなるべく早くやっておきたい下処理があります。下処理を早くやればやるほど鮮度が長く維持できますし、結果としてそれは魚を美味しく、そして安全に食べられることにつながります。

釣りで釣れる魚はたくさんの種類がありますが、どんな魚にも共通する「その日のうちに最低限これだけやっておくべき」下処理の手順を解説します。しっかり下処理さえしておけば、煮る焼く揚げるなどの調理に時間がとれなくても、数日間は刺身で食べられるほど新鮮な状態で日持ちさせることができます。

「ドレス」の形状にすることを目標に

売ってる魚と釣った魚の形状

魚屋さんやスーパーの魚売り場でパックに入った状態で売られている魚。

調理がしやすいように、様々な形状に加工され売られています。三枚におろした形状だったり、大きな魚は切り身にされていたり、すぐに刺身で食べられる形状だったり。もちろん頭も内臓もついたいわゆる「丸魚」も売ってますが、「さあ今日の晩御飯は魚料理だ!」って夕方の忙しい時間にそれを選んでイチから処理しませんよね。加工された魚は忙しい現代人に合った売り方だといます。

一方で釣りで釣れた魚。

もちろん頭も内臓もついてます。ヌルヌルしてます。生臭いです。それらすべてを自分自身で処理せねばなりません。最近ではスーパーに持ち込んで下処理をしてくれるサービスもあるようですが。

釣って持ち込んだ魚の処理はもちろん有料です。持ち込む手間も時間も料金も惜しまないなら有用だと思いますが、釣りをするからには自分で下処理されるのをおすすめします。

ドレスの形状に処理すれば鮮度長持ち

先ほど書いたように魚売り場では様々な形状に魚が加工され売られているわけですが、それぞれの形状に名前が付けられて流通しています。

業務用食品の日栄商事さんのサイトに詳しくて分かりやすい説明があります。

何も加工していない状態が「ラウンド」。「丸魚」とも呼びます。これを基本にして処理していくわけですね。ちなみにこれはラウンド状態のマアジ。

ラウンドの状態から内臓とエラを取り除いだ形状が「セミドレス」。頭はついていますが、魚のパーツの中でもとりわけ傷みやすい内臓とエラが除去されているので、丸魚と比べて長く鮮度を保つことができます。これは管理釣り場で釣った40センチぐらいのニジマスをセミドレスにした状態。

ちなみにこのニジマスはセミドレス状態のまま2日ほど冷蔵庫で保存したのち刺身にして食べました。内臓とエラをとってしまえば、数日経っても刺身で食べられるんです。

セミドレスから頭を取り除いた形状が「ドレス」。これはマルアジがドレスになったもの。

この記事ではこのドレスまで下処理することを目標とします。

鮮度維持の観点でいえば、ドレスとセミドレスはほとんど差がありません。頭がないだけで、それ自体は特に傷みやすいものでもないので。なので内臓とエラさえ取り除けば、セミドレスでもドレスでもいいのですが、頭が付いてるとけっこうかさばります。下処理後に一定期間保存することを目的とするならドレスのほうが省スペース。冷蔵庫も圧迫しません。

いずれにせよ、鮮度を保ったまま保存するためには、ドレスかセミドレスの形状にして以下の要素をできるだけ取り除くことを念頭に置きましょう。

  • 内蔵
  • 魚の表皮にあるウロコやぬめり
  • 表皮や腹腔の水分

これらをそのままにしておくと、雑菌の繁殖、腐敗、そして臭みの発生原因となります。

必ずしも三枚におろす必要はない

魚の扱いに慣れていなければ、魚の下処理と聞くと「必ず三枚におろす必要がある」と思われるかもしれません。「魚の処理=三枚おろし」だという固定観念がないですか?かつての私にはありました。

もちろん三枚におろしておけばその後の調理も食べるときも楽ではあります。しかし焼き魚や煮魚などにする場合は、ドレスの形状で調理できることがほとんど。むしろ骨が支えというか芯のような役割をするので、身を崩さずに調理することができます。それに皮や骨の周りにある身は美味しい。

また、魚の身の酸化を遅らせて長く鮮度を保ちたいなら、なるべく身が空気に触れないほうがいい。だから骨や皮がついた形状のほうが保存という観点では適切といえます。

魚の下処理のために準備をしよう

下処理の流れ

釣った魚の下処理をする大まかな流れは以下の通りです。

  1. 魚の表面にあるヌメリや汚れをとる
  2. なるべく内臓を傷つけずに頭を落とす
  3. エラと内臓を取り除く
  4. 血合いを掻き出してお腹を掃除する
  5. 水分をなるべく取り除いて冷蔵庫で保存

