現在の状況について(2022/04/18追記)
2021年前半の時点で、南芦屋浜ベランダの全面的な解放予定日は「2021年8月末」と公的な媒体でアナウンスされていましたが、現在は「工事進捗等の都合」という理由により延期となっています。現時点で解放時期は未定。
一方で工事の告知サイトにはすでに工事が終了しているという記述があり、実際に現地を見る限り工事は終了しているように見えます。告知されている延期理由と実情が異なっているようにも見受けられ、やや不可解な状況といえます。(告知の詳細はこちら)
さらに2022年春からは北側の護岸、西側の護岸、東側のホテル裏護岸、つまり人工島のほぼ全周で堤防嵩上げ工事が開始されました。工事期間は約1年間の予定。少なくとも2022年の南芦屋浜では釣りをすること自体が難しくなる可能性が高くなっています。(嵩上げ工事の詳細はこちら)
未だ記憶に新しい2018年の台風21号被害。
強風と高潮によって大阪湾北部にあるすべての釣り公園が被害を受け、一時的あるいは長期的に閉園せざるを得ない状況になりました。沖提への渡船施設も大きなダメージを受け、しばらくの間渡船中止となりました。それ以外の釣りができる波止や護岸も大きな被害を受けました。
多くの釣り場は台風通過後に急ピッチで復旧が行われ、ほとんどが元通りに。
そんな中、気になるのは台風上陸直後からずっと閉鎖され立ち入り禁止となっている南芦屋浜ベランダです。台風被害から2年以上経っても再開のめどが立っていませんでした。
しかし2019年末から本格的な護岸改修工事が開始。途中で工期の延長があったものの、2021年になって具体的な見通しがつきました。釣り場としてみる改修工事完了後南芦浜ベランダについて、現段階で分かる情報をまとめます。
今後も南芦屋浜ベランダを釣り場として使えるのか?
阪神間で釣り禁止場所が増える中で
かつて釣りができていた阪神間の釣り場に釣り禁止の波が押し寄せています。釣りが黙認されていたような場所にも明示的に釣り禁止や立入禁止のメッセージが掲げられるようになりました。
ゴミの放置やマナーの悪化、釣り人の間ではそれらが禁止の原因になったという見解を持っている人が多くいます。しかし私はそれに関する公的な発表をみたことがないので憶測であれこれ書くつもりはありません。仮想敵を設定してグダグダ言うつもりもありません。(不確実な情報をもとにして人を煽るのはよくない)
ただ、釣り人の振る舞いが周囲に悪い印象を与えているのは想像に難くないこと。有料釣り場以外で釣りをすることにより、釣り人がその場所にどんなメリットをもたらすかと問われれば答えに困ります。住宅地が中心の南芦屋浜においては特に。私自身ぐうの音も出ません。
閉鎖中の南芦屋浜ベランダも釣り人による不法侵入や迷惑駐車があったようで、自治体や地域住民からの心象は決して良くないはず。改修工事完了後、なしくずしに釣りが禁止となる可能性もゼロではない。

西側石畳の南端に張られた立入禁止の張り紙
公的な情報で今後の計画や方針が示された
しかし護岸改修工事について進捗状況などを発信する公的なサイトが2019年末に公開され、そこに今後の釣りに関する情報も記載されました。
当初は2020年の8月31日で工事が終了する予定となっていましたが、工事内容に変更が生じた影響で半年ほど終了時期が延び、2021年3月末が暫定的な工事完了となりました。
そして2021年8月末ですべての工事が終了してベランダ護岸が開放される予定でしたが、2021年12月時点では工事進捗等の都合により未定となっています。
工事の詳細については、こちらのページにある、高潮対策工事NEWSを随時ご確認ください。
工事終了後、再び解放されたあかつきには、またあの場所で釣りをしていいのでしょうか?
