屋外でメダカを飼育しよう!2000円から始める水換え不要の睡蓮鉢ビオトープ

睡蓮鉢でメダカを飼おう
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子供の頃から密かに持ち続けていた夢。それは池がある家に住むこと。

しかし現実は厳しいもの。

池はおろかまともな庭をもつことすら叶わぬまま、気づけばおっさんになっていました。池を持つのはもう諦めたほうがよさそうです。来世に期待。

でもほしいですよ、池。諦めきれません、池。そこで玄関先のデッドスペースに池を作ることにしました。直径50センチぐらいの池を。

「そんな小さな池ができたとして魚は入るの?」入ります!メダカなら何匹も。

「水換えとか面倒臭いんじゃない?」大丈夫!水換え不要で手間いらず。

玄関先に池を作る方法を教えます。作ろう俺の池。

睡蓮鉢ビオトープでメダカを飼おう

玄関先に池を作ると言っても、地面を掘って池を作るわけにはいきません。ここは睡蓮鉢を使ったメダカの飼育環境、すなわちビオトープを俺の池とします。

睡蓮鉢でメダカや水草を育てる

まずは仕上がりをみてください。これが俺の池です。誰が何と言おうと池です、これは。

玄関先に置ける睡蓮鉢の池

玄関先に置ける睡蓮鉢の「池」

睡蓮鉢はその名の通り本来は睡蓮を育てるための容器です。

世はメダカブーム。

睡蓮鉢でメダカを飼育するとともに睡蓮などの水草を育てる趣味が広がっています。ニシキゴイや金魚のように品種改良が行われ、色とりどりのメダカが生まれています。ニシキゴイのように広い池は必要なく玄関先やベランダなどの狭いスペースにも設置可能で、現代の住宅事情にあった趣味だといえます。

水草の林の中をスイスイと泳ぐメダカ

水草の林の中をスイスイと泳ぐメダカ

メダカ人気がすっかり定着した今、睡蓮鉢は通販でも買えますしホームセンターでもいろいろな種類が売られるようになりました。

基本は陶器製、安くすませたいならプラスチックや発泡スチロール製のものもあります。実際のところ、ある程度の深さと水が漏れない構造であればなんでも使えます。家庭菜園用のプランターで穴が塞げるものも安くて便利です。なんならバケツやタライでも。

ビオトープってなに?

ところでビオトープってなんでしょう?

その意味を調べると、ドイツ発祥の言葉とか生物学がどうのとかいろいろな情報がでてきます。本来の意味はそれに違いないので各自お調べください。

今の世間一般的なとらえかたとしては「自然とは切り離された人工の水槽や池の中で生態系が成立している環境」。そんな感じ。屋外でのメダカ飼育環境こそがビオトープ、今はそんなとらえ方もされているし、それはそれで今の正解なんだと思います。

私のイメージは、自然の一部を切り取って手元に置いておくイメージ。ここではそういうことにさせてください。

あんな狭い睡蓮鉢の中で生態系が成立するのか?という疑問はごもっとも。

しかし睡蓮鉢の環境が安定していくことで、水換え不要、エサやり不要、ブクブク(エアレーション)不要という、生態系が成立していないと実現できない環境ができあがります。

なぜこんな環境が成立するのか。

水換えなしでもメダカが育てられる理由

屋外飼育は環境が自然に整うから

例えば部屋の中など、屋内で魚を飼育するうえで用意しなくてはいけないもの、そして定期的に必要な作業として以下のようなものがあります。

  1. 水が汚れるから定期的に水換えをしなくてはいけない
  2. 酸素供給のためのエアレーション(ブクブク)装置を用意しなくてはいけない
  3. 毎日のようにエサやりをしなくてはいけない

屋外飼育のメダカだとこれらがほとんど不要になります。それぞれの項目に対する理由がこちら。

  1. 水が自然にろ過されるから水換えをしなくていい
  2. 酸素が自然に供給されるからエアレーションが必要ない
  3. エサが自然に発生するからエサやりをしなくていい

