釣果回復なるか?2022年大阪湾の波止タチウオ情報

大阪湾における波止釣りの人気ナンバーワンターゲットといえばタチウオ。

10月にもなれば大阪湾中の波止という波止がタチウオ狙いの釣り人で埋め尽くされ、色とりどりの電気ウキが浮かぶ光景が秋の風物詩…でした。しかしここ数年、大阪湾の波止タチウオ釣りは低い釣果が続いています。特に京阪神地域沿岸の湾奥部に回遊してくるタチウオが極端に少なくなっています。

最も顕著だったのが2020年。ゼロではないものの湾奥に回遊してくるタチウオが極端に少なく、波止タチウオ釣りの聖地である武庫川一文字でも10匹以下の低釣果が並ぶ異常事態に。

2021年は終盤の11月ぐらいになって多少の盛り返しがあったものの、やはりそれまでに比べれば明らかに釣れない状態でした。

そして2022年。

今年は例年並みの波止タチウオ釣りができるのでしょうか?いや今年こそはそうなってほしい。そんな願いを込めて2022年の波止タチウオ釣りを展望していきたいと思います。

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2022年の状況まとめ(11月28日更新)

この記事自体は波止タチウオシーズンを前にそれを展望する目的で書いたのですが、2022年もそろそろ冬を迎えようとしています。波止タチウオも終盤の時期。ちょっと早いですが総括できる時期ともいえるので現時点での状況をまとめてみたいと思います。

大阪湾奥は2ヶ月遅れの釣れ始めだった

今年2022年の状況ですが、11月一週目あたりからようやく武庫川一文字でまともな釣果があがり始めました。例年と比べると実に2カ月以上遅れている状態。もはや遅れているという表現が正しいのかも分からないほどズレています。

私自身11月6日に武庫川一文字でタチウオをねらっていたのですが、日没から1時間、潮が下げ始めた18時以降にアタリがでるようになり、2022年になって初めてタチウオの釣果を得ることができました。ピークだと2投に1回ぐらいアタリがでる高活性で「ずいぶん遅かったけどついに始まったな!」と確信したのでした。

好釣果は続かず…

…しかし、その後タチウオの釣果はふるわず、2週間後の11月19日に再び武庫川一文字でタチウオを狙ったのですが、見事に釣果ゼロ。どうやら堤防全体でも釣果ゼロ。2週間前が嘘のようにアタリすらなし。

姑息にも投光器を持ち込んでの釣りだったのですが、暗くなり始めたタイミングで数匹のタチウオが横切る様子がみえたので回遊がゼロというわけではなかったのですが。

それから数日、ムコイチのタチウオ釣りレジェンドをもってして1日1匹ずつだけ釣れるという非常に厳しい状況です。もはや幻の魚。

沖提だと12月に入ってしまうと釣果が落ちいくのが例年の流れです。残念ながらここから盛り返すという可能性は低い。これ以降、暖冬であれば最湾奧の南芦屋浜や西宮ケーソンで年末年始まで釣れ続くターンに入るのですが、ムコイチがこの状況である以上、期待しない方がいいでしょう。

2020年を超える不漁の可能性

まだ今年も一カ月以上あるので結論は出せませんが、大阪湾の波止タチウオについては「2020年を超える最悪の釣果」となる可能性が高そうです。

大阪湾でタチウオが極端に釣れにくい状況も今年で3年目。

昨年2021年は最悪と思われた2020年より盛り返したので今年こそ回復を期待していましたが、それは叶わないようです。今後数年にわたってこの状態が続く可能性もでてきました。かつてタチウオは3~4カ月ほどの長い期間狙えるターゲットでしたが、かなり期間限定、そして場所限定な釣りものになるのかもしれません。

和歌山や淡路島方面へ足を延ばせば釣れる状況ではあるので、どうしても釣りたいならその選択も視野に。私自身は「近場で手軽に釣れてこそのタチウオ」だと思ってるので、来年以降も引き続き湾奧で頑張ります!

