あなたは釣った魚を食べるキャッチアンドイート派?それとも釣った魚を逃がすキャッチアンドリリース派?
キャッチアンドイート派は安全に針を外したり血抜きをするために魚をしっかり固定する必要がありす。キャッチアンドリリース派は魚を元気なまま帰すためになるべく魚に触れないようにする必要があります。
そのためになくてはならないのがフィッシュグリップ。今やどんな釣り人でも必携とも言える釣具。釣りをするからには持っておくべき。
フィッシュグリップは主に3タイプに分類でき、それぞれ掴む魚の種類や使う人による相性があります。それぞれの機能や特徴を知ってあなたに合ったフィッシュグリップを見つけましょう。
フィッシュグリップ釣りに必須
そもそもフィッシュグリップなんていらないという意見もあるでしょう。俺は手づかみでワイルドに行くぜという人を否定するつもりはありません。どうかけがには気を付けて頑張ってください!
しかし私は断言します。釣りをするからにはフィッシュグリップが必須だと。それは「安全」を確保するために役立つからです。
3タイプのフィッシュグリップ
フィッシュグリップは主に3タイプの形状に分類できます。それぞれメリット・デメリットがあり、魚の種類や使う人による相性もあります。それを知って自分にぴったりのフィッシュグリップを見つけましょう。
3タイプのフィッシュグリップについて、この記事では便宜的に以下ように呼ぶことにします。
後ほどそれぞれを詳しく説明しますので、まずはざっくり3タイプの外見を見てみましょう。
トング型フィッシュグリップ
トング型はパン屋でパンをつかむときに使うトングに似た形状のフィッシュグリップ。構造がシンプルなため安価な製品が多くあります。最初にこれを選ぶ人も多いでしょう。
ハサミ型フィッシュグリップ
ハサミ型は製品の中央付近に支点がある形状のフィッシュグリップ。トング型よりやや高い価格の製品が多い傾向です。
マウスグリップ型フィッシュグリップ
マウスグリップ型はヤットコのような2本のアームで魚の下アゴを挟むタイプのフィッシュグリップ。素材が金属製であることがほとんどなので、3タイプの中では最も高い価格帯です。
釣り場で使い込んできた経験をもとに
ここまで読んで気づいた人がいるかもしれません。例として掲載したフィッシュグリップの写真がどれも傷だらけで見栄えが悪いということに。
しかしそれは実際に釣り場で使い込んできた証拠だと理解してください。使ってもいないアイテムを適当に並べて「おすすめランキング50選!」とかのたまう嘘ばっかりでチリ紙みたいに薄っぺらい記事とは違うんです。
では3タイプのフィッシュグリップについてそれぞれ深掘りしていきます。
「トング型」フィッシュグリップは小物用に
釣りを始めた人が最初に選ぶことが多いトング型フィッシュグリップ。こんなタイプの釣り人におすすめです。
サビキ釣りなど小魚中心の釣りで釣った魚を食べる人
トング型はこんな人におすすめ
このフィッシュグリップはこんな人におすすめします。
でもこんな人にはおすすめしません。
釣った魚を食べる目的の釣りをするなら最初に検討すべきフィッシュグリップです。
トング型はこんな魚に使える
トング型はこんな魚に対して使うのに適しています。
30センチ程度までの小魚を扱うには最適なフィッシュグリップです。
小さな手でも使えるから子どもや女性でも扱いやすい
子どもでもしっかりつかめる
まずこちらをご覧ください。5歳の子どもがトング型フィッシュグリップで30センチ台のサバをつかんでいる様子です。
幼児の小さな手でもしっかり握れていることが分かります。
手が小さい人も大きい人も
ヒンジの部分が製品の根本にあるので、手が小さい人でもなるべく根元を持つことで問題なく握ることが出来ます。もちろん手が大きな人でも問題なし。
また、日常生活で使い慣れている形状の道具なので、多くの人にとって魚を掴むのが容易なはず。
小物釣りがメインなら最適
サビキ釣りにぴったり
サビキ釣りなど20センチ程度の小魚を中心に釣りをする人。そんなあなたにはトング型のフィッシュグリップが最適です。サビキ釣りのメインターゲット、マアジもこの通りがっしりホールド。