自然に自然にってそんなアホな?胡散臭くない?そう思いますよね。

でも飼育環境が安定しさえすれば実現できます。特別な薬品とか、謎のありがたい石とかは必要ありません。ほとんど放置してても問題がない環境が出来上がります。

水が自然にろ過される

屋外でメダカを飼う際に水をろ過してきれいにしてくれる2つの要因があります。それが「バクテリア」と「水草」。

  • バクテリア…毒性が強い成分を毒性が弱い成分に変える
  • 水草…毒性が弱い成分を肥料として吸収し無害化する

「ろ過」と聞くと目の細かいフィルターを通して汚れを濾し取るイメージが浮かびますが、いろいろな生物の力によって毒性のある成分を無害な成分に変えることもろ過と呼びます。

メダカを飼っていれば当然糞をします。死んで死体になることもあります。水草も枯れて腐ります。これらはアンモニアを発生させ、それ自体はメダカにとって毒性が強いものになります。

水に住み着いたろ過バクテリアと呼ばれるバクテリアの働きで、このアンモニアを亜硝酸塩に変化させます。しかしこれにもまだ毒性がある。

さらに別のろ過バクテリアによって、亜硝酸塩は硝酸塩に変化します。これでめでたしと思いきや、まだ毒性が残ります。

しかし水草にとって硝酸塩は肥料。水草の成長が早い時期だとぐんぐん吸収してくれます。これにてアンモニアを無害化する処理が完了するわけです。

以上のことをまとめます。

  1. メダカの糞などが原因で有毒なアンモニアが発生
  2. ろ過バクテリアがアンモニアを亜硝酸塩に変える
  3. ろ過バクテリアが亜硝酸塩を硝酸塩に変える
  4. 水草が肥料として硝酸塩を吸収する

室内環境だと定期的な水換え作業が必須となるわけですが、屋外環境なら太陽の光をうけて水草の繁茂や成長が旺盛になるため、バランスが整えばろ過のサイクルが成立します。

このろ過のサイクルが成立した水の状態を俗に「水ができる」と表現することがあります。水ができた状態は飼育に慣れると判断できるようになるはず。パキッと透明度が上がるので見た目で判断できます。

ビオトープでのメダカ飼育は水草飼育とワンセットになっていますが、こういった相乗効果があるから理にかなっていますね。

バクテリアは空気中や水道水からわずかな量が取り込まれてから増えるため、十分なろ過環境ができあがるには相当な時間がかかります。これは水温が高い時期ほど短縮されますが、少なくとも一カ月はかかると考えたほうがいいと思います。

もし既に環境が整っている水槽があるのなら、そこからバクテリア入りの水をもらえば、それを種水として早く環境を整えることができます。

一方、ペットショップなどでボトルに入ったバクテリアなるものが売られています。

これについては私自身で試したことがないので、言及は避けさせてもらいます。賛否いろいろあって、それなら時間が掛かっても自然に任せたほうがいいなという判断です。各自調べてご利用ください。

自然に酸素が供給される

一般的な水槽の環境だと、ポンプから空気を送って泡をブクブク出すことで水に酸素が供給されます。

あれは泡から酸素が供給されるというよりは、泡が水面に到達して弾けることで空気に接する水の表面積が増え、結果として酸素が水に溶け込む量が増えるというメカニズム。だから、泡以外でもなんらかの形で水面をざわざわと動かしてやればいいわけです。

メダカは小さいので必要とする酸素量が少ないというのもありますが、屋外に置いた水槽なら風が吹いて水面が揺れるだけで水の表面積が増え、酸素が供給されます。

また、水草を入れておくことで光合成により酸素を供給してくれます。

エサが自然に発生する

エサが自然発生するとは言っても無から発生するわけはなく、外部から飛来するものに由来します。

ひとつは植物プランクトン。

バケツに水を入れて放置してたら、いつの間にか水が緑色になっていたという経験はありませんか?あれは植物プランクトンの色。ではその植物プランクトンはどこから来るかというと、休眠状態でチリなどに付着して飛来するようです。それが水の中に落ちて増えるというわけ。

もう一つは飛来する昆虫類。主に蚊の幼虫。

屋外に水を置いている以上蚊がそこに卵を産みボウフラが発生してしまうのですが、メダカがいればほとんど食べてしまうので近所迷惑にはなりません。刺さない蚊そして頭の上に群れる蚊でお馴染み、ユスリカも卵を産み、ボウフラとは違う形態の幼虫が水底に発生します。それが釣りエサでもおなじみのアカムシ。厳密にいうと蚊ではなかったりするのですが、それはまた別のお話。

