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なぜか自分だけ釣れない…初心者にありがちな4つの理由とその対策

釣りコラム

2014年に20年ぶりの釣りを再開してから9年が経ちました。

その間、いろいろな釣りに挑戦しては成功や失敗を繰り返してきまして、曲がりなりにも「これが正解。これは間違い。」ということも分かるように。最初は手探り状態で目の前にある自分自身の釣りに精一杯だった私ですが、さすが9周目となると余裕が出ててきます。

自分の釣りをしながら周りの様子も把握できるようになり、初心者と思しき釣り人を見ては数年前の自分を思い出したりします。そうなると気になっちゃうんです、周囲が釣れている中で「それじゃ釣れんわ」って釣り方をしてる人が。

だからといってわざわざ教えに行くのはお節介だし、家族連れなら父のプライドみたいなものもあると思うのです。おいそれと他人が口出しすべきではない。だから気にしつつも自分は自分自身の釣りに集中するのみ。聞いてもらったなら喜んでアドバイスはさせていただくのですが。

そこで数年の釣り経験を通して身についた、ファミリーフィッシングのビギナーにおける「釣れない原因とその対策」について書いてみます。

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【原因1】針の種類とサイズが適切ではない

初心者が釣具屋の釣り針コーナーを覗いたなら、大量に陳列された釣り針の数に圧倒されるかもしれません。何もこれはドン・キホーテのような圧縮陳列で購買意欲を煽っているわけではなく必然的にこうなったものです。

100種類の魚がいれば100通りの形状をもった口があり、その口のサイズも魚のサイズによってバラバラ。同じ魚でも季節によってサイズが違っていたりする。取り付けるエサによっても形状が変わったりする。

だからそれぞれの魚やエサに合った多種多様な針の形や大きさがあるわけです。これを意識しておかないと、そこに魚がいて適切なエサを使っていたとしても釣れない可能性がでてきます。

エサを除けば、魚との唯一の接点といえる針。状況に応じたものをチョイスしないといけません。

大きな針で小さな魚は釣れない

突然ですがここで回想シーンに入りますよ。

初夏の神戸周辺で豆アジが釣れ始めたとの報せを受け、待ってましたとばかりに釣りに行きました。豆アジといいますとサイズにして10センチ以下のほんとに小さく豆のようなアジですね。丸ごと揚げて食べられるんで大好物です。初夏の風物詩。

いろいろ要領は分かってたんで、夕方の時合いとともに回遊した豆アジをジャンジャン釣り上げてその数100匹超。暗くなり回遊が途切れたのでまったりしていると、近くで同じくサビキをされていたご婦人が「私は5匹ぐらいしか釣れなかったわ~。」と話しかけてこられました。

ふと仕掛けが目に入ったのでちょっと確認。豆アジ狙いといえばもちろんサビキ仕掛けです。そのご婦人もサビキ仕掛けを使われておりその選択に問題はありません。しかし良く見ると針のサイズが大きくて、見た感じ小アジ針の5~6号ぐらい。一方で私が使っていたのは0.5号の極小針。

そう、針のサイズ。これがとても重要。そのときに狙う対象魚、そしてその時期のその魚のサイズに合った釣り針を選択する必要があります。小さな魚の場合は特に気をつけなければなりません。

小さい魚を大きな針で狙うと当然ながら掛かりにくくなります。物理的に口に入りませんから。カタクチイワシなんてあのサイズからは想像できないほど口を大きく開けるので大きな針でも釣れたりするんですが、基本は魚のサイズに合わせた上限値があると思ってください。

特にサビキは小魚を狙うことが多いので、その時期にそこで釣れる魚に合わせた上限値に気を配る必要があります。釣り場の近くにある釣具屋なら適切なサイズを教えてくれると思いますので分からなかったら聞いてみましょう。

小は大を兼ねるのか?

