よく釣れるのはどっち?エサ釣りとルアー釣りを比較しよう

「新しい趣味として釣りを始めよう!」

そう思い立ったあなた。まず初めにしなくてはならない選択があります。それはエサ釣りをするかルアー釣りをするかという選択。

「エサを触らないといけないからルアー釣りにしよう。」「ルアーは難しそうだからエサ釣りにしよう。」選択の理由は人それぞれ。釣りをしたいというきっかけになった釣りがどっちだったかによることもあるでしょう。

しかし、エサとルアーどっちが良く釣れるのでしょう?初心者が最初にやるならどちらを選ぶべき?どっちの釣りもやる私がお答えします。

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エサ釣りとルアー釣りはどっちがよく釣れるのか?

釣りを始めたばかりなら、とにかく魚がよく釣れる釣り方を選ぶほうがいいに決まっています。

そこで釣り初心者の誰もが気になるであろう「エサ釣りとルアー釣りはどちらがよく釣れるのか?」という疑問。まず最初にそれからお答えしましょう。

結論!その場その時の状況次第で変わる

そもそも「よく釣れる」ってどういうことなんでしょう?

カンタンに釣れること?それともたくさんの魚が釣れること?その定義はみなさん異なるんじゃないでしょうか?冷静に考えてみれば私もよく分かりません。なにをもって「よく釣れる」なのか。

それをふまえて私がまず結論として言いたいのはこれ。

選んだ釣り場とその時の状況しだい

その日その時の状況によって、エサ釣りが有利な時もあればルアー釣りが有利な時もある。例え同じ釣り場で同じ魚を狙っていたとしてもです。

武庫川一文字
同じ釣り場でも状況次第でエサとルアーの優位性は変わる

「おっ?こいつ適当な釣り場の画像とフワッとした抽象的表現で逃げようとしてるな?」と思ったあなた、少しお時間をください。

カンタンに釣れるという点ではエサ釣りの勝ち

まず「よく釣れる=カンタンに釣れる」という観点でいきましょう。これは確実にエサ釣りのほうが「よく釣れる」といえます。間違いない。

生きたエサならば当然動きます。死んだエサでもにおいを出します。触感や柔らかさなど生々しい質感があります。なんなら自分で光るやつもいます。そうして勝手に魚にアピールをしてくれます。だから放っておいても魚が食いつくのです。

一方でルアーはエサを模した人工物。エサに近づくため色や形に工夫を凝らしてありますが、どこまでいってもフェイク。エサの質感を超えることはできません。においが付いているものもありますが、基本は鉛だったりプラスチックだったりの人工的な素材。そして当然自分で動きません。釣り人がリールやロッドを動かして、ルアーに命を吹き込んでやる必要があります。放っておいても魚は食いつきません。

だからルアー釣りには最低限のテクニック習得が必須。その点、エサ釣りなら魚がいる場所にエサが付いた仕掛けを放り込みさえすれば、あとは放置していても釣れる可能性があります。

キビレ
キビナゴを針につけて放置していただけで釣れたキビレ

特に釣りを始めたばかりの初心者なら、エサ釣りこそがカンタンに釣れる釣りと断言していいでしょう。これには釣り経験者も異論がないはず。

たくさん釣るならルアーが有利なこともある

一方、「よく釣れる=たくさん釣れる」という観点ならどうでしょう?これは場合によってルアー釣りに軍配があがります。

例えばエサでもルアーでも釣れる対象魚としてタチウオを釣るとしましょう。堤防からするタチウオのエサ釣りとして代表的なのはウキ釣りです。

タチウオのウキ釣り仕掛けは複雑な構造のものが多く、エサをつけるのに手間がかかりがち。また、ウキに反応があってからアワセるまでじっくり待つ必要があります。長くて数分とか。

見事釣り上げて針を外そうとしても喉の奥に針を飲み込んでいることがあり、鋭利な歯がずらっと並んだタチウオの口から慎重に針を外さないといけません。エサはボロボロになっているのでまた付け替えないと釣りが再開できません。エサ釣りの場合、釣れるたび一回一回の処理や準備に時間が掛かる。

一方でルアーならどうでしょう?

