あなたはどんな魚を釣りたいのでしょうか?そしてその魚をどこからどんな釣り方で釣りたいのでしょうか?エサ釣りでしょうかルアー釣りでしょうか?最初にそれを決めて出直してください。
ごめん嘘です。怒ってないです。それでいいんです。釣りを始めたいという気持ち、それがいちばん大事。やりたい釣りなんていろいろ経験してから決めればいいこと。
どんな趣味であれ、最初はなんにでも使える万能な道具が欲しい。釣り具に関しても同じこと。ひとつで色々な魚が釣れる釣り具があれば最高です。まずはその釣り具を釣り竿、ロッドから選んでみましょう。
この記事では最強の万能ロッドとして「ハチロク」を提案します。えっ何それ?
万能竿や万能ロッドなど存在しない
いきなりですが最初のうちにもう一回謝っておきます。ごめんなさい。
1本で全ての釣りに対応できる竿などない
1本でどんな釣りでもできる万能ロッドなどあり得ません。そんなものは現代の釣りにおいて存在し得ないのです。
現代の釣りは細分化している
なぜなら現代の釣りはジャンルの細分化が進んでいるから。
重い金属の塊でできたルアーを豪快に投げる釣りもあれば、1円玉程度の軽いルアーを繊細に投げる釣りもある。それらを同時にうまく扱えるロッドは残念ながらありません。
例えば下の写真は40グラムのメタルジグと1グラムのジグヘッド。これを同時に扱うのは無理がある。
1メートル近い青物をぶち抜けるような屈強なロッドで数グラムのルアーを扱うのは絶対に無理…とはいいませんが、釣りとして全く楽しめないです。
2メートル以上あるエサ釣り仕掛けを1メートル台の竿で扱うのもやっぱり無理があります。
初心者のための万能ロッド
人によって何を万能ロッドと呼ぶかも違ってきます。釣りに対しての経験が豊富な人ほど、それぞれの解釈は異なるでしょう。そこでこの記事では万能ロッドをこのように定義します。
これから釣りを始める初心者がなるべく幅広い釣りに対応するためのロッド
これを万能ロッドと呼んでいいのならそれに応えられるロッドはあります。ここではそんな意味合いで万能ロッドを紹介します。
こんな釣りをしたいあなたにおすすめ
と、ここでちょっと対応範囲を絞らせてください。順調に”万能”が縮小してきていますが許してください。
おすすめするのはたった1種類だけ
この記事に辿り着くまでに「万能ロッドおすすめランキング50選!」(絞れや)とか「丈夫で一生使える万能ロッド」(いつか壊れるよ)とか、使ったこともないデタラメな商品の羅列をしている記事を見たかもしれません。私はその1000倍の誠意を持って書いていくつもりです。あくまで実体験に基づいてバカ正直に。
安心してください。この記事でおすすめするロッドは86MLというタイプたった1種類だけです。価格帯もコスパが高い7,000円程度のものを選びました。迷う要素はメーカーとデザインぐらい。
こんな人におすすめする万能ロッド
さて、ここで紹介するロッドがあなたに合うかどうか、いったん整理しておきたいと思います。この記事でおすすめする万能ロッドはこんな人にむいています。
いくつかの項目にあてはまった欲張りで優柔不断でケチなあなた。大丈夫、それでいいんです。私もそうでしたから。そんなあなたを待ってたんです。これはあなたのための記事。これで縁ができたな!
やりたい釣りが明確なら専用ロッドを
逆に釣りたい魚とかやりたい釣りが明確に決まっているあなた。
そのモチベーションは必ず釣果に結びつきます。しかし残念ながらこの記事は役立ちません。申し訳ありませんが他をあたってください。
お試しで釣りがしたいなら激安セットかレンタルを
一回だけお試しで釣りをしてみたいというあなた。
その場合はレンタルか激安釣具セットを買うことをおすすめします。釣り経験者の知り合いがいるなら貸してもらうのも選択肢の一つ。それなら、やっぱり釣りなんて面白くないなと感じても後悔はないでしょう。
これは俺のための記事だと思ったあなた。少々お付き合いください。
万能ロッドのおすすめは86MLのルアーロッド
早速ですがあなたのためのおすすめのロッドを紹介したいと思います。
86MLという品番のルアーロッドがおすすめ
それは「86ML」という品番が付いたルアーロッド全般です。
通称ハチロク…と言われるほどその呼び方が浸透しているわけではないですが、ここではそう呼ぶことにします。
同じ品番なら同じような性能になる
ここではシマノのルアーマチックというロッドを例に挙げました。
しかし色々なメーカーからこの品番、あるいは近い品番のロッドが発売されています。この86MLという品番はロッドのスペックを示すため、どのメーカでも似たような性能になるのです。この品番が意味するものは何でしょうか?
