このブログは2015年の初夏にスタートしました。
ブログを始めた当初の目的は自分自身の釣行を記録すること、そしてブログから広告収入を得て釣り費用に充てたいということ。極めて個人的な欲求にもとづくものでした。
その欲求自体は今も変わらず持ち続けています。率直に言って釣りに使える費用はいくらでも欲しい!ほんとうはステラだって使いたい!お金欲しい!いちおくえん欲しい!
しかし2年3年と続けていくうちにそれなりのアクセスや反応をいただけるようになり、ブログを通して伝えたいことも生まれ始めました。
そこでこのブログを通して誰に何を伝えたいのか、コンセプト的なものをまとめてみたいと思います。
私のプロフィール
理解をより深めていただくため、私のプロフィール、そして釣りとの関わりをかんたんに紹介します。
仕事とブログ
私は1978年生まれ大阪生まれ大阪育ち。
40年経った今も、妻、息子、娘、家族4人で大阪の北部に住んでいます。仕事はWEB関連のフロントエンド的な部分についてのあれこれ。今これを書いてて思い出したんですが、ブログを始めるきっかけのひとつとして、仕事で必要なSEOの知識や情報をより肌で感じるためというものもありました。ライティング技術の向上も兼ねて。
実際、仕事とブログの相互で役に立つこともあります。
釣りとは無縁だった20年
釣りは小学生から始め、中学生のころまでやっていました。
きっかけは父親が釣りを始めたこと。よくあるパターンですね。
自宅近くの猪名川でフナやオイカワを釣ったり、須磨海づり公園でサビキやタチウオの引き釣りをしたり。明石の林崎にある砂浜でカレイも釣りました。
今もその頃に覚えたことが自分の釣りのベースとなっています。クリンチノットとか、その名前は忘れてても手が覚えていました。
しかし中学のころを最後に、釣りとは無縁の20年を過ごすことになります。
最後は垂水港で青イソメを垂らして五目釣りをした記憶があります。まだアウトレット建設前で、明石海峡大橋方面には砂浜が続いていました。当時は明石海峡大橋も建設途中でしたが、いつも視界の端に2組の主塔だけが伸びていたことを覚えています。
そんなこんなで結婚をし子供にも恵まれ、なんとなく子育ても楽になってきたなあと思い始めたのが2014年の春。息子が保育所から小学校にあがり一区切りついた時期です。
釣りの記憶がよみがえった2014年
そして新しい生活リズムにも慣れた2014年のゴールデンウィーク。
長い連休、何をしようかと考えたときふと頭をよぎったのが釣りでした。たしか5月ぐらいからサビキでイワシが釣れるというのを思い出したのです。
「ものごころがついた」という年齢はひとそれぞれだと思いますが、私の感覚だとそれは小学生から。そこからの記憶が濃い。息子が小学生になったことで自分の記憶とリンクして釣りに繋がったのかもしれません。
ここでちょっと余談です。
私が育った町で私が通った小学校に通っているせいか、息子を通して自分の「男の子時代」を「追っかけ再生」しているような感覚になるんですよね。ゲームクリアして2周目の「強くてニューゲーム」感もある。視点は違うけどこのシーン見たことあるぞ、という感覚がちょくちょく湧き上がる。
そりゃ時代が違うから理解できないこともたくさんあるんですが、男の子としての根っこは変わらない。だから子どもが魚を釣って喜べば、それは自分のことのように嬉しいのです。
息子がやりましたよ!キャストもさまになってきました。 pic.twitter.com/tM46Fof3NN
— ヒモユキ (@himoyuki) October 27, 2018
一方で娘を通して見る女の子としての小学校生活はまた違った視点で新鮮に感じます。男女の子どもが居るというのはお得。
南芦屋浜から釣りを再開
思いついてから釣りを再開するまでは早かった。
近場に釣り場は無いものかとネットで調べたところ、自宅から車で40分ぐらいの南芦屋浜というところで釣りができることが分かりました。南芦屋浜は人工島。20年前には存在しなかった釣り場です。
早速子供を連れて偵察に。
潮だまりで遊びつつベランダを偵察。なるほど、足場も良くて柵もあるし良さそうな釣り場だ。まずはここから再開しよう。
自宅近所の釣具屋に行き必要最低限の道具を購入。2,000円の磯竿、900円のリール、適当なサビキ仕掛け、アミエビレンガ、水汲みバケツ。20年前のことでも必要なものは覚えてるもんです。
この時買ったプロマリン製の安磯竿は、修繕を繰り返しながら6年間使い続けました。えらいぞ。
