私は泳ぎが得意なほうですが海は怖い。
特に夜の海は勝てる気がしがしない。It’s like a ブラックホール。泳げる泳げない以前に自分の注意力も信用していない。うっかり落ちかねない。
ゆえに出来る限り釣り場はフェンス必須というスタンスです。子供と釣りをする際にもフェンスがあれば安心。加えてエサ釣り派なので待ちの釣りをすることが多く、フェンスがある場合はそこに竿を立てかけて置き竿にできるので一石二鳥。
しかしフェンスの形状によっては竿が立てかけにくかったり、表面がザラザラしていてラインや竿にダメージを与えないか不安になったり。また横風が強いとフェンスの上を竿が滑ってバターンと倒れたり。誰しもが経験あるはず。
そんなとき役立つのがフェンスの手すりに取り付けられるタイプの竿受けです。
竿受けが役立つのは待ちのエサ釣り
攻めの釣りには有用でない
ルアーで釣りをする場合は置き竿にはしないので、竿受けは特に必要ありません。仕掛けのセッティングをするときや休憩するとき一時的に使うロッドスタンドがあれば十分。
クーラーに取り付けるタイプのロッドスタンドがお手軽です。
バケットマウスなど、ロッドスタンドが取り付けられるタックルボックスも便利です。
竿を手持ちして誘い続けるようなタイプのエサ釣り、例えばサヨリの遠投ウキ仕掛け釣りなんかもそれほど竿受けを必要としません。エサ付けの時や針交換の時にあればいいかなというぐらい。
置き竿をする釣りなら竿受けが役に立つ
竿受けが有用なのは、群れがまばらで魚の回遊待ちをしているときのサビキ釣り、足元の根魚などを狙う探り釣り、またタチウオのウキ釣りなど、置き竿をして待つタイプのエサ釣りです。これらの釣りも待つより誘いをかけた方がいいのですが、それはまた別のお話。
ここで回想。竿受けが有効なシチューエーションとしてこんなことがありました。
サビキでマアジを狙っていたときのこと。フェンスに竿を立てかけて置き竿にし、岸壁から1メートルほどのところに仕掛けを流していたら全く釣れないということがありました。周りは釣れてるのに。そこで竿を手持ちして竿の長さ分、つまり4メートルほどの沖に仕掛けを流したところ状況が一変して入れ食いになるという経験をしました。
たぶんその時は岸壁よりかけあがりに近い沖が有利だったんだと推測されます。竿受けを使えば、竿を手持ちしたときと同じように竿の長さいっぱい沖に仕掛けを出せます。これが有利かどうかはそのときの状況次第ですが、広い範囲が狙えれば釣れる可能性も上がります。
おすすめは第一精工のスーパーパイプ受太郎
第一精工の「受太郎」シリーズ
竿受けは釣具メーカー各社から販売されていて、船用の高価なものから簡易な構造で1,000円ぐらいのものまで多種多様。大きな釣具屋へ行けば専用のコーナーもあるはず。
そんな中、私がおすすめしたいのは第一精工の「受太郎」シリーズです。取り付け箇所や用途に応じて様々なタイプの竿受けがラインナップされておりオプションも豊富。価格もリーズナブル。
基本は船やボートに取り付けることを想定した受太郎ですが、海釣り公園や波止での利用を想定した受太郎があります。それが「スーパーパイプ受太郎」。
Amazon価格はその時によって上下しますが、だいたい2,000円台中盤、釣具屋だとちょっと高くなって3,000円台です。
大阪湾岸の釣り公園や神戸周辺の波止で使う竿受けを選ぶなら、このスーパーパイプ受太郎一択。これを買っとけば間違いない。だいたいどこのフェンスにも取り付けられます。
「スーパーパイプ受太郎」はパイプ以外にも取り付け可能だった!