これ以外にも、底の土をしきりについばんだりしているので、人間の目には見えない小さな微生物も食べているようです。

繁殖目的なら栄養価が高いエサをあげるほうが圧倒的に効率良く育ちますが、とりあえず飼うだけなら放置でも育ちます。

小さな生態系を作って楽しむ

このように適切な環境を用意してしばらく経てば自然にエサの供給と水が浄化される環境ができあがります。小さな生態系の誕生です。

屋外でのメダカ飼育はいろいろな楽しみ方がありますが、私自身は小さなスペースに自分の手で生態系を作り上げることを醍醐味と感じています。

しばらく経てば水を求めていろいろな生き物が飛来します。例えばハチやバッタなど。

トンボも飛来して産卵を行い、結果としていつの間にかヤゴが生息していることもあります。それがメダカを襲うこともあり、メダカ飼育の敵とみなされることがほとんどですが、私はそれもメダカ飼育の楽しみと感じています。自分が作り上げた環境で卵から育ち、そして羽化して飛び立っていくのは感慨深いものがあります。

一方でメダカの交配を管理して美しいメダカを生み出すという楽しみ方もあり、それはそれで奥の深い、入ったら抜け出せない楽しみ方のひとつです。

睡蓮鉢ビオトープに必要なアイテム

では「低コストではじめる」ということを最重視してビオトープの環境を整えたいと思います。

安定すればわずかな水道代ぐらいしかランニングコストがかからないので、環境さえ整えてしまえばこっちのもんです。

予算2000円から始める睡蓮鉢ビオトープ

ではさしあたり予算を2000円以内に設定しましょう。

最低限必要なものは以下の通り。

  • 飼育容器… 睡蓮鉢がベストだけど水が貯められるならバケツやプランターでもOK
  • 底に敷く土 … 園芸用の赤玉土が安くておすすめ
  • 水草 … まずはホテイアオイがあればいい
  • メダカ用のエサ … お好みで
  • 水道水 … 屋外に一日置いてカルキ抜き
  • バケツ…カルキを抜いた水を汲み置きしたり水換えの一時避難所にしたり
  • メダカ … まずは5匹ぐらいから

それぞれ補足していきます。

飼育容器は容量が大きいほうがいい

雰囲気がある陶器製の睡蓮鉢だと、それだけで最低2,000~3,000円になってしまいます。とりあえずそれは次の機会にということで、まずは樹脂製の安いものから始めましょう。

園芸用のプランターで、底穴が完全に塞げるものが最もリーズナブル。このように付属の栓で塞げるようになっています。

栓で底を塞げるタイプのプランター

栓で底を塞げるタイプのプランター

私はこれをメインに使っています。

似たような形状でメダカ専用の樹脂製容器もいろいろ売られています。

ここでひとつ重要なポイント。

容器に入る水量が多ければ多いほど飼育環境は安定します。水質の悪化、急激な水温の変化、これらネガティブな要因が進行するスピードが遅くなるからです。

設置スペースが許す範囲で、なるべく水量が多くなるものを選ぶようにしましょう。

また、酸素をたくさん取り込めるよう開口部が広くて水面が広くとれるすり鉢型で、水温が安定するよう15~20センチ程度の深さが確保できる形状が望ましいです。

底に敷く底床は園芸用の赤玉土

必須ではありませんが、睡蓮鉢の底には底床と呼ばれる土や石を敷き詰めると水質が安定します。この底床にろ過バクテリアが定着しやすいからです。

メダカ専用と称したものも売られておりそれはそれでいいものですが、リーズナブルに仕上げるなら園芸用の赤玉土中粒がベスト。ビオトープの底床としては大定番。

ビオトープの定番赤玉土

ビオトープの定番赤玉土

なぜこれがいいかというと、小さな穴が無数に開いた多孔質でその中にバクテリアが定着しやすいこと、栄養分を含まないから水が富栄養化しないこと、そして何より安いこと。

ホームセンターなら十数リットル300円ぐらいで売られています。そんなたくさんいらんという場合は、100円ショップでも2リットルほど入ったものが買えます。それで十分といえば十分。