大きな魚をつかむのは苦手
一方で40センチを超えるような大型魚、特に遊泳力が強く肉厚な青物をトング型フィッシュグリップで掴むのはちょっと困難。力負けしてしっかり固定することができません。
大きくても、平べったく細長い魚、例えばタチウオなどはしっかり掴んで固定できます。
食べるための釣りならこれを選ぼう
針から外れて地面に落ちた小魚もかんたんに掴んで拾い上げることができます。堤防でのサビキ釣りではよく見る光景です。サビキ釣りは食べるための魚を釣る釣りだといえますが、そのタイプの釣りなら最適だといえます。
しかし一方でリリースする魚を掴むのはおすすめできません。
魚体へのダメージが大きい
トング型フィッシュグリップは、先端の部分にある無数の突起で魚をしっかり固定します。
固定するにはある程度強く挟む力も必要なので、魚の表皮に傷をつけることが避けられません。これは魚の中でも特に表皮が弱いタチウオをトング型フィッシュグリップで掴んだ結果です。
この状態でリリースして泳いで海に帰ったとしても、そう長く生きられないでしょう。キャッチアンドリリースを中心に釣りをするなら、最後に紹介するマウスグリップ型のフィッシュグリップをおすすめします。
おすすめは第一精工の「ワニグリップミニ」
トング型フィッシュグリップのおすすめは第一精工のワニグリップシリーズ。その中でもワニグリップミニが特におすすめ。
この記事に掲載しているトング型フィッシュグリップはすべてこの製品。私が釣りを始めた10年近く前からずっと売られ続けているロングセラーモデルです。大きな仕様変更もなく販売が継続しているのは完成度が高い証。
多少値段が上がっていいなら、ホルスター付き、つまり刀の鞘のようなケースがついたセットが特におすすめです。
ベルトなどに引っ掛けておけるクリップ付きなので携行に便利ですし、ケースに入れることで魚の粘液や血が服につくのを防ぐことができます。落下防止のカールコードもついているので、おっちょこちょいなあなたでも海に落とす心配はありません。
なおAmazonではワニグリップの名を騙った模倣品が出回っています。本物は第一精工の製品のみ。必ず出荷元がAmazonかつ販売元がAmazonのワニグリップを買いましょう。
「ハサミ型」フィッシュグリップは万能タイプ
ペンチやハサミに似た形状のハサミ型フィッシュグリップ。こんなタイプの釣り人におすすめです。
小魚から大物まで1つのフィッシュグリップで万能に使いたい人
このフィッシュグリップはこんな人におすすめします。
こんな人にはおすすめできません。
釣った魚を食べる前提で、なるべく万能に使いたい人におすすめです。
ハサミ型はこんな魚に使える
ハサミ型はこんな魚を扱うのに適しています。
今回紹介するフィッシュグリップの中では最も幅広い魚種を扱えます。
小魚から大型魚まで対応できる万能性
トング型のフィッシュグリップ多くは、魚の体を掴む、魚の口を掴むという2タイプの掴み方ができます。これによって10センチ程度小さな魚からブリなどの大型青物まで一つで対応可能です。今回紹介する3タイプの中で最も万能といえます。
アジングでは定番
小さな魚ならマアジなど。例えば同タイプの第一精工ガーグリップはアジングで定番のフィッシュグリップとなっています。
サビキ釣りで地面に落ちた小魚を回収するときなどは、どちらかというとトング型のほうがおすすめです。
大型青物もしっかりホールド
意外と知られていないのが大型魚もこれでグリップできること。特徴的な先端の形状で、魚の口をがっちりホールドできます。
エラを掴んで映える写真も
また、このようにエラを掴んでホールドすることもできます。
本体の幅が小さくトング型に比べると魚体が隠れにくいため、映える写真を撮るのにもおすすめです。
手が小さいと使いにくい
ハサミ型の形状なのでどうしても持ち手部分の開きが大きくなります。手がい小さい人だとまず持ち手を掴むのが難しいと感じるかもしれません。
やはり手が小さい子どもや女性にはトング型がおすすめ。
ホルスター付きなら小さな手でも使える
ただ、第一精工のガーグリップなどは持ち手が閉じた状態でホルスターに収納されるため、そこから持ち手を持ってホルスターから取り出すことで小さな手でも対応可能です。