私自身、初めて竿受けが欲しいなと選んでいたとき第一候補にあがったのが受太郎シリーズでした。その中でもどれを選べばいいんだろうとひとつひとつスペックを確認していましたが、当初はパイプ受太郎を比較対象外にしていました。
なぜなら主にいく釣り場はのほとんどは、竿受けを取り付けるフェンスの手すりが「パイプ状」ではなく「四角い形状」だったから。
パイプ状の手すりとは平磯海釣り公園のようなこういう形状の手すりのことです。
それに対してよく行く釣り場は手すりが四角い形状でした。
”パイプ受太郎”と名乗ってるぐらいだから、丸いパイプ状の手すり専用なんだろう。Googleの画像検索でもパイプに取り付けた写真しか出てこなし。四角い形状の手すりには構造的に対応していないに違いない。そう思ってた時期が私にもありました。
しかしどうやらパイプ状の手すりじゃなくても取り付けられるっぽい。
ということでAmazonでポチ。
Amazonは価格変動がありますが3000円台前半が適正価格のようです。
竿受けの取り付け位置が2箇所ある
新しいアイテムが手に入れば早速使いたくなるのが男の性ってもの。
届いたその週末に釣り場へ。よし、まずはクランプを開いて手すりに合わせてっと…あれ?
しまった。
手すりの幅が微妙に大きくて、クランプを限界まで開いても取り付けられない。調べるとスーパーパイプ受太郎の有効取付径は100ミリ。つまり10センチ。手すりの幅を測ると12センチ。そりゃ無理だ。ショック。アカン、もう捨てて帰ろう…というわけでそのまま海へドボーンと廃棄。
するわけは無く。
予め手すりの幅は計測済みでした。この釣り場での取り付け方はこっちが正解です。
手すりの幅は12センチあるものの、高さはその半分以下。ここになら余裕でクランプが取り付けられます。
パイプ受太郎に限らず、受太郎シリーズの多くは竿受けを取り付ける部分が2箇所選べます。だからクランプを縦方向に固定して側面にある取り付け穴に竿受けをセットし直せばオッケーです。よって四角い形状の手すりで幅10センチを超えても、もう一辺が10センチ以内なら問題なく取り付け可能。
余った取り付け穴はオプションのフックを取り付けてバケツを下げたりタオルをかけたりするなど有効活用できます。
クランプの接地部分がパイプ用に窪んでいるので、四角い手すりにしっかり取り付けられないんじゃないかと最初は不安でした。でも実際はぶら下がれるんじゃないかと思うぐらいガッチリ固定できます。さすが第一精工。
同社のワニグリップやガーグリップも使っていますが、踏んでもそうそう壊れない。全般的に堅牢な製品を作っているイメージがあります。
地味に役立つラインフック
竿受け部分の手前側にはラインフックが装備されています。ゴム状のスリットにラインを挟むことで仮固定ができるパーツです。
これが意外と便利で、例えばタチウオのウキ釣りでエサを交換するとき、サヨリ釣りで針を交換するとき、サビキでカゴにアミエビを詰めるとき。そんなときここにラインを挟んで固定しておくと、風に仕掛けがあおられることもなく快適に作業ができます。非常に地味なパーツですが私は活用しています。
ここは改良してほしい
ちなみにクランプを回す際に役立つ小さな黒いパーツが付属していましたが、数回目の取り付け時に外れ落ち、そのまま海の藻屑と消えました。あれだけは何とかしたほうがいい。たぶんみんな無くしてるはず。よろしくご検討ください第一精工さん。
釣具屋で100円で売ってるのを知ってはいるんだけど…
スーパーパイプ受太郎の商品バリエーション
上で紹介した「スーパーパイプ受太郎」を基本としていくつかパイプ受太郎のバリエーションがありますので紹介しておきます。
タテ付け可能でフック標準装備の「スーパーパイプ受太郎プラス」
まずはこれ「スーパーパイプ受太郎プラス」。
”プラス”というだけあって基本タイプから機能が追加されています。
基本は水平のパイプにヨコ付けすることしかできませんが、プラスならタテ付け、つまり支柱に取り付けることが可能です。こんな感じで。
(出典:スーパーパイプ受太郎プラス | 第一精工(株) 釣具|ギャフ|バッカン|ロッドキーパーの製造など)