これからも南芦屋浜ベランダで釣りができる!ただし夜間は閉鎖
工事完了後も引き続き釣りが可能
工事完了後も以前のように釣りができるかどうか。まず結論としてはこうなります。
出典:ビーチ護岸、南護岸、東護岸(南)の護岸改修工事後の護岸利用について
工事完了後は引き続き南芦屋浜ベランダで釣りをしてもいい。兵庫県と芦屋市が作った資料にはっきりとそう書かれています。よかった!(※2022年3月29日現在、上のリンク先にあった資料は削除されているようです 代わりにこちらの資料をご確認ください)
実はこの記述を見てちょっと驚きました。
公的な文書で「ここで釣りをしてもいい」ということが明文化されていたからです。釣り公園や砂浜などを除き、京阪神地域の護岸で釣りが可能とはっきり明記されている公的資料は非常に珍しい。
そりゃまあテレビ番組で釣り場として紹介されているし、誠実さの化身のような伊丹さんもニッコニコで「サヨリの聖地!」っておすすめしてるし。釣りをしてはいけない場所じゃないことは分かっていました。でもはっきり「釣りOK」という根拠を今までに見たことがなく。
これからの時代、釣り公園、海上釣り堀や管理釣り場以外の場所では堂々と釣りが出来ないのかと思っていたところ、思わぬところからの福音です。
ただしこの資料にこんな記述もあります。
夜から早朝は閉鎖され釣りができなくなる
台風被害以前は、イベント開催時を除き24時間365日自由に出入りできた南芦屋浜ベランダ。工事完了後はいままで無かった制限が加えられます。それがこちら。
出典:ビーチ護岸、南護岸、東護岸(南)の護岸改修工事後の護岸利用について
工事終了後は、以下の時間帯において夜間閉鎖されます。
つまり朝の6時から夜の20時までは護岸が解放されて釣りができるということになります。
周辺の公営駐車場については、ベランダの解放より1時間短い朝の7時から夜の19時まで駐車できるようです。その時間外は駐車場の周辺道路も含めて閉鎖。これは迷惑駐車やオープン待ちのアイドリング防止策だと思われます。
閉鎖以前は確かこれよりもっと遅い8時ぐらいに駐車場がオープンしていた記憶がありますが、駐車場のゲート直前まで進入することができていました。そのせいで、民家の真横かつ駐車禁止エリアにも関わらず早い時間に車を路上放置しオープン時間に慌てて入庫するということが一部の人の間で常態化していました。それが原因のトラブルもよく見かけました(動かない車に向かって怒鳴ったりクラクションを鳴らすなど)。
今後は取り締まりも厳しくなるでしょうしリスクも迷惑も大きいので絶対にやめるべき。マナーを守る人にはそもそも関係のない話ですが。
なお、駐車場の退出に関しては20時までとの記述があります。それ以降は朝まで出庫できないと解釈すべきでしょう。
夜間閉鎖について情報を図にまとめるとこのようになります。参考までに朝夕マズメの時間も入れてみました。

夜間閉鎖導入に伴う南芦屋浜ベランダでの釣り可能時間
2021年3月1日時点での芦屋市ウェブサイトに掲載されている情報を元に作成:芦屋市/南芦屋浜における高潮対策
南芦屋浜でのタチウオ最盛期は例年11月ぐらい。そしてその時期の日没は17時ごろ。
このまま予定通りの閉鎖時間になれば夕まずめのタチウオは今までどおり狙えます。冬が近くなると17時前には日が沈むので、駐車場の閉鎖時間を加味しても夕まずめは余裕で射程範囲内といえます。
駐車場オープンの時間を考えると朝まずめ狙いはちょっと無理があると思います。
そして残念ながら、かつて出来ていた夜通しの釣りは今後できなくなります。
南芦屋浜名物のサヨリ釣りは昼間が狙い時なので問題なく継続できそう。
住宅街に近いベランダは仕方ないにしても、周辺がほぼ緩衝帯の緑地で人家が遠いビーチまでもが夜間閉鎖となり、これにはやはり異議を唱えている方もおられ、署名活動が展開されていました。