大き過ぎると不都合というなら、小さい針を使えばどんなケースでも対応できるんじゃない?と思うかもしれません。それは半分正解です。

実際、小さめの針を使ったサビキ仕掛けで大きな魚が釣れることを想定し、ハリスが通常よりかなり太めになったものがあります。こういうやつ。

ただ、大きい魚に対して小さい針を使うとアタリがあっても口に掛かりにくかったり、掛かったとしても取り込み時にばらす(針から外れる)可能性が高まります。

なので基本はその時釣れる魚に合ったサイズの針を選択するのがベストです。

【こぼれ話】釣り針の号数と大きさ

釣り針における”号”というはサイズの単位であり、数字が大きいほど大きな針となります。ただし同じ号数であっても針の種類が違えば大きさも異なり、例えばチヌ針3号と袖針3号ではかなりのサイズ差があります。同じ種類の針でもメーカーが違えば微妙にサイズが異なることもあるようです。

どうしてこうなったのかというと、地方によってそれぞれ釣り針の作り手がいて独自の文化が形成された結果だと思われます。今さら統一しろってのも野暮な話。

それにしても日本の釣り針文化は繊細でとても面白い文化だと思います。ここまで対象魚やそのサイズによって釣り針のバリエーションがある国はないんじゃないかな?釣り針専門の博物館とか特別展とかあってもいいぐらいだと思う。

毎年1月ぐらいに各釣具メーカーのカタログが発刊されますが、総合釣りメーカーであり釣り針メーカーでもあるがまかつのカタログには、各種釣り針が原寸大で掲載されています。釣り針図鑑とも呼んでいいぐらいの充実ぶりなので釣り人必携の一冊です。

【原因2】エサの大きさや種類があっていない

釣り針と同じく、初心者にとって釣りエサコーナーも未知の領域ですね。

ミミズっぽいウネウネした気持ち悪いエサが何種類かあるようだけどみんな同じじゃないの?冷凍庫には凍ったエビっぽいものがたくさん売られてるけど何が違うの?そんな感じでしょう。私も未だに使ったことがないエサがたくさんあります。

このエサならだいたいなんでも釣れると言えるような万能エサもありますが、やはり狙いの魚に合わせたエサを選択するのがベスト。

狙う魚に対してエサが大き過ぎる

ここで再び回想シーン。

サヨリ釣りのピークに突入した9月の南芦屋浜。

夜が明けて日が昇ると皆さん一斉にサヨリ仕掛けを投入し始めます。

慣れてる人は1投1匹ペースでどんどん釣り上げていきます。私も負けじと、南芦屋浜における対サヨリ最強エサ、イカの切り身をつけて仕掛けを投入。さすが南芦屋浜、サヨリの魚影が濃くて投入直後にアタリ連発。イカはエサ持ちがいいのでビシビシ合わせを入れてサヨリを掛けていきます。ほんと楽しいですサヨリ釣り。

もう十分釣ったし一旦落ち着こう。

ふと横を見るとビギナーらしき親子連れが。どうもうまく釣れないようで浮かない顔。アタリはあるももの掛からないようです。アタリはあるけどエサだけ無くなってると。仕掛けもポイントも合ってるのに肝心の合わせが決まらない状態。

横目で見ているとどうもエサが大きい。エンピツサヨリのおちょぼ口には入りきらないサイズのオキアミをつけていました。そりゃ掛かりにくいわな。

先に書いた針の大きさと同じく、とりわけ小さな魚に対してはエサの大きさの上限にも気を配らないといけません。その魚も時期によってサイズが違うのでそれを把握してエサの大きさを変えたり付け方を変えるのも大事。

とはいえ最初から適切なエサが選べるわけないと思うので、周囲で順調に釣ってる人に聞いてみるのがいいと思います。南芦屋浜のサヨリ釣りでいうところのイカの切り身のように、その釣り場の特効エサみたいなのもあったりします。釣り人は意外と教えたがりなんで、気のいい釣り人なら「兄ちゃんこのエサ使ってみ」と分けて頂けたりも。

エサの種類にこだわり過ぎてない?