釣れるもんを釣って楽しもう

しかしタチウオの不漁をよそに、誰も予想していなかった湾奥でのカワハギ爆釣という状況が2022年の夏ごろから続きました。季節が進んだ晩秋になると大きければ20センチを超えるサイズ、肝はパンパンという良好なコンディション。通常なら船じゃないと釣れない釣れ具合とサイズです。

やっぱり魚の増減は分からんもんだなガハハ!でもそれが釣りの面白いところなんじゃよホッホッホ!という結論で締めたいと思います。釣れるもんを釣って楽みましょう!

いや実際、毎年同じ釣れ具合だったら面白くないしモチベーションも保てないと思うんですよ。釣れるときに釣れるもんを釣って楽しむ方が幸せになれるんじゃないでしょうか。

2022年の大阪湾を盛り上げてくれたカワハギさん

そりゃまあタチウオも釣れるに越したことはないんですけど。

ここからあとのセクションは、まだタチウオの釣果に希望を持っていた夏ごろに書いた内容です。よろしければどうぞ!

ここ数年の大阪湾波止タチウオ釣り事情

2015年に開始した当ブログでは、毎年夏ごろにその年の波止タチウオ釣りを展望する記事を書いてきました。こちらがその最新記事。

そう、最新が2019年。

これ最後にしばらく途絶えていました。2020年は新型コロナの蔓延によって生じたネガティブな気持ちから書けずにいたのです。2021年は前年の大不漁からもう今年もダメだろうとスルー。つまりのところやる気がなくなっていたという。

波止のタチウオ釣り文化を絶やしたくない

そして迎えた2022年。

新型コロナの状況は一進一退。一方で大阪湾、とりわけ神戸界隈の波止釣り事情は年を追うごとに厳しい状況に陥っています。諸事情から、波止でタチウオが狙える神戸の釣り場がほとんど無くなっている状況なのです。この5年ほどで一変してしまいました。

「このままでは大阪湾の波止タチウオ釣り文化自体が消えてしまうかもしれない」

関西の波止タチウオ釣りという文化そのものを愛するものとして、それぐらいの危機感を持っています。

どうすればそれを回避できるのか?その手段は分かりません。しかしこの文化を継続させたいという思いは強く持っています。波止がアカンかったら船があるやんという意見も正しいですが、やはり波止でしか味わえない楽しみ方があるわけです。分かるだろ?

ここで何を書いたからってどうなるわけでもないですが、そのような気持ちを含めて2022年の波止タチウオ釣りを展望していきたいと思います。

やっぱり波止からタチウオを釣りたい

南芦屋浜からタチウオと釣り人が消えた

まず最初に、2021年に釣り場で見たショッキングな光景を共有させてください。

2021年10月24日18時の南芦屋浜

この写真は南芦屋浜西側の風景。時刻は2021年10月24日18時。本来ならタチウオ釣り最盛期の夕まずめ近くで釣り人がひしめいているはずの場所。しかしご覧の通り誰もいません。

南芦屋浜といえば釣り番組でも毎年取り上げられていたような波止タチウオ釣りのメッカ。少し場所はズレますが、数年前なら秋の夕まずめは入るすき間がないほど混雑していました。

2014年11月某日週末の南芦屋浜ベランダ

今は南側のベランダが閉鎖されてるとはいえ、ここ数年は西側もタチウオ釣りで混雑していました。

それなのに一つも電気ウキが浮いていないという状況。

このとき私自身は釣れないと分かりながらもダメもとでタチウオを狙っていました。タチウオが釣れないとはいえ秋のハイシーズンなので夕方まではかなり混雑していた状況。しかし日没とともにほとんどの人が帰ってしまい、左右100メートルほど誰もいない状況に。多くの人が「今年はタチウオが釣れない」という認識を共通で持っていて、狙うこともせず帰っていったわけです。

よもやこんな光景を目の当たりにしようとは数年前は想像だにせず。釣り場の減少とともに、波止タチウオ釣りの文化が無くなってしまうかもしれないと感じた瞬間でした。少なからずショックを受けて感傷的なツイートをしてしまう始末。

波止からタチウオを狙える場所が減っている

そもそも波止からタチウオが狙える釣り場も減少していく傾向にあります。

特に顕著なのが神戸市域の釣り場。

この5年ぐらいで「釣り場」の面積は三分の一以下に減ってるのではないでしょうか?グレーゾーン(厳密にはブラックだったけど)だった地続きの波止が明示的に釣り禁止となっていき、沖堤についても同じ経過をたどりました。釣り公園を含め、大手を振って陸から釣りをしていい場所はもう片手で数えられるほどしか残されていません。

