関西ファミリーフィッシングの雑記帳

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旬のスズメダイは捨てずに食べるべき! -骨は硬いが初夏なら美味い-

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釣りに慣れた方ならエサ取りと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

ファミリーフィッシング的な釣りでは、小イワシ、小サバ、サッパ、ボラ、バリコ(アイゴ)、フグなんかが代表格かな?夏や秋は頻繁にお目にかかります。

そんな中でも比較的潮通しのいい水が綺麗な釣り場、例えば大阪湾だとポートアイランドや神戸空港より西側エリア、その辺で釣れるエサ取りといえば「スズメダイ」が一番ポピュラーじゃないかと思います。低水温にも強いようでシーズンの終盤まで釣れてくるし、シーズン開始前にもいち早く釣れる印象が。

で、エサ取りもしくは外道のご多分に漏れず、スズメダイを持って帰って食べる人はそれほど多くないと思われます。基本は釣ったそばからリリースされる魚。

でも待ってください!

実はスズメダイって時期を限定するとかなり美味しい魚だったりするんです。食べ方が分からない?では少々お付き合いください。

なぜあまり食べられていない魚なのか?

地方名「お仙殺し」!

「昔々紀州のとある村にお仙という女がおったそうな。ある日腹をすかせたお仙は魚を食べたのじゃが、かわいそうにその魚の骨が喉に刺さり死んでしまったそうじゃ。それからというものその魚は”お仙殺し”と呼ばるようになり、村人にたいそう嫌われたそうな。」(市原悦子の声で脳内再生)

というような和歌山地方の伝承(脚色あり)がスズメダイにはあるらしく、今でも関西の釣り人はスズメダイのことを”オセン”と呼びます。

理由はともかく何百年も名前が残るなんてすげえぜお仙ちゃん。そしていつの間にか自分を殺した憎っくきスズメダイのほうがオセンと呼ばれているのは皮肉だぜお仙ちゃん。

イサキも同じような理由で「鍛冶屋殺し」なんて異名がありますね。こちらも和歌山発祥らしい。

不人気の理由は「骨が硬い」から

まあとにかくこのエピーソードから分かるようにスズメダイは骨が硬いと。何らかの形でスズメダイを食べた人には共感できるはずです。確かに骨が硬い。なかなか食べられないのはこれが一番大きな理由でしょうね。

同じようにサビキで釣れるイワシやアジのように丸揚げにして食べたけどスズメダイは骨が硬かったという感想もよく目にします。そりゃ硬いと思いますわ。イワシやアジと同じ調理法だとキビシイ。

骨もさることながらヒレも硬い。ついでに言うならウロコも硬い。身も締まってるし、アジやイワシなどの青魚と比べたら全体的にカッチカチな魚です。

あとは見た目が熱帯魚っぽいため先入観で「不味そう」と思い込まれている可能性も考えられます。スズメダイの仲間って綺麗なものが多いので水族館の定番ですしね。

地方によってはちゃんと調理方法が確立されている

「福岡」と「大阪」では普通に食べられているらしい

そんなスズメダイですが、地方によっては郷土料理として食べられている例があります。もっとも有名なのは福岡の「あぶってかも」という料理。内臓もウロコも処理していないスズメダイを丸ごと塩焼きにして食べるそうです。ワイルドだな福岡。

調べたところ、もう一箇所スズメダイが食べられているらしい地方がなんと大阪。「いや俺ずっと大阪府民をやってるけど食べたことないよ?」という人がほとんどだと思います。私もそうでした。

どうやら韓国系の方が食べるそうで、大阪といえど生野区あたりだけの狭い食文化じゃないかと思われます。鶴橋あたりの本格的なお店に行けばメニューにあるのかもしれませんね。

この他の地域には流通すらしていないようです。

時期さえあえば脂がのっていて美味!

旬の「春から初夏」は脂のりが最高

何らかの料理法でスズメダイを食べた経験がある人の中には不味いという感想を持った人がいるかもしれません。でもちょっと思い出してみてください。それを食べたのは夏以降じゃなかったですか?

スズメダイは明確に旬があってそれは春から初夏。夏に産卵をするので、春から初夏は産卵をひかえて体に脂肪を蓄える時期です。どの魚もだいたいそうですが、産卵前の魚は脂がのっていて美味い。逆に産卵後はげっそり痩せて不味い。スズメダイも例外ではない。

ゴールデンウィークあたりに釣り上げたスズメダイを捌こうとすると、脂で手がすべって扱いづらく感じるほど。地方によって産卵時期と旬には差があると思いますが、少なくとも神戸周辺ではそう。先ほど紹介した福岡の「あぶってかも」も、脂が多いスズメダイを焼いて自身の脂で揚がったような状態になるから食べやすいらしい。

ゴールデンウィーク付近の初夏。

スズメダイを食べるならこの時期です。むしろこの時期にスズメダイが釣れたなら1回食べてみろ!だまされたと思って。

なお冬の時期にも食べてみたところ、そこそこ脂ノリが良かったのでこの時期もおすすめです。

人気釣り場のスズメダイは肥えてて美味しい説

今まで私がスズメダイを釣ったことのある釣り場は、アジュール舞子のワンドと温泉裏、平磯海釣り公園、淡路島の翼港。いずれの釣り場で釣ったスズメダイも、初夏と冬は脂がのって美味しかったし臭みもなかったです。