86MLは長さと強さを示す品番
86MLという品番が示すものはロッドの長さと強さです。
86は長さ
86という数字はロッドの長さを示す数字。
メーカーによってはロッドの長さに若干の差があって832MLとか862MLという品番が振られています。3桁目の数字は小数点以下の差とかそれぐらいの感覚でとらえてもらえればいいです。せいぜい数センチなので大差ありません。
MLは強さ
MLというアルファベットはロッドの強さを表す記号で、投げられるルアーの重さや対応できる魚のサイズの目安となります。確固たる規格があるわけではないのでメーカーによって多少の差はありますが、気にするほどの差ではありません。
ここまで読んでもらえれば分かる通り、数字と記号が一致していれば長さと強さが一致しているということになります。だからどのメーカーのロッドを選んでも86MLという品番であれば近い使用感になります。
なぜこの86MLがおすすめなのか。
海のルアーフィッシング人気が拡大している
とその前に、今の釣り業界をとりまく状況を知ってもらって理解を深めてもらおうと思います。
釣りのトレンドは変化している
私自身は2014年から海釣りを始めました。そしてこのブログは2015年にスタート。そこから数年は私の実体験を通してこのような釣り竿を万能なものとしておすすめしていました。遠投磯竿の3号です。
有難いことに、実際にこの記事を経由して何百本もの竿が売れました。
しかしそこからもう10年が経とうとしています。この間に釣りのトレンドも変化していきました。
そのひとつとして挙げられるのは、海でやるルアー、いわゆるソルトルアー人気が拡大したこと。釣りにブランクがある人はルアーといえばブラックバスだろうというイメージがあると思いますが、海にいる魚の多くはルアーで釣ることができます。
バスの衰退とソルトルアーの躍進
SDGsや生物多様性の保全というトピックもあり、それまでバスフィッシングに偏っていたルアーメーカーが、海のルアーフィッシング、いわゆるソルトルアーに注力するようになってきました。
おおやけにメーカーが発言することはないですが、今後縮小していく可能性が高いバス釣り市場に対してのリスクヘッジだと思われます。
結果として、鉛でできた重いルアーを投げてブリやサワラなどの青物を狙うショアジギング、伝統的な漁具である餌木を発展させたルアーでイカを狙うエギング、小さなジグヘッドとワームでアジを狙うアジングなどが台頭していきました。
ソルトルアーフィッシングのバリエーションは今なお広がり進化し続けています。
磯竿ではルアーに対応できない
磯竿の選択肢が減っている
このような状況から、当時はおすすめだった遠投磯竿の3号も万能とは言いにくい状況になっていきました。今の釣り業界において万能というからにはエサもルアーもカバーできるロッドであるべき。しかし磯竿でルアーフィッシングをするのにはちょっと無理があるのです。
磯竿の構造上、ルアーフィッシングをするのにはどうしても向いていない。柔らかく長い竿ではうまくルアーが動かせません。やはりルアー釣りはルアーロッドでやるべき。
このような変化を受けてか、大手メーカーが販売する初心者向けのリーズナブルな磯竿も次第に選択肢が減っていきました。初心者なら低コストで始めるべきなのに、おすすめできる低コスト高コスパな磯竿を提案するのが難しい状況です。
ルアーもエサもやったほうが釣りを楽しめる
「いや、なんか難しそうだから自分はルアーなんてやる気はないんだけどな?」
そんなあなた。ちょっと聞いてほしいことがある。かつての私もそうだったから。チャラチャラしてるという固定観念からルアーを憎んですらいました。
こだわりを捨てたらもっと釣りが楽しくなる
でも今は違います。ルアーもエサもこだわらずにやった方が釣り自体を楽しめると確信しています。
どちらか一方の釣りで学んだことやそのとき現場で得た情報は、ルアー釣りエサ釣り相互に活かすことができます。エサ釣りで釣れている魚のサイズからその日に使うルアーのサイズを選んだり、今日は魚の活性が低くてルアーへの反応が悪いからエサの方が確実だなという判断ができたり。
