大阪湾における冬、1月から3月までの釣りについて解説します。
まず結論として、この時期に大阪湾で海釣りをするのは大変厳しいと言わざるを得ない!単に寒いだけではなく、もっと根本的な理由があるからです。
大阪湾における冬の釣りについて
とにかく魚が釣れにくい
年が明けると、大阪湾岸の釣り場からぐっと人が減ります。
秋には場所取りが困難なほど混雑していた釣り場でも、両手で数えられるぐらいの人しか見当たらなくなります。なぜでしょうか?
もちろん寒いからというのがひとつの理由です。でも、ひと晩中釣りをしたり、早起きというには早すぎるほどの早起きをしたり、何時間もかけて遠征したり、釣りのこととなれば大概のことは平気な釣り人が寒さだけで釣りを諦めるはずがない。
一番大きな理由は「魚が釣れないから」です。
全く釣れないわけでは無いですが、夏や秋に比べると釣れ難いのは明らか。釣れないのはこんな理由があります。
- 気温が下がる
- 気温が下がれば水温も下がる
- 水温が下がると魚の活性も低くなってなかなかエサを食べなくなる
- 回遊魚は水温の高い沖や南方に移動してしまう
秋にはあんなに賑やかだった波止や海釣り公園も生命感ゼロになります。
この時期に新たに釣りを始めたり、初心者を誘うのは絶対におすすめしません。釣りが嫌いになること受けあいです。この時期にはこの時期なりの釣りもあるのですが、ファミリーフィッシング的にはオフシーズンと考えるべき。
早くともゴールデンウィークまで待ちましょう。
京阪神より気温が高かったり、黒潮の影響を受けて海水温が高い地域に行けば、海はまだ賑やかで釣りが楽しめる可能性があります。関西だと和歌山とか淡路島の南の方とか。
大阪湾岸における1月の釣り
1月の全体傾向
雪が降る日もありぐっと冷え込んでくる時期ですが、それでも釣りに出かける人はいます。
その時期の気候によるところが大きいですが、暖冬であれば水温も高いままで昨シーズンの余韻が残っており、秋から初冬に釣れる魚がまだ釣れるという年もあります。サビキで釣れるようなアジやサバが釣れることもあり、局所的にマイワシの大回遊があったりします。
例えば2016年の1月は暖冬傾向でした。例年は年末に終了してしまうタチウオが、正月を過ぎても最盛期のように釣れ続けて釣り場が大盛況ということがありました。
こちらは年末年始時期における神戸の海水温を年ごとにグラフ化したものです。

年末年始における2012年から2016年の海水温データ
(データ出典:海上保安庁 神戸水温情報)
その年によってかなりバラつきがあって先ほど書いた2016年の1月というのは一番上の赤い線です。やたら高い。こういう年は1月でもいろいろな魚が釣れたりします。
でも基本的には冬は冬です。寒いです。手はかじかむし、トイレは近くなるし、そもそも釣れないことが当たり前だし、あまりいい思いはしません。
1月に釣れる魚
暖冬であれば大阪湾の最湾奥、南芦屋浜や西宮ケーソンあたりでタチウオがまだ釣れ続く年もあります。しかしその年の気温水温の変動が平均的なものであればもう期待は薄いです。釣具屋の釣果情報では釣れているように見えても、ボウズで終わることがざら。
サビキに関しても暖冬であればアジやイワシやサバが釣れ続けていることもありますが、時合いは短く数も伸びません。そんな中、毎年この時期ぐらいに20センチ前後の大きなマイワシの回遊があったりします。

1月に大漁となることがあるマイワシ
短い期間で群れは去ってしまうので、回遊情報が出たら急いで釣りにいきましょう。漁港や入り江状になった岸壁に半月ほど群れがとどまり続ける傾向があります。

明石海峡付近、具体的には平磯~アジュール舞子~大蔵海岸あたりで30cmを超える大型サヨリの回遊があり一時的に賑わうことがあります。夏から秋のサヨリと違ってタナが深いけど、回遊があれば簡単に釣れるし、冬のサヨリは脂がのって刺身がとにかく美味しいのでこれは狙う価値ありです。これも回遊が気まぐれだったりしますが…

ここからゴールデンウィークぐらいまでの数ヶ月はガシラ、メバル、アイナメとかの根魚系ぐらいが主なターゲットとなります。これらの根魚って1年中釣れるっちゃあ釣れるけど、冬に特別もてはやされるのはこれぐらいしか釣れるものがないというのが本当のところじゃないかと。