この前釣りをしたときはこのエサで良く釣れたからと、次も同じエサを選択することがあるかもしれません。それはそれで正しい判断だと思います。

とはいえ相手は魚。自ら動きエサを求める生物です。それは私たち人間も同じ。味の濃い焼肉を食べたい日もあればあっさりとしたうどんが食べたい日もある。夏は冷たいそうめんを食べたいけど冬は暖かいお鍋がいい。たぶん魚もそう。その時その場所によって好むエサが違うことがあります。この前とは同じ手が通用しないことが。

先ほど南芦屋浜のサヨリ釣りにおけるイカの切り身を例に挙げましたが、初夏のアジュール舞子で同じようにイカの切り身をエサにしたところ、全く見向きもされないという経験をしました。

なのでその時その場所に合ったエサを選択するのが重要です。とはいえ出たとこ勝負なのでなかなか難しいんですけどね。複数のエサを持っていけばいいんですけど、エサ代もバカにならんので。釣行前の情報収集が大事かもしれません。

厳密にはエサではないのですが、サビキもその時の状況によって種類を選ぶ必要があったりします。ピンクスキンを使うか白スキンを使うかハゲ皮を使うか。どんなサビキ仕掛けでもジャンジャン釣れる日があれば、ピンクスキンが見切られる日もあったり。いくつかの針サイズとサビキの種類を用意しておきたいところです。ルアーについても同じことが言えますね。

それと初心者に多いのが何でもかんでもオキアミで釣ろうとする人。いや確かにオキアミは万能エサに違いないんですが、その時その場所にあったもっといいエサもあります。おそらくこの原因は、レジャー施設なんかにある釣り体験コーナーのエサがだいたいオキアミだからじゃないかと。たとえば城崎のマリンワールドにあるアジ釣りコーナーとか。そこで初めて釣りをして「このエサすごい」と刷り込まれるんじゃないかという説。

【原因3】タナがあっていない

はい、当然の如く回想シーンから入りますよ。

秋も深まりピークを迎えたタチウオ狙いの人で満員御礼の大阪湾。

私も同じくタチウオを狙って昼からスタンバイ。空が赤く染まり始め夕まずめを迎えようとしたころ、隣に若いカップルが「入らせてもらっていいですか?」とごあいさつ。狭いながらもスペースに余裕があったのでどうぞと入ってもらいました。

ちょうどサビキでマアジが入れ食いになっていたタイミング。隣のカップルもサビキを始めて楽しそうにマアジを釣っていました。どうやら彼らはビギナー、彼女は初めての釣りらしく。彼の「ほら釣りっておもろいやろ?」の声に嬉しそうに応える彼女。いいなこういうの。混雑でギスギスしがちな秋のタチウオ釣り場ですが思いがけず癒されました。

日も沈んで暗くなった頃、彼らもタチウオ釣りに移行。スマホのLEDライトで照らしながら初心者セットとおぼしきコンパクトロッドにウキ釣り仕掛けをセットしようとするも苦労してる様子。「がんばれ」と心の中で応援。なんとかセットできるも今度はキャストが上手くいかない。そりゃコンパクトロッドでウキ釣り仕掛けを投げるのは難しい。でも「がんばれ」と心の中でエール。

繰り返すうち次第に前に飛ぶようになり、10メートルほどの沖に仕掛けが投入されました。「よくやったな!」と心の中で肩をポンと叩く。

しかしどうもおかしい。潮が真横に流れている状況で、どのウキ釣り仕掛けも同じスピードで潮下に流れていってるのに何故か彼のウキは一点で静止している。おまけにウキが立たずに寝たまま。こりゃおかしい。

しかしその状況で何やら魚を釣り上げた!良く見ると25センチぐらいの良型ガシラ。ええやんええやん、煮付けにしたら美味いで、そんなことを話しながら周りの釣り人とともにワイワイガヤガヤしている時、私ははっと気付いてしまった。

あの仕掛け、ウキ止めがついてへん。だから仕掛けがスルスルと海底にたどり着きアンカーのような状態になってウキが寝た状態で静止してたんやわ。それで上層のタチウオが釣れずに底層のガシラが釣れたんや。

それを伝えるべきか迷いましたが、その場は言葉を飲み込みました。彼も釣りを続けるなら今日の失敗に気付く日がくるはず。そもそもこれは失敗ではないかもしれない。魚が釣れたんだし。わざわざ伝えるのは野暮だ。

その後彼らは当然タチウオを釣らないまま納竿。帰り際にわざわざ挨拶までしてくれました。礼儀正しき若者よ、機会があればまたここで会おう。心の中でつぶやいて背中を見送りました。

回想おわり(長っ)。というわけでつまり私が何を言いたいかというとですね、あれ?何やっけ?