しかし夜間閉鎖は決定事項として2021年4月からビーチの運用に導入されています。すでに夜間はビーチに入ることができません。しばらくこれで運用して見直しの余地もあると明記されていましたが、現段階では不確定要素です。

2021年9月現在で解放はされていませんが既にこのような掲示があります
夜間閉鎖についての私見
「えーっ夜中に釣りが出来なくなるの?あれこそタチウオ釣りの醍醐味、南芦屋浜の風物詩だったのに。」
そう思う人は多いだろうし、私も本音ではそうです。夜通し電気ウキを眺めていたい。浮いたり沈んだりするウキを見つめてヤキモキしたい。
ただ、あの釣り場を取り巻く環境を考えれば夜間閉鎖自体は妥当だし仕方がないことだと考えます。いろいろな立場の意見があると思いますが、個人的な見解を書かせてください。
立地条件を考えると夜間閉鎖は仕方がない
南芦屋浜自体は住宅をメインとして開発されたエリアであり、その中でもベランダは住宅街と特に密接しています。
閉鎖前に行ったことがある人は一歩引いた目で思い出してみてください。数十メートル背後には閑静な住宅街が広がっていたはずです。
Googleマップで計測したところ、中央のトイレ付近で住宅と40メートル程度しか離れていません。道路が蛇行しているためもっと近いエリアもあります。仮にメタルジグを投げたなら余裕で届く距離。釣りをするならその距離感が分かるでしょう。もちろん声も届く距離といえます。
釣り場と住宅地が近接している。この立地条件が近隣の釣り場と大きく異なるところです。
数年前までは開発中で空き地だらけでしたが、着実に住宅街として完成しつつあります。閉鎖されていたこの数年の間にも状況は変化しています。近隣と比較してもこんなに住宅地が近い海の釣り場は思い当たりません。南芦屋浜自体、東西南北ほぼすべての場所で釣りが可能ですが、やはりベランダの立地条件だけ特殊といえます。上に載せたマップで島全体を見れば分かるはず。
釣り人のマナー違反が直接の原因というより、そもそもこの特殊な立地条件が夜間閉鎖の大きな要因という見方もできます。今まではお目こぼしで許されていただけと考えたほうがいいかもしれません。「ゴミの放置とかマナー違反をしてきたやつらが夜間閉鎖の原因だ!あいつらのせいだ!」と”あいつら”をスケープゴートにすれば感情のはけ口ができて楽ですけど。
そもそも夜間閉鎖の目的としてこのように明記されており、特に釣り人だけを対象にしたものと受け取ることができません。
今回の高潮対策による防潮堤の建設により海側は死角の多い閉鎖的な空間となり、特に夜間は暗がりとなることから、これまでの警備体制では安全・安心な住環境や利用者の安全を確保できない恐れがあるため…
本音と建て前というものがあるのかもしれませんが。
もちろんマナー違反をするやつらを許容することはできません。規制の原因になっている可能性も大いにあります。しかし夜釣りをしていた以上は真夜中や早朝に住宅街のすぐ近くでゴソゴソと活動していたわけで、「あいつらは悪で自分たちは善」ときれいに線引きできないのではないでしょうか。「マナーを守らない奴ら」と「品行方正な私たち」は地続きです。外部から見ればなおさらその違いはみえません。
まだ日が昇る気配もない早朝、いや深夜、駐車場から釣り場までガラガラとキャリーを引きながら住宅の真横を通り過ぎていたのは迷惑をかけていただろうなと今さら思います。
釣りをしていると感覚が麻痺しますが、深夜や早朝に真っ暗な公共の場で活動するということはかなり特異なことです。周りに人のいない場所ならまだしも人家の近くならなおさら。
何らかの形で有料化はありだと思うけど
じゃあ有料化して釣り公園にすればいいじゃないかという意見も一理ありますが、それは釣りのことしか見えていないエゴな考えかもしれません。
