メクリアジを求めて…夏!大阪湾の波止から狙う極上アジ

スポンサーリンク

2014年に20年ぶりの釣りを再開して早や6年。同時に魚を料理し始めて6年。

自分で釣った魚、魚屋で買った魚を含めていろいろな魚を自分の手で調理して食べてきました。その結果としてたどり着いた一つの答えがあります。それは一番美味しい魚は何かという問いの答え。人の好みはそれぞれということは承知しつつ私の出した結論はこれです。

一番美味しい魚…それは「マアジ」!

自信をもって言おう、マアジこそが食べるにおいて最高の魚だと。焼いても生でも干しても美味い。小さくとも大きくとも美味い。「アジは味なり」とはよく言ったもの。

そんなマアジですが、わが大阪湾には「メクリアジ」と呼ばれる至高の、いや究極のマアジが存在するという。これは自分で釣って確かめないと!

2020年、メクリアジを求めて奔走した初夏の記録です。

そもそもメクリアジってなに?

メクリアジの定義

「メクリアジ」

最近この呼び方をよく聞くようになったけど、そもそもメクリアジってどういうマアジなのか?その定義がいまいち定かでありません。

ネットで調べる限りでは「高級料亭におろされて市場に出回ることは”ないそうです”」など、伝聞調で書かれた不鮮明な情報が多い。それに加えて渡船屋や海釣り公園は最近になってから「メクリアジ」という名称を使い始めたようなふしもある。なんか胡散臭くないか?

そんな中、ネットで検索して出てきた信頼度の高い情報がひとつありました。かつては釣りサンデー、今はビッグフィッシングなどでお馴染みの今井さんが、2012年に書かれた内容を引用します。

毎年、初夏になると大阪湾に入ってくるマアジなんですが、いわゆる瀬付きタイプと呼ばれている奴です。大きくても30㎝まで、体高が高く、各ヒレが黄色くて、全身が黄金色に輝いて見えるため、黄アジとも呼ばれます。このマアジは、3枚に下ろしたあと手で皮をめくってから刺身にするため、明石周辺ではメクリとかメクリアジと呼ばれているのです。マアジの産卵は春ですから、産卵を終え、すっかり体力を回復した初夏のころが一番美味しいといわれています。刺身にするためにお腹を開いたとき、腹腔に真っ白い脂がべっとりへばりついているようなアジは、間違いなく絶品です。

出典:関西の沖釣り名人 今井浩次の「今日も釣り気分」|関西最大級の釣り情報サイト「関西釣り百選」

特徴として、瀬付き、黄アジ、皮を手でめくれるからメクリアジ、お腹に脂肪がべっとりなど。すでにメクリアジを知っている人にとっての認識と相違ない内容でしょう。

メクリアジについて確実であろう情報を今の段階でまとめるとこうなります。

  • 6月から7月の初夏に大阪湾で獲れたり釣れたりするマアジ
  • 黄色っぽくて体高が高いなど外見に「瀬付きアジ」の特徴がある
  • 普通のマアジと比較して脂がのっている
  • 腹腔内に内臓脂肪のような脂の塊がくっついている

「高級料亭におろされて市場に出回らない」という情報の出どころや真偽は不明。私はそんな美食倶楽部みたいなところに行ける身分ではないし確かめようがない。なんとか岡星に行けるレベルですよ…

美味しいマアジであることは確か

少なくとも漁や船釣りでは昔からメクリアジという存在が認識されていた。反対に波止から釣れる対象魚として注目されたのは最近になってからという可能性がある。

ここからは私の推測です。

近年、大阪湾の波止から青物がよく釣れるようになりました。これは何らかの環境変化が起こっているからだと思われます。その原因が何か、それが良いのか悪いのか。そもそも分からないしここでは言及しません。自然が相手なんだから変化が起こって当然だとは思いますが。

同じくして環境の変化により、以前は船で狙う対象だったメクリアジが波止からよく釣れるようになった可能性がある。

ここ十年ぐらいの武庫川一文字における初夏の釣果を調べてたんですが、メクリアジとおなじ20センチ程度のマアジは、昔から豆アジに交じってぼちぼち釣れてたようです。ただ、釣果がまとまってきてメクリアジという名称が使われるようになったのはここ3年ぐらいのこと。メクリアジという名称を使ったほうがインパクトがあって集客できるから使うようになったのでしょう。かくいう私もそれに惹かれたわけで。別に嘘付いてるわけでもないし、商売だから問題ないと思います。

なんにしろ、どうやら通常のマアジとはちょっと違う特別なマアジが波止から釣れるわけです。そしてそれは美味しいということもほぼ確実。マアジこそ究極の食材と言うからには一度釣って確かめないと!

