サビキ釣りで釣りに目覚めたあなた、次はサヨリ釣りをしてみませんか?
サビキに比べたら難しそう?いえ大丈夫です。「南芦屋浜ベランダ」なら必ず釣れます。釣る時期、基本知識、簡単なテクニックの習得、エサの選択。これらさえ合えばジャンジャン釣れます。
そんな南芦屋浜でのサヨリ釣り攻略法を私がこっそり教えちゃいます。
南芦屋浜なら100匹の釣果も狙えます
時期さえ合えば大漁になる
数釣りのピークは9月から10月
南芦屋浜でのサヨリ釣りは9月から10月にピークを迎えます。その時期は一番数多くサヨリが釣れるタイミング。
その時期、仮に日の出前後の時間から昼過ぎまでサヨリ釣りをしたとしましょう。
半日で100匹も難しくない
その時のサヨリのサイズに合ったサイズの仕掛けとエサさえ投げ込めば着水直後にアタリがあり、しっかりアワセれば一投一匹ペースで釣れ続けます。
サヨリ釣りに慣れて手返し、つまり仕掛けを回収してから投入するまでの効率を良くすれば半日で100匹超えも難しくない。
しかし、手返しをよくするためには「魚売場でも手に入るマル秘エサ」を使うことが必要不可欠。それは後ほどお伝えします。ぜひ最後まで読んでくださいね。
サヨリが釣れる時期は夏から晩秋
釣れはじめは例年7月ぐらいから
大型サイズも狙える
南芦屋浜でサヨリが釣れはじめるのは、梅雨終了の気配が感じられる7月中旬ぐらいからというのが例年のパターン。
その時期は30センチ前後の大きなサヨリが釣れる可能性があります。サヨリは最大まで成長したとしても40センチ弱ぐらいなのでかなり大型といえます。
この大型サイズの回遊は、日が経つにつれ次第に数が減っていき釣れなくなります。
8月には小さな当歳魚に入れ替わる
エンピツサヨリの季節
夏を迎えると当歳魚、つまりその年に生まれた小さなサヨリの群れが現れます。
エンピツサヨリと呼ばれ、文字通り鉛筆のように細長い魚の群れが岸壁付近をゆらゆら泳いでいる様子が目視できるはず。
最初のうちは小さすぎて3号の針でもなかなか針掛かりせずアミエビにも反応しないので、見えているのに釣れません。しかし15センチを超えたぐらいからアミエビを食べるようになり掛かり始めます。だいたいその時期が例年お盆あたり。
こんな痩せっこけたヒョロヒョロのサヨリですが初物は嬉しい!
このサイズは内臓と頭だけ取って丸のまま揚げるなどして食べます。干物にしても美味しいですね。
サヨリ釣りのピークは9月から10月
群れの密度が濃くなる
最初は小さかったサヨリも日に日に成長していき、だんだんサイズが大きくなっていきます。同時に魚影も濃くなっていき、群れの密度が最も濃くなるのが9月から10月。
この時期の南芦屋浜ベランダはサヨリの釣り堀状態。
仕掛けを放り込めばアミエビをめがけて群れが集まり海面がバシャバシャ。アタリもすぐにあってアワセさせ決まれば簡単に釣れます。サヨリ釣りが初めての場合はこの時期にチャレンジされることをおすすめします。
慣れてくればこんな山盛り釣るのも難しくありません。
これぐらいのサイズになってくるとなんとか刺身にできますし、開いて天ぷらにする、開いて一夜干しにするなど食材としての使い勝手もよくなってきます。
釣れなくなるのは12月前後
年末まで釣れ続くこともある
その後もサイズアップし続け、秋が深まるにつれ25センチ以上の良型が釣れるようになります。
秋の終わり、冬の気配が見え始める11月中盤ぐらいなると釣れ方にムラが出てきます。回遊してくる時間が限られていたり、一部のポイントだけで釣れたり。昼間の数時間だけ西側の石畳付近で釣れるとかそんな日が多くなってきます。
早い年だと11月中旬、遅くとも12月中にはサヨリが姿を消します。そうなればまた来年の夏までお別れ。
ただし、その年の状況によっては12月後半や年明けまで釣れ続くこともあります。2018年の12月がそのパターンでした。
サヨリが釣れる時間帯は昼間
太陽が出ている時間帯ならいつでも釣れる
早起きしなくてもできる釣り
釣れる時期は分かったけど、どの時間帯に行けばいいのか?