これを鉢の底数センチぐらいの厚さに敷き詰めればOK。水を注ぐと細かな泥が舞い上がって濁りますが、数日置けば澄んできます。

赤玉土は、底床のほかにも睡蓮などの水草を植える用土としても使えるので無駄になりません。

有能過ぎる水草ホテイアオイ

メダカとベストマッチする水草は間違いなくホテイアオイ。

琵琶湖でバス釣りしたことがある人なら見かけたことがあるかもしれません。止水域の水面を埋め尽くすように増える水草で、暑い時期に涼しげな青い花を咲かせます。

夏の日に開花した「青い悪魔」

夏の日に開花した「青い悪魔」

ホテイアオイという和の響きがある名前で呼ばれていますが、実際はバリバリの外来種。圧倒的な繁殖力で水面を侵略するため「青い悪魔」の異名を持ちます。だから不要になっても水路や池などには決して捨てないでください。

以下の理由で、メダカ用の水草としてはこれ以上ないぐらい相性バツグン。

  • 水面下に伸びる根にメダカが産卵でき、繁殖に役立つ
  • 栄養分の吸収が旺盛なので水の富栄養化を防いで浄化してくれる
  • 浮かべておくだけで土に植える必要がない
  • 肥料を足すことなくほったらかしでがんがん増える
  • 水面に葉を広げるので暑い時期の日よけになり水温上昇を防ぐ

ここでは詳細を省略しますが、複数のホテイアオイと稚魚飼育用の水槽があれば、ホテイアオイをローテーションさせることでガンガン繁殖させることが可能。産卵済みのホテイアオイを稚魚用の水槽に移動して、孵化したら親用の水槽に戻すというローテーションを繰り返すのです。

植物だけど肥料をやる必要はありせん。先ほど説明したように、メダカのウンコが分解されてそれになる。栄養分吸収による水質浄化にも大きく貢献します。

価格も1株100円ぐらいで買えるリーズナブルさ。睡蓮鉢に1株浮かべておくだけで、初夏以降は倍々に分裂するかのように爆増。そして増えた葉が直射日光を遮って水温上昇を防ぐ。

メダカ飼育初心者にはマストな水草です。まずはこれさえあればいい。

寒さに弱いので、冬場は外に出しておくとよっぽどの暖冬でない限り枯れます。でも4月ぐらいになってからペットショップやホームセンターで売られ始めるのでまた買えばいい。

5月以降のホームセンターを覗けば、ビオトープ用として売られている水草はホテイアオイ以外にもたくさんあります。見た目でお好みのものを探してみてください。まずは売っているものをポットごと睡蓮鉢に沈めるだけです。マツモなんかも浮かべておくだけで手間いらずなのでおすすめ。

睡蓮鉢の名の通り睡蓮を育てるのも楽しい。温帯性の姫睡蓮なら冬越えもでき、年に数輪は美しい花を咲かせてくれます。

初夏に花を咲かせた姫睡蓮

初夏に花を咲かせた姫睡蓮

1年ごとに株分けをすれば、どんどん増やしていくこともできます。

おすすめしたいメダカのエサ

エサやり不要というのは本当なのですが、早く大きく健康に育てたい、産卵をどんどんさせたいのであれば、やはり市販のエサが有用です。エサやりは楽しいし。

メダカ専用エサはめちゃくちゃたくさんあり、色が濃いメダカの色をより濃くする色揚げ用のエサなんてのもあります。でも普通に飼育するなら普通の安いやつでOK。

その中でも、長時間水に浮いて水を汚しにくいエサを初心者にはオススメしたい。その観点でいくとこれが一番おすすめ。

※Amazonは高いから実店舗で買いましょう

とにかく選択肢が膨大なので、いろいろ試すのが楽しいと思います。

なお魚粉が入ったメダカのエサを屋外に置いておくと、高確率で猫に目を付けられます。気を付けましょう。

水道水は念のためカルキ抜きを

水は水道水で構いません。むしろ雑菌や有害な成分の心配がない水道水のほうが、川の水や湧き水を使うより安全です。基本は水道水を使いましょう。

ただし汲みたての水道水には塩素が含まれており、これはメダカやその他の生物にとって有害です。そこでいわゆるカルキ抜き、塩素を抜く作業が必要となります。

屋外なら太陽光、紫外線にさらされることで室内よりかなり早く抜けていくので、それほど神経質になる必要はありません。別途カルキ抜きの薬剤を買う必要もないと思います。私は使いません。

