南芦屋浜ベランダの復旧工事と今後の釣り場について

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未だ記憶に新しい2018年の台風21号被害。

強風と高潮によって大阪湾北部にあるすべての釣り公園が被害を受け、一時的あるいは長期的に閉園せざるを得ない状況になりました。沖提への渡船施設も大きなダメージを受け、しばらくの間渡船中止となりました。それ以外の釣りができる波止や護岸も大きな被害を受けました。

それらの釣り場は台風通過後に急ピッチで復旧が行われ、ほとんどが元通りになりつつあります。

そんな中、やはり気になるのは台風上陸直後からずっと閉鎖され立ち入り禁止となっている南芦屋浜ベランダです。台風被害から1年以上経ってもなぎ倒されたフェンスはそのままでした。

しかし2019年末から本格的な護岸改修工事が開始され、ようやく今後の見通しが立ち始めてきました。釣り場としてみる改修工事完了後南芦浜ベランダについて、現段階で分かる情報をまとめます。

この記事は2020年6月9日現在の「高潮対策 南芦屋浜護岸改修工事(https://minamiashiyahama-gogan.jp/)」に掲載されている情報をもとに構成しています

今後も南芦屋浜ベランダを釣り場として使えるのか?

南芦屋浜も釣り禁止になってまうのか?

かつて釣りができていた阪神間の釣り場に、釣り禁止の波が押し寄せています。

ゴミの放置やマナーの悪化、釣り人の間ではそれらが禁止の原因になったという見解を持っている人もいます。しかし私はそれに関する公的な発表をみたことがないので憶測であれこれ書くつもりはありません。仮想敵を設定してグダグダ言うつもりもありません。(「担当者らしき人に聞いた」レベルの情報を個人が発信するのは危険)

ただ、釣り人の振る舞いが周囲に悪い印象を与えているのは想像に難くないこと。有料釣り場以外で釣りをすることにより、釣り人がその場所にどんなメリットをもたらすかと問われれば答えに困りますし、私自身ぐうの音も出ません。

閉鎖中の南芦屋浜も釣り人による不法侵入や迷惑駐車が確かにあり、自治体や地域住民からの心象はかなり悪いはず。改修工事完了後に釣りが禁止になる可能性も十分にあり得るはずです。

西側石畳の南端に張られた立入禁止の張り紙

公的な情報で今後の釣りについて明言された

しかし護岸改修工事について進捗状況などを発信する公的なサイトが2019年末に公開され、そのサイトに今後の釣りに関する情報も記載されました。

ベランダの東側と南東角付近は工事が続きますが、ベランダの大部分は2020年の8月31日に工事完了予定となっています。その後いずれかのタイミングで立ち入りが解禁されるものと思われます。

当初は2020年の8月31日で工事が終了する予定となっていましたが、工事内容の変更が生じたようで、半年ほど終了時期が延びるようです。現段階では2021年3月末が終了予定日となっています。

ただしこの3月末以降も一部で工事が続くらしく、完全な終了予定は2021年夏ごろと考えたほうがよさそう。それ以降に立入禁止が全面解除されると思われます。

詳細については、こちらのページにある、高潮対策工事NEWS「Vol.7(令和2年6月8日 発行)」をご確認ください。

さて、工事終了後はどうなるのでしょうか?またあの場所で釣りをしていいのでしょうか?

これからも南芦屋浜ベランダで釣りができる!ただし…

工事完了後も引き続き釣りが可能

工事完了後も以前のように釣りができるかどうか。まず結論としてはこうなります。

護岸改修工事完了後は引き続き釣りが可能

出典:高潮対策 南芦屋浜護岸改修工事 説明会次第(3.高潮対策工事後のビーチ護岸・南護岸の管理について)

工事完了後は引き続き南芦屋浜ベランダで釣りをしてもいい。兵庫県と芦屋市が作った資料にはっきりとそう書かれています。よかった!

実はこの記述を見てちょっと驚きました。公的な文書で「ここで釣りをしてもいい」ということが明文化されていたからです。京阪神沿岸の有料釣り場以外の釣り場で「釣りが可能」と明記されている公的資料は非常に珍しい。いままであったのは神戸空港の護岸ぐらいじゃないかな?

そりゃまあテレビ番組で釣り場として紹介されているし、誠実さの化身のような伊丹さんもニッコニコで「サヨリの聖地!」っておすすめしてるし。釣りをしたらアカン場所ではないことは分かっていました。でもはっきり「釣りOK」という根拠を今までに見たことがなく。

これからの時代、釣り公園、海上釣り堀や管理釣り場以外の場所では堂々と釣りが出来ないのかと思っていたところ、思わぬところからの福音です。

またあそこで釣りができるのだ。良かった。

ただしこの資料にこんな記述もあります。

夜間は閉鎖され釣りができなくなる

台風被害以前は、イベント開催時を除き24時間365日自由に出入りできた南芦屋浜ベランダ。工事完了後は制限が加えられます。それがこちら。

原則として夜間は閉鎖(※閉鎖時間は未定)