この流れは後ほど具体的に説明していきます。

下処理に必要な道具

下処理に必要な道具はこちら。

  1. 包丁あるいはキッチンバサミ
  2. 歯ブラシ
  3. キッチンペーパー
  4. タッパやジップロック的な袋

小魚なら包丁を使わなくてもキッチンバサミだけで大丈夫

20センチ程度までの小さな魚であれば、無理に包丁を使わずともキッチンバサミで下処理できます。包丁が苦手でも大丈夫。魚のウロコやヌメリなどがハサミの隙間に挟まりやすいので、2つに分解できるタイプをおすすめします。

魚の頭を落とす、お腹を開く、エラを切り離す、内臓を切り離す、血合いに刃を入れるなど、小魚の下処理はだいたいキッチンバサミだけで可能。大きい魚になると包丁が必要ですが、20センチぐらいまでの魚ならなんとかなります。

もちろん包丁の扱いに慣れているのであれば包丁をお使いください。キッチンバサミより早く、そしてきれいな処理ができるはずです。

掃除用に歯ブラシを使おう

歯ブラシは魚の表面やお腹の中を掃除するときに役立ちます。使い古しで毛がバサバサになったもので構いません。小魚なら子供用のヘッドが小さい歯ブラシのほうが使いやすいです。

無ければ手や指でゴシゴシすることで代用できますが、魚の表面やお腹の中には尖った箇所がある場合も。けがを防止するためにも歯ブラシなどの道具を使ったほうが安全です。

業務用ではこのような「ささら」という道具を使いますが、ご家庭での処理なら歯ブラシで十分です。むしろ歯ブラシのほうが使いやすいし、汚れたら躊躇なく捨てられるし。

水分除去用にキッチンペーパーを

キッチンペーパーは、調理中や保存時に魚の水分を取り除くために使用します。

水分除去は魚の鮮度保持や臭みの低減に大変重要です。魚だけではなく、処理工程ごとにまな板を洗って、その水分除去にも使います。安いものでいいのでたくさん用意しておきましょう。

保存時も、魚をキッチンペーパーをくるんでおけばしっかり水分が抜けます。大き目の魚なら、内臓を抜いた後のお腹の部分に詰めたりもします。

保存容器としてのタッパやジップロック

下処理が終わった魚を冷蔵庫で保存するため、大きめのタッパやジップロック的なチャック付きビニール袋を用意しておくと便利です。

袋は基本的に使い捨てるものなので、100均で売っているような安いもので問題ありません。私はもっぱらダイソーのチャック付きフリーザーバッグを愛用しています。薄手のビニール袋だと魚のヒレなど尖った部分で簡単に穴が空いてしまいますので、すこし厚みのある丈夫なものを選びましょう。

保存だけではなく、魚に小麦粉や片栗粉をまぶすときに使ったり、酢と魚を入れて酢漬けにするときなど調理にも使えます。おすそ分けにも便利ですね。

私は魚専用の大きなタッパを用意して、そこに詰めてから冷蔵庫に入れておくことが多いです。これはサバですが、きれいに隙間なく詰められると気持ちいい。

魚やその日の釣れ具合によりますが、タッパに詰めた魚はずっしりと重くて満足感を感じます。

魚の基本的な下処理手順を解説

では魚の下処理をする具体的な手順を説明していきます。もう一度、大まかな流れをおさらいしましょう。

  1. 魚の表面にあるヌメリやウロコ、汚れをとる
  2. なるべく内臓を傷つけずに頭を落とす
  3. エラと内臓を取り除く
  4. 血合いを掻き出してお腹を掃除する
  5. 表皮や腹腔の水分をなるべく取り除いて冷蔵庫で保存

面倒ですが、数をこなせば効率よくできるはずです。頑張って!

ここではアジの下処理を例にして説明していきます。

魚によって身の形や骨の形状が違うので、どんな魚でもすんなりいくわけではないですが、まずはアジやサバなど基本的な魚で覚えれば応用がきくはずです。

魚の表面にあるヌメリやウロコ 汚れをとる

まずは魚の表面を水道水で流しながら表面の汚れやヌメリをとっていきます。ウロコもこの段階で落としておきましょう。

小型の青魚なら、ここで歯ブラシを使って表面をこするだけで同時にウロコも取れます。

そこが持ち手になるので、頭がついている状態のほうがウロコはとりやすいです。

揚げ物だとパリパリになるので気になりませんが、刺身や煮魚にウロコが混じっていると異物感を感じますし、そこに汚れやぬめりが貯まりやすいため臭みのもとにもなります。ウロコ取り、あるいは包丁の刃を立てて、刃先を尾から頭のほうへ滑らせてウロコをこそげとっていきます。