のちほど説明しますが、汲みたての水道水には水を浄化するバクテリアがほぼ存在しない状態。塩素が抜けたとしても、その水でメダカを飼育するとどんどん水が汚れてメダカが弱っていきます。これを回避するにはバクテリアが増えるまである程度の時間経過が必要です。

最初のメダカはこの3種から選ぼう

肝心のメダカ選び。

ペットショップやホームセンターのアクアリウム売り場に行くと、たくさんの種類のメダカが売られています。中二病をこじらせたような仰々しい名前の美しい改良メダカ達に目を奪われますが、落ち着いて値段を見てください。そして今は諦めてください。

最初のうちは高確率で死なせてしまうのがオチなので、まずは安いメダカを3~4匹程度飼うことから始めて慣れていきましょう。改良メダカは次の飼育に慣れたフェーズになってから。

最初に飼うメダカとしておすすめなのは、黒メダカ、青メダカ、白メダカの三種。

黒メダカは、メダカ原種となる、もしかしたら昔はその辺の用水路や田んぼにいたかもしれないメダカ。

メダカの中のメダカ 黒メダカ

メダカの中のメダカ 黒メダカ

とはいえ、その地域に住んでいるメダカとは遺伝子的に異なるはずなので、飼えなくなっても放流はしないように。これは市販のメダカ全般に言えることです。あらゆる水草も同じく。

黒メダカといいながら日光にあたると黄金色にみえたりして、地味ながら美しいメダカです。

次に涼しげな色をした青メダカ。

いうほど青くない青メダカ

いうほど青くない青メダカ

名前からイメージするほど青くはありません。言われてみれば青っぽいかな?という灰色がかった青さ。これはこれで奇麗だと思いますし、繁殖させているうちに背中にわずかなラメっぽいウロコを背負う個体も出てきやすい。

そして名前の通り白い白メダカ。

結構白い白メダカ

結構白い白メダカ

どことなく上品な雰囲気がします。藻が生えて黒っぽくなりがちな睡蓮鉢に映えます。安価なメダカの中では最も美しいメダカといえるかもしれません。

以上の三種なら、健康状態がいいメダカがリーズナブルに手に入るはずです。

一方でこの三種よりずっと安い薄オレンジ色のメダカが大量に売られていると思います。緋メダカです。

残念ながら緋メダカは観賞魚のエサ用として流通することがほとんどで、あまり丁寧な扱いを受けていません。ガリガリに痩せていたり。それゆえ短期間で死にやすい。十分にきれいな色のメダカだと思うので、健康な状態の緋メダカが売られていてもいいと思うのですが…

メダカと一緒に飼いたい生き物

メダカと一緒に飼うことでよりよい環境を作ってくれる生き物がいます。

代表的なものはヒメタニシ。

摂食ろ過というエサの食べ方をするため、植物プランクトンで緑色に濁った水を吸い込んでは濾し、澄んだきれいな水を排出します。ときに鉢の中に生えた苔類もハムハムしながら掃除してくれる、メリットしかないヤツ。田んぼがあるような地域ならその辺の用水路の壁にくっついてるはずなので調達してきましょう。お店でも1匹数十円という安さで売ってます。何匹か一緒に入れておけば勝手に繁殖します。

あとはエビ類。おすすめはミナミヌマエビ。

関西の釣りエサではブツエビとしてお馴染みの完全な淡水エビ。メダカのエサの食べ残しなどを小さなハサミでツマツマ摘まんで掃除をしてくれます。三方をコンクリートで固められた人工的な用水路でも壁にびっしり群れていたりするので、網で容易に捕獲できます。買うとしても安い。これも数匹入れておけば勝手に増えていきます。孵化した稚エビはメダカのエサにもなります。

睡蓮の葉の上で逢引するミナミヌマエビ

睡蓮の葉の上で逢引するミナミヌマエビ

ヌマエビはメダカより環境の変化に弱いとされており、死ぬと茹でエビのように赤くなります。メダカと一緒に入れておくことでいち早く環境の異変を知らせるアラートになったりもします。