ルアーの場合、仕掛けとしてはエサ釣りよりシンプル。リールから出たラインにルアーを結び付けるだけ。(厳密にはリーダーを結束したりスナップを結んだりする必要はありますが)

当然エサを付ける必要はないので、準備が出来たらキャスト。アタリがあれば即アワセて釣り上げる。針は口先など外しやすい位置に刺さっていることがほとんどなのでさっと外すだけ。エサを付け直す必要がないから、またすぐに釣りを再開できます。

メタルジグで釣ったタチウオ
夕暮れ時にルアー(メタルジグ)で連発したタチウオ

釣りにおいて、魚を釣り上げてから次に仕掛けを投入するまでの時間を「手返し」といい、その時間が短ければ短いほど「手返しがいい」という表現をします。ルアー釣りはエサ釣りと比べて圧倒的に手返しがいい釣りといえます。結果としてルアーのほうが数を伸ばせる可能性があるわけです。

ニジマス
3時間ほどかけてルアー(スプーン)で釣り上げたニジマス

このことから、ルアー釣りのほうが数を伸ばすのに有利な状況があり得ます。

でもやっぱりエサ釣りのほうが釣れやすい

というわけでエサ釣りもルアー釣りも状況次第でどちらが良く釣れるとも言い難い…としたいところなんですが、曖昧にしたくないので一応の結論を出します。

どちらか決めろと言われたらやっぱりエサ釣りのほうがよく釣れると言わざるを得ない。特に初心者の釣りを想定するならば。

そもそもルアーはエサを模したものであり、やはり本物には勝てません。エサ釣りのほうが絶対的に有利です。初心者がとりえあえずどんな手段でも魚を釣りたいというのなら、まずはエサ釣りから始めることをオススメします。

エサ釣りで山盛り釣れたサヨリ
エサ釣りで山盛り釣れたサヨリ

ただ、私個人の思いとしては「こだわらずにどっちもやったらええやん!」です。釣りに慣れたらどちらにも挑戦してみてください。釣りの楽しみが2倍、いやそれ以上にも広がります。

エサかルアー、どちらかで得た知識や経験は相互に活かすことができます。これでより深く釣りを楽しめるのです。

エサとルアーお金がかかる釣りはどっち?

ここからはエサとルアーについて色々な観点から比較していきたいと思います。

例えばコスト。

今から釣りを始めようという段階なら、どれぐらいお金がかかるか不安ですよね。できるなら低コストにしたいものです。コストという点において、エサ釣りとルアー釣りを比較してみましょう。

初期費用ならエサ釣りのほうが安上がり

まずゼロから釣りを始めようとなったとき、道具もイチから揃えていく必要があります。

最低限釣りができる道具を揃えるとなると、ルアー釣りはルアー専用のルアーロッドとそこそこちゃんとしたリールが必要になります。ルアーを操作して動かす必要がある以上、竿にもリールにも一定以上の性能が求められるからです。どちらも最低5千円ぐらいかかると思ってください。

たとえばこんな入門用ルアーロッドとそこそこのリールが必要。

これでも高いなと思うかもしれませんが、釣りの大先生()から言わせれば「安物」とか「おもちゃ」とか言われてバカにされるクラスです。安物やおもちゃで何が悪いねんと思いますけどね。ちゃんと釣れるのに。

これに加えてルアーもいくつか必要になります。色々なルアーがありますが、ざっくりひとつあたり千円ぐらいと認識しておけばいざ買うときに驚くことはないでしょう。もちろんもっと安いものも高いものもあります。

対してエサ釣りなら安い道具でも大丈夫。

釣具屋の入口付近に並んでいるような、竿とリールと仕掛けが含まれた2千円ぐらいの入門用セットでも釣りが始められます。そしてちゃんと釣れます。

激安釣り具セット
釣具屋の店先にある激安釣り具セット

もちろんエサ釣りにもいろいろな釣り方があってすべてに当てはまるわけではありません。準備にお金がかかるエサ釣りもあります。

しかし初心者が始める釣りという前提において、エサ釣りのほうが初期費用は低いと考えていいでしょう。

ランニングコストはルアー釣りのほうが安い

一通り道具を揃えてやった初めての釣りが面白かった。じゃあまた行きたいということで、2回、3回と釣りに行くとしましょう。

エサ釣りに関しては毎回エサの購入が必要になります。餌の種類や量にもよりますが、ひとつあたり500円からというのが相場。撒きエサと食わせエサの両方が必要な釣りもあります。関西で盛んなエビ撒き釣りなど、一回のエサ代に数千円かけるような贅沢な釣りもあります。仕掛けも消耗品なので買い足す必要がでてきます。