出典:高潮対策 南芦屋浜護岸改修工事 説明会次第(3.高潮対策工事後のビーチ護岸・南護岸の管理について)

具体的な閉鎖時間帯は今後検討されるとのことで、2020年4月末の現段階では決まっていないようです。周辺の公営駐車場も同時間帯で閉鎖されるとのこと。ミズノのタイムズ駐車場は民営なのでそのままのはず。

あの場所を「公園」と定義するなら、立ち入りできるのは9:00~17:00とか一般的な公園の開園時間になる可能性があります。

その場合、夜釣りが出来ないのは当然として、いちばん魚が釣れやすい朝夕まずめどきに竿を出すことも難しくなります。今まで出来ていた釣りが出来なくなるかもしれません。

タチウオ釣りはかなり難しくなります。朝夕まずめ時に合わせるのが不可能になる可能性が。

南芦屋浜名物のサヨリ釣りは名物として継続できそう。

こればっかりはなるべく長い時間解放してくれるよう願うほかありません。せめて日の出日の入り前後1時間ぐらいを設定してくれれば有難いのですが。

公営駐車場は今までも夏季だけ夜間閉鎖をしていて、その時間帯は20:00~5:00。これに準じるならなんとかタチウオ釣りもできるかなと思いますが、現時点では何とも言えません。

ベランダは仕方ないにしてもビーチまで夜間閉鎖の予定らしく、これにはやはり異議を唱えている方もおられ、署名活動が展開されています。

周辺住民の感情を想像すれば、夜中に針のついた棒を振り回している人間がたむろしてたら嫌だろうなというのは想像に難くない。仮に私が釣りに一切興味も理解もないなら、管理側に苦情言いますもん。

夜間閉鎖は仕方ないこと。空き地だらけだった数年前と比べたら、南芦屋浜の南側も確実に住宅街として成り立ってきていますし。

なお、2020年6月の段階では西側の石畳、北側の水路、北東側の石畳は解放され、夜間も釣りが出来る状態になっています。

ゆくゆくはヨットハーバーを含めた南芦屋浜全周で護岸工事が行われる予定と明記されていますが時期は未定。直近に住宅があるベランダとは立地が異なるため工事の規模や夜間閉鎖の条件も違ってくると思われますが、こちらの動向も気になるところです。

不法侵入に対する懸念は必要ないはず

立ち入り禁止期間中、どこからどうやって入ったのか分からないけど、不法侵入をして釣りをしていた人間が存在していたわけです。だから今後の夜間閉鎖も当然のごとく破られて釣り禁止になる…という懸念があるかもしれません。

でもこれは大丈夫だと思います。

護岸改修工事完了のあかつきには、ベランダへのアクセスを遮断する壁が設けられます。本来は海水の侵入を防ぐ壁ですが。図面を見る限り、そこへのアクセス経路は壁を乗り越える形で設置される数か所の階段と壁の一部を開放した防潮門扉のみ。夜間はそこを物理的に締め切るようです。

でもその壁、大人なら乗り越えられそうな高さ。やはり不法侵入が発生するのではと思われますが、それにはこんな対策がとられることになっています。

  • 監視カメラの設置
  • 有人による夜間警備(3月~11月:夜間閉鎖時間帯、12月~2月:開閉時)

3月~11月という夜間警備の設定時期が海釣りシーズンと重なります。釣り人めっちゃ警戒されとるやん。護岸内の清掃、場合によっては路駐対策もとるとの記述もあり。これにもそれ相当なコストがかかるわけで、重ね重ね申し訳ない気持ち。

ここまで対策を取られてなお不法侵入すればもうストレートに通報案件なわけで、そのリスクを冒してまで釣りをするやつは居ないだろう。と思いたい。

ちなみに監視カメラについては以前からビーチのほうには設置済みで、うっかりビーチで釣りをしたり泳いだりするとすぐさまスピーカーを通して怒られるというあれですね。

釣りをさせてもらえるという気持ちを忘れずに

先ほど書いたように、自治体にとって南芦屋浜ベランダで釣りをさせることのメリットはほとんどないはずです。私なんて芦屋市はおろか兵庫県外の住人ですし、そこの税金で維持管理されているであろう場所にフリーライドしていると考えると肩身が狭く感じることもあります。

例の資料中には「釣り利用による迷惑行為の防止」という項目があることから、そもそも釣り人は迷惑な存在という前提でとらえられてるようです。対策工事前に現地で行われたと思われるアンケートの回答が資料の最後に掲載されていますが、そこにも釣り人の苦情が散見されました。

にも関わらず!にも関わらずですよ?

