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12月の大阪湾で釣れる魚 – 回遊魚を釣るラストチャンス –

季節の釣りもの

氷点下になる日もありいよいよ冬本番に突入する12月。大阪湾ではどんな魚が釣れるのでしょうか?

大阪湾で海釣りを始めて9年の経験から、12月の釣りについて波止釣りの回遊魚を中心に解説します。

外の空気は日を追うごとに冷たく張り詰めていきますが、海の中はまだ秋の余韻を残しています。チャンスは少なく時合いも短くなりますが、まだ回遊魚が釣れる可能性があります。



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海水温から見る12月の大阪湾と釣果

海釣りの釣果は海水温と連動します。1年のうちで12月はどんな状況にあるのか、大阪湾における海水温の変化を確認しながら見ていきます。

まだ秋の余韻が残る海

まずは大阪湾における12月の海水温をグラフで確認。

大阪湾における12月の海水温
データ出典:気象庁ホームページ 沿岸域の海面水温情報 大阪湾

回遊魚を釣る最後のチャンス

大阪湾における12月の海水温は15度前後で下降していきます。

朝夕まずめなどは一桁台になる外気温と比べて海水温はまだ高く、バケツで汲んだ海水に手を漬けるとほんのり温かく感じるのもこの季節ならでは。

年間の水温で比較すると、12月の水温はゴールデンウィークと同じぐらいの水温です。

12月の水温は5月と同じレベル

水は熱しにくく冷めにくいもの。冬の気候を受けてどんどん下がってるとはいえ実は春と同じ水温なのです。

海の中は意外とまだ温かく秋の余韻が残り、釣果もそれにともなったものとなります。先月まで釣れていたメジロやサゴシなどの青物、アジやサバなどの青魚も引き続き釣れるチャンスが残されています。

寒波の到来は終わりの合図

しかし冬本番の足音が確実に歩み寄ってくる12月。

天気予報では「この冬一番の寒気」というフレーズと共に大寒波が一気に気温を下げ、そして海水温をぐっと下げるような日が出てきます。こういった急激な水温低下は魚の活性を下げます。つまりエサを食べなくなる、捕食活動をしなくなるから釣れなくなる。

水温が安定すればまた活性が戻るということもありますが、やはり冬は冬。一定以下の水温になると沿岸から沖の深場に移動してその年は終了となる魚も出てきます。活性がどうこうではなく、そもそもそこに魚が居ないかもしれません。

とはいえ青物やサビキで釣れる青魚に関して、全く釣れないというわけではありません。釣れるチャンスは減るものの、限られた場所、限られたタイミングで釣れることもあります。爆釣することすらあります。

釣果には年単位の変化やムラがある

釣果と海水温は明らかな関連性があります。しかし暖冬傾向だと海水温も高いまま継続するといったように、その年の気候に影響され海水温に差が生じます。その場合、同じ月であっても釣れる魚や釣果が例年と異なることがあります。

一方で同じ水温、その他条件が一見同じように見えても釣果が異なる場合があります。特に回遊魚はその傾向があり、例年回遊してくる魚がまったく回遊してこないことも当たり前に起こります。狭いようで広い大阪湾、当然ながら場所によるムラもあります。この記事に書いてあることは、あくまで釣果を予想する情報のひとつにとして参考にしてください。

サビキ釣りは厳しいが爆釣することも

先月ぐらいまでは順調に釣れていたとしても、日を追うごとにサビキ釣りの釣果は厳しくなってきます。しかしまだ希望はあります。

局地的な爆釣があるかもしれない

釣れるチャンスが短い

数カ月前はアミエビを詰めてサビキ仕掛けを落とせばどんな時間でも何かしらの釣果が得られたサビキ釣り。さすがに12月ともなると回遊魚の回遊が減ってサビキ釣りも厳しくなります。

11月ぐらいからある、日の出日の入り付近の朝夕まずめに釣果が集中する傾向がさらに顕著になっていく時期です。

短いチャンスを逃さないよう、手返し良く釣れる体制を整えて臨みましょう。

一か所に集中した回遊がある

チャンスが短くなる一方、回遊魚の群れが一か所に大挙して押し寄せるという現象がみられるのもこの時期の特徴。代表的なのがマイワシ。

クーラーに満タンのマイワシ
クーラー一杯のマイワシが釣れることも

海水温が下がるにつれ脂を蓄えるようになった美味しいマイワシ。それが入れ食いで釣れるという、今年最後のご褒美みたいなタイミングが年末付近に到来することがあります。こうなると釣り場はお祭り騒ぎ。地面に落ちたマイワシのウロコがキラキラ光る光景も印象深いものです。