対してルアー釣り。ほとんどのルアーは何度も繰り返して使うことができます。根がかりやキャストミスなどでルアーをなくさない限り買い足す必要がありません。

それでも釣具屋に行くたびついつい買い足しちゃうという釣り人あるある話はさておき、上達するほどルアーをなくす確率は低くなっていきます。特定の釣り場に慣れれば根がかりしやすいポイントを把握でき、ルアーをなくすことも減るでしょう。

よって、釣りごとに使うお金はルアー釣りのほうが安くできる可能性があり、ランニングコストが低くおさえられます。もちろんこれは釣りの腕と経験次第。

エサとルアーどっちがお手軽?

餌釣りとルアー釣り、どっちが手軽にできる釣りといえるでしょうか?

ルアー釣りのほうが道具が少なくてお手軽

エサ釣りは当然ながらエサが必要。

生きているエサならなにかしらの手段で生きたまま持ち運ぶ必要があります。例えば関西でポピュラーなシラサエビなら、エビ専用のクーラーに水を入れた上でエアレーション用のブクブクを稼働させつつ運ぶ必要があります。

エビ撒き釣り用のエビを専用クーラーで生かしているところ
エビ撒き釣り用のエビを専用クーラーで生かしているところ

針に付けて直接魚に食わせるエサとは別に、魚を寄せるために使う撒きエサというものが必要な釣りもあります。

撒きエサにもいろいろありますが、代表的なのはアミエビという小さなエビ。初心者の釣りとして定番になっているサビキ釣りに必要な撒きエサです。いろいろな形態で売られていますが、冷凍のブロックになって売られているのが基本。それを溶かして使います。このブロックのサイズもいろいろあるのですが、標準的なのは2キロのブロック。まあ重いです。

そしてそのアミエビ、正直言ってかなりクサイ。その臭さが魚を寄せるのですが、手で直接触ってしまうようなことになるとなかなかニオイが取れません。服や靴なんかについちゃうと最悪。使わなくても包装から汁が漏れてくることもあり、車の中などにこぼしてしまうと最悪です。

他にも道具が色々必要で、エサ釣りは何かとかさばりがち。

一方ルアーは当然ながらエサを必要としません。ルアーケースに必要なルアーを詰めて、あとはロッドとリールさえあればそのまま釣り場に直行できます。荷物は餌釣りに比べてずっと少なくできます。おまけに臭いエサを触る必要がありません。フィッシュグリップを使えば魚に触る必要すらなくなります。。

魚を持ち帰らずリリースするならクーラーボックスもいらないのでさらに身軽。お手軽さについては、ルアー釣りの圧倒的勝利といえます。

どっちもやれば釣りの楽しさが倍増する

一般論だったり私の主観だったりしますが、ルアー釣りとエサ釣りの比較をしてみました。

これから釣りを始めたいあなた、どちらが性に合いそうでしょうか?ご自分の嗜好に合わせて選んでみてください。どちらにもそれなりの楽しさがあります。

さっきも書きましたが、私個人のスタンスは「どっちもやったらええやん!」です。どちらの釣りも楽しいし、どちらかの釣りで得た知識や経験は双方の釣りに必ず役立ちます。その時釣れている魚によってルアーとエサを使い分けるのもいいですね。

私はタチウオ釣りが好きで、秋になったら毎週のように海に通うのですが、ルアーもエサも両方使ってタチウオを狙います。タチウオは暗くなるにつれ沖から岸に近づく魚。明るいうちはメタルジグという鉛製の重いルアーを遠投して沖にいるタチウオを狙い、暗くなったらキビナゴなどの餌を使って岸に近づいたタチウオを狙います。どっちもそれなりの面白さがあるからこそ、そういったスタイルで釣りをしています。

悲しいかな、釣りのベテランの中にはどちらか一方の釣りに入れ込んでもう一方の釣りを批判するなんて人もいます。でも、どちらもやってどちらの良さも享受できるほうが楽しいはず。釣りの楽しみが倍増するなんて最高じゃないですか!

どっちもやりたい欲張りなあなたのために、1本でいろいろなルアー釣りとエサ釣りに対応できる万能ロッドも提案しています。ぜひご参考に。