あそこは釣り公園ではなくあくまで一般的な公園。散歩したい人も夕日を眺めたい人もいるわけで、有料化は釣りに関係ない人を排除することになる。
入場料とは違う形で利用料金を払ってそれがあの場所の維持管理に繋がるなら大歓迎なので何かいい方法があればいいのですが。
釣りをさせてもらえているという気持ちを忘れずに
先ほど書いたように、自治体や地域住民にとって南芦屋浜ベランダで釣りをさせることのメリットはほぼゼロだといえます。私なんて芦屋市はおろか兵庫県外の住人ですし、そこの税金で維持管理されているであろう場所にただ乗りしていると考えると肩身が狭い。
工事の資料中には「釣り利用による迷惑行為の防止」という項目があることから、釣り人はそもそも迷惑な存在として地域から認識されています。また芦屋市のホームページ上には、護岸の利用に対しての意見募集と回答などが掲載されていますが、そこにも釣り人に対する憤りや苦言が散見されます。
【資料】ビーチ護岸、南護岸、東護岸(南)の護岸改修工事の予定と工事後の護岸利用にかかる意見募集で提出いただいたご意見の概要と対応 https://www.city.ashiya.lg.jp/bousai/documents/ikengaiyou.pdf
釣り人の立場から発せられたであろう意見もいくつかあり、なるほどと思う意見もあれば理想論やちょっと都合良すぎないかと思う意見も。これだから釣りをするやつは…と思われかねないような自分本位の意見もちらほら。
にも関わらず!にも関わらずですよ?
「ここで釣りをしてもいいよ」と公式に言ってくれてるわけです。まあまあ朝早くからそこそこ遅い時間まで釣りをしていいよと。夜間閉鎖に不満を持つ人がいるだろうしそれも分かりますが、釣り人に対してかなり譲歩してくれている。はなから迷惑な存在と認識されている以上、今の時点で夜間閉鎖反対の意思を表明するのは時期尚早だと思います。
漁港でもどこかの岸壁でもそうですが、「釣りをさせてもらっている」という気持ちは忘れたくないものです。
工事完了後の釣り場はこうなる
南芦屋浜ベランダでの釣りについて、現段階で分かっていることを再度まとめます。
- 改修工事終了は
2020年8月31日の予定→2021年3月末の予定→2021年10月20日時点では未定 - 3月末以降も一部で工事が続くため釣りが出来るようになるのは
2021年の6月末以降(詳細な日程は不明)2021年10月20日時点で工事進捗の都合により未定 - 以前は釣りができていた、あるいは黙認されていたビーチの東西にある石畳の突堤(ビーチ護岸)はビーチ内同様明確に釣り禁止となる
- 新たに20時から6時の夜間閉鎖時間が設定されその時間は立ち入り禁止
- 夜間閉鎖時間に連動して周辺の公営駐車場と周辺道路も閉鎖(護岸の閉鎖時間より前後1時間長くなるので注意)
- 釣り利用者のマナー向上やゴミ箱管理などの環境改善を目的とした有人の売店が南緑地西駐車場付近に設置される
- 2022年3月から南芦屋浜全周での護岸嵩上げ工事が始まる(ソース)
工事の進捗と釣り場としての解放スケジュールを時系列でざっくりまとめるとこんな感じ。
- 2021年4月13日…中壁まで入れるようになるが、一部で工事が続くため岸壁まではアクセスできず釣りも不可
- 2021年6月末以降…南面の中壁より海側が解放され釣り可能となる
(詳細な日程は不明)2021年9月1日時点では工事進捗の都合により未定 - 2021年8月末以降…東面の護岸が解放されベランダで全面的に釣り可能となる予定2021年10月20日時点では工事進捗の都合により未定
- 2022年3月以降…南芦屋浜の北側、西側、東側でも堤防の嵩上げ工事が始まり、工期は1年を予定
スケジュール通りいけば、2021年は数年ぶりにベランダでのタチウオ釣りが楽しめそうです…と当初は期待していたのですが、2021年9月1日の公式発表であやしくなってきており、12月の時点で未だ見通しが立っていません。明けた2022年の春になっても一切情報が出てこず膠着状態。大人の事情があるんだろうけど。