神戸市が公式に「魚釣り開放エリア」として案内しているのは、驚くことに以下の3か所だけです。

  • 平磯海釣り公園
  • アジュール舞子
  • 神戸空港北側の親水護岸

神戸以外でも釣り場は減少傾向にあり、釣り番組でもたびたび紹介されていた南芦屋浜では護岸工事の影響もあって2022年時点ではまったく釣りをすることができない状況に…と思いきや、10月末から突然の試験開放が始まりました。

この試験開放を本開放に繋げて、他の釣り場にも波及すればいいなと思っています。

なぜ波止からタチウオが釣れなくなったのか?

釣り人が言うところの「釣れ具合」というのは主観が強く、話半分で聞くものだと思ってます。「去年は釣れた、昔は釣れてた、今日はアカンわ」そんなものは場所とタイミングと個人の感想によるので適当なもんですよほんと。(でもそれでいい)

それでもここ数年の波止タチウオについては、釣り人の間で「釣れない」という共通見解が成立するほどの状況。これは多くの人に分かってもらえるはず。

なぜ波止からタチウオが釣れないのか?

まず結論から書くと「よう分からん」です。この記事を読んでもらっても確かな答えは何一つ出てきません。それでも関連しているかもしれない事柄を挙げていきます。あくまで「かもしれない」話なので、それこそ話半分でお読みください!

大阪湾の波止タチウオ回遊ルートをおさらい

まずここで大阪湾における波止タチウオの回遊ルートを整理しておきます。詳しいことは当ブログの記事で解説していますのでそちらを参照ください。

ざっくりと流れだけを把握しておきましょう。並行して紀淡海峡付近や淡路島沿岸では早めの回遊がありますが、ここでは省略します。あくまで大阪湾の東岸と北岸、とりわけ湾奧の回遊状況をまとめたものになります。

大阪湾奥の波止タチウオ回遊ルート
  • 8月
    沖提などで夏タチウオが釣れ始める

    神戸沖提や武庫川一文字、神戸周辺、大阪湾南部などで50~60センチ前後の小型タチウオが釣れ始める

  • 9月
    大阪湾の西部沿岸と南部沿岸でタチウオが釣れ始める

    西部の群れは次第に東進して南部の群れは北上していく。そのルート上にあるポイントで順にタチウオが釣れ始める

  • 9月下旬~10月初旬
    大阪湾最奧でタチウオが釣れ始める

    南芦屋浜などの大阪湾最奥部でもタチウオが釣れ始める

  • 10月~11月
    大阪湾岸全域でタチウオが釣れ続く

    大阪湾の沿岸一帯でタチウオが釣れ続ける

  • 12月
    タチウオの釣果が落ち始める

    水温が一定水準まで落ちると次第にタチウオの釣果が減っていき、13度ぐらいを境にして姿を消す。暖冬だと年明けまで釣れ続く場合もある

以上が基本的なタチウオの回遊ルートとタイムスケジュール。

私の把握する限り2018年まではほぼこの通りにタチウオが確認されていました。

翌2019年から狂いが生じはじめ、夏タチウオの釣果がほとんど確認されないままおぼろげにシーズンイン。タチウオの釣果自体もこの年ぐらいから「少なくない?」というような声が聞こえ始めていました。そして最悪の年と言える2020年を迎えたのです。

その年の釣果を占ううえで夏タチウオというのは一つの指標になりそうですが、2022年の夏時点で神戸の沖提や堤防のほとんどで釣りが出来ないためその情報収集もちょっと困難です。以前はお盆の時期ともなれば神戸にある地続きの波止でも釣れていたのですが、今それが確認できるのは神戸空港ぐらいでしょうか。

