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新品でもグリスアップを!スピニングリールのドラグメンテナンス方法

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正直に言いますと、釣りを始めてからしばらくはスピニングリールのドラグ機能を軽視してました。

というのもやっていた釣りがエサ釣りばかりで、ナイロンラインを使ったサビキ釣りとかタチウオのウキ釣りしか経験がなかったから。ナイロンラインはゴムのようにある程度伸びる性質があるため、強い引きがあったときなどの衝撃を吸収してくれます。だからドラグをガチガチに締めてても小物を釣るなら問題なし。

ようやくドラグの有り難みがわかったのはタチウオの引き釣りにPEラインを使い始めてからです。PEラインは伸びが少ないから、ショックリーダーを使っていてもドラグが適切に機能する状態にしておかないとあわせたときにラインが切れてしまう。実際にそれを経験した結果、ようやくドラグ機能の重要性を意識するようになりました。3~4LBぐらいの細いラインを使う管理釣りでもその重要性を再認識。

しかしこのドラグ、ちゃんとメンテナンスをしておかないとその真価を発揮できません。安いリールを使っていようが高いリールを使っていようがそれは同じ。

道具さえ揃えば意外と簡単なので、ドラグに違和感を覚えている人はメンテナンスをしてみましょう。メンテナンスといっても、要は中身の部品を洗浄してグリスを塗り直すだけ。意外と簡単です。

ドラグのメンテナンスが必要になるとき

ドラグはラインを引っ張る力がある一定ラインを超えた場合に、スプールが回転してラインを送り出してくれる機能です。これによってラインブレイク、つまり糸が切れることを防ぎます。

ではドラグのメンテナンスが必要なのは、リールがどんな状態の時でしょうか?

ドラグの調整を試す

ドラグはリールのてっぺんにねじ込まれているドラグノブを回すことで、緩めたり締めたりできます。その締めつけ具合によって、どのぐらいの力がかかればスプールが回転するか自分で好きなように調整できるわけです。

適切な締め具合はドラグチェッカーを利用することできちんと設定ができます。

でもドラグチェッカーは高いし、いちいち釣り場に持ち込んで計測するのは面倒ですよね。だからほとんどの人は経験則から自分の感覚で調整しているはず。私はまさにそうで、ラインを引っ張りつつドラグノブを回してここだという締め具合に調整します。例えば引き釣りやジギングなら、ロッドをシャクったときにドラグが「ジジッ」と軽く鳴るのを目安にしたりも。

ドラグの調整幅が狭くなる

ドラグのメンテナンスが行き届いていないと、この調整がとてもシビアになります。

軽い引っ張りでラインがでるからといってドラグノブを締めると、ラインがでなくなるぐらいガチガチに締まってしまう。こりゃだめだと緩めると今度は軽く引っ張っただけでラインが出てしまうゆるゆる状態に。適切な調整をしようにも遊びが無さすぎる。調整幅が狭すぎるのだ。

ドラグの効き方にムラがある

ドラグを緩めてラインを引っ張ると、ドラグの効き具合にムラが発生するときがあります。

一定の力で引いているのに、強い抵抗があるときと軽い抵抗があるときが繰り返される。そういうとときはドラグワッシャーの劣化を疑ってください。ドラグワッシャーは金属、そしてフェルトやカーボンの組み合わせでできていますが、劣化が出るのは後者です。

実例を見てみましょう。これはフェルトワッシャーが劣化して変形したようすです。

ドラグの効き具合に大きなムラを感じたので分解したところ、この有様でした。最初は何がどうなってるのか理解できず、中央にある汚れた白あんみたいなのがワッシャーだと気づくまでしばらく時間がかかりました。

おそらくは、根掛かりを外すために強くドラグを締めてラインを引っ張ったのが原因だと思われます。よく「ドラグを締めすぎると壊れる」といわれるのはこういうことですね。この状態ではドラグが正常に機能しません。

この場合はグリスを塗るだけでは解決しないので、ドラグワッシャー自体を新品に交換する必要があります。

こんな症状がでればドラグのメンテナンスを

そもそもドラグの性能が低すぎるリールだとどうしようもないですが、ほとんどの場合はドラグのメンテナンスをすることで正常な状態に戻すことができます。2000円程度のワゴン安リールでも劇的に改善することがあるので侮れません。

これまで書いたことを含め、以下のような状態のときはドラグのメンテナンスが必要です。

  • ドラグの調整幅が狭い
  • ラインの出だしがスムーズではない
  • ラインの出方が一定ではなくムラがある
  • ずっとドラグが滑ったままスプールが回転する

ドラグのメンテナンスって何をするの?