これは単純明快で、太陽が出ている時間帯ならいつでも釣れる可能性があります。秋のピーク時ならいつでもじゃんじゃん釣れる。真昼間に釣れる。無理をして早朝に行く必要はありません。早朝に釣りをしていた人が帰る昼前のタイミングなどは釣り場も空いていて好都合です。
夜は姿が見えていてもなかなか釣れません。
サヨリが釣れるポイント
ピーク時はどこでも釣れる
空いている場所を選ぼう
東西南北に広大な釣り場がある南芦屋浜。そんな広い釣り場のどこでサヨリを狙えばいいか?
ぶっちゃけどこでもいいです。どこで竿を出しても釣れます。秋のピーク時であれば。
青物の釣果が上がった時期などは満足に場所も選べないほど混雑しているので、竿を出せる場所ならどこでもいいです。場所によって多少のムラはありますがちゃんと釣れます。安心してください。
シーズンの初期や終期はポイントが偏る
足で情報を稼ごう
夏の釣れ始めや秋の終わりの時期はポイントが偏ることが多いです。
西側の石畳付近だけで釣れたり、南東の角付近だけだったり。こればっかりは釣り場に行って情報を探り、そのとき釣れている場所に移動して釣るしかないです。広い釣り場ですが、足で情報を稼ぎましょう。
10メートル沖にポイントができることが多い
大遠投をしないと釣れないときもあるが
竿を出す場所はどこでもいいと分かったけど、岸壁からどれぐらい沖がポイントなのか?どこに仕掛けを落とせばいいのか?
釣れはじめの夏の時期なら足元付近で釣れますし、反対に数十メートル大遠投しないと釣れないこともあります。
カケアガリ付近を狙おう
ほとんどの場合、竿2本分先ぐらいの沖、つまり岸壁から10メートル付近にサヨリの群れが回遊してポイントになっていることが多いです。
ちょうどその辺りに急に水深が深くなる、いわゆる「かけあがり」があるので、エサになる小さな生物や魚がたまりやすい。そしてみんなそれぐらいの位置に仕掛けを落とすから、そこにアミエビが漂う帯ができてサヨリがたまる。
その日その場所でサヨリをたくさん釣っている人が投げている位置に自分も仕掛けを投げる。これが鉄則です。
南芦屋浜のサヨリ釣りに使える竿やリール
南芦屋浜で使われるスタンダードな仕掛け
全国津々浦々、サヨリを狙う仕掛けは様々。
小さなシモリウキを数個付けた連玉仕掛けが定番ですが、東京湾では「ボイヤー」と呼ばれるカゴウキを使う仕掛けもあるとか。
そんな中、南芦屋浜で使われるもっともスタンダードな仕掛けが遠投ウキ仕掛けです。延べ竿ではなくリール竿を使い、連玉仕掛けに遠投用のスーパーボールとアミエビを詰めるロケットカゴを付けた仕掛けになります。
まず全体像を見ておきましょう。
これらをひとつずつ解説していきます。
磯竿2号4.5メートルがおすすめ
遠投ウキ仕掛けはスーパーボール、ロケットカゴ、シモリ玉が付いた仕掛けで全長1メートル弱ほどの比較的長い仕掛けです。だからある程度長い竿のほうが扱いやすい。
2メートル程度のコンパクトロッドでも無理とはいいませんが、短い竿だと長くて軽い仕掛けを投げ難いし、サヨリが釣れて取り込むときにも難儀するはずです。特に南芦屋浜ベランダは水面から距離があるので最低でも3メートルないと釣りにくい。
私のおすすめは450センチの磯竿2号。例えばこんな竿です。
450センチ、つまり4.5メートルってちょっと長すぎじゃないかと思うかもしれませんが、この長さがあれば仕掛けの投入が楽ですし釣れた後のサヨリの取り込みもスムーズに出来ます。