これらの釣り場に共通するのは、ファミリーに人気の釣り場だということ。

ファミリーに人気ということはサビキ釣りをする人が多い→アミエビがじゃんじゃん撒かれる→スズメダイがそれを食べる→スズメダイはどちらかというと居付き型の魚なので継続してアミエビを食べまくる→どんどんスズメダイが肥える→美味い!(テーレッテレー♪)

ということになっているのではと妄想しています。知らんけど。

「タイ」と名がつくがいわゆる「鯛」とは全然違う

スズメダイ。漢字で書くとそのまま雀鯛です。

由来は定かじゃないですが、たぶん撒き餌をしたらスズメのごとく群れが集まって餌をついばむから雀の名がついたんでしょう。

そして鯛。なるほどあの魚の中の魚ともいえる真鯛の仲間なのかと勘違いするかもしれませんが、まったく違う種類です。なんとなく形が鯛に似てるから「~ダイ」と呼ばれている魚は意外と多く、スズメダイもそのひとつ。だから鯛に似た味かといえばそんなことはありません。

でもちゃんと美味しい魚です。

それじゃあスズメダイを食べてみよう

食べれるのは分かったけど どう料理するの?

というわけでスズメダイを食べてみましょう。

「ゴールデンウィークあたりにイワシを釣ろうとサビキをしたけど時期が早くてスズメダイしか釣れなかった」というケースがよくあると思うので、そんな人を想定しています。夏以降に釣れたスズメダイは知らん。

ではどうやって食べるのか?

20年ぶりに釣りを再開した当初は私もスズメダイをどう扱えばいいかさっぱり分からなかったのでネットで検索しました。しかしこれというレシピは見つからず。サビキで釣れた他の魚と一緒に唐揚げにして南蛮漬けを作ったみたいな記述はよく出てくるのですが。当時はクックパッドにもスズメダイのレシピは皆無でした。

今見たら一件ありますね。これはいわゆる「あぶってかも」的な調理。

ネットでは丸揚げや南蛮漬けにしてみたという食レポが散見されますが、ちゃんとヒレや骨を処理しないと揚げ物にはむかないと思います。高温の油をもってしても硬いヒレと骨は厄介なもの。

韓国料理風にやってみよう

先に「大阪の韓国系の人が食べる」と書きましたが、それにならって韓国料理風に調理したいと思います。最終的にスズメダイを生の状態で食べる料理です。

すでに福岡では「あぶってかも」として確立されているんだから焼いたほうが確実では?と思うかもしれません。でも我が家はあまり焼き魚を好まないので、生で食べる方法はないかと調べ韓国料理に生のスズメダイを使ったメニューががあることを知りました。料理名を「チャリフェ」というそうです。

しかしこれといった詳しいレシピは見つけられませんでした。ですのでこれから紹介するレシピは私がネットで集めた断片的な情報を組み合わせてできたレシピです。間違っているところがあるかもしれません。それを前提にしてご参考に。

「スズメダイのチャリフェ」のレシピ

必要な材料 

チャリフェを大まかに言うと生のスズメダイを韓国唐辛子酢味噌で和える料理です。国唐辛子酢味噌は別名「チョ・コチュジャン」というそうです。

韓国唐辛子酢味噌の材料と作り方は以下の通り。

材料

  • コチュジャン…大さじ2
  • 砂糖…大さじ1
  • しょうゆ…小さじ1
  • …大さじ1
  • すりゴマ…大さじ2
  • ごま油…小さじ2

作り方

  1. コチュジャンに砂糖を加える。
  2. しょうゆを加える。
  3. 酢をのばしながら加える。
  4. すりゴマを加える。
  5. 最後にコクをつけるために、ごま油を加えて完成。

辛いのが苦手な人はコチュジャンの量を加減するといいでしょう。上の材料以外に必要なのはスズメダイのみです。付け合わせ的にキュウリや菜っ葉的なものがあればなお良し。

【調理手順1】スズメダイの下ごしらえ

まずヒレをキッチンバサミで切り取ります。

骨が硬けりゃヒレも硬いのがスズメダイ。特に背ビレと腹ビレが鋭利なので、調理中、手に刺しちゃわないよう、最初にやっておきましょう。

次にウロコを丁寧に落としてください。胸ビレのあたりは後で皮ごと取り除くので適当で構いません。

続いて頭を落とします。内臓周りの腹骨も硬いので思い切ってその部分も皮ごと除去しちゃいましょう。腹腔の構造上、アジみたいに腹骨だけすき切るというのはなかなか難しいです。

ということで切り落とす部分を図示するとこうなります。

 

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残ったのはわずかに上半身と尾っぽ付近の身だけ。なんという歩留まりの悪さでしょうか。そもそもスズメダイは小さいのでほんとにわずかです。この歩留まりの悪さも敬遠される理由のひとつでしょうね。