冬でも釣れてくれるガシラ
チヌやハネなんかも冬に釣れる魚ですが、個人的な見解ではファミリーフィッシングの範疇ではないと考えているので、ここでは割愛させてもらいます。
この時期にやってる釣り番組を見ると、ほとんどの場合船からの釣りをしているはずです。なんせ陸では釣れないから。関西の釣り番組だと、和歌山や淡路島の南の方の波止釣りもこの時期の釣り番組に増えます。南のほうで水温が高いから魚が釣れやすいというわけです。
大阪湾岸における2月の釣り
2月の全体傾向
わざわざ言うまでもないですが、2月は一年を通して一番寒い時期です。
釣りなんかしてる場合じゃないぐらい寒いし、それに加えて大阪湾岸では西からの季節風がびゅうびゅう吹き荒れる日も多い。完全にオフシーズンだと割り切ったほうがいいです。
このオフシーズンのタイミングで毎年恒例のフィッシングショー大阪がインテックスで行われます。

毎年2月にフィッシングショーが開催される
年に一度のインドア釣り祭り。大小様々な釣り関連企業が集結しいろんなジャンルの釣りがごった煮になってかなりカオス。まだまだ釣り業界は元気だと実感できます。
釣りの見識を広げるには絶好のチャンスだし、祭りの雰囲気を味わえるので暇があれば行って損はないと思われます。試供品やノベルティグッズがたくさんもらえるし、子連れでもスタンプラリーやマス釣り体験があるから十分楽しめるはず。釣り番組でよく見かけるタレントさんやプロのアングラーにも会えたりします。入場料分の価値はあると思います。


マス釣りは参加するのにちょっと苦労するのでこちらの記事を参考にしてください。

抽選券付きの紙袋を買えば最後にはクレラップが貰えますよ!やったね!いやほんとはもっといい商品も当たりますがクレラップは確実に貰えます。
2月に釣れる魚
狙えるのはガシラ、メバル、アイナメとかの根魚系ぐらいでしょうか。ボウズもざらにある時期。辛い時期。私はこの時期海釣りに行きません。
大阪湾岸における3月の釣り
3月の全体傾向
そろそろ春の気配を感じる頃で気温も徐々に上がってきます。がしかし、釣りをするには年間を通して最悪の月といえるかもしれません。水は熱し難く冷め難いもの。海の中の季節は地上から1ヶ月ほど遅れて変動するといわれており、3月は2月の季節が反映された状態。つまりまだまだ真冬を引きずった状態です。
こちら2016年1月から3月における神戸の海水温グラフ。みてもらえたら分かると思いますが、3月上旬ぐらいまで10度前後です。2月から3月ぐらいが一年で最も水温が低い時期になっており、中旬ぐらいからようやく上昇傾向に転じます。

2月から3月に水温の底がくる
ここはじっと我慢。きたるべくシーズンに備えて道具のメンテナンスや妄想をして過ごしてみてはいかがでしょうか。個人的な感覚でしかないのですが、なんとなく水温が14度を超えると今年もそろそろ釣りを始めようかなという気になってきます。それが早くて3月下旬ぐらい。まあまだまだ釣れないんですけどね。
あえて狙うことはしませんが、この時期ぐらいにボラの大群が沿岸の海を黒く埋めている光景を見ることがあります。もう少し経てば春だ、そんな気分にさせる光景です。
3月に釣れる魚
引き続き狙えるのはガシラ、メバル、アイナメとかの根魚系。花見ガレイといってお花見シーズンに釣れるカレイの気配もでてきます。でもやっぱり釣れないこともざらにある時期といえます。黒潮の影響を受ける和歌山なんかに行けば事情は違うんでしょうけど、大阪湾岸の海はまだまだ寂しい状況です。
もうちょっと、もうちょっとだけ待ちましょう。ゴールデンウィークぐらいまで待ちましょう。
それでも釣りをしたいあなたは管理釣りを
というわけで冬の海釣りはおすすめできません。特に初心者には。
それでも釣りがしたいんや!というあなたにうってつけなのが、管理釣り場でやるマス釣りです。関西では秋から春先までが本格シーズンとなる釣りです。
なんたって目の前に魚を放流してくれるんだから、糸を垂らした先には確実に魚がいるわけです。冬の海釣りではこうはいきません。
気になったらこちらの記事をごらんください。