竿の柔らかさもいろいろ試しましたが、私としては2号がベストでした。ルアーフィッシングのように常時竿を持って誘いをかけつつ行う釣りなので、竿が軽いことも重要です。そういう意味でも3号より2号が適切。遠投ウキ仕掛けなんだから遠投仕様の磯竿がいいんじゃないかと思われるかもしれませんが、通常は15メートルほど投げれば十分なので普通の磯竿で十分。
とはいえ3号の磯竿でも問題なく釣れますので、サビキ用の竿などお手持ちの竿があればまずそれをお使いください。
もしこの機会にいろいろな釣りに使いまわせる竿をお探しなら、当サイトのイチオシ万能竿である「遠投磯竿3号」もサヨリ釣りに使えますのでご検討ください。
リールは2000番台ぐらいでラインはナイロン3号
リールの目安としては、2000番台のリールにナイロン3号を巻くというのをおすすめしますが、お手持ちのリールとラインがあればそれをお使いください。他の釣りでトラブル無く使えているものであればさしあたり問題ありません。
ただサビキと違ってラインにテンションが掛かっていない状態、つまり糸がたるんだ状態になることが多い釣りなので、リールを巻くときはラインを張ることを心がけてリールを巻くようにしましょう。ふんわりゆるゆるに巻いてしまうと後々ライントラブルに発展する可能性が高くなります。
こちらで私が紹介している初心者向けリールを使えば大丈夫です。
アタリは基本的に「ウキの動き」や「仕掛けの周囲の海面の動き」でとりますので、感度のいいPEラインを使うメリットはあまりありません。風が強いとトラブルの原因にもなりかねないので初心者はナイロンラインを使うのがいいです。
サヨリ釣りの仕掛けはどれを選べばいい?
まずは市販の仕掛けの中から選ぼう
先ほども書きましたが、南芦屋浜ベランダでサヨリを狙う人はほとんどが遠投ウキ仕掛けを使っています。
もう一度全体像を貼っておきますね。
ちなみに飛ばし浮き仕掛けと呼ばれたり、投げ仕掛けと呼ばれたり、単にウキ釣り仕掛けと呼ばれたりと、確固たる呼び名が定まっていないようです。この記事中では「遠投ウキ仕掛け」と表現させてもらいます。
選択肢としては自分でパーツをそろえて自作の仕掛けを作るか市販の仕掛けを買うかになりますが、初心者はまず市販の仕掛けを購入しましょう。
今までいくつか市販の仕掛け使いましたが、おすすめはこの二つ。
まずはささめ針の「お!サヨリOK 飛ばし用」。
これ「お触りOK」と掛けてるんだろうか…ちょっと下品じゃないか…だいたいさ、釣具のネーミングっておっさんがニタニタしながら考えたようなの多くない?おっぱいスッテとかさ…
おっと失礼。
この仕掛けの特徴は2つのシモリ玉です。一つは誘導もう一つは固定となっています。仕掛けを引いたり誘ったりしているときはこの2つの玉がくっついた状態ですが、サヨリがエサを加えて引っ張ると、スーッと玉が離れることでアタリと判断できるすぐれもの。初心者でもアタリが分かりやすい仕掛けといえます。
そしてもうひとつはハヤブサのサヨリ仕掛け。
この仕掛けはアミエビを入れるロケットカゴに特長があり、上についているスーパーボールが飛ばしウキとカゴの蓋の両方を兼ねています。
だから何だと思うかもしれませんが、アミエビを詰めてボールで蓋をすればもう仕掛けの準備OK。普通のロケットカゴだとアミエビを詰めて蓋をするのがかなり手間だし手が汚れますが、これなら大丈夫。非常に手返しがいい仕掛けといえます。数を伸ばしたいならこの仕掛け。