6年前に釣りを再開した時に買ったプロマリンの磯竿。尻栓が削れて崩壊し、ついに尻穴( )から抜けなくなったため引退。ほぼ毎回使ってたのに長持ちしました。 pic.twitter.com/ItdTUDmEsU
— ヒモユキ (@himoyuki) October 1, 2020
道具を揃えた翌日早朝、早速南芦屋浜ベランダで竿を出しました。しかしまあ釣れませんでしたね。今思えばちょっと時期が早かった。
これはその日、釣りを再開した直後のツイートです。2014年5月3日午前6時。
20年ぶりの海釣り。 pic.twitter.com/xEfCtxglnw
— ヒモユキ (@himoyuki) May 2, 2014
立ちはだかる細分化の壁
そしてなんとか魚を釣りたいと釣りに関する情報を漁りはじめます。
しかしそこにはジャンルの細分化という大きな壁が立ちはだかっていました。アジやイワシを気軽に釣りたいだけなのに、アジングとかライトタックルだとか知らないキーワードばかり出てくる。ネットがあるから昔より情報は豊富で簡単に手に入るけど取捨選択が困難。20年ぶりに触れる釣りの世界に浦島太郎状態。
「アジをわざわざルアーで釣るの?サビキでええんちゃう?釣りたい魚を釣るにはそれ専用の道具が必要なの?」
もういいや、昔やってたことを思い出してそのままやってみよう。
情報収集はそこそこに、また釣り場へ向かいます。見渡してみれば、私と同じように20年前と変わらない釣り方で魚を釣る人も多い。やがて20年ぶりの魚が釣れました。
小さなカタクチイワシが数匹だったけど、本当に嬉しかった。
やっぱりこれで良かったんだ。20年経ったからといって魚の習性が変わるわけないし。必ずしも専用の道具が必要なわけじゃない。
そこからすっかり釣りにはまり、今に至ります。
今の釣り業界は初心者にやさしくないから
日本の釣り人口はどんどん減っていると聞きます。当然ながら釣り関連の市場も縮小傾向です。一時期のバス釣りブームが終息したというのが大きな理由だとは思いますが。
私が感じた釣りの細分化は、今も釣りをしている人を囲い込むため、新しい釣具を買ってもらうためという狙いがあるはず。その狙いが間違っているとは思いません。道具を楽しむのも釣りの楽しみのひとつ。
でもそれは、釣りを始めるためのハードルをどんどん上げる結果にもなっています。気軽に釣りを始めたいのに、細分化や専門化が進んで足を踏み入れづらい。
唐突ですが、今の釣り業界を「山」に例えたとしましょう。
その山の斜面は急で頂上が尖っています。そしてその山にはなだらかな裾野がありません。登ろうにもいきなり行く手を阻む急斜面が目の前に立ちはだかる。そして登山道が何本もあってどのルートを選べばいいのかすら分からない。
もちろんその頂上を目指す楽しみや登りつめたときの達成感はあるはずです。しかし初心者がいきなりそこを目指す必要はありません。
幸いにして私は多少の釣り経験があり、ちょっと頑張って斜面を登れば平坦で楽しい場所があることを知っていました。必ずしも頂上を目指す必要はなく、ずっとそこで遊んでいていいことも知っていました。でも知らなかったら引き返していたかもしれません。実際あきらめた人も多いでしょう。
これでは釣りそのものが先細る一方です。
自分が釣り業界をなんとかしなければなんて大それたことは思いませんが、せめて釣りの世界に第一歩を踏み出す助けになりたい。私のように釣りへの障壁を感じた人の背中を押したい。釣りの裾野を広げて一緒に釣りを楽しみたい。そして釣りをする人が増えてほしい。
こうしてこのブログのコンセプトがおぼろげにまとまりはじめました。
このブログの読者として想定している人物像
このブログはこんな人に読んでほしい
このブログは、このような人が読むことを対象にしています。
いや別にこれ以外の人は読むなってことではありません。結果としてあらゆる人の助けになればいいなと思います。ただ、具体的にこういう人に伝えたいというモデルを作っておくと記事が書きやすいし伝わりやすいので、このような想定をしています。
このブログの読者が釣りをする地域
釣りは地域によって異なる特性があります。
その時期その場所によって釣れる魚というのは違いますし、同じ魚を狙うにも地域によって仕掛けやエサが違ったりします。残念ながら私の経験や知識ではその全てをカバーすることができません。
だから、このブログで対象とする地域は狭い範囲に特化しています。その地域はこちら。
狭っ!