ひとまずネガティブなことは置いといて、工事完了後はどんな釣り場になるのか期待をもって見ていきたいと思います。既存の釣り場ではありますが、新しく生まれ変わるというワクワクもあります。
防潮堤が2段構えで設置される
言うまでもなく改修工事の目的は釣り人排除ではなく高潮対策です。21号の台風被害で南芦屋浜の住宅街が水浸しになり、周辺の港から漂流したコンテナが海岸に打ち寄せられました。
高潮被害というと教科書に掲載された白黒写真でしか見たことがなかったのですが、よもや自分の知っている場所で起きようとは。
その高潮から街を守るため、南芦屋浜ベランダの東西を横断するように巨大な防潮堤が築かれます。しかも2段構えで。松林の近くに後壁として低い防潮堤が1本、かつて釣りができた海に近いスペースの後ろに中壁として高い防潮堤が1本。
既に中壁の手前までは入れるようになっているので撮影をしてきました。
こちらが釣り場の真後ろにある中壁です。

釣り場の背後にある中壁
柵から手を伸ばして撮ったので、まだこの場所には入れません。
高さは3メートル程度でかなりの存在感。まるで要塞のような物々しさですが、強大なパワーの波に耐え、海からの海水侵入を防ぐためのものだから当たり前かもしれません。なお、根本がくびれた形状になっているので多少なら雨宿りもできそうです。
そしてこちらが後壁。

景観確保のためのアクリル板が装着された後壁
景観が確保できるように、水族館の大水槽で使われていそうな分厚い透明アクリル板がところどころはめられています。中央付近に防潮扉が設置され、夜間や非常時はそこが閉じられ進入ができないようになっています。さらに何ヵ所かこの壁を乗り越える形で階段が設置されていますが、こちらも夜間は閉じられるようです。
後壁の高さは大人の身長より低くて胸の位置ぐらい。ここだけの話、アクリル板設置個所を足場にすれば簡単に乗り越えられる高さです。じゃあ夜中にこっそり入って釣りが出来ちゃうのではと思うじゃないですか?
それは甘い。なぜならこんな設備があるから。

本気スペックの監視カメラとスピーカー
360度撮影できそうなドーム型監視カメラとスピーカーがセットになった設備、これが何ヵ所も設置されています。これで死角はないでしょう。バレずに進入するのは不可能です。記録にも残るはずです。
そしてさきほど載せた看板にも書いてありますが「夜間の侵入者を発見しだい警察に通報」とあります。

進入したら通報
絶対やめとけ。
中央付近に売店ができる
これはちょっとびっくりしたんですが、ベランダ中央付近のトイレがある場所あたりに有人の売店ができるということが資料に記載されていました。設置目的は「釣り利用者のマナー向上」や「ゴミ箱管理」など、環境改善のためとあります。ソースはこちらを参照してください。
現段階では何を売る売店なのか分かりませんが、少なくとも飲み物の販売ぐらいはあるんじゃないかと思います。けっこう遠くの自販機まで行かないと手に入らなかったので、そうであればありがたい。
果たして釣具やエサの販売は行われるのか、どこの誰が運営するのか、期待しつつその日を待ちたいと思います。
海底の地形が変わって浅くなる
工事内容の中には「被覆ブロック据付工事」という工事も含まれています。
被覆ブロックというのは、捨石をカバーして流出を防ぐ目的を果たすブロックのようです。
形状にバリエーションがあるようですが、いずれにせよ比較的隙間が多くできるブロックのようなので、そこにエサとなる生き物や根魚が居付けば生物の多様性が広がり、今まで釣れにくかった魚が増えるかもしれません。ネガティブに考えれば根掛かりが増える原因になるかもしれません。
