【釣行記】解禁直後の生シラスと初めてのマイワシ@淡路島 交流の翼港[2016.04.23]

シラス。あるいはチリメンジャコ。食材として身近なキーワードですがシラスという名前の魚もチリメンジャコという名前の魚も存在しません。

じゃあ何なんだ?って言うと、広義では体に色素がない白い稚魚の総称ということらしいですが、私達が口にするそれらのほとんどはイワシの稚魚、とりわけカタクチイワシの稚魚です。そう、ファミリーフィッシングの王道とも言えるサビキで時にうんざりするほど釣れる銀色の魚、触ったそばからウロコが剥がれる魚、カタクチイワシ。その稚魚です。

通常私達が口にする時点では加工されて茹でられているか干されている状態ですが、水揚げされた直後は当然ながら生の状態なわけで。その生の状態のシラスを”生シラス”として淡路島がブランド化し売り出し始めました。確かここ5年内ぐらいのこと。

ひょんなことから生シラスを知り、ほぼ毎年生シラスを食べに淡路島へ上陸しています。今年も生シラス解禁の知らせを聞き淡路島へ行ってきました。ついでに釣りも。

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淡路島の生シラスを食す

俺と生シラスの出会い

淡路島に未就学児向けのペンションがあって、そこに泊まった際に生シラスのメニューが出てきたのがそれを知ったきっかけ。以来、毎年初夏の時期に日帰りレジャーで淡路島を訪れては生シラスを食べています。

ちなみのその未就学児向けのペンションは「ターニングポイントキッズ館」。

上の子が乳児のとき、下の子が乳児のとき、合わせて2回ほど利用させてもらいましたが、乳幼児連れでも気を使わずに過ごせて(なんせ周りもみんな乳幼児連れなので)、子連れファミリーの利便性を徹底的に考えたいいお宿でした。お値段もリーズナブルです。

屋内と屋外に