ベテランさんの中には手作りで工夫された仕掛けを使ってらっしゃる方もおられます。上で紹介した市販の仕掛けも、材料さえあれば案外簡単に組めて再現できるので、慣れれば自分のこだわりを加えた手作り仕掛けを作るのもいいかもしれません。
これらのサヨリ仕掛けは500円ほどしますが、使用後に洗って乾かせばワンシーズン使い続けられます。ずっと海面付近に浮いている仕掛けなので根掛かりで失うこともありません。そういう意味ではサビキ仕掛けよりよっぽどリーズナブル。
必ずスペアのハリス付き針を複数サイズ用意する
サヨリ仕掛けにスペアの針が1~2本付属していると思いますが、それじゃあ全然足りません。
サヨリの口は案外硬くて、釣っているうちに針の鋭さが鈍って掛かり難くなってきます。また、サヨリ用につかう針は軸が細いので針を外すときに折れることもしばしば。
なので必ずスペアの針を最低2セットぐらいは用意してください。
針と糸なんて結べない?大丈夫。ハリス付きの針が数セット100円台で売ってます。「サヨリ専用」「サヨリ針」などと謳われている針か「袖針」を選べはそれでOK。袖針に赤い塗料が塗られた「赤袖」も定番。
その時に釣れるサヨリのサイズによって針の大きさを合わせる必要があるので、3号、3.5号、4号、5号のバリエーションを揃えておけば全てのシーズン全てのサイズに対応できます。
目安としては、最初期の7月~8月の小型サイズは3号、9月~10月の最盛期は3.5号、シーズン終盤の大型サイズを釣るときは4号。5号は30センチを超えるサイズが釣れるときに有効ですが、南芦屋浜ではそうそう出番はありません。
シーズンを通していちばんよく使うのは3.5号なので、多めに用意しておくといいです。
サヨリは赤色を好むということでサヨリの針は赤く塗装されていることが多いですが、個人的な経験から言うと南芦屋浜に限ってはそんなに色を気にしなくていいかなと思います。金でも黒でも釣れる。
ただこの赤い塗装が剥がれてくることで針が劣化している目安にもなるので便利と言えば便利。
南芦屋浜でのサヨリ釣りに役立つグッズ
魚をつかむヤツがあれば便利
サヨリは細長い魚なので、釣り上げて地面に置くと蛇のようにのたうち回ります。なのでつかむのが結構大変。
そこで便利なのが魚をつかむトング形状のフィッシュグリップ。私のおすすめはこちらの第一精工ワニグリップミニです。
これがあれば手を汚さず確実にサヨリをホールドできます。エラ付近を挟んで持つと動きが止められるので針ハズシのときにも役立つ必須アイテム。
詳しく記事にまとめましたのでよろしければご覧ください。
子供でも使いやすいので、親子で釣りをされるならマストアイテムです。
偏光サングラスがあれば疲れないし釣果もあがる
南芦屋浜ベランダのほとんどは南側に面しています。海の方向を向くと、左から太陽があがり右に太陽が沈む。
太陽の高度が低い午前中や日没前は太陽が海面をギラギラと照らし、サヨリ仕掛けのウキが大変見づらくなります。せっかくのアタリも見逃す可能性が。眩しいから目も疲れる。
そんなときは偏光グラスがあればめちゃくちゃ役に立ちます。
釣りメーカーの高い偏光グラスではなくても、ユニクロで1,500円で買えるようなものでも十分役目を果たします。私の偏光グラスもユニクロで買ったやつ。
着けるのと着けないのでは疲労度も違ってきますので、サヨリ釣りには必須としたいアイテムです。
その他サヨリ釣りにまつわる諸々の準備は別途詳しくまとめていますのでこちらもご覧ください。
南芦屋浜でのサヨリ釣りはどんなエサを使えばばいい?