パーツをきれいにしてグリスを塗る

ではドラグのメンテナンスとは具体的に何をする必要があるのでしょうか?

それを知るにはまずドラグ内部の部品を取り出して、その状態を確認することが必要です。その結果によって、以下のようなメンテナンス作業が必要になります。

  • ドラグ内に水、ホコリ、砂、塩の結晶などの異物が混入している場合、洗浄して汚れを取り除いたうえでドラググリスを塗り直す
  • ドラググリスが古く劣化している場合、洗浄して取り除いたうえでドラググリスを塗り直す
  • ドラググリスが足りない場合、ドラググリスを塗り足す
  • フェルト製のドラグワッシャーが劣化している場合、パーツを注文して交換したのち、ドラググリスを塗り直す

なんか面倒くさそうですね。

でも実際のところ、パーツの交換が必要なとき以外は「パーツを洗浄してドラググリスを塗り直す」だけです。いたってシンプル。

それではこれからメンテナンス方法を解説していきます。まずはメンテナンスに必要なアイテムから。

ドラグのメンテナンスに必要なアイテム

ドラグのメンテナンスをするにあたって必要な道具はこちら。

右上からいきましょう。

いちばん右上にあるコップはパーツ洗浄用の容器として使います。次にあるのがドラグ専用のグリス。綿棒は掃除をしたりドラググリスをパーツに塗るために使います。パーツの付け外しにはピンセットがあると便利。オイルが飛び散ったり汚れる作業なので、金属のバットなどがあると便利です。チラシや新聞でもOK。汚れを落とす洗剤としてはパーツクリーナーが最適です。あとは水分や汚れを取るためにキッチンペーパーなどがあると良いでしょう。

この中でも重要なものをピックアップして紹介します。

パーツクリーナー

汚れたパーツや、古く劣化したグリスを落として洗浄するのにはパーツクリーナーが最適です。ドラグのメンテナンスに限らず、リールのメンテナンス全般に使うことができます。

おすすめはこれ。KUREのパーツクリーナープラスチックセーフ。

その名の通りプラスチックに使っても影響が少ない成分になっています。安いリールは部品にプラスチックが使われている場合も多いですが、これを使えば安心。

速乾性ということで、使ったあともすぐ乾くのでスピーディーにメンテナンス作業が進められます。

ドラググリス

グリスなんて何でも同じでしょ?じゃあリールメンテナンス用のグリスや、最悪ミニ四駆のグリスでもいいのでは?

それダメ!

ドラグには必ずドラグ専用のドラググリスを使ってください。ドラグのグリスは、滑りやすいけど粘り強くなくてはいけないという、相反するような性能が求められます。潤滑を目的とした普通のグリスではその役目を果たすことができません。

本来はダイワのリールであればダイワのドラググリス、シマノであればシマノのドラググリスを使うのがベストではあります。厳密にはそのリールに推奨されているドラググリスを使うべき。でも違ったからといってドラグの性能が著しく落ちることはないのでお好みのドラググリスを使えばいいと思います。私はこのシマノのドラググリスをダイワやその他のメーカーのリールにも使っています。

どうも分離しやすい成分のようで、乳白色と黄金色の成分に分かれていることが多いです。使用前にチューブをもみもみして馴染ませてから使いましょう。

なお一応Amazonでは取り扱いがありますが、本来は店頭に並べられている商品ではなく、部品として釣具屋から注文して取り寄せる商品です。釣具屋の店頭で見つからなければ店員さんに聞いてみましょう。

リールの展開図

ドラグの中身は基本的にワッシャー(輪っか)が重なって入っているだけなのでたいして複雑なものではありません。しかしあらかじめ構造を把握しておくと分解組み立て作業がスムーズに進みます。

先程の写真には載せていませんが、手元に展開図(分解図)があると安心です。主要メーカーはホームページで公開しているので、それを印刷するなりして用意しておきましょう。