というわけで、梅雨の合間に狙ってきました。

7/5 武庫川一文字で夕マズメのメクリアジを狙う

梅雨らしい梅雨、梅雨過ぎる梅雨が続く2020年の初夏。

メクリアジの釣果が入り始めた武庫川一文字に行くチャンスをずっと狙っていて、ようやく週末に晴れ間があるタイミングが訪れました。ここを逃せばいつ行けるか分からないということで、日曜の夕まずめをねらって渡堤することに。

対メクリアジ用アイテムを用意

ムコイチの大型アジでは定番になっているハヤブサの蓄光スキンを数種用意。

メクリアジの定番らしい蓄光スキンサビキを用意

メクリアジの定番らしい蓄光スキンサビキを用意

これまた定番の鉄製カゴも調達。これで迅速に底まで落としてサバやイワシを避けます。

迅速に底まで落とす鉄カゴ

迅速に底まで落とす鉄カゴ

今年恒例のサバ地獄とタコ

13時の渡船に乗ろうと20分前に武庫川渡船に到着して受付すると、間もなく出船するから急いで乗ってくれとのこと。長い時間釣りが出来るにこしたことはないので、ダッシュで12時45分発の船に乗り込み13時前には一文字に上陸しました。

今日はなんとなく2番の位置を選択。

水潮気味の武庫川一文字

水潮気味の武庫川一文字

連日の雨でやはり水は濁っています。南寄りの風のせいか、外側は浮遊物が打ち寄せられていてかなり釣りづらい感じ。

夕方まではまだまだ時間があるので、その間色々と狙ってみます。

自粛期間開けぐらいから各地で釣れまくっている小サバは当然ここにも。サビキだと収拾が付かないぐらい釣れるので、適当にジグやジグサビキを投げてぼちぼち楽しめる程度に釣り上げます。どんなルアーにも食ってくるのが楽しいね。

身がパサパサでお馴染みの小サバですが、今年はそのパサパサっぷりを生かしたサバンバンジーを思いついたのでご参考にどうぞ。

時間があるので色々な釣りを試そうと持ってきていたタコジグで堤防のすき間付近の底を叩くと、持ち帰りサイズのタコゲット。

タコジグで釣れたタコ

タコジグで釣れたタコ

人が少ないので周辺のすき間を探るも後が続かず。

15時を過ぎると少し夕方の気配が出てきたので、ぼちぼちサビキを開始します。しかしやっぱり足元は表層から底までサバ地獄。買ったばかりの蓄光スキンサビキが一瞬で絡んで使用不可に。クッソー

足元はそんな感じなのでウキをつけて近投、かけあがり付近のベタ底をねらいます。でもやっぱりサバ。どこ投げてもサバ。2枚目の蓄光サビキが速攻糸くずに。クッソー

自分史上最大のマアジ

もういいやといつもの安サビキに変えたところ、サバとは違う直線的で重い引き。足元に見えたのは丸みのある魚影。アジだ!マアジだ!しかもデカイ。

慎重に抜き上げて計測。えっ!デカッ!

自分史上最大のマアジ

自分史上最大のマアジ

27~28センチってところ。自分史上、我が家史上最大のマアジとなりました。これがメクリアジってやつなの!?よっしゃどんどんいくぞ!

と意気込むも、全く後が続かず。周りも特に動きはなくサバばかり。どんどん日が傾いて良い雰囲気になってくるも風が強さを増していきます。

そして時合いがくるならこれからだろうという18時前。近づいてくる渡船から「注意報発令のため引き上げ」のアナウンスが。無念。

時合いがくるならこれからだろうってときに

時合いがくるならこれからだろうってときに強制終了

まだ明るい時間に船に乗り込み陸へ帰還。受付付近に寄るも、ほとんど誰も釣果報告をしていないので今日はダメだったのでしょう。仕方ない。

本日の釣果は、デカいマアジ1匹、タコ1匹、サバ数匹(リリース多数)、ガシラ数匹、グレ1匹。

持ち帰って早速マアジをさばくと…あれ?特に脂がのってる感じではない。

すっきりしたお腹のマアジ

すっきりしたお腹のマアジ

噂に聞く内臓脂肪みたいなものも入ってません。これはメクリアジとは言えないよなあ。とはいえマアジであることには変わりないので刺身でいただきました。釣った直後に血抜きをしておいたせいもあり、これはこれでさっぱりした風味が美味しい。