そんなに使いどころは多くないと思いますが、端っこでフェンスが途切れた部分などに取り付け可能。
加えてフックが標準装備されているのでバケツなどが吊り下げられます。
タテ付け可能で立てかけ用アームがついた「スーパーパイプ受太郎W」
プラスと同じくタテ付け可能でフックは無し、そのかわり左右に広げられる立てかけ用アームがついたのが「スーパーパイプ受太郎W」。
投げ釣り用の三脚についているようなアームが装備されており、仕掛けの交換やエサ付けなど一時的に竿を立てかけておくときなどに使えます。
(出典:スーパーパイプ受太郎W | 第一精工(株) 釣具|ギャフ|バッカン|ロッドキーパーの製造など)
うーん、あったらあったで便利だと思うけど、個人的にはあまり必要ではないかな。高いし。
そしてピコ太郎。
いやすいません、閉じないで…
この記事を書いてる2016年秋、まさにピコ太郎旋風が吹き荒れてて。でもいつかその風はおさまるし数年後には限りなく無風になるはずで。その時これをみたらどんな感情になるんだろうと思い記録に残す次第です。
ここ最近の一発屋と違ってちゃんとバックグラウンドがある人なので、中の人は何らかの形で活躍されていると思いますが。音楽的にはテクノの流儀を分かってる感じが好きです。808のカウベルとか。
スーパーパイプ受太郎が取り付け可能な大阪湾の釣り場
ここにならスーパーパイプ受太郎が取り付けられる!
スーパーパイプ受太郎を買った際に、取り付けが可能な大阪湾の釣り場が一覧になった資料が同梱されていました。 海釣り公園を中心にまとめられたものです。
そのメーカー公式資料に掲載された釣り場に加えて、私自身が釣りに行ってスーパーパイプ受太郎が取り付けられた箇所を地図にまとめました。
海釣り公園は基本取付可能 その他の釣り場もだいたいOK
須磨海釣り公園など大阪湾にある海釣り公園であれば基本的にどこでも取り付けられるようです。おそらく製品開発時に主要な釣り場を調査してサイズ決めされたのだと思われます。
釣り公園以外なら例えば南芦屋浜ベランダ。あそこは南側の釣り場と東側の釣り場でフェンスの形状が異なります。取り付け箇所の形状は、南側が四角の形状で東側がパイプ形状。いずれも問題なく取り付け可能。サビキでの回遊待ちやタチウオのウキ釣りなんかで役立ちます。
東西に広く広がるアジュール舞子も場所によってフェンス形状が異なりますが、どこでも取り付け可能でした。
神戸港周辺には海釣り公園以外にもフェンス有りの釣り場がいくつかありますが、実はそこで釣りをしていいかどうかはグレーゾーンの場所が多かったり。なので第一精工の公式資料には掲載されていないんだと思います。よって私が取り付け確認した場所のみ追加しています。お察しください。
今のところフェンスがある釣り場で取り付けられなかったことはありません。パイプ状の手すりであれば直径10センチ以内、四角い形状の手すりであればいずれかの辺が10センチ以内。この条件さえ満たせば取り付けられるはずです。
竿受けは必ずしも必要というわけではないですが、あれば必ず役立つ便利なアイテムです。ご検討ください。
フェンス無し釣り場で使える竿受け
ファミリーに人気の釣り場でもフェンスが設置されていない釣り場があります。兵庫突堤とかポートアイランド北公園の東側堤防とか。
そういった釣り場では竿を地べたに直接置いたり、車止めなんかの僅かな段差に立てかけたりしてると思います。でもリールやラインに傷がつく可能性が高いので何かしらの竿受けがあると安心。
というわけで、そんなフェンス無しの釣り場で使える竿受けも紹介しておきます。第一精工しばりで。
クーラーに取り付けるタイプ
竿受けを取り付けるにはフェンスのような固定の構造物だったり、ある程度の重量があるものが必要。釣り場だったら何?かといういうとやはりそれは水の入ったクーラーなわけで。
まずはこの「受三郎」。何で三郎なんだという疑問は置いといて、これはクーラーの側面に両面テープで支柱を固定するタイプです。
いや両面テープでは心もとない。もっとしっかり固定したい。そしてクーラーボックスにネジ止めするのに躊躇しないというのであれば「クーラー受三郎」。