より深く釣りを楽しむことができ、釣果へつながる確率も上げることができるというわけです。
どうせ釣りを始めるならルアーもエサも分け隔てなくやった方が楽しい。それを強くお伝えしたい。
「自分の釣り」を見つけるために
そんな節操のない釣りをしていく中で、これこそ自分の釣りだというものが見つかると思うんです。それがルアー釣りなるのかエサ釣りなるのかは分かりません。でそうなったらその釣りに特化したロッドなりリールなりを揃えていけばいい。きっと最初に買った釣り具より満足するものが手に入るはず。
そこに至るまでに使う「なんでもロッド」として86MLのルアーロッドを提案したい。
それはステップアップするための「踏み台」かもしれないし、本命が見つかるまでの「つなぎ」になるかもしれません。それはそれでいいんじゃないでしょうか。粗末に扱うわけでないなら。思う存分使い倒してやりましょう。
86MLのロッドを万能ロッドとしておすすめする理由
ではなぜ86MLのルアーロッドを初心者におすすめするのか。何が万能なのか。こんな理由があります。
やりたい釣りが見つかれば何するにも中途半端な存在になってしまうかもしれませんが、それまでにできるだけ色々な釣りを体験するのにうってつけの万能ロッドといえます。だから初心者におすすめしたいのです。
詳しく補足してきましょう。
86MLという品番から読み取るロッドの特性
まず86MLという品番から読み取れる情報を解説します。
86は8.6ft≒2.59m
先程も書いたように86という数字はロッドの長さ。
これは8フィート6インチ(8ft6inch)ということ。メートルに換算すると約2.59メートルです。1ft=30.48センチで8ft=243.84センチ。1inch=2.54センチで6inch=15.24センチ。243.84+15.24=259.08センチ。つまり約2.59メートル。
ちなみに12進法なので1ftは12inchです。ピンとこないし分かりにくいですね。
でもルアーはアメリカ基準なので長さはフィートやインチ、重さはポンドやオンスを使います。慣れましょう。かと思えば釣りの現場では日本の古い単位である尺とか尋も普通に使います。慣れましょう。
MLはMedium Light
MLはMedium Lightという意味。
これはロッドの強さあるいは硬さ。扱えるルアーやオモリの重さ、釣り上げられる魚の大きさととりあえず解釈しておきましょう。弱い方から強い順にXUL、UL、L、ML、M、MH、Hといったようなランクがあります。そういった意味でMLは中ぐらいの強さという位置づけ。ほら、やっぱり万能っぽい立ち位置じゃないですか?
実際にいろいろな釣りをこなせる絶妙なポジションなのです。
ルアーロッドの長さと強さはおおよそ比例していくので、約2.59メートルという長さはほどほどで扱いやすい長さ、重量もだいたい100グラム台前半だからだいたいスマホぐらい。実際持ってみると磯竿より軽く感じるはずです。
初心者はもちろん、女性や子どもでも扱いやすい長さと重さです。
スピニングリール対応のS
メーカーによっては「S86ML」など品番の頭に「S」がついている場合があります。このSはSPINNINGのS。つまりスピニングリール用のロッドということ。
これに対して頭にBがついている場合はベイトリール、両軸リール用のロッド。
どちらもリールの取り付け部分は同じなので相互に装着して使うこともできますが、持ち手部分などちょっとずつロッドの構造が異なります。基本的にはリールにあったロッドを選びましょう。
初心者は扱いのカンタンなスピニングリールから始めることをおすすめします。
幅広い重さのルアーやオモリが扱える
5グラムから30グラム程度のルアーが投げられる
ロッドのメーカーによって多少異なってきますが、86MLで扱えるルアーの重さはだいたい5グラムから30グラム程度の範囲になっています。ロッドにそれが記載されている場合もあります。
例えばメタルジグならこんな小さなルアーも問題なく投げられます。
小さなサバなどを釣るのに楽しいルアーです。