15センチ程度の小さなアジやイワシなどの青魚であれば、それほどウロコは目立ちませんし、持ち帰る途中のクーラーの中で大部分がとれているはず。歯ブラシで表面をこするだけでもだいたい落ちます。

大きなウロコがびっしりついたタイのようなタイプの魚は、ウロコ取りを使ってしっかりとりましょう。

ウロコが大きい魚の場合、背びれの近くにあるウロコなどを残してしまうと、そのあと3枚におろすときなど邪魔になります。

なお、ヌメリは完璧にとるのが難しいです。水を流しながらゴシゴシやってると、無限に湧いてくるかのよう。適当なところで切り上げましょう。後の処理で、キッチンペーパーなどで水分を取り除いてやればあまり気にならなくなるはずです。

どうしても気になるなら酢を使うという方法があります。

なるべく内臓を傷つけずに頭を落とす

次に頭をおとしていきます。

頭と胴体の間に刃をいれてそのまま真っ二つ!でもいいのですが、なるべく内臓を傷つけないほうが臭み防止という点でベターです。その魚が食べているエサによっては、胃袋を切り裂いちゃうと悪臭を発することがあるので気を付けましょう。

まずキッチンバサミあるいは包丁で頭の後ろを半分ほど、ちょうど背骨を断ち切るあたりまで切断しましょう。このとき、まだお腹側は皮でつながっている状態です。

小魚であればそのまま頭をつかんで引きちぎるように下方向へもっていけば、エラと内臓と胸ビレが頭と一緒についてきます。このように。

大き目の魚だとそのまま引きちぎるのが難しくなってくるので、包丁で皮一枚程度の深さでお腹周りにぐるりと浅い切り込みをいれてから頭を引きちぎってください。同じように頭を引っ張れば、エラと内臓と胸ビレが一緒に取れます。

エラと内臓を取り除く

頭を引きちぎった時点で消化器系の内臓は大部分が取り除かれますが、それでもいくつかは残ってしまいます。

これらを取り除くにはお腹を開く必要があります。魚のお腹から肛門があるところまで刃を入れて切り開いてください。ハサミでチョキチョキやってもいいし、包丁でスッと切るのもいいです。

残っている内臓。まずは浮き袋。背骨の下あたりにある、白い膜につつまれた風船のようなものがそれです。これはつまんで引っ張るだけでペリペリと剥がれます。魚によってほとんど目立たないものもあれば、空気がパンパンに詰まったソーセージのような状態のことも。

もうひとつ、肛門に繋がった長細い腸も残っているはずです。これも引っ張れば簡単に取れます。ここにアニサキスなどの寄生虫が潜んでいることが多いので、刺身にするならより念入りに取り除きましょう。

寄生虫や食中毒は怖いものですが、しっかりした処理をすることでほとんど回避できます。

内臓の中に黄色やオレンジ色のツブツブ見える卵巣が入っていたらラッキー。だいたいの魚の卵は食べられます。煮付けなどにすると格別。

肌色でのっぺりした肝臓、つまり肝も、新鮮ならそのまま、あるいはさっと湯通しするなどして食べられますが自己責任で。

その他、胆のうなど緑色系の内臓がついてることがありますが、これはだいたい苦い汁が入っているので、破れないよう丁寧に取り除きましょう。破いてしまうと身に苦みが移ります。緑色の内臓はヤバイ。食べられない。覚えておきましょう。

ここまでくればお腹の中はすっからかん。内臓がすべて除去できたような気になりますが、実はもう一つ必ず除去すべき重要な内臓が残っています。

血合いを掻き出してお腹を掃除する

魚の処理に不慣れな人が見逃しがちなのが「血合い」です。血ワタとも呼ばれます。

魚の身において血合いと呼ばれるものは2箇所ありますが、それぞれ異なる部位です。ひとつは皮に近い身にある黒っぽい部分。ブリの照り焼きなんかだと分かりやすいですが、皮の下にある赤黒くて柔らかい身の部位です。

もう1箇所が背骨の下にある血が固まったような部分。どんな魚にも例外なくあります。

太い血管のように見えますが実際は腎臓。これも内臓の一部です。どす黒い血の塊のようなものなので、これを残しておくと鮮度の低下や臭みの原因となります。必ず取り除きましょう。

小さな魚であれば歯ブラシでこするだけで落ちます。大きな魚の場合は、それを覆う白い膜に包丁で切れ目を入れてから歯ブラシでこすることで除去できます。

流水で流しながら歯ブラシでゴシゴシして、白い背骨が見えるまできれいに落としましょう。

アジサバイワシのような青魚はお腹周りが一面黒い膜で覆われており、これも臭みの原因となります。サヨリも同じくお腹が黒くて「サヨリの腹黒」という言葉で有名です。血合いと一緒に歯ブラシでこすれば簡単に落ちます。

ほんとに歯ブラシは役に立つぞ!

魚の身が水に触れると鮮度が落ちると言われますが、この工程まではジャブジャブ水を流して臭みの原因を取り除くことをおすすめします。反対にこれ以降はできる限り水分に触れさせないようにするのが魚を美味しく食べるコツです。

水分をなるべく取り除いて冷蔵庫で保存

ここまでくれば下処理はほぼ完了。

冷蔵庫で保存する前に、キッチンペーパーなどで魚の表面とお腹周りに残った水分をできるだけ取り除いてください。水分は鮮度低下と臭みのもとです。

水分が取り除けたら冷蔵庫で保存します。その際、再び新しいキッチンペーパーに包んでおくと保存中もより確実に水分が取り除けます。これはタチウオをキッチンペーパーに包もうとしているところ。新鮮なのでピッカピカです。

それらをまとめて、ジップロック的な袋やタッパに入れて冷蔵庫へ。

大きな魚の場合は、キッチンペーパーを丸めてお腹に詰めておくとより効果的。

これは関西でいうところのガシラ、つまりカサゴです。後でお刺身の飾りにするため頭は残したセミドレス形状です。

魚種にもよりますが、このまま冷蔵庫に入れておくと、2~3日間は問題なく刺身で食べられます。焼くなり煮るなり揚げるなりする調理の場合は、もう2日ほど延長できます。

しっかり丁寧に処理さえすれば意外なほど魚の鮮度は長持ちしますし、ほとんど魚は適度な保存期間を設けることで刺身で食べる際の旨味が増します。

刺身ってハードルの高い料理と思われるかもしれませんが、釣り人にとっては最も手軽な魚の食べ方の一つ。しっかり下処理をしていろんな魚の刺身を味わってみてください!

鮮度を保ったまま魚を保存するコツ

釣れたら持ち帰るまでしっかり冷やす

小魚が釣れたときなどは、いったん水くみバケツにキープすることがあると思います。

しかし夏場だとどんどん水温が上がり、アジサバイワシなどの青魚はすぐに死んでしまいます。そのままバケツに放置しておくことは、積極的に鮮度を下げることと同じ。

釣れたらなるべく早くキンキンに冷えたクーラーボックスの中に入れて保存してください。その後の鮮度維持に大きな影響をもたらします。

大きな魚は釣り場で内臓とエラを抜いておく

ある程度大きな魚が釣れた場合は、その場で血抜きをして内臓とエラを抜いておくと鮮度維持に効果的です。

血抜きと聞くと大層なことのように思えますが、まずはハサミでエラを切るだけでもかなり血抜きの効果があります。大きな魚が釣れたらハサミでエラを切って、しばらく海水を入れたバケツに放り込んでおきましょう。バケツの海水がみるみる赤く染まっていけば血が抜けている証拠。10分もつけておけば十分です。

その後エラをすべて取り除いてお腹お開き内蔵を出しておきます。これは40センチちょっとのハマチが釣れた直後にエラを切って内蔵を出そうとしているところです。

ここでも分解できるキッチンばさみが役に立ちます。

丁寧に下処理すればどんな魚も美味しい!

釣り人の間では、よく釣れる魚でも「臭くて食えたもんじゃない」と言われる魚がいます。

たとえば都市近郊の海で釣れたクロダイ(チヌ)なんかはその代名詞的な魚。いろいろな場所で釣れて引きが強いので釣りの対象魚としては人気が高いのですが、持って帰って食べる人は意外と少ない。シーバス、つまりスズキなんかもその傾向があります。

その魚を釣った時期、その魚がどんなエサを食べているかによって確かに臭くなる傾向もあるのですが、きちんと丁寧な処理をすれば美味しく食べられることも多いのです。

これは大都市近郊の波止で秋に釣れた50センチ弱のチヌ、つまりクロダイを刺し身にしたもの。右側にある、マダイに似た赤い身がそれです。

なお、左側にある皮を炙った刺身はサゴシ。これもまた臭い魚とされています。

食べた結果、どちらも臭みなんて一切なし。美味しくいただくことができました。ちゃんと下処理をしたおかげ。

食べられる魚が釣れたらちょっとだけ手間を掛けて下処理をしてみましょう。釣りから帰ったら疲れているかもしれませんが、できるだけその日のうちに。きっと美味しく食べることができるはずです。