2022年の夏。残念ながら神戸周辺の波止で夏タチの釣果は確認されませんでした。かつてはお盆あたりにタチウオが回遊していた武庫川一文字でも今年は確認できず。

釣れる魚種の変化

まず大前提として、魚の個体数が常に一定ということは有り得ません。一定であるほうが不自然です。

ニュースで「今年は~が豊漁、~が大不漁」という情報を見ることがあるはずです。魚種間のパワーバランスは常に変化しています。回遊魚なら回遊ルートも変わるでしょう。原因が何にせよ、タチウオだって減ったり増えたりするのは当たり前だといえます。

そしてタチウオが釣れなくなった時期と同期するかのように、減った魚や増えた魚がいます。

ベイトになる魚の変化

タチウオのベイト、つまりエサとなるイワシ類。これらイワシの仲間は、マイワシが増えるとカタクチイワシが減るなど、気候変動等の要因でバランスの組み換えが発生します。これを魚種交代といいます。

カタクチイワシを主なベイトとしているタチウオの成魚なら、この影響を受けてもおかしくない。

私個人の主観ですが、近年は大阪湾のカタクチイワシが減ってウルメイワシが増えたなという感覚があります。一方でこれを裏付ける客観的な情報やデータはありません。自分が釣りをするときにたまたまそうだったのかもしれない。

一時期やたらと釣れたウルメイワシ

今年2022年の釣果情報を見ていると、カタクチイワシの釣果が好調のように見えます。

2022年10月下旬時点の状況

秋が深まるにつれて高密度で波止際を泳ぐカタクチイワシの群れを見るようになりました。きっとこれを追いかけてタチウオも接岸するはず…というイメージは湧くのですが、釣れてないんだなこれが。まいったな。

青物の回遊増加

大阪湾における釣りターゲットの変化でここ数年顕著なのがブリやサワラなど青物の増加です。

今では当たり前に波止や沖提からバンバン釣れていますが(釣れるとは言ってない)、私が海釣りを再開した2014年あたりだと波止から釣るにはちょっとレアな魚でした。今では逆転していますが、タチウオが釣れる数と比べたら本当にレア。ショアジギングをする人も今に比べたらずっと少なかったはず。因果関係があるかどうかはひとまず置いておくとして、青物が台頭する一方でタチウオが減ったのは事実です。

大型青物が釣れるというのは夢があっていいのですが、もっと堅実に数が釣れるはずのタチウオも釣れて欲しいわけで。

青物に関しては今年2022年も春から好調に釣れている状況で、なんちゃってショアジギンガ―の私ですらメジロが釣れるレベル。

青物は青物で嬉しい獲物だけど
2022年10月下旬時点の状況

相変わらず大阪湾での青物の釣果が良好です。秋には何度も足を運びましたが、少なくとも武庫川一文字での青物の釣果は過去最高水準ではないでしょうか?自分自身を含めて周りも確実にゲットできてる日もありました。そしてやはりタチウオはほぼ釣れていません。ゼロではないけど例年に比べたらゼロ同然。フィッシュイーター同士のパワーバランスという観点でみれば、今のところ青物、とりわけブリチームの勢力が圧倒的です。

湾奧への小アジの回遊減少

もうひとつ魚種の変化で気になるのは、タチウオと同じく湾奥まで回遊する小アジが極端に減ったこと。不思議なことに、そもそも種類の違うマアジとマルアジが同時に減りました。

それと引き換えに増えたのが小サバです。かつてはアジ・サバ・イワシがバランス良くサビキで釣れる時期もあったのですが、ここ数年は圧倒的にサバの数が増えています。

ただ今年2022年に関しては、この記事を書いている8月後半の段階で湾奥における小アジの釣果が上々です。果たしてこれは吉兆となるのでしょうか?

20センチ弱サイズのマアジがたくさん釣れる年もあった
2022年10月下旬時点の状況

やはり今年はここ数年と比較すると湾奧への小アジの回遊状況が良好です。しかしタチウオが釣れているかというとゼロではないけどかなり厳しいという状況。小アジの回遊との関連性は低そうです。

水温や水質の変化

水温の上昇

先ほど書いた青物の増加は、大阪湾の水温上昇が一因と言われています。実際、長いスパンでみればこの50年ほどの間に0.5~1.4℃も水温が上がっています。

水温の上昇が魚種のバランスを変えるのは想像に難くないこと。例えば低水温を好むアイナメ(アブラメ)は大阪湾で良型の個体を見る機会がめっきり減りました。一方で私が子どものころの1980年代は、ポン級と呼ばれる30センチクラスの良型アイナメがガシラなどに混ざってそこそこ釣れていたのです。