青物を狙えるような30グラムのメタルジグもにも対応します。
軽いルアーが使えないこともない
5グラムなど下の数字は下限値になるわけですが、それより軽いルアーが扱えないというわけでもないです。使っちゃだめというわけでもありません。下限値を下回りますが、2グラム程度のジグヘッドを投げられないこともない。
ただし投げにくかったり小さな反応を感じ取れなかったりしますが。
重いルアーはちょっと注意
30グラムなど上の数字は上限値。この数字に関してはちょっと気をつけたほうが良く、ルアーやオモリを投げるときにロッドが耐えれれなくても知らないよ、折れても知らないよぐらいの警告と思っておいたほうがいいかもしれません。
実際数グラム超えたところでほとんど問題ないですが、あまり遠投できなかったり慣れれば慣れるほどバランスの悪さを感じると思います。
例えばサビキ釣りなど投げずにオモリを真下に落とすような釣りであれば、この上限を超えてもそれほど問題ありません。限界はありますが。
ルアーロッドでエサ釣りをしてもいい
先ほど「エサ釣り用の磯竿ではルアーが扱えない」と書きました。
実際のところ、リールを等速で巻いてルアーを引っ張ってくる「ただ巻き(リトリーブ)」ならできなくもありません。でもやれることが限られてしまうしアタリも分かりにくい。ルアーを操っているという感覚もあまり持てない。やっぱり磯竿でルアーはおすすめできないのです。
86MLでサビキ釣りもできる
その点、ルアーロッドであれば色々なエサ釣りをすることが可能です。その釣りに最適かどうかはひとまず置いておくとして、エサ釣りとして最もポピュラーなサビキ釣りなども86MLで対応可能。
86MLであれば竿先も「そこそこ柔らかい」ので、ウキで魚のアタリをとらないミャク釣りにも概ね対応できます。例えばそれは堤防の際を胴突き仕掛けにつけたエサで狙う探り釣りだったり、テトラのすき間をねらう穴釣りだったり。86MLは一般的な磯竿より短いですが、探り釣りや穴釣りではむしろそれが武器になります。
ルアーロッドはキャスティング性能に長けた釣竿なので、サビキ釣りと並んで初心者人気の高いちょい投げ釣りにも最適。
ゴカイなどの虫エサを使った砂浜でのキス釣りなどもたのしめます。
ただ、多くのエサ釣りをするにおいて86MLは「ちょっと硬い」竿であることは否めません。エサ専門にやっていくのであれば磯竿などエサ釣り用の竿を使うほうが釣果はあがるし楽しめるのは確実です。でもちゃんと釣れるのも事実です。
86MLで出来る釣りをルアー釣りとエサ釣りの一覧
86MLで出来る釣りをルアーとエサに分けてまとめておきます。
これ以外にもできる釣りはあるので色々試してみてください。
軽いルアーを扱う釣りは難しい
どうしても86MLでは難しい釣りもあります。それは軽い仕掛けを使う釣り全般。
ライトゲームは楽しめない
ルアーだとスプーンなどでマスを狙うエリアトラウトや、ジグヘッドに付けたワームでアジを狙うアジングなどライトゲームと呼ばれるルアーフィッシング。いや、全くできないことはないです。でも1グラムや2グラムのルアーを投げようとしてもうまく飛ばせません。ルアーの操作もままならないし、ロッドが固すぎてアタリを弾いてしまう可能性も高い。
エサ釣りだと小物のウキ釣りなどは竿の長さ的にも厳しい。まずは安物でもいいからそれぞれ専用のものを買って使うほうが確実に楽しめます。
10センチ前後の小魚から50センチを超える大物まで釣れる
86MLのロッドでどれぐらいの大きさの魚が釣れるのか具体的に見ていきましょう。
小魚なら10センチ程度の魚も問題なし
まずは下限から。
厳密に言えばどんなに小さな魚であろうがそれを掛けられる針や仕掛けであれば釣れます。しかし魚の引きを楽しむということを軽視すれば10センチぐらいの魚からというのが目安になるかもしれません。たとえばこんな小アジとか。
ただ小さな魚に対して竿が固すぎるので、アタリを弾く、つまり針掛かりが悪くなる要素はあります。本来は柔らかい磯竿で釣るのがベスト。
上限の目安は50センチの青物
では上限ならどうなるでしょう?