サビキ釣りの対象魚ではありませんが、比較的低水温にも強いサヨリの群れが一か所に集中して爆釣できることがあります。

冬場にどっさり釣れた良型サヨリ
12月に南芦屋浜で釣れた3桁近くのサヨリ いずれも30センチ近い良型

武庫川一文字などの沖堤防で、年末年始に良型のマアジやサバが爆釣するようなこともあります。

大阪湾以外でも小魚が大量に押し寄せるというニュースがこの時期の風物詩のようになっているので、大型魚に追い詰められるとか確固たる理由があるのだと推測されます。

いずれにせよ冬を目前にして多くの魚が脂を蓄える時期ですし、平均サイズがいいというのもこの時期の特徴。つまり年間を通して美味しい魚が釣れる最大で最後のチャンス。アンテナを張って釣果情報の収集に努めてみてはいかがでしょうか。

まだ青物が釣れるチャンスもある

秋の青物シーズンは終わってるといっていい状況ですが、まだ釣れる可能性はあります。

釣れなくはないけど秋のようにいかない

ルアーより生きエサが断然有利に

秋はショアジギングで釣れた青物も、12月となると簡単にはいきません。

なにせエサとなる小魚、つまりサビキで釣れるような魚の回遊が減ってくるのだから必然的なことです。一方で局地的に集中したサビキの釣果に青物の釣果が付随することがあります。青物のエサとなる魚がたくさんいるのだからこれもまた必然的なこと。

やはりこの時期になるとルアーよりノマセ、生きエサを使った釣りのほうが断然有利になります。釣果として厳しくなるとはいえ、青物に関してもサビキと同様、釣果情報にアンテナを張っていればチャンスに巡り合えるかもしれません。

他の魚と同じように脂がのって美味しい個体が釣れるので、お正月の食卓に彩りを添える大物を狙ってみるのも夢があっていいと思います。夢というほど遠いものでもないし。

暖冬ならタチウオが釣れる続く

近年釣果が不安定なタチウオ。12月はもう釣れない時期なのでしょうか?

暖冬傾向であれば年末まで釣れる

かつては年末まで当たり前に釣れていたことも

「かつては」という表現をしなければいけないのが苦しいですが、5~10年ほど前は暖冬であれば12月でも当たり前のように波止からタチウオが釣れていました。

暖冬とはいえ氷点下に近い気温の中、京阪神沿岸の海には電気ウキがたくさん漂っていたのです。クリスマスでも年末でも釣り人はたくさんいてタチウオを狙っていました。

例えばこの写真、明後日はもうお正月という12月30日の釣り場の様子ですが、奥までびっしりと写っている人たちはタチウオ狙いの釣り人です。

2015年12月30日の南芦屋浜はタチウオ狙いの人でいっぱいだった

正確に書くと2015年12月30日16時時点の南芦屋浜ベランダ。

近年は状況が一変してしまい長らくこのような光景は見られていません。しかしまたそういうことが出来るようになればいいなという願いを込め、ここに残したいと思います。

タチウオはいつまで釣れる?

水温から考えるタチウオ釣り終了について、独自の解釈を交えた記事を書いています。この記事が役に立つことがあればいいなと思っています。

情報収集と防寒対策が釣果のかなめ

魚影が薄くなる12月は情報収集が釣果の要です。回遊情報をいち早くキャッチして、いち早く釣り場へ向かいましょう。祭りはあっという間に終わります。

魚影が薄いことに加えて、12月ともなると寒波の到来や冬型の気圧配置で強風になる日が多くなり、そもそも釣りができるチャンス自体が減ります。悪天候には勝てません。

ただ、寒さに耐えかねて釣り場からぐっと人が減る時期でもあります。秋には満員御礼でストレスを感じながらやっていた釣りが、広い場所でのびのびとやれる時期になってきます。右へ左へ投げ放題。ウキ流し放題。

最近は防寒ウェアも安く手に入るようになったので、しっかりと防寒対策をして冬の釣りを楽しみましょう。

なお冬の釣りにはハクキンカイロ。普段使いにもおすすめです。