こうなると他の魚も一緒に入れたいという気持ちがわいてくるでしょう。しかしこれについては慎重になったほうがいいと思います。

例えばお祭りで掬ってきた金魚なんかも小さなうちは大丈夫ですが、あっという間に大きくなり、鉢の中を荒らすようになります。実際やってみて失敗したから分かるのですが、金魚は底の土を吸い込んでは吐く習性があり、メダカの鉢の中に泥が舞って見た目がとても悪くなりました。

睡蓮鉢ビオトープの立ち上げ方

さて、必要なアイテムが揃ったところで、睡蓮鉢ビオトープの立ち上げ手順を簡単に説明します。

立ち上げに最適な時期はゴールデンウィークあたり

立ち上げに最適な時期は5月。間違いなくこの時期がベスト。

寒暖差の激しい4月に比べると水温の変化もゆるやかで、適度な日射があり安定して育てやすい時期。気温も日ごとゆっくり上がっていくので、ろ過バクテリアが増えやすい。水草もメダカ関連グッズもお店での取り扱いが増えていく時期で手に入りやすい。

夏から初秋も、長時間直射日光があたるようなことがなければとりあえず大丈夫です。

ただ、晩秋から冬に始めるのだけはやめたほうがいいでしょう。気温が低くてバクテリアも増えず、安定した環境を作るのが困難です。早々に全滅するのがオチ。

設置場所を決める

理想的な設置場所は、午前中は太陽の光が入って午後は日陰になるような場所。

6月前半ぐらいまでは直射日光が一日当たっていても問題ありませんが、そのまま夏を迎えるのは厳しい。夏の西日は強烈です。

メダカにとって日光は健康をもたらす重要な要素ですが、夏の直射日光が当たり続ければ水はお湯のようになります。高温に強く水温40度ぐらいになっても平気で生きていたりするメダカですが、ダメージを受けるのは間違いありません。

とはいえ都合よくそんな場所も無いと思うので、夏場、6月後半から9月ぐらいまではすだれを掛けるなどしてしのぎましょう。水草を茂らせるのも水温の上がり過ぎを防ぐ効果があります。

容器に赤玉土を敷いて水を入れる

設置場所を決めて容器を置いたら、そこに赤玉土を敷きます。ズザザザザッ。

底に数センチ赤玉土を敷き詰める

底に数センチ赤玉土を敷き詰める

底がみえなくなるぐらい、2~3センチ程度敷けばいいでしょう。適当にまんべんなく広げておきます。スロープ状にしたり変化を加えてもいいですよ。

次に水を注いでいきます。水道水をそのまま使って構いません。そのまま勢いよく注ぐと泥が舞って濁りますので、優しく注ぎましょう。コップなどを置いて底に注ぐと泥が舞いにくくなります。

泥が舞い上がらないよう静かに水を注ぐ

泥が舞い上がらないよう静かに水を注ぐ

泥が舞ったとしても、数日置けば沈殿して水は透明になります。

水草をこの赤玉土に直接植えることもできますが、メンテナンスのやりやすさを考えると、鉢に植えたものを沈めるのがオススメ。安い苗用のポットが使いやすいです。

10日ほど屋外で放置する

注いだ直後の水は水道水の塩素が残りますし、バクテリアはゼロなのでろ過機能も働きません。また赤玉土だと初期は水質が酸性に傾いてしまうため、生物にとっては過酷な環境となります。急ぐ気持ちも分かりますが、メダカはまだ入れないように。

ホテイアオイなどの水草があるなら先に浮かべておくといいでしょう。ポットに入って売られていた水草なら、ひとまずポットごと睡蓮鉢へ。

メダカを入れるまでは最低10日ぐらいは待った方がいいと思います。まだ気温が低い時期ならもっと長い期間が必要。そして完全にろ過のサイクルが出来上がるまでは少なくとも一カ月以上かかるという認識で。

メダカを入れる前にパイロットフィッシュと呼ばれる生き物を入れて様子見をすることもできます。パイロットフィッシュというのはそういう名前の魚がいるわけではなく、環境をチェックするのとバクテリアの増殖を促進するために入れる生き物のこと。いわゆる人柱的な役割を担います。