「ここで釣りをしてもいいよ」と言ってくれてるわけです。こんな寛大な措置ありますか?夜間閉鎖に不満を持つ人がいるかもしれませんが、釣り人に最大限譲歩してくれていると思います。

漁港でもどこかの岸壁でもそうですが、「釣りをさせてもらっている」という気持ちは忘れたくないものです。

工事完了後の釣り場はこうなる

南芦屋浜での釣りについて、2020年6月9日の段階で分かっていることを再度まとめます。

  • 改修工事終了は2020年8月31日の予定→2021年3月末の予定
  • 3月末以降も一部で工事が続くため、全面的な解放は2021年夏以降になりそう
  • ベランダの護岸改修工事後も釣りをすることが可能
  • 新たに夜間閉鎖時間が設定されその時間は立ち入り禁止 ※閉鎖時間は未定
  • 夜間閉鎖時間に連動して周辺の公営駐車場も閉鎖
  • ベランダ以外も全島で護岸改修工事が行われるが具体的なことは未定

ネガティブなことはひとまず置いといて、工事完了後はどんな釣り場になるのか期待をもって見ていきたいと思います。

既存の釣り場ではありますが、新しく生まれ変わるというワクワクもあります。釣り場の構造について基礎はそのままだと思われますが、その上にある構造物は床面も含めて一新されるようです。

防潮堤が2段構えで設置される

工事完了後のイメージ画像を貼りたかったのですが、管理事務所から許可が降りなかったのでリンクをします。まずはこちらをご覧ください。

南護岸イメージ

言うまでもなく改修工事の目的は釣り人排除ではなく高潮対策です。21号の台風被害で南芦屋浜の住宅街が水浸しになり、周辺の港から漂流したコンテナが打ち寄せられた様子は大きなインパクトを残しました。

南芦屋浜地区 台風21号被害受け護岸かさ上げへ

高潮被害というと教科書に掲載された白黒写真でしか見たことなかったのですが、よもや自分の知っている場所で起きようとは。

その高潮から街を守るため、南芦屋浜ベランダの東西を横断するように巨大な防潮堤が築かれます。しかも2段構えで。松林の近くに後壁として低い防潮堤が1本、かつて釣りができた海に近いスペースの後ろに中壁として高い防潮堤が1本。ざっくりしたイメージですいませんが、こんな位置関係です。

後壁と中壁のざっくりしたイメージ

まるで城か要塞のような物々しさですが、海からの海水侵入を防ぐためのものだから当たり前かもしれません。

釣り場となるスペース

海に近い中壁の防潮堤は図面から読み取る限り3メートル近い高さがあります。相当大きな建造物で、工事終了までに何カ月もかかるのが納得できます。東西に長くなるわけですが切れ目が数箇所しかないので、海に近づくためには遠回りが必要になりそう。

この中壁の防潮堤と釣りができるスペース、平磯海づり公園を思い出してもらえれば近いイメージになるんじゃないかと思います。

平磯海づり公園

漂着したコンテナによってなぎ倒された転落防止柵はおそらくすべて新設され、岸壁の一段深くなっていた箇所がなくなりフラットな床面になるようです。

陸側の防潮堤

陸側に近い後壁の防潮堤は海の眺望を確保するため大人の身長より低い高さになり、これまた眺望を確保するため一部がアクリル板になります。駐車場とトイレがあった中央付近に防潮門扉が設置され、昼間はそこが開放されるようです。反対に閉鎖される夜間や高潮警戒時は閉じられると。

その他に数箇所、壁を乗り越える形で階段が設置されるようです。ここも平磯海づり公園に構造が似ていますね。

足元の敷石もちょっと変わるかも?

工事内容の中には「被覆石整備工事」という工事も含まれています。

被覆石というのはおそらく基礎の敷石のことだと思われます。南芦屋浜の南西部分にあるビーチに石畳の突堤が2箇所ありますが、あれと同じような形状の石がベランダの海底に敷き詰められています。足元から沖5メートルぐらいまでは水平に敷かれ、そこから先は途切れてだんだん深くなる構造で。

具体的にどう整備するのかは不明ですが、多少はタナの深さが変わるかもしれませんし、居付きの生物に変化があるかもしれません。たぶんあまり気にしないでいいとは思いますが。

さしあたり今わかっている釣り場の構造は以上です。

釣り場を釣り場として残すために

昨今の釣り場事情から、マナー違反が横行すればここも釣り禁止になる危うさを抱えています。そうならないために、釣り場を釣り場として未来に残すために、釣り人も釣具屋も釣具メーカーも意識して動いていかなければなりません。未来の釣り人、子どもたちに釣り場を残さねば。

少なくともゴミは持ち帰ろう。もうこんな光景は見たくない。

個人的にな思いを書かせてもらうと、ここ南芦屋浜ベランダは私が20年ぶりの釣りを再開した思い出深い場所です。

ここで20年ぶりのサビキ釣りをしてカタクチイワシを釣り、マアジを釣り、タチウオを釣り、新しくサヨリ釣りを覚えました。今こうしてこのブログを書いているのも南芦屋浜という釣り場があってこそ。混雑するから避ける人も多いと思いますが、私には大切で特別な場所です。

何十年先もここで釣りができますように。