マアジには大別して2種類のタイプがおり、ひとつは今回狙おうとしている「瀬付き型」のマアジ。もうひとつが「回遊型」のマアジ。今日釣れたタイプは喉奥が真っ黒だったりどちらかというと回遊型の特徴を持っていました。

このままでは消化不良です。リベンジを誓った夜でした。

7/18 波止から夕マズメのメクリアジを狙う

それから2週間後の週末。再び晴れ間が期待できる日が訪れます。

漂流物多数で釣りづらい

しかし増水による障害物が多数漂流してるらしく、前回と同じくムコイチは早い時間の引き上げになるというお知らせが。日没前後を狙いたいし、土用の丑の日用に代用ウナギもといアナゴを調達したかったので、渡堤せず波止から狙うことにします。

やはり明るい時間はサバ地獄。そして漂流物が多くて釣りづらい。右から左へ、木の枝、丸太、ボラの死体、鯉の死体がどんぶらこ。濁った潮と澄んだ潮が頻繁に入れ替わる荒れ具合。

メクリアジか?

こりゃ今日もきついかなと思いながら夕まずめを待ちます。

今年は豆アジをろくに釣っていなかったので、3号ぐらいの小さいサビキを置き竿にして待っていると、日没30分前に強いアタリ。水面に見えたのは20センチ強のマアジ。キタキタ!っと抜き上げるとポロリしてオートリリース。

そうか、これは魚のサイズに対して針が小さすぎるんだ。

慌てて仕掛けのストックから7号のサビキを取り出して交換したところ、次のアタリで取り込みに成功。やっぱりサビキは針のサイズが大事です。底まで沈めたら毎投掛かるペースでしたが、わずか10分ほどで時合い終了。20センチ強のマアジが全部で7匹。

この日の釣果はマアジ7匹、豆アジ2匹、サバ数匹(リリース多数)、カタクチ&ウルメイワシ数匹、ガシラ数匹。アナゴは釣れず。

そこそこサイズのマアジといえますが、前回より大幅にサイズダウンしてしまいました。

20センチ強のマアジ

20センチ強のマアジが7匹

見たところ体高が高くて身も厚く、全体的に黄色っぽい気がする。果たしてこいつらが噂のメクリアジなのか?

実食!メクリアジを刺し身で食べてみた

脂のりがすごい!

改めてもう一度観察してみます。

体高がたかくプロポーションがいい

体高がたかくプロポーションがいい

うーん、普通のマアジといえば普通のマアジ。分からないのでさばいて白黒つけましょう。

(処理中…)

…あっ!これは!当たりじゃないか?

内臓はグロく写ったので自主規制するとして、三枚におろした後に残った骨をご覧ください。

脂肪の塊と白っぽい身

脂肪の塊と白っぽい身

赤丸で囲んだところ、腹腔の終端あたりに脂肪の塊のようなブヨブヨが見えると思います。お腹を開けると同じものが内臓を囲んでいました。そもそも、中骨に残った身が妙に白いのがお分かりいただけるはず。

さばくときもヌルヌル滑ってやりにくかった。これは明らかに脂がのっている証拠。7匹さばいたところ、多少の差はあれどみんなこの状態でした。

刺し身が絶品

これをどう食べるかって?そりゃ刺し身でしょ!

というわけで7匹全部を盛った皿がこちら。

7匹分の刺身 盛り方の汚さは許してください

7匹分の刺身 盛り方の汚さは許してください

ではわさび醤油で食べてみるとしましょう。やっぱり身が白いしちょっとサシも入ってる。

サシが入った身と醤油に浮いた脂

サシが入った身と醤油に浮いた脂

醤油皿に脂が浮いているのが見えますね。では実食!

こ、これは…美味い!今さら言うまでもなく、めっちゃ脂がのってる。普通のマアジとは別次元。養殖の魚みたいにくどいこともなく、どんどん食べられる。最高!

定義はどうあれ、これはもうメクリアジということでいいでしょう。世界よ、これが大阪湾のメクリアジだ!ひれ伏せ!