小継タイプならよりコンパクトに収納可。
いや、両面テープは跡が残るしネジ止めなんてもってのほか。無傷のままクーラーを使いたいんやということであれば吸盤で取り付ける「吸太郎」。あえて調べないけど「きゅうたろう」と読むのだろう。
でもこれどうやって使うねん?という疑問に応えるのが下の画像です。なるほどアイデア商品。
(出典:吸太郎 | 第一精工(株) 釣具|ギャフ|バッカン|ロッドキーパーの製造など)
バケツ一体型タイプ
釣り場で竿受けを固定できる重いもの…クーラー以外で…そう、水汲みバケツがある。というわけで水汲みバケツと竿受けが合体したタイプもあります。
でもこれ水を汲むときは竿をどこに置けばいいんだろう?という疑問が出てくる私のような神経質な人には向いてないでしょう。
人間そしてイスに取り付けるタイプ
クーラーと水汲みバケツ以外で竿受けを固定できる重いもの…うーん…はっ!俺やん?人間が一番重いやん?というわけで人間に固定する竿受けがあります。
こんな風に腰に固定します。ガン玉入れのような菊型ケースはマジックテープで固定するようですね。
(出典:ウエストホルダー | 第一精工(株) 釣具|ギャフ|バッカン|ロッドキーパーの製造など)
いやこれ正直かっこ悪いしずっと立っとかなアカンやん?というわけで、人間の体重をあずけるイスに取り付けるタイプの竿受けもあります。ほんといろいろ考えますね…。
いくつかバリエーションがあってSタイプは簡易なイスに取り付けられるタイプ。
こんな風にイスの座面の下に取り付けます。
(出典:ラークチン S | 第一精工(株) 釣具|ギャフ|バッカン|ロッドキーパーの製造など)
でもこれって座るところと背もたれが一枚の生地で繋がってるタイプのレジャーチェアには取り付けられない構造です。
そこは第一精工。ぬかりない。ちゃんとそれをクリアできる商品ラインナップになってました。それがラークチンのMとL。
このようにイスの脚などに取り付けます。
(出典:ラークチン M・L | 第一精工(株) 釣具|ギャフ|バッカン|ロッドキーパーの製造など)
地面に竿受けを直置きするタイプ
最後は地面にスタンドなどを直置きして竿受けにするタイプ。さらっと流しますが、竿受けというと最初にこのタイプが思い浮かびます。
必須じゃないけど役に立つ第一精工の製品
毎年2月にインテックス大阪でフィッシングショーが開かれます。釣具メーカーが一同に介する展示会です。
シマノ、ダイワ、がまかつの3大メーカーを筆頭に、釣具メーカー各社がカタログを販売したり配ったりしていて、帰る頃には荷物ぎっしり。その中でも第一精工のカタログを見るのが好きで毎年必ずもらって帰ります。シマノやダイワは有料ですがこちらは無料配布。
ご存知の方には蛇足ですが、第一精工は「王様印」というブランドで昔からオモリや小物全般を作っている釣具の老舗メーカー。一方でデザイン性と機能性に優れたワニグリップやノットアシストなども作っています。エサ釣りルアー釣り問わず、釣りをしているならひとつぐらいこのメーカーの製品を持っているんじゃないでしょうか。
そのカタログ、地味ですが「こんなものやアイデアがあるのか」という発見があって、眺めていて楽しいです。釣り好きの人って道具好きっていう側面もあると思うんですが、それを満たすカタログだと思います。
製品はユーザー目線に立った「そうそうこれが欲しかってん」というものが多いように感じます。また製品自体もしっかりと堅牢に作られている印象があります。私は同社のワニグリップを愛用しており、2年ほど使い続けて時には誤って踏んづけたりもしますが、壊れることもなくしっかり使えています。
樹脂製だからいずれ劣化するでしょうけど、まだまだ使えそう。
大阪の企業だからというのもありますが、3大メーカーと比べて身近に感じる部分が多くあり、 釣りを続ける限りはずっと接点があるメーカーになるんだろうなと思います。影ながら応援してます。
※この記事では第一精工ホームページに掲載されている画像を引用しています。あらかじめ第一精工株式会社に引用の許可をいただいております。