関西ファミリーフィッシングの雑記帳

楽しく釣って美味しく食べる みんなで楽しむ関西の釣り情報

海から離れた場所で海の匂いがする理由

私が子供の頃から今も住んでいる場所は大阪府の北部、兵庫県との境界付近にあります。海からは直線距離で15kmほど離れており、海は身近な存在ではありませんでした。釣りを始めるまでは。

それでも家族で海水浴ぐらいには行くわけで、潮の香りというか磯臭さというか、海の匂いは把握していました。海の匂い、それは一年に一度嗅ぐかどうかぐらいの非日常の匂い。そのせいか、今でも海の匂いを嗅ぐと「遠くに来たなあ」という特別な気分になります。

そんな海から遠く離れた場所で「これって海の匂いでは?」という匂いを感じる瞬間が毎年何度かありました。小さい頃からずっと。その時は決まって暑い時期の日没後数時間、感じるか感じないかぐらい弱く生ぬるい南風が吹く時でした。そう、ちょうど今ぐらいの時期。(この記事を書いたのは7月終わりごろ) 

なぜこの場所で海の匂いが?

それは決まって夏の日没後だった

暗がりで自転車をこぎながらふと気づく海の匂い。生臭い磯の匂い。夜の町の風景と匂いがリンクして、数十年経った今でも記憶に残っています。

とはいえ「海から遠く離れたここで海の匂いなんかするわけないよなあ。たぶん工場の排気とかがああなってこうなって混じりあった結果、海っぽい匂いになるんだわ。」と適当にこじつけて納得してました。

事実、ちょうど住まいから南の方角には大きな自動車工場、飛行場、高速道路、下水処理場、ペットフードの工場、パン工場、割と個性的な匂いを出す施設がいくつかあったので。それらが混じり合って偶然に海の匂いになるんだと。さして気にもとめていませんでした。

やっぱりあれは海の匂いだった!

同じ体験をしている人がいた

そこにきてはてなブックマークで人気エントリー入りしていたこのまとめ記事を発見。

何が起きている!?関東全域で「生臭い」「潮の香りがする」という声が続々発生中 - さまざまなめりっと

関東の話だけど、コメントを見ると関西でも同様の現象があるという報告が。そうだ、これだ、 他の人も感じてたんだなと嬉しくなり、自分もコメントを書き込みました。ただこのまとめでは現象の報告のみで、事実や原因たるものには辿り着けず。

何が起きている!?関東全域で「生臭い」「潮の香りがする」という声が続々発生中 - さまざまなめりっと

海から直線距離で15kmぐらい離れた大阪北部に住んでるが、年に何回か、蒸し暑い時期に海の匂いを感じるときがある。ちゃんとメカニズムを知りたい。

2015/07/21 09:08

説得力のある仮説がでてきた

もやもやしただけだなと思っていたら、続いてこの記事が人気エントリーに登場。気象予報士の森田さんによって2013年に書かれた記事です。関東の内陸部で感じる海の匂いについて仮説を立てられていました。

一部引用させていただきます。

ただ私は、この潮の香りには「ヒートアイランド」が関係しているのではとの直観を持っています。以下、簡単にその説明をさせていただきます。

一般に地上の風は、温度の低いところから温度の高いところに吹きます。

真夏、太平洋高気圧におおわれたときは、気圧傾度がゆるく風も弱くなります。こうした日は、昼間は陸地のほうが温度が高いので、温度の低い海から陸に向かって風が吹きます。これが「海風」です。

一方、夜になると陸の温度が急激に下がり、相対的に海の温度が陸地より高くなります。したがって陸から海へと、「陸風」が吹くことになります。

夏は昼と夜、「海風」と「陸風」が交代して吹き、夕方と朝は、風の弱い時間帯が現れます。これが「朝凪(あさなぎ)」「夕凪(ゆうなぎ)」です。

いま時代を、江戸の昔にタイムスリップさせれば、夏の夜は「陸風」が吹いているはずですから、潮の香りはしないことになります。

ところが、現代は陸地の温度が夜になっても下がらないため、本来なら陸風が吹くはずが、夜でも海風の侵入で潮の香りが運ばれているのではないでしょうか。

都会のヒートアイランド現象が原因だった

なるほど、とても納得のいく説。なぜ温度の低いところから高いところに風が吹くのかはちゃんと理解していませんが、釣り場での経験で体感している部分はあります。

釣り場での経験

夏の時期、朝まずめの時間から昼間まで釣りをする機会がよくあります。朝まずめというのは釣りの専門用語で、意味合い的には日の出前後の時間帯でよく魚が釣れるタイミングを指します。

天気のいい日は日の出前後から数時間ほとんど風が吹かないというパターンが多く、そこから太陽が高くなってどんどん気温が上がるにつれ徐々に海からの風が吹き始めます。神戸方面で釣りをしていると南西から吹くことが多いですね。

時間が経過して午後には強風になっていることもあったり。軽い仕掛けだと投入しづらく、またアタリも分かりづらくなるので、その風がやめ時の合図ともなります。

海と地上の温度差

長いスパンで見ればゆるやかな変化はありますが、通常の天候なら海水温は1日を通してそれほど大きく上下しません。夏だとだいたい20度台後半でしょうか。

対して地上の温度は太陽光で地面が熱せられることで、午後のピーク時だと30度台後半になります。海水温と比べるとその差はおおよそ10度。これは結構な温度差。しかもコンクリートやアスファルトは日が沈んでもなかなか冷えないので周囲の気温も高いまま。いわゆるヒートアイランド現象。これが海の匂いを運ぶ要因というわけか。

ヒートアイランドは決して好ましい現象ではないけど、高度経済成長期以降の1970年代後半に生まれた私にとっては当たり前にあった夏のひとコマです。

長年の謎が解けた

ともかく、子供の頃から長年感じていた匂いがどうやら本当に海の匂いらしいことが分かりました。海からはるばると運ばれてきた潮風を、海から遠く離れた土地で感じる。ロマンを感じるじゃないですか。

15kmってさして遠くないじゃないと思うかもしれませんが、子供の感覚にしたら自力で行くには途方も無い距離です。誰がなんと言おうとロマンですよこれは。

この夏、蒸し暑い夜に海の匂いを感じたら、遠い遠い海に思いをはせようと思います。自宅から一番近い、尼崎や西宮の淀んだ汚い海を思い出しながら。

(臭そう…)

当サイトは「Amazon.co.jpアソシエイト」に参加し商品の宣伝を行っています