生き物を入れることで意図的に水を汚し、それを処理するバクテリアの増殖を図ることができます。

パイロットフィッシュとしてミナミヌマエビが使われることが多いですがタニシでもOK。そもそもメダカが使われることもありますが、やはり環境が整っていないので死ぬ確率は高くなります。

メダカを投入する

さあ、10日ほど経てばいよいよメダカを投入です。

この時点でバクテリアが十分増えているとはいえないのですが、ただちにメダカが弱ることもないはずです。

まずは数匹だけ入れて様子をみるのがベターです。水1~2リットルあたりメダカが一匹という目安がありますが、最初はきっちりそれに従ったほうがいいでしょう。環境が整えば倍以上に増やしても大丈夫になります。

買ってきたメダカは酸素入りのビニールに密閉されていると思うので、しばらくそれを浮かべておいて屋外の水温に慣れさせる必要があります。その後、袋を開けてから少しずつ睡蓮鉢の水を注ぎ入れて水合わせをしていきます。これによって異なるPHに慣れさせます。

それでも最初のうちは何匹か死なせてしまうはず。一気に死ぬのではなくポツリポツリと死んでいくなら、元々その魚に問題があった可能性もあります。仕方ない。どうもおかしいなと思う場合は、水換えも試してみてください。

始めのうちは水換えも必要

メダカを投入して順調に飼育しているうち、次第に水が濁ってメダカが見えなくなる場合があります。抹茶みたいに。

グリーンウォーター化して濁った水

グリーンウォーター化して濁った水

この状態は、緑水、グリーンウォーターと呼ばれ、植物プランクトンが増えた状態です。水の状態としては一概に悪いとは言い切れず、ハイポネックスなどの液肥を足して意図的にこの状態にする場合もあります。特に稚魚を育てる場合はプランクトンがエサになるので好都合。

ただ、透明な水のほうがメダカもはっきり見えて気持ちいい。濁りを取りたい。そこで濁りを取る方法はいくつかあります。

ひとつは積極的に水換えをすること。一週間ごとに半分ずつぐらい水を入れ換えると次第に濁りがおさまってくることがあります。そうしているうちにろ過バクテリアも増えて透明度が増していきます。

もう一つは日光を遮ること。すだれなどで遮光すれば植物プランクトンが減ります。梅雨時の雨が続く日などは放っておいても透明になることがあります。

おすすめは、水草、特にホテイアオイを入れて暑くなる時期を待つこと。

夏になればホテイアオイが爆増してどんどん水の栄養分を吸収するようになります。バクテリアが増えるスピードもあがります。抹茶状態だった水が次第にクリアになり、透明度抜群ピカピカの水になっていくはずです。遮光と組み合わせればそのスピードはさらに早くなるはず。

十分にバクテリアが増えたっぽいなというタイミングは、毎日睡蓮鉢を覗いていれば分かるときがきます。

屋外のメダカ飼育は季節を楽しめる趣味

睡蓮鉢は季節によって全く違う表情を見せます。

冬の間休眠状態だった水草の新芽が出始める春。活発に動き出したメダカが産卵するようになります。数週間もすると針の先ほど小さい稚魚が泳ぎだすように。

水草が生い茂る夏。あんなに小さなスペースにあらゆる生物がひしめきあって生命感に満ちあふれます。

次第に冷え込む秋。メダカの活性が落ち、水草も枯れて休眠状態に向かいます。少しずつ冬の足音が聞こえ始めます。

時には睡蓮鉢の水面が凍ってしまう冬。数か月前はあんなに賑やかだった睡蓮鉢の中が嘘のように静まりかえります。メダカも生きているのかどうか心配になるほど。

そしてまた春が来れば…

たった数十センチ四方のスペースに日本の四季が反映され、それぞれに違った楽しみ方を見出すことができる。これは釣りと同じ「季節を楽しむ」という要素があり、日々の生活にいくらかのメリハリを与えてくれます。

めっちゃいい趣味だと思いませんか?少なくとも私はそう思います。

慣れてくれば繁殖も容易で、どうしようか困るほどにメダカを増やすことも。(どうしよう…)

狭いスペースで安く始められる屋外のメダカ飼育。あなたも始めてみませんか?