もし水温上昇がタチウオ減少の要因であるのなら、地球温暖化が進んでいる以上は下降に転じる可能性が低いわけで、そしたらタチウオも戻ってこないわけで…いけない、これ以上考えちゃ。

釣れにくくなった2019年以降で急激に水温変化があったわけでもないので、直接の原因と考えるにはちょっと無理があるのではと思います。

参考までに今年2022年の水温はどうかというと、例えば神戸の水温はこのように推移しています。

出典:第五管区海上保安本部海洋情報部

青線がここ数年の平均値、赤線が2022年。だいぶ高いですね…

測定地が岬町のデータでもやはり例年より1~2度高い状態が夏にかけて続いているので、今年は確実に海水温が高かったといえます。これがどう影響するのかはよく分かりませんが。

水温が高い年はアイゴが発生しやすくサビキに良くかかったりしますが、やはり今年はアイゴの稚魚が増えていました。

貧酸素水塊発生の増加

近年、タチウオが接岸しない理由としてこれが原因ではないかとSNSで言及されることの多い貧酸素水塊。夏季に大阪湾の北部海域、淀川など大河川の河口が近い地域の底層で発生しやすい酸素濃度の低い海水のこと。夏から秋の時期に随時調査が行われ、大阪府立環境農林水産総合研究所のサイトで情報が公開されています。

タチウオの最盛期となる9月から10月は夏から継続して酸素濃度が低いままであることが多く、分布状況の図を見ても京阪神沿岸付近はだいたい低酸素で真っ赤に染まっています。

酸素濃度が低いということは必然的に生物への悪影響があるはずでタチウオもそれに漏れないはず。昼間は沖の底層にいるタチウオが貧酸素水塊に阻まれて接岸できないイメージもある。岸近くで釣れてなくても沖では釣れてたという事実も補強材料になりそう。

ただ一方で、この状況でも青物や小型の青魚は問題なく釣れていたりします。タチウオと関連付けるには少なくとも良く釣れていた時期のデータと比較する必要がありますが、残念ながら不漁期に突入した2020年以降のデータしか現在入手できません。結論付けるにはデータが不足しています。

また、最悪の年として記憶に新しい2020年の状況を振り返ると、それほど酷い低酸素状態ではなかったことも確認できます。

もちろん大阪湾全体にとって貧酸素水塊の発生自体が少なくなるにこしたことはありません。

北風が吹くと表層の海水が沖に流れるのと入れ替わりに底層の貧酸素水塊が京阪神の沿岸に浮上して青潮(苦潮)となるわけですが、その発生頻度が上がっているという実感を持つ人も多いでしょう。近年は大阪湾に限らず、東京湾などでも赤潮より青潮の発生のほうが問題視されています。

2022年10月下旬時点の状況

9月19日に接近した台風14号によって海がかき混ぜられた結果、貧酸素水塊はかなりの度合いで減り、調査結果としては「解消された」という表現がなされました。一方で湾奥へのタチウオの接岸はというと特に変化がないというのが実際のところ。貧酸素水塊の発生とタチウオ回遊状況を関連付けるのはちょっと無理があるという印象です。

長く続く黒潮大蛇行

2017年から終わる気配をみせない黒潮大蛇行。漁業にも大きな影響を与えており、これもタチウオが釣れにくくなったタイミングとなんとなく同期していたりします。

青物の増加やベイトの変化とも同期してるといえば同期している。

とはいえ関連付けられるかというと…分かりません!大蛇行が終了してまた釣れ始めるならそうなのかもしれないし、また大蛇行が始まって釣れなくなるなら確度は高まるだろうし。

これほど長く大蛇行が続いているのは観測史上初ということなので、かなり長いスパンで検証しないといけないです。早く終わってくれ…

結論!分からん!