もちろんその他の地域で釣りをする人にこのブログが役立ったと感じて頂けるなら、それはとても嬉しいことです。
過去の自分に向けて
今まで書いてきたことをまとめますと、具体的な人物像が浮かび上がってきます。
関西地方に住んでいてかつて釣りをしていた。子どもができて一緒に釣りを再開したくなった。でもお金はあんまりかけたくないなあ。あと食べられる魚を釣りたい。
そんな人。
関西在住で子育ても落ち着いてきた30~40歳代の中年で食べることが好き。しかしあまりお金は使いたくない。でもいろいろな釣りを気軽にしてみたいし料理にも挑戦したい。
つまりはこれ、2014年に釣りを再開した当初の私自身なのです。「あのときはこれで困った」「これがわかってから釣れるようになった」そんな過去の経験を思い出し、過去の自分にアドバイスするように書いています。
ネットのみでかき集めた情報をボロボロに継ぎ接ぎしたような、クソみたいなキュレーションサイトは釣りのジャンルにもたくさんあります。しかし、実体験に基づいたコンテンツには勝てない。勝ち負けの問題でもないんですけど、その手のサイトを駆逐したいという思いも正直あります。
このブログのミッション
ここまで読んでもらえたならば、私とこのブログのバックグラウンドがなんとなくご理解いただけたのではないかと思います。
2021年現在、私がこのブログを通して伝えたいこと、このブログの役割をまとめると以下のようになります。
役割なんて大層なもんではないですけども。ひとつずつ補足します。
初心者に立ちはだかる釣りの敷居を下げて裾野を広げる
これはさっきまで散々書いてきたので省略しますね。とにかくハードルを下げたいんです!
家族共通で楽しむ趣味や余暇として釣りを提案する
当初は私一人で再開した釣りですが、今では息子が同行するパターンがほとんど。夏や秋のハイシーズンには家族全員で釣りに行くことも多くなりました。
家族で釣りをするプロセスってこんな感じ。
「家族で何を釣りたいか考える。あるはどんな魚を食べたいか。そして釣り場を選ぶ。みんなで移動する。並んで竿を出す。持ち帰った魚を料理する。一緒に食卓を囲む。」
自分で書いといてなんですが、釣りって素晴らしくないですか?
家族一丸となって目的を決めて計画を立てて、その喜びや成果物を共有できるんですよ!こんな趣味はなかなかないと思います。
もちろん家族一緒に楽しめる趣味は他にもたくさんあるでしょうけど、私は第一に釣りを提案します。
釣り番組なんかを見てると、荒波が打ち付ける磯だったり揺れまくる船だったり、とても家族でできる趣味じゃないと思われるかもしれません。でも家族一緒に釣りを楽しめるフィールドはたくさんある。釣りは懐が深いものなのです。
自分自身の手で魚を釣り自分自身で食べることの楽しさを伝える
釣りを再開した当初は「とにかく魚を釣りたい」というのが釣りに行く目的でした。しかし、釣りに慣れるにつれ、釣りに行く目的、モチベーションが明確になってきたのです。
それは「魚を美味しく食べる」ということ。
再開当初は妻に調理をたのんでいたものの、ときに数十匹と釣れる魚を預ける図々しさは無く、なりゆきで調理をするようになりました。それまでろくに包丁すら握ったことなかったのに。
慣れればなんとかなるもので、ほとんどの魚はさばけるようになり、魚種ごとの適切な調理方法もなんとなく身につくようになってきました。
気がつけばもう「アジを刺身で食べたい」とか「ガシラの煮付けを食べたい」とか「タチウオの炙りが食べたい」とか、釣った魚を食べるということを一番の目的、ゴールとして釣りへ行くように。
食べたい魚が狙い通り釣れることもあれば、全く想定外な魚が釣れることもあります。それは魚屋には並ばないような魚だったり、釣り人ですら捨てるような魚だったり。そんな魚も思い切って食べてみれば高級魚をしのぐ味だったりすることも。そんな偶然の出会いも楽しみの一つ。
魚種ごとにある魚の旬というのも、売り手側の思惑だったり目安でしか無いことも知りました。釣れる場所や時期によって美味しい時期は異なる場合があります。「あのときあの場所で釣ったイワシの刺身は美味しかったなあ。そろそろ寒くなってきたし行ってみるか。」と季節に敏感になったりもします。日本の四季の素晴らしさも再確認できるように。
釣りを再開するまでは丸の魚を捌いて刺身にするなんて敷居が高すぎると思っていましたが、釣りと同様そんなことはありませんでした。やってみればなんとなかるもんです。
釣って食べることの楽しみは今後このブログで力を入れて伝えたいことの一つです。今はまだまだ不十分に感じています。
とにかく釣りの裾野を広げたい
いろいろ書いてきましたが、一番の願いはより多くの人に釣りを楽しんでもらいたいということ。
そしてその楽しみをたくさんの人と共有したいという思いがあります。うちは家族全員で釣りをするので、その思いは満たされていると言えば満たされています。しかしもっと広げたい。色んな人を巻き込みたい。
そのためには釣りの裾野を広げる必要があります。釣りは本来易しい趣味のはず。手軽に、そして気軽に、老若男女誰でも楽しめるものなんだということを伝えていければいいなと考えています。
みなさんで一緒に釣りを楽しみましょう!