寄せエサはアミエビだけで十分
サヨリ釣りで使う基本の寄せエサはアミエビです。
釣り番組なんではここに「○○マックス」を混ぜる、人によってはヌカを混ぜるとかいろいろありますが、サヨリを寄せるということにおいてはアミエビだけで十分な効果を発揮します。
ちょっと水分が多すぎるからヌカを足そうとかそういう使い方でもOK。
付けエサはイカの切り身が最強
寄せエサのアミエビでサヨリを寄せたらあとはエサの付いた針に食いつかせるだけなんですが、この付けエサはいろいろ選択肢があります。サヨリは何でも食べる悪食なので。
全国津々浦々の情報を集めて色々試してきました。
パックに入ったサシアミ、かにかまぼこ、ハンペンをストローで棒状にくりぬいたものなどなど。しかしどのエサも針から外れやすく、アワセに失敗してしまうとほぼ針から外れている。仕掛けを引きながら誘いを入れるとその弾みで外れてたりも…
でも南芦屋浜の常連さんはエサに苦労してない風にバンバン釣ってる。なにかエサに秘密があるのでは?釣り場で聞き耳をたて続けて迎えた2シーズン目、ようやく真実にたどり着きました。
見よ!これが答えだ!
下の米粒みたいなのはサイズ比較用に置いた米粒そのもの。重要なのは針に引っ掛けた白い塊。これです。これはイカの切り身を細かくして米粒大にしたもの。それを針にチョン掛けする。これだけです。
初めて試したとき、拍子抜けするほど簡単にサヨリが釣れて驚きました。仕掛けがどうこう、テクニックがどうこう、ポイントがどうこう、そんなことよりこのエサを使うことが一番重要じゃないかと思うほど。これだったのか、常連さんが手返し良くバンバン釣ってる秘訣は。
イカの切り身を使うメリットを列挙します。
釣具屋で売ってる冷凍のイカ短冊を細切れにしてもいいですし、魚売場で釣ってるイカソーメンなんかも使えます。もっと入手しやすいイカの塩辛を使うのもあり。釣りに行く頻度にもよりますが、イカを一杯分捌けばワンシーズン分のエサが確保できます。
保険でサシアミのパックがあると安心
しかし、どうしてもイカを食わないタイミングが訪れるときがあります。
観察しているとサヨリが興味をしめして寄ってくるんだけど、喰う直前で「違うこれじゃない」と言わんばかりにプイッとそっぽを向いてしまう。まるでエサを見切られているかのよう。
そんなとき、アミエビに反応があるようであれば種類の同じサシアミを使いましょう。寄せエサに集まるんだったら同じ種類のエサのサシアミに食いつくのは当然。食いつきがいいエサというならこれがベスト。
なので通常はイカの切り身、保険としてサシアミを小分けにしたものを私は携行しています。この2種でエサは完璧。
おすすめはヒロキューの生イキくん赤アミ。
これは真ん中で切り離せば2つのパックに分かれますので、片方づつ使えば経済的です。片方だけでも1回の釣りに十分すぎる量が入ってます。
ただイカに比べるとかなりエサ持ちが悪く、針に付けるのが難しい。ある程度慣れが必要です。背がけにするとやや外れにくくなります。
最初にイカを針付けしてからサシアミも針付けする合い掛けも策のひとつ。サシアミがとれてしまっても残ったイカで食わせることが出来ます。
自分だけ釣れないときはここをチェック
基本的な釣り方さえ覚えれば釣れるけど
さてサヨリの遠投ウキ釣りは実際にどうするかといいますと、基本は投げてロケットカゴからアミエビをばら撒きつつ仕掛けを引いてくるだけ。詳しくはこちらの記事にまとめていますのでご覧ください。
コツは仕掛けの着水時に絡まないよう、ラインを止めてサミングをすることです。
釣れる時期はほんとうに簡単に釣れる南芦屋浜ベランダのサヨリですが、周りが爆釣している中でぽつんと「なんでか俺だけ釣れない…」オーラを発して寂しそうにしている人を見かけます。思い起こせば2014年、20年ぶりに釣りを再開したばかり私もその1人でした。
そんな私だからこそ分かる「なぜか自分だけ釣れない時」にチェックすべきポイントがこちら。
【ポイント1】針のサイズを見極めろ!