というわけで大阪湾の波止からタチウオが釣れにくくなった理由。あれこれ考えたけど確固たる原因なんて分かりません…

いずれにせよ、タチウオが良く釣れていた時期と釣れていない時期を客観的に比較できるようなデータが揃ってない以上、どれもこれも憶測の域を出ません。それっぽい事象やデータと安易に結び付けて断言するべきではないので、タチウオが釣れない時期にはこういうことがあったんだなという材料のひとつになれば。

いずれ答え合わせができるといいですね。

未だに「関空や神戸空港ができて潮の流れが変わったからだ」とかいう方もいますし気持ちも分かりますが、それらの埋め立てが終わったのはもうずっと昔のことです。今進行中の埋め立てだと神戸七防とその沖にある人工島の間が堤防で閉め切られたというのが一番大きな変化ですが、これもずいぶん前からそうなっています。遠因ではあるかもしれないし湾奥の環境にとってネガティブな要素には違いないですが濡れ衣じゃないかと。

私自身は「減ったり増えたりそういうもん。いずれ元に戻るんちゃう?」という楽観的な解釈をしてます。同時にあれこれ考えるのも楽しみといえば楽しみ。

タチウオ関連の新製品2022

ここ数年の低釣果が影響しているのか、毎年のように新製品が発表されていた波止用タチウオ関連製品も勢いが落ちている印象を受けます。船用はそれなりに出てると思うんですが波止用はさっぱり。

それを裏付ける要素がひとつ。それは毎年夏ごろにつり人社から出されていた関西波止タチウオ本が出版されなくなったこと。

紙面は広告やメーカーごとの広告記事が大半を占め、実質的に波止タチウオ関連の製品カタログという側面を持つムック本でした。11年間も続いていたこの本が2020年を最後に出版されなくなって今に至ります。

なお、この2020年号の時点ですでに『2019年秋、大阪湾のタチウオ個体数は非常に少なかった』との記述があります。(Amazonの商品情報でオンスの浦さんが写っている画像に記載あり)

そんなわけで数は少ないですが、今年発売されるタチウオ関連の新製品を紹介します。見つけ次第追加するので何かあれば教えてください。

メジャークラフトのショアタチウオテンヤ銀龍

ルアーのメーカーとして知られるメジャークラフトがついに引き釣り用のショアタチウオテンヤを発売。

メーカー情報はこちら。

なんというか基本に忠実というか、コメントをするのに困るほど真っ当でオーソドックスな波止タチウオテンヤです。実物を見てみましょう。

基本に忠実なメジャークラウトの波止タチウオテンヤ銀龍

ヘッドはさすがルアーメーカーが作った製品、メタルジグのノウハウを活かしたであろうなめらかな形状。下部のアイもアシストフックやブレードの取付けが想定されていて抜かりない。

付属品はエサ巻きの銅線だけ。リーダーは付属していない割り切った仕様。

でもこれでいいんです!こういうのでいいんだよ!

変わり種の波止タチウオテンヤを試してみたのもの、結局こういうオーソドックスなテンヤのみで戦える。経験を積んでそこに辿り着いた人も多いはず。付加機能のついたテンヤも面白いのですが、このシンプルなテンヤも間違いなく正解といえます。

また私自身、ワイヤーリーダーは使わず太いナイロンリーダーを使用するのでテンヤに付属してくるワイヤーリーダーはタックルボックスの肥やしになってました。これを省略することでコストダウンできたのだとしたら素敵なこと。

明るい時間の深場に有効な30gから日が沈んだあとのスローなアクションに有効な4gまでの豊富なサイズ展開、ヘッドのカラーは5パターン、さすがメジャークラフトという幅広いバリエーション。ダイワの波止タチウオテンヤより店頭価格が若干安いというのも有難い。

先行して発売されていたショアタチウオテンヤ専用ロッド、トリプルクロスの銀龍との組み合わせで使ってみたいですね。

ダイワの波止タチウオテンヤ専用ロッドNEOSTAGE TT

数年前から波止タチウオテンヤのラインナップが充実していたダイワから、満を持して波止タチウオテンヤ専用ロッドが発売されました。その名もNEOSTAGE TT。TTはたぶんTachiuo Tenyaの頭文字。

波止タチウオテンヤ用のロッドとして近年はルアーロッドを流用するのが一般的でした。もっともポピュラーなのはシーバスロッドの流用だと思われます。エギングロッドとかショアジギングロッドを使っている人も多いでしょう。私自身はライトなショアジギングロッドを使っています。