リリース前提の釣りには使えない
挟む力はトング型より強力
トング型と同じく先端のギザギザ形状で魚を掴む仕組みのため、必然的に魚の皮膚を傷つけることになってしまいます。ハサミ型の形状で支点が前方にあるためトング型より強力な力で挟むことができますが、その一方で魚体へのダメージは強くなります。口を掴む場合でも、マウスグリップ型より魚のダメージは大きいです。
リリースを前提にする釣りには使えないと考えたほうがいいでしょう。
おすすめは第一精工の「ガーグリップ」
ハサミ型のおすすめは、トング型と同じく第一精工のガーグリップ。
こちらはフィッシュグリップ単体のみでの販売は無く、予めホルスターとセットになった製品だけが販売されています。
ホルスターに収納したままで携行し、使うときにはそこから直接取り出すことが前提になっている商品といえます。
こちらもワニグリップと同じく模倣品が出回っているので注意しましょう。
「マウスグリップ型」フィッシュグリップはキャッチアンドリリース派に
メカニカルな機構がかっこいいマウスグリップ型フィッシュグリップ。ざっくり説明するとこんなタイプの釣り人におすすめです。
大型の魚を中心に釣る人やキャッチアンドリリースの釣りをする人
このフィッシュグリップは、こんな人におすすめ。
こんな人にはおすすめできません。
魚をキャッチアンドリリースするならこのフィッシュグリップ一択です。
マウスグリップ型はこんな魚におすすめ
マウスグリップ型はこんな魚を扱うのに適しています。
大物を中心とした魚に最適なフィッシュグリップだといえます。
魚体を傷つけないからキャッチ&リリース派に最適
魚を点で掴むからダメージを与えにくい
トング型、ハサミ型は、ギザギザの突起物がついた「面」で魚体を掴むため魚へのダメージが大きくなります。それに比べてマウスグリップ型は魚の口を「点」で掴むため、ダメージを最小限にすることができます。
キャッチアンドリリースを前提に釣りをするなら、このタイプのフィッシュグリップのみが候補になります。もちろんキャッチアンドイート派にもおすすめ。
大型魚や歯が危険な魚に最適
肉食魚の口ならがっちりホールドできる
大型の肉食魚は皮膚の分厚いしっかりした口を持っているので、マウスグリップ型のフィッシュグリップでしっかりとホールドすることができます。
一旦掴んでしまえばアームを開くトリガーに触れずとも掴んだ状態を保つことができます。
大型の製品なら歯が鋭い魚にも使える
マウスグリップ型の中でも大型ものになれば、掴んだ魚の口から距離を取ることできます。だから、歯が鋭いサワラやタチウオなどを安全に掴んで針を外すことができます。
小型魚や口の弱い魚には使えない
口が弱い小型魚には使えない
小型魚は口が弱い魚が多いため、マウスグリップ型のフィッシュグリップで掴んでも口が切れて地面に落としてしまう可能性が高くなります。マアジなどは特に口が弱いのでこのタイプのフィッシュグリップはおすすめできません。
大きくても草食性の魚には使えない
また大型魚でも草食性の魚は口が弱い傾向にあります。外道として扱われることの多いボラも口が弱く、同時に大型のものは重量があるため、このタイプのフィッシュグリップで掴むと口が裂けてちょっと可哀想なことになります。
ルアー派におすすめ
大型の魚かつ肉食性の魚、つまり青物やシーバスなどルアーフィッシングの対象魚には問題なく使えます。そういった意味ではルアー派の人におすすめのフィッシュグリップと言えます。
おすすめはPROXの「フィッシュキャッチャーR レギュラー」
マウスグリップ型のおすすめはPROXのフィッシュキャッチャーRレギュラー。
マウスグリップ型のフィッシュグリップとしては比較的低価格の製品ですが、がっちりした構造で使用感に問題はありません。
あなたに合ったフィッシュグリップで快適な釣りを
3タイプに分類したフィッシュグリップについてメリットとデメリットを交えて紹介しました。あなたと相性が良さそうなフィッシュグリップが必ずあるはずです。
最適なフィッシュグリップを選んであなたの釣りを快適で安全なものにしましょう。