サヨリの口は小さくて硬い。なので少なくともその時釣れているサヨリに対して大きすぎる針だとアタリがあってもなかなか針に掛かりません。その時釣れているサヨリのサイズに合わせて針を選ぶ必要があります。
夏のエンピツサヨリの時期は3号、その後は様子を見ながら3.5号、4号と大きさを変えていくことになります。先ほども書きましたが、一番長く使うのは3.5号です。
適切なサイズは実際に釣ってみないと分かりません。複数のサイズの針を持って行って、その日に合うサイズを見極めましょう。周りで釣れてる人に「何号の針を使ってますか?」と聞いてみるのもいいですね。
また、サヨリの口は硬く、何匹か釣り上げると針先がにぶってくることがあります。こうなると針がかりが悪くなるので交換が必要。そのために十分な針のスペアを用意するわけです。
【ポイント2】エサが大き過ぎないかチェックしろ!
針のサイズと同じくエサの大きさも重要です。
サシアミと間違えて買ったのか、大きなオキアミをつけて釣ろうとしている人がいますが、それだとアタリがあってもなかなか針掛かりしないはずです。
イカの切り身ならハサミで切ることでサイズも自由自在に変えられるので、そういった意味でも最強です。基本は米粒大、サヨリが小さいならそれをちょっと削る、食いが悪いなら長めに切り出して針を隠すなどの対策ができます。
【ポイント3】こまめに誘いをいれろ!
仕掛けを投げ込んだら潮にのせてほったらかしにする。それでも釣れる時は釣れますが、渋いときだとなかなかアタリすら出ません。
なのでこまめに誘いを入れましょう。
簡単です。
竿を軽くしゃくって仕掛けを瞬間的に引っ張るだけ。これによりカゴからアミエビが放出されるのと同時に、エサがピンッと動くことでサヨリの興味をひきます。これをするとしないではアタリの数がぜんぜん違います。5秒に1回ぐらい誘いを繰り返しながら仕掛けを引いてきましょう。
【ポイント4】疑わしきはアタリはアワセろ!
サヨリのアタリはいろいろなパターンがあります。
アタリとり用のシモリウキが横にスイーッと動く、潮に乗って流れているはずのウキが止まった、付けエサがある付近で水しぶきが上がったり水の波紋が見えた、付けエサの付近でサヨリがジャンプしたなど。
こりゃアタリっぽいなという場面があれば躊躇無く竿を立ててアワセてみてください。掛からなければまた誘いをいれつつ引いてくる。サシアミなんかだと1回アワセに失敗すると高確率でエサが外れてしまいますが、イカの切り身なら大丈夫。外れ難いから何度でもトライできます。
南芦屋浜で釣ったサヨリは食べても大丈夫?
湾奥で水質は良くないけど
南芦屋浜は大阪湾でも奥に位置する、いわゆる湾奥(わんおう)と呼ばれる場所。それに加えて周囲には埋め立てで出来た大きな人工島が点在していて南芦屋浜自体もその一つ。
その影響もあって潮の流れが悪く海が淀んでいることがあります。また大河川である武庫川の河口も近く、大雨で泥水が流れ込んだりして透明度が低い海と言えます。
それらの要因から、どちらかというと「汚い海」といえます。いやはっきり言って水は汚い。タイミングによってはなんともいえない赤黒い海水が流れていたり油の帯みたいなものが浮いていたり、見た目にもよろしくないときが。
果たしてそんな海で釣ったサヨリを食べても大丈夫なのか?と心配になるのは正しい感覚です。でも大丈夫。
その場に長い期間とどまって生きている魚は別として、回遊魚であるサヨリに関してはそれほど影響を受けていないと考えていいと思います。実際私は今まで何百匹と食べてきましたが健康に影響はでていません。
新鮮なうちにしっかり処理すればにおいも気にならない
でもサヨリはクサイじゃないかって?