工事概要の説明資料を参照すると、構造物が増えて護岸の重量も増えたため耐震工事として海底の捨石を拡張する、つまり積み増しするように見受けられます。その捨石を覆って保護するのが被覆ブロックというわけです。
ということは従来より水深が浅くなるのは確実と考えたほうが良さそうです。概要図の精度がどこまで正確か分かりませんが、それを参照する限りは1メートル程度の捨石が積み増しされそう。加えてそれを覆う被覆ブロックは2t製という記述があり、これは70センチ程度の厚みがあるようです。
かつての南芦屋浜ベランダ足元付近の水深は4ヒロ程度、つまり6メートル程度だったので、もともと浅かった釣り場だといえます。それがさらに1~2メートル浅くなるかもしれない。となると足元のサビキ釣りとかは今まで通りにいかないかもしれません。
工事の進捗状況を伝える画像を見ていると、その被覆ブロックらしきものが見える画像がありました。
画像下部分、海底にうっすら見える規則正しく並べられたブロックがそれだと思われます。まだ新しくて海藻や苔が生えていないため明るく目立つのかもしれませんが、かなり海底が近くなったようにも見えます。
この被覆ブロックの据付をもって、南側の護岸工事が完了となるようです。予定ではこれが2021年の6月いっぱいとなっており、その後、夏の訪れとともに釣り場として解放される予定となっています。(※9月現在で予定は未定となりました)
さしあたり今わかっている釣り場の状況は以上です。
釣り場を釣り場として残すために
昨今の全国的な釣り場事情から、マナー違反が横行すればここも釣り禁止になる危うさをはらんでいます。
そうならないために、釣り場を釣り場として未来に残すために、釣り人はもちろんのこと釣り業界自体も意識して動いていかなければならない段階だと感じます。未来の釣り人たる子どもたちに釣り場を残さねばいけません。
少なくともゴミは持ち帰ろう。もうこんな光景は見たくない。

かつての南芦屋浜で常態化していた光景
再開後はゴミ箱が設置されるようですが、少なくとも車で来ている人はそれを使わずなるべく持ち帰りたいものです。もちろん強制はしませんが、私自身はそうするつもりです。
2016年前後だったと思いますが、南芦屋浜ベランダにほんの一時期だけ大型のゴミ箱が設置されていたことがありました。中央にあるトイレ付近がその設置場所で、ちょうど上の写真でゴミが積み上げられている場所だったと記憶しています。しかし残念ながら全くキャパ不足でたびたびゴミが溢れ、捨て方自体も酷いもんでした。そのせいかわずか1シーズンで撤去された経緯があります。
車で来てるならゴミ袋にまとめてポンと積むだけでしょ?持って帰ろうぜ!余裕があれば落ちてるゴミも無理ない範囲で拾ってちょい足ししよう。そして釣具屋やメーカーはもうちょっと釣りゴミの回収や省パッケージ化について本腰を入れてほしい。釣りゴミを持ってきたらポイント還元をするとか、お店の利益に繋げる方法もあると思う。
個人的な思いですが、ここ南芦屋浜ベランダは私が20年ぶりの釣りを再開した思い出深い場所です。さかのぼること8年、2014年のことでした。これがまさにその瞬間のツイート。
20年ぶりの海釣り。 pic.twitter.com/xEfCtxglnw
— ヒモユキ (@himoyuki) May 2, 2014
ここで20年ぶりのサビキ釣りをしてカタクチイワシを釣り、マアジを釣り、タチウオを釣り、新しくサヨリ釣りを覚えました。汚くて死んだ海だと思っていた大阪湾が意外と豊かな海だということが分かりました。魚の美味しさを改めて知ることができました。
今こうしてこのブログを書いているのも南芦屋浜ベランダという釣り場があってこそ。混雑するから避ける人も多いと思いますが、私には大切で特別な場所です。
何十年先もここで釣りができるように、皆さんでちょっとずつ頑張りましょう。