たとえばダイワならここから検索ができます。

シマノはこちら。

実例を見てみましょう。下の展開図はダイワのレブロスの展開図。

画像出典:SPORT LIFE PLANETS15レブロス 2506H: スピニングリール:スポーツライフプラネッツ-釣用品のパーツ販売・修理

「うわ、部品だらけでめっちゃ難しそうやん…」と拒否反応が出てしまうかもしれませんが、とりあえず今回は左上にあるスプールの箇所だけ見とけばいいです。ほら、輪っかが重なってるだけでしょ?大丈夫。

実際に「ダイワ レブロス2506H」のドラグをメンテナンスする

では実際にドラグのメンテナンスをしていきましょう。

今回ドラグのメンテナンスをするのはダイワ15レブロス2506Hです。

価格は5000円台(19年4月現在)でダイワのエントリークラスに位置づけられるリールですが、コストパフォーマンスが高いリールとして定評があり、愛用者も多いリールです。

実はこれ、新品で買ったばかりで一度も実戦投入していないさらぴんのチェリーくん。

それなのになぜドラグのメンテナンスをするかというと、ドラグに違和感があったからです。ドラグノブをカチカチと2段階ぐらい回しただけで締め付け具合が大きく変わってしまう。具体的には先に書いた「調整幅が狭い」という症状です。そういう個性のリールという可能性もありますが、念のため部品を確認してメンテナンスで改善するならやってみようと思ったのです。

果たしてドラグは改善するでしょうか?順を追って作業をしていきましょう。

ドラグノブを緩めてスプールを取り外す

まずドラグノブを反時計回りに回して外しましょう。

スプールをリール本体のシャフトから抜いて取り外します。

これは新品なのできれいですが、ある程度使い込んでいればここにホコリや古いグリスが溜まっているはずです。

抜け止めの金具を取り外す

ドラグのパーツはスプールから抜け出さないように金具で止めてあります。細い針金が六角形だったり星型だったりに曲げてあり、一部が欠けてバネ状になっていますので、ピンセットなどで内側に曲げて取り出しましょう。

外した拍子に金具がピンッ!と飛び出て行方不明になるという「リールのメンテナンスあるある」が発生しやすい作業なので気をつけましょう。金具は溝にはまっています。組み直すときはこの溝に再度はめる必要があるので構造を把握しておきましょう。

ドラグ内のパーツを取り出す

ではいよいよドラグのパーツを外していきます。といっても、金属製とフェルト製のワッシャーが交互に重ねて入ってるだけ。なのでそれを取り出す作業のみです。

真ん中に穴が開いているので、ピンセットとか細めのドライバーなどでピックアップしてやれば簡単に取れます。

簡単に取れるとは書きましたが、何の抵抗もなくペラっと取れる場合はグリスが足りてない証拠。ドラググリスは粘り気がありますので、しっかり塗られていれば外すのにちょっと苦労するはずです。

外したパーツは並べて順番を把握しておきましょう。

リールによって異なる場合がありますが、上の写真のように金属製のワッシャーが3枚とフェルト製のワッシャーが3枚というのが低価格~中価格リールでの標準的なドラグ構成です。真ん中の金属製ワッシャーに爪がある以外は、同じパーツが使い回されていることが多いですね。爪があるワッシャーがスプールの溝に噛み合うことで固定され、その上下にあるパーツが滑ったり粘ったりすることでドラグがドラグとして機能します。

番手が低い小さなリールなどはワッシャーがそれぞれ1枚ずつというパターンもあります。こちらはシマノの17セドナ2500Sのドラグです。不安になるぐらいシンプル。

上の写真だと白いフェルトのワッシャーが形崩れしていて、そろそろ交換のタイミングです。

さて、ここでさきほど載せたレブロスのワッシャーをもう一度見てみましょう。

分かりにくいかもしれませんが、新品なのにカラッカラです。グリスが塗られている感がほとんどありません。これはメンテナンスで劇的に改善しそうな予感です。

スプールを掃除する

パーツを取り出して空になったスプールは掃除しておきましょう。ここで綿棒が役に立ちます。

といっても上の写真は新品なのできれいなもんですが、それにしてもグリスっ気がありません。ちゃんと塗ったか?ベトナムの人ー!(レブロスはmade in vietnam)

