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海釣りに必要なアイテムって何でしょう?
もちろん竿は「必須」ですよね。延べ竿を使わないのであればリールとラインが必要。エサ釣りであれば仕掛けやエサが必要だし、ルアー釣りであればもちろんルアーが必要です。魚を持ち帰るんであればクーラーも。これらは海釣りに最低限必要なアイテム。
これに対して「あれば便利」というアイテムもたくさん。例えば魚をつかむためのフィッシュグリップ、竿を固定するための竿受け、針ハズシなど。無いよりあったほうがいい。
そんな中、あまり重要視されないけど個人的に必須アイテムなのが「水汲みバケツ」。釣具というと竿やリールに目が行きがちですが、初心者にも必ず用意しておいてほしいアイテムです。
水汲みバケツは釣り場でこうして使う
水汲みバケツ。
その名の如く水を汲むためのバケツ。だいたいEVA素材などの柔らかい樹脂でできていて折り畳みが可能。海面から高い位置でも水が汲めるよう、数メートルのロープがついています。
スタンダードなのはこういうやつですね。
水汲みバケツというものは非常に多機能なアイテムといえます。もちろん汲んだ水をいろいろな用途に使えますし、水が入ってなくても使い道がいろいろ。
例えばこんな使い方があります。
海水を汲みあげる
当たり前ですが、ロープでバケツを海に入れて水が汲めます。水汲みバケツだもの。
例えば神戸近辺の釣り場だと、干潮時の明石海峡周辺、具体的にはアジュール舞子のワンドとかはかなり海面まで距離があったりします。遠いときだと5〜6メートルぐらいかな?それでも十分に使える長さのロープがついてます。
汲み上げた海水で潮氷を作り氷締めする
サビキで釣れるような小魚は氷締めにして持ち帰るのが基本です。そのために氷が入ったクーラーボックスに海水を注いで潮氷を作る必要があります。
具体的な方法をこちらの記事で解説しています。
汚れた手を洗う
サビキ釣りはとても手が汚れる釣りです。アミエビをカゴに入れていると嫌でも手につくし、釣れた魚を触った手も粘液で非常に臭くなる。かといっていちいちウェットティッシュで拭くとかは非効率。
なのでバケツの海水でささっと洗っちゃいましょう。海水自体それなりににおいや塩気があってすっきり洗えませんが、そのままにしておくよりずっとまし。
釣った魚を活かしてキープする
海水を入れたバケツを、釣れた魚の水槽にすることができます。
サイズ的に持ち帰るかリリースするか微妙なサイズの根魚などを一時キープするのに使えます。ひととおり釣って十分に獲物が確保できたら小さいのは逃がすと。根魚は比較的長く活かすことができますがアジなどの回遊魚はそれほど長持ちしませんのでご注意を。
サビキで時合いがきたときにいちいちクーラーを開け閉めして魚を入れるのは面倒なので、とりあえずバケツにためてからまとめてクーラーに入れると効率がいいです。
こちらのバケツにはマアジが入っております。マアジは青魚の中でも比較的強いのか長持ちしやすいです。
とはいえずっとバケツの中で泳がせておくとだんだん弱っていきますし、それが味の落ちる原因ともなるので、ある程度貯まったらこまめにクーラーに入れるようにしましょう。
魚の血抜きに使う
30センチを越えるような大きい魚が釣れた場合は、血抜きをしておくと新鮮さを保つことが出来ます。
背骨やエラを切るなどして血を放出するわけですが、その際地べたに置いて血をドクドク流すのではなく、切ってからバケツの海水につけておくと血が凝固せずきれいに抜けます。とくに刺し身にする場合は抜いているのといないのとで見た目や味が変わるので重要。
これはサバの血抜きをしているところ。
バケツの水がみるみる赤く染まっていくことで、きちんと血が抜けていることを確認できます。
小物を運ぶためのカゴとして使う
釣りに使う小物をバケツに入れて持ち運びするのも便利。私は特に汚れ物をバケツに入れて釣り場に持ち込んだり、あるいは汚れた小物をバケツに入れて持ち帰るなどして使っています。
海水やらなんやらで汚れた小物はバケツに入れたまま水道水をいれてゆすぐだけで潮が抜けるので、そのまま置いておくよりずいぶん綺麗になりますし、結果として長持ちさせることができます。
濡れ物を車に持ち込む際に使う
ファミリーフィッシングお馴染みのアミエビですが、いろんな販売形態があります。一番安いのはレンガ上に切り出してビニールに入れられてたいわゆる「アミエビレンガ」。
このアミエビレンガ、ビニールには入っているのですが、解凍していく過程でほぼかならず汁が漏れてきます。どっかに微小な穴があいているんでしょう。親切な釣具屋ならビニール袋を2重にしたりして対応してくれるんですがそれでもなぜか外に漏れてきます。これが車の内張りに染み込んだりすると大惨事。ちょっとやそっとじゃ臭いが取れない。
そんなときはアミエビレンガをブロックごと水汲みバケツに入れておけば安心。バケツには漏れてきますが他には漏れません。また、釣りが終わって濡れ物がある場合もバケツに入れておけば他を汚しません。