私の経験をもとにするなら、それは50センチ前後の青物です。ハマチなどはそれぐらいが限界。サゴシならもうちょっとなんとかなる。
例えば下の写真のような60センチを超えるような青物、たとえばメジロだと正直きついです。
釣り上げられないとは言いませんが、近くに寄せてくるのに時間がかかってしまいます。ガラガラに空いた釣り場ならまだしも、都会の混雑した釣り場だと迷惑をかけてしまうかも。
タチウオなら1メートル超えでも釣れる
タチウオは細長い魚なので、1メートルを超えるようなサイズでも楽しみながら問題なく釣り上げられます。
86MLのロッドはタチウオ釣り全般にぴったり。ルアーならメタルジグを投げるショアジギングやワインド、エサ釣りなら引き釣りなど1本でマルチにこなせます。
2ピースロッドだからお手入れカンタン
収納時は半分の長さになる
86MLのロッドの多くは2ピースの構造になったロッド。
おおよそ2.6メートルのロッドをちょうど半分の位置で切ったものを、つなぎ合わせて完成させるロッドです。
使うときは繋げるだけ 仕舞うときは抜くだけ
使うときはその2分割されたロッドをつなぎ合わせるだけで準備完了。磯竿のようにスルスルとアンテナのように伸ばしつつガイドの位置を整える…という手間は必要ありません。
仕舞うときはつなぎ目をスポンと抜くだけで終わり。磯竿だとこうはいきません。
メンテナンスは水洗いして乾かすだけ
日常的なメンテナンスは汚れた部分を水洗いするだけで十分。あとは乾かすだけ。
収納時の長さはデメリットかも
デメリットは持ち運び時の長さ。最小でも二分割した長さ、つまり1.3メートルになってしまうので、自転車での移動などはちょっとじゃまになるかもしれません。
各メーカーおすすめの86MLロッド
国内の3大釣り具メーカーといえばシマノ、ダイワ、がまかつ。総合釣り具メーカーなのでロッドにおいても3大メーカーといえます。
ただ、がまかつに関してはリーズナブルなロッドのラインナップがありません。
やはり初心者には低コストで初めて欲しいのでここではシマノとダイワを中心に、その他初心者向けの低コスト高コスパなロッドを扱うメーカーのおすすめ86MLロッドを紹介します。
どれもおおよそ7,000円前後で買えるコストパフォーマンス抜群のロッドです。
シマノ ルアーマチック S86ML
ここ数年、初心者向けのリーズナブルな釣り具に力を入れてきているのがシマノ。
自転車のパーツでも有名な会社です。あなたがのっている自転車のギアに「SHIMANO」の文字があるかもしれません。
近年最も売れているるルアーロッド
86MLというロッドのカテゴリの中で、おそらく最も売れたのではないかと思われるのがルアーマチックS86ML。現行モデルは23年発売の新モデルです。
10年ほど同じモデルが売られ続けてロングセラーになっていたのですが、2023年にリニューアルされデザインが一新されました。こういった低価格のシリーズがリニューアルされるのは釣り具業界において珍しいこと。人気の証といえるでしょう。
この記事と内容が被るところも多いのですが、ルアーマチックについては別の記事でねちっこく解説してるのでこちらをご覧ください。
シマノ シエナコンボ S86ML
当記事で紹介しているロッドは基本的にロッド単体で販売されているものです。リールについては自分で選ばないといけません。それはそれで道具を選ぶ楽しみなのですが、右も左も分からない初心者にとってはちょっとしたハードルです。
ルアーとリールが組み合わされた万能セット
そこで86MLのロッドとそれに合うリールが最初からセットになったのがシマノのシエナコンボ。
このセットがあれば、あとは釣り糸の先に仕掛けを結ぶだけで釣りができてしまいます。
また、ここで紹介するロッドで唯一、2ピースではなくテレスコピックタイプのロッドです。振り出し竿とも呼ばれ、ラジオのアンテナのようにスルスルと伸ばしていくタイプ。
2ピースに比べて準備やお手入れはちょっと手間になりますが、コンパクトに収納できるので自転車移動がメインの人などにぴったり。
シエナコンボもねちっこく解説してるので、手っ取り早く釣り竿とリールのセットが欲しい人は参考にしてください。
ダイワ ルアーニスト S86ML
シマノと双璧を成す国内釣り具総合メーカーがダイワ。
経験者の2本目にもおすすめしたい
ルアーマチックの人気を意識したであろうシリーズを後発で発売しました。それがこちらのルアーニストS86ML。
86ML以外にも幅広いルアーフィッシングに対応できるモデルを網羅しているので、これから新しいジャンルに手を出したい経験者が選ぶ2本目3本目としても頼もしいシリーズ。
メジャークラフト ファーストキャスト FCS-862ML
近年における海のルアー釣り、つまりソルトルアーの普及に大きく貢献したメーカーはどこでしょうか?