使い込んだリールはホコリやワッシャーの繊維、劣化したグリスで汚れているはずなので、しつこい汚れがあればパーツクリーナーを使って洗浄してあげましょう。

パーツクリーナーでドラグのパーツを洗浄する

汚れたパーツは小瓶などに入れてから、パーツクリーナを吹きかけます。

パーツがひたひたに浸かるぐらい入れてから、振り洗いをしましょう。面白いように古いグリスや汚れがはがれます。汚れがひどい場合はブラシで擦ったり、何度かパーツクリーナを使って洗浄しましょう。

なおパーツクリーナーの成分は石油系溶剤なので火気厳禁です。換気もしっかりやりましょう。

洗ったパーツは水分を拭き取って乾かします。クリーナーの成分が残っているとグリスに悪影響なのでしっかりと。

乾燥すると白いカスのようなものが浮いてくる場合がありますが、グリスを塗れば消えます。

ドラググリスをパーツに塗布する

しっかり乾燥させたらそれぞれのワッシャーにドラググリスを塗っていきます。もちろん指で塗ってもいいですが、ネトネトになって洗剤でも落ちにくいので、ここは綿棒を使うのがおすすめ。

どらぐらい塗ればいいかというのが問題ですが、気持ち多めに塗ったほうがドラグの動きはスムーズになります。これぐらいたっぷり塗れば安心。

余分なグリスは使っているうちにはみ出てくるので、拭き取ればいいです。少なすぎるよりずっといい。

ドラグのパーツを組み直す

ひととおりグリスが塗れたらワッシャーを重ねて元に戻していきます。真ん中のワッシャーにある爪が、スプールの溝と噛み合うように位置を調整してください。

最後に抜け止めの金具をはめ直したら組み直しは完了です。

一番上のドラグワッシャーにもドラグの塗布をしておきましょう。性能アップや防水に多少の効果が期待できます。

動きをチェックしてメンテナンス完了

スプールを本体に戻してドラグノブを締めたら、スプールをカリカリと回してグリスを馴染ませつつドラグの具合を確認。

性能が落ちていた場合は、ここで劇的な改善を実感できるはずです。

さて、今回ドラグメンテナンスをしたレブロスですが、あんなに狭かった調整幅が大幅に広がり、格段に微調整がやりやすくなりました。正直、新品の箱を開けてドラグを触ったときに「この買い物は失敗だったかも?」という気持ちになってたんですが、これならいろんなターゲットと戦えそうです。

これからがんばってくれ、レブロスくん。たのむぞレブロスくん。戦え!レブロスくん。

ドラグのパーツが消耗しているときは

なお今回はドラググリスの塗布だけで済みましたが、部品が消耗している場合は交換が必要です。

金属製のワッシャーはそう簡単に消耗しませんので、問題はフェルト製のワッシャー。これは使っている期間や、使い方によって明らかに劣化していきます。ドラグをガチガチに締めて保管したり、根掛かりを外すときにガチガチに締めたまま引っ張ったりすることで擦れて薄くなったり形が歪んたり。

フェルトのワッシャーはそういうもんだと諦めて、劣化すれば交換しましょう。だいたい1枚100円台で買えるので安いもんです。

といっても基本は店頭に並んでいるわけではなく、注文して取り寄せる必要があります。釣具屋さんで注文すれば一週間ぐらいで届きますよ。

リールではありませんが、竿のパーツを注文して取り寄せたことがあるので記事にまとめています。ご参考に。

ワッシャーは余分に何セットか注文してストックしておけば安心ですね。安いし。

少しでも違和感があればメンテナンスを

リールは複雑な構造をしていますので、なかなか気軽にメンテナンスをしようという気になれないかもしれません。しかし今回紹介したドラグに関してはシンプルなものなので大丈夫。

よっぽど不器用でない限り、分解したものの元に戻せなくなった、なんてことにはならないでしょう。本体のギアなどコアな部分は、不安ならメーカーに修理メンテナンスを依頼するなどしたほうがいいと思います。私は調子に乗って分解したものの、元に戻せなくなったことがあります!

せっかくフッキングまで持ち込んだ魚、しっかり取り込むにはドラグの性能が重要です。ちょっとおかしいな、使いにくいなと思ったらメンテナンスを検討してみてください。新品であっても疑ってかかりましょう。