アミエビをそのまま水汲みバケツに入れてアミエビ用のバケツにすることも出来ますが、一旦そうやって使ってしまうと臭いがついてなかなかとれないし掃除が大変なので私は別にアミエビ用バケツを用意します。
釣り場の清掃に使う
サビキ釣りは時合いに入ると休む間もなく魚が釣れます。もう夢中になるほど。
そうなるとアミエビの扱いも適当になり、たぶん地面にこぼしまくってしまうんじゃないかと思います。別にそれはいいとして。
しかしそれをそのまま残して釣り場を去ってはいけません!かならず掃除して帰りましょう。じゃないと臭いしハエもたかる。
別にほうきとちりとりで集めて持って帰れとはいいません。バケツで海水を地面にバシャーッと流してそのまま海に落としちゃいましょう。ルールやモラル的にそれでいいのかと思うかもしれませんが、釣具店や釣り番組でもそれを推奨していますので、それでOKです。
限度はありますが、海に落ちたアミエビは必ずそこにいる生き物のエサになります。
タイプ別水汲みバケツの選び方
各社から色んなタイプの水汲みバケツが発売されています。
ぶっちゃけ私は釣具チェーン店で売ってる店舗ロゴ入りで500円程度の水汲みバケツしか使ったことがありません。なぜならそれで十分役目を果たすし案外長持ちするから。長いものだと3年使ってます。
とはいえ各社工夫を凝らしていろんなタイプの水汲みバケツが売られているので見ていきましょう。
魚を活かしやすいメッシュ蓋タイプ
バケツの上部がメッシュで囲まれていて、ジッパーで開閉できるタイプの水汲みバケツがあります。
魚によってはバケツに入れても跳ね回って飛び出しやすい魚がいます。たとえばサヨリなんかはその代表格。釣ってる最中からピョンピョン海面を跳ねてますから。こういったタイプの魚でもメッシュ蓋があれば逃げないので便利。
また、魚を入れたバケツのメッシュをきっちり閉じてそのまま海に降ろしておくと、格段に長生きさせることが出来ます。海中であれば酸素も豊富だし水温も安定するし。
魚を観察できる透明タイプ
小さなお子さんがいる場合であれば、外から泳いでる魚を観察できる透明タイプを選ぶのもおすすめです。生き物好きのお子さんであれば非常に喜ぶと思います。
水汲みバケツについて注意しておくこと
安物は必ずロープを結びなおす
大き目の釣具チェーンには、お店のロゴが入っていて500円程度で買える水汲みバケツがたいがい売られています。一番安いたぐいの水汲みバケツですが、これでも普通の用途に十分使えます。
しかしバケツ本体とロープの取り付けが適当なものが多く、クリップ金具でかしめてあるだけのものは使っているうちに金具が錆びてきてそのうちロープが外れます。特に水の入ったバケツは重いので、海面から引き抜いたとたんにブチっと。その後バケツは引き上げようがないのでサヨナラ。なぜそんなことを知ってるかというと、今までに2度ほどこのパターンで水汲みバケツと別れているから…
なので安物のバケツを使う場合は最初に取り付けてある箇所を切ってからロープを結び直すのがおすすめ。いろいろ結び方はありますが、チチワを作ってからバケツの取手に通し、チチワの輪の中にロープを入れるのが簡単でいいです。サルカンにラインを結ぶ要領。
和歌山の釣具店、釣太郎さんも注意喚起をしておられます。
ロープ用ホルダーが無ければ買い足す
さきほどと同じく安物の場合の注意事項として、ロープ用のホルダーが付いてないことがほとんどということを挙げておきます。これがないと収納時に大変不便。なんせ数メートルの長いロープなので適当に束ねてしまうと高確率で絡みます。
100円程度でこういうアイテムが売ってるので、なければ買い足しましょう。
遠くに投げると水が汲みやすい
自分の真下の海面にバケツを投入しても、バケツが船のようにプカプカ浮くばかりでちっとも水が入ってこない。オモリがついていないバケツだとこうなりがちです。
そんなときはちょっとだけでもバケツを遠くに投げて引っ張ってきましょう。錘がついていないバケツでもこれで自然と水が入ってきます。
結びコブをつくると引き上げやすい
言うまでも無く水は重い物質。普通サイズの水汲みバケツなら一度で2リットルぐらい汲めるので、ロープ一本だとだとなかなかの重量感。
こんなときはあらかじめ一定間隔でロープに結びコブをつくっておくといいです。結び方は片結び、釣りでいうところのハーフヒッチで問題なし。これが有ると無しで全然重量感が違ってきます。
バケツは2つあると便利
手洗い用にバケツを使うと水はどんどん汚れます。その中で魚を活かしてもすぐ弱ってしまう。手は他で洗うとして活かしようにバケツを使うと、大物が釣れたときの血抜きができない。
なので私はいつも水汲みバケツを二つ用意しています。その際、大き目の水汲みバケツにすっぽり入る一回り小さ目のバケツを選ぶと運搬時にかさばらないので便利。 500円ぐらいの安物でもいいと思います。