魚が泳いでいる層(タナ)を把握することが重要

そう、これ。タナです。魚が泳いでいる層。

魚の種類が違えばその生態も異なり、魚が泳いでいる層、あるいは魚が居ついている層も異なります。さきほどのガシラとタチウオというのはタナが対照的です。ガシラは根魚ともいい、海底付近の岩や岸壁などに居ついてそれほど泳ぎ回りません。一方で回遊魚であるタチウオは海を縦横無尽に泳ぎ回っています。

よってガシラは底付近のタナを中心に狙う必要があります。じゃあタチウオはどうすればいいかというと、大阪湾ならウキ釣りだとまず2ヒロからというセオリーがありますが、その日その時間によってタナが異なるのでそれを探り当てる必要があります。

簡単に思われるサビキ釣りなんかもタナによる釣果への影響が大きく、マアジなんかは底じゃないと釣れない場合があります。ウキサビキでマアジを狙っているにも関わらず、ウキ下が2ヒロとかで釣れない釣れないと言ってる人をたまに見ます。

なお「ガシラは底」と書きましたが、水族館なんかでガシラを観察していると垂直の壁になんらかの方法で張り付いてジッと上を向いていたりもします。だから案外上のタナで釣れたりとか。

タナ。把握してはいるものの、誘導し掛けのウキ釣りだとウキ止めを動かすのが面倒で釣れないまま一定のタナで粘り続けてしまうこともありますが、上に下にタナを探ってジタバタもがきましょう。

【原因4】狙いの魚がそこにいない

はい回想シーン。これで最後。

2月から3月にかけての魚の釣れ難さは身をもって知っているので基本は釣りをしません。年間を通して海水温が最も低い時期で岸近くでは魚が釣れ難いから。私だけではなくそんな人は多いと思います。

とはいえちょっと気晴らしに穴釣りでもするかと、3月初めの暖かい日に南芦屋浜の石畳に向かったことがありました。短竿に小型両軸リール、丸型オモリの先にチヌ針をつけただけの簡単な仕掛けにアオイソメを垂らしてめぼしい穴を探る。まあ釣れませんでしたね。でも竿が出せりゃ8割方満足なんです。

ちょっくらベランダも覗いてから帰ろうかと南面へ向かうとやはりタチウオの時期の混雑がまるで幻だったかのように閑散としています。エビ撒き釣りをしてる人がパラパラいるくらい。

そんな中、家族連れが竿を並べているのが見えました。 いかにもビギナーっぽいカラフルなコンパクトロッドにプロマリンの最安リール。足元を見るとFマックスで買ったと思われるパック入り3キロのアミエビ。ということはサビキ釣りです。

う~ん、さすがにこの時期の湾奥でサビキの釣果は厳しいんじゃないか?せめてあと2ヵ月早ければ、あるいはこの2ヶ月後であれば何かしら釣れる可能性が高いんですが。案の定、子供は「前に来たときは釣れたのに~」というようなことを言ってます。おそらく今がサビキ釣りのオフシーズンだということを知らずに来てしまったに違いない。

釣れるシーズンを把握していない

川と海を含め日本に生息する魚は3000種以上に及ぶと言われており(※水産庁のウェブサイトより)3000通りの生態があるわけです。

それぞれの魚は季節によって違った行動を行います。基本的に回遊魚は暖かい時期に岸近くに回遊してきて冬は暖かい南の海か深い場所へ落ちてしまう。11月にたくさんつれたからと言って、その二ヵ月後の冬に同じ場所へ行ってもまず釣れません。

時間帯も大事。

太刀魚シーズンにははいった10月ごろ、まだ日の入りは6時前とかそんな時期。お昼の3時ごろからタチウオのウキ釣り仕掛けを投入し続ける人を見ました。ルアーやテンヤなら可能性もあるのですが、さすがにウキ釣りには早い時間帯。もったいないことにその人は日没前の5時に諦めて帰っていきました。

釣れるシーズンと時間帯。非常に大事です。そこに魚がいなければいくら竿を出しても釣れません。

この記事は関西在住の釣り人が書きました

1978年大阪生まれ大阪育ち大阪在住。

家族共通の趣味を持つべく2014年に20年ぶりの釣りを再開。京阪神の海にて活動する小物ハンター。釣りの目的は現実逃避とおかずの確保。海は大きい、自分で釣った魚は美味しい。それでいい。

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