ソルトルアー躍進の立役者ともいえるメーカー
いろいろな意見があると思いますが、私はメジャークラフトというメーカーがそれに該当すると思います。少なくとも私はこのメーカーがなければルアーフィッシングに手を出すことはありませんでした。
細かいニーズを満たす商品はもちろんリーズナブルな商品も数多くあるので、ベテランにも初心者にもやさしいメーカーといえます。
初心者の定番シリーズ
リール以外の釣り具はほとんどすべて網羅しているメーカーなのでもちろんロッドもあります。最も廉価なファーストキャストシリーズには、ほぼ86MLな862MLがラインナップされています。
メジャークラフト ソルパラ SPS-862ML
多くの人をルアーの世界に引きずり込んだソルパラ
同じく廉価なロッドで多くの釣り人をソルトルアーの世界に引きずり込み続けているのがソルパラシリーズ。船での釣りを含めて多くのルアーフィッシングをカバーするバリエーションがあります。
これもファーストキャストとおなじく862MLがラインナップされています。
ファーストキャストより1ランク上の位置付けになるシリーズですが、Amazonだとファーストキャストとソルパラがほぼ同じ価格になっているタイミングもあります。
アブガルシア ソルティーフィールド SFS-832ML
一応海外メーカーですが、日本にローカライズされた商品も数多く出しているアブガルシア。
デザイン性が高いメーカー
バッグなどのアパレルも幅広く扱っていてデザイン性が高いのが特徴です。好みがわかれるところもありますが、ロゴを含めてアブガルシアのデザインが釣具メーカーのなかで一番洗練されていると思います。
86MLよりちょっとだけ短いソルティーフィールド832MLが最廉価モデル。
といっても6~7センチ短いだけなのでこれが目立って不利になることもありません。
Amazonのセール時はアブガルシアを要チェック
Amazonだとたびたび開催されるセール時に安くなることが多いロッドなので、6,000円台になってたらチャンスです。迷わず買いましょう。Amazonのセール時はアブガルシア製品全般が安くなる傾向なので、それを狙って待つのもいいかもしれません。
激安の無銘ロッドはおすすめできない
以上、代表的な釣り具メーカーが出している86MLのロッドを紹介しました。価格の変動はありますが、いずれも7,000円前後で買えるものばかりです。
無銘メーカーのロッドを買うデメリット
一方で釣具屋の店先などを見ると、これよりずっと安い86MLのロッドが売られているかもしれません。Amazonでも売っていたりするでしょう。3,000円とかそれぐらいで。
それぐらいのロッドで十分なのでは?やっぱり7,000円は高いよ!と思うかもしれません。でも無銘メーカーの激安ロッドはこんなデメリットがあります。
やはり素材やパーツ、組み立て精度のレベルは価格に反映されます。安いのには理由があるし、それなりの値段がするロッドはそれなりの価値がある。
メーカー製なら修理時の対応も安心
今回紹介したメーカーのロッドは、全国津々浦々、ほぼどこの釣り具店でも扱われているメーカーばかりです。扱いがあるということは持ち込み修理拠点としても機能します。無銘のメーカーでは修理対応できない場合があります。
低価格だからいっそ買い替えたほうがいいと判断される場合があるかもしれませんが、初心者にとって7千円前後という価格は決して安くないですよね。万が一壊れても修理ができるなら安心材料になるはず。
あなたの釣りライフをハチロクから始めよう!
釣りのジャンル細分化。
それはより多くの釣り具を売るために生み出された、釣り具メーカーのマーケティングの一環という見方もできます。金に汚い大人め…資本主義の犬め…という気持ちが湧いてこないこともないですが、それによって釣りがより深く楽しめるようになったのは事実。決して悪いことばかりではありません。
しかしそれが初心者に対しての参入障壁を高くしているのもまた事実です。目の前に膨大な選択肢を並べられたら面倒で引き返してしまう人もいるでしょう。
そんな初心者に選択肢のひとつとなればということで86ML、ハチロクのルアーロッドを提案してみました。これでいろいろな釣りを経験して、あなた好みの釣りを見つけてください。これが釣りにはまるきっかけになるのならこんなに嬉しいことはありません。いや本当に。
あなたも「ハチロク」から釣りを始めてみませんか?