それは水質がどうこうというよりサヨリそのもののにおいが独特だからです。しっかりとぬめりやウロコを取り、新鮮なうちに内臓と腹腔の黒い膜を処理すれば気になりません。
サヨリはサバなどと同様に鮮度落ちが早い魚です。鮮度が落ちると内臓がデロデロになって臭みがでてくるので、わた抜き、つまり内臓の処理だけは早めにするようにしましょう。新鮮なサヨリの腹腔は真っ黒ですが、時間が経つと白っぽくなります。そうなっていたらもう確実に鮮度が落ちている証拠。
現場で頭を落としたりなどサヨリの下処理をする人もいますが、基本は氷締めで十分です。
家に帰ったらなるべく早く内臓だけ処理をしておきましょう。あとは翌日でも大丈夫。
おすすめの食べ方
小さなサイズのサヨリはなかなか処理が大変。まずお手軽にサヨリを食べたいならから揚げがおすすめ。20センチ以下のサイズなら頭と内蔵を落としてあげれば骨ごと食べられます。
サヨリを開いた上で天ぷらにするのもおすすめ。ほくほくの上品な白身は天ぷらに最適です。
25センチ前後になれば刺身で食べるのもいいです。コリコリと締まった身の食感は、なかなか他の魚に例えられません。サヨリならではの食感。ただし生だと釣った当日はあまり旨みを感じないと思うので、美味しく食べたいなら内蔵を取るなどの下処理をした上で翌日以降に食べるのをおすすめします。熟成されて旨みが増してるはずです。
こちらの記事では冬に南芦屋浜で釣ったサヨリをいろいろな食べ方で楽しんでいます。
南芦屋浜ベランダでのサヨリ釣りで注意したいこと
仕掛けを流しっぱなしにしないこと
潮の流れが悪い湾奥とはいえ、流れるときは結構な速さで潮が流れます。川の流れのように。仕掛けを投入したまま放っておくとどんどん潮下に仕掛けが流されてお隣さんに迷惑をかけることもあります。
その場を離れるとき仕掛けから目を離すときは必ず仕掛けを上げておく、その場にいても潮下にいる釣り人のテリトリーまで流れたら回収しましょう。
足元に落ちたアミエビは水で流して帰ること
サヨリの時合いに入ると無我夢中で釣りをしてしまい、気がつけば足元に点々とアミエビが飛び散っていることがあります。これは悪臭やハエなどの虫を寄せる原因になりますので、片付けのときに必ず洗い流しましょう。バケツで汲んだ海水で洗い流して海に落とせばいいです。
アミエビを使う釣りに水汲みバケツは必須です。必ず用意して釣り場に持ち込んでください。
また、キャスト時にアミエビが周囲に飛び散らないよう気をつけましょう。アミエビ汁のしぶきがかかると悲惨です。サヨリ釣りのときはアミエビの水分をなるべく飛ばしておきたいものです。
関西の秋の風物詩 サヨリ釣りを楽しもう!
この記事では南芦屋浜ベランダでのサヨリ釣りにフォーカスして書きましたが、秋の大阪湾ならここ以外でもいろいろな場所でサヨリが釣れます。大阪湾に置いてサヨリは秋を感じる魚です。釣りをして数年、今となってはサンマ以上に秋の魚という印象。
仕掛けの投入からアタリを感じて合わせて取り込むまで、ほとんどが水面で展開されるのがサヨリ釣りの醍醐味。エサ釣りにおいてこういう楽しみ方が出来る釣りはサヨリ釣り以外に思いつきません。見て楽しい、釣って楽しい、食べて美味しいのがサヨリ釣り。
サヨリ釣りの全般的な解説は別の記事にまとめていますので、興味をもたれましたら併せてどうぞ。