釣れたその日のうちにここまで処理して冷蔵庫に入れておけば、調理は翌日以降でも大丈夫、

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【調理手順2】身を背ごしにする

さて次は3枚におろす…必要はありません。皮を剥く…必要もありません。

今回は背ごしにします。背ごしというのは言い換えれば薄いぶつ切りです。皮と中骨ごと身をぶつ切りにしていきましょう。

厚さは2~3mmというところで中骨ごと薄く輪切りにする感じです。こんな感じ。 

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まな板がきたなくてすいません。

中骨ごとジャキッ、ジャキッと切ってください。え?中骨は食べるときどうするのかって?食べるんですそのまま。意外と中骨は柔らかくて、歯で噛めばサクッとつぶれます。ここにも旨みがあるので噛みしめてください。皮も同様です。とはいえやはり骨は骨なので子供はちょっと苦手なレシピかもしれませんね。辛いし。 

【番外編】大きいスズメダイは皮を炙って刺し身に

15cmほどの大きな個体になるとさすがに中骨を食べるのはきついので、3枚におろして刺身で食べるのがオススメです。取れる身は僅かですが、正直言ってかなり美味い部類の刺身だと思います。バーナーがあるなら皮つきで表面を炙るのが良し。皮が美味い魚ですよ。

バーナーで炙るとこんな風に皮が縮んでじわっと脂が浮き出てきます。

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時期さえあえば小魚とは思えないほどの脂のりで驚くと思います。小魚以外でもここまで脂がのってる魚はなかなか思いつかない。このままわさび醤油で食べちゃってください!醤油の表面に脂が浮いてくるのが分かると思います。

 なおバーナーはこの新富士バーナーがコストパフォーマンス抜群でおすすめです。

新富士バーナー パワートーチ RZ-730S(バーナー本体のみ)

新富士バーナー パワートーチ RZ-730S(バーナー本体のみ)

 

百均でも手に入る市販のカセットコンロ用ガスボンベが使えるのでお手軽。バーナーがあれば魚以外でも料理の幅が広がりますし、バーベキューの火起こしなんかにも使えて便利です。

【調理手順3】氷水で身を締める

続いて背ごしにした身をキンキンに冷えた氷水で締めます。

ザルにいれて氷水につけるといいでしょう。身が締まって断面が白くなります。締める時間は1分ほどあれば十分だと思います。

このとき、旬のスズメダイであれば白く固まった脂が浮いてきます。こんな小さい身にこれほど脂があったのかとびっくりするほど。この工程は他のサイトにあったレシピの見よう見まねで意味も分からずやったんですが、余分な脂や臭み落とす意味があるのだと思います。残った氷水は結構濁ってますし。

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 氷水から上げた身はザルにあげてからキッチンペーパーに包んで軽く絞るなどして、しっかり水分を取り除いてください。

【調理手順4】韓国唐辛子酢味噌を作って和える

先に挙げていた韓国唐辛子酢味噌の材料をまぜて、スズメダイの背ごしと和えます。あればキュウリの千切りなども混ぜましょう。 ダイコンや大葉でもいいかも。

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できあがり

これで完成。

酢の作用である程度は骨が柔らかくなるはずなので冷蔵庫で寝かせるとより美味しく食べられるはずです。冷たい料理なのでガラス食器に入れると雰囲気がでますね。こちらの写真は器が汚くてすいません…(実は2口ほど食べたあとです)

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でもちょっとコチュジャン入れ過ぎたな…赤いな。まあこの辺はお好みで調整してください。

メインの料理という立ち位置にはなれないかもしれませんが、箸休めにちょうどいいおかずです。スズメダイってこんなに旨みと脂がある魚だったのかと驚くかもしれません。白ご飯にも合いますよ。

しっかり中骨を噛み締めて食べましょう。骨せんべいを食べれば分かるように魚の骨は本来旨みがあって美味しいものなのです。もし硬い小骨が残っているようだったらそれは除去してください。

「平成のお仙」にならないために。

エサ取りや外道も食べてみよう

サッパと同じ立ち位置

 以前、スズメダイと同じくエサ取りや外道として不憫な扱いを受けているサッパについてもレシピ記事を書きました。

これが予想外に好評で、シーズン中の週末は多くの人に見てもらっています。釣れたものの処理に困って調べたんだろうなと想像がつきます。スズメダイも同じ立ち位置じゃないかと。

語弊があるかもしれませんがサッパは湾奥の淀んだ汚い海で釣れる魚、スズメダイは潮通しのいい綺麗な海で釣れる魚。対照的ですね。2種が同じ場所で釣れたという経験は今のところありません。

ゲテモノ食いをしてるわけじゃない

釣りに慣れた人ほどエサ取りや外道を軽視しがちですが、旬を知り調理の手間を惜しまなければ美味しい魚もあるんです。それを知ってもらいたくてこういう記事を書いていますし、個人的にはこれも釣りの楽しみのひとつだと感じています。決してゲテモノ食いをしてるってわけじゃなく素直に美味しいと思うから食べてます。

ヒレに毒があるタイプの外道もリリースされる運命ですが、たいがいは熱を加えると無毒化しますし案外美味い魚も多いらしいので食べてみたいです。

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