今回はすべて生で食べましたが、一夜干しにしたり塩焼きで火を通して食べるのも美味しそうです。また来年頑張ってみるか。

メクリアジを検証する

ということで、どうやらメクリアジらしいマアジを釣って食べることができました。ここで巷に流れるメクリアジの情報と今回の実体験を合わせて検証してみたいと思います。

沖堤や釣り公園で釣れているのは本当にメクリアジなのか?

今回釣りをした武庫川一文字や、その近くにある尼崎釣り公園ではメクリアジが釣れているという釣果情報を出しています。これ本当?客引きのためだけにその名前を使ってない?

これに関しては、全てがメクリアジではないけどメクリアジと呼べるアジも釣れているという解釈でいいんじゃないかと思います。

大きなアジは釣れるけど、その全てがメクリアジ的な脂のりを持ったマアジかというとそうでもなさそう。私が今回最初に釣った武庫川一文字のマアジはサイズこそ良かったのですが、あまり脂がのっていないタイプでした。でも高確率でメクリアジが交じるというのは間違いないでしょう。

「瀬付きのアジ」ということになっているのになんで沖堤や波止に回遊してくるんだろうという疑問もあったりするんですが、それは一旦置いておきましょう。

実は過去に波止からメクリアジを釣ったことがありました。ちょうど豆アジの時期に妙に脂のりが良くてサイズもいいマアジが釣れたのです。初めて釣った当時はメクリアジという存在を知らずに。

豆アジと同じ時期に釣れるメクリアジ

豆アジと同じ時期に釣れたメクリアジ

例の内臓脂肪も白子だと思ってました…

メクリアジは皮がカンタンにめくれるのか?

皮下脂肪が多いから皮が手でカンタンにめくれる。だからメクリアジと呼ばれる、そういうことになっています。

しかし、そもそもどんなマアジでも手で皮をめくることができます。少なくとも私は10センチ以下の豆アジから30センチ程度の尺アジまで、基本は手で皮を剥いで刺身にします。

むしろメクリアジは脂で手が滑るし、身が柔らかいから手で皮が剥ぎにくいという…メクレナイアジやんっていう…

一方で目がクリっとしてるからメックリアジと呼ばれ、それが後にメクリアジになったという説もありました。これも嫌いじゃないです、マアジは目がクリっとしてて可愛いですもんね。

ほとんどは高級料亭におろされている?

漁獲されたメクリアジは高級料亭に降ろされて市場には出回らない。

これもよくあるメクリアジの説明なのですが、やはり真偽が分かりません。そんな貴重な食材のなのに釣り界隈以外で聞いたことがないのも不自然です。もし本当なら教えて下さい。

これだけ美味しいアジなら、関アジみたいにブランド化して売り出せば人気が出るだろうになと思うんですが、今のところその動きはなさそうです。大阪湾名物になれば日本中に誇れる魚になるのになあ。メクリアジって名前もキャッチ―でいいのに。

釣り方はどうしたらいい?

メクリアジはどうやって釣るか?

どうしてもルアーという方はジグサビキでも狙えると思いますが、効率よく釣るならやはりサビキです。

仕掛けのサイズが小さいと取り込み時にポロっと抜け落ちる確率が高くなり、悔しさにむせび泣くことになります。私は何度も泣きました。小さくとも針は6号以上、基本は8号前後が良さそうです。

時期的に同じぐらいのサイズのサバの猛攻を受けて仕掛けが絡まりやすいので、そういった意味でも「針サイズが大きい=仕掛けのラインが太い」仕掛けが適切です。太いと絡んでもほどきやすいので。

サビキの素材は基本のピンクスキンでもいけますが、薄暗い時間帯に時合いがくることを考えると、ムコイチで定番になっている蓄光サビキが確かに有効かと思われます。

狙うタナは底が基本。アジ釣りのセオリーともいえます。底まで迅速に仕掛けを落とせる重めの鉄カゴを使いたいところです。

毎年狙いに行きたい

メクリアジを釣って食べたいという目的は達成しました。そしてその味が絶品だということも分かりました。とりあえずは満足です。

今後も釣れ続けるのか分かりませんが、来年以降もこの時期に狙っていきたいと思います。

もしかしたら数年後、メクリアジの名がブランド化して大人気になってるかもしれません。それはそれで嬉しいですね。