そんな中、波止タチウオテンヤにしっかりフォーカスした専用ロッドがダイワという大きなメーカーから出た意義は大きいと思います。今後の波止タチウオテンヤシーンの盛り上がりが期待されます。これでしっかり釣れてくれれば言うことなし。

数年前から波止タチウオテンヤ市場を席巻しつつあるダイワ快適波止タチウオテンヤとの相性は抜群なはず。

ハピソンのLED内蔵タチウオテンヤ

さあ、早くも波止タチウオの新製品ネタが尽きてしましいました。毎年ワクワクするぐらいいろんな製品が登場していたのに。どうした2022年。

というわけでこれは船テンヤ用なのですが今までにあまり例のない特徴をもっており、今後波止用への展開も期待できるので紹介します。それがハピソンから発売されるLED内蔵のタチウオテンヤ。

メーカーサイトはこちら。

さすが電気関係に強いハピソン。それを遺憾なく発揮した変態タチウオテンヤの登場です。私はこういうの大好きです。冒険をしてこその波止タチウオ釣りです。冒険がスタンダードになることもあるはず(最初にドジョウをタチウオ釣りに使おうって考えた人すごい)。

今までLEDで光るテンヤ自体あったことはあったんですが、それがハピソンから出たということが大きい。

一部の電気ウキでも採用されている、着水で自動点灯するタイプのLEDがテンヤのヘッドに内蔵されており、仕様を見る限りおそらく電池交換可能なモデルでしょう。

40号なのでまず波止では使えませんが、気になるのはその価格です。釣りの仕掛けの中でもどちらかというとロストしやすいタチウオテンヤですが、このテンヤの市場価格は2000円台前半。勇気あるオフショア派のあなた、ちょっと使ってみませんか?

このブログのタチウオ関連記事を紹介

最後に当ブログで波止タチウオについて書いている記事を紹介します。気づけば開設から7年。更新頻度は少ないものの、多少なりとも積み重ねたきたものがあります。

タチウオが釣れ始める時期終わる時期

まずはこちら、タチウオの回遊ルートについて既存の資料をもとにまとめた記事です。

いつまで経ってもタチウオが回遊してこなかった2020年は、「タチウオ 回遊」などの検索キーワードで非常にアクセスが伸びました。その年の釣れなさっぷりを生々しく記したレポートも追記しています。

大阪湾でいつまでタチウオが釣れ続けるかという疑問に対して、水温と釣果の関係からその答えをまとめた記事もあります。

タチウオの釣り方いろいろ

タチウオの釣り方について、引き釣りとウキ釣りというエサ釣りの代表的な釣り方を詳しく解説しています。

まずは私がもっともおすすめしている引き釣りの解説。

まず1匹目のタチウオを釣りたい人にはもちろん、ルアー派の方にもおすすめしたい釣り方です。より簡単にエサを装着できる引き釣り用テンヤの派生モデル、太刀魚ゲッターもイチオシ。

日が沈んでからの定番釣法、ウキ釣りについてももちろん解説しています。

引き釣りとウキ釣りで共通に使えるエサといえばキビナゴ。そのキビナゴを塩で加工してエサ持ちを良くさせる方法がこちら。

タチウオを食べるときに

当ブログのモットーは楽しく釣って美味しく食べること。

未経験だと難しいと思われがちなタチウオのさばき方を解説しています。

いろいろな魚をさばいていると実感しますが、数ある魚の中でもタチウオはさばきやすい魚だといえます。

タチウオの食べ方についての記事はもっと充実させたいところです。

タチウオの釣果回復を願って

本格シーズンインを前にここ数年の状況をふまえた2022年の展望をまとめました。読み返すとなんで釣れなくなったのかという原因をうだうだと想像してるだけになってしまいましたが。

さて今年はどうなることか。

まだまだ全くの未知数です。正直言って急回復するというイメージも湧かないのですが、蓋を開けてみるまで分かりません。どんな魚種だってそうですし、特にタチウオなんて神出鬼没ですし。

なんにしろシーズン開幕まであとわずか。楽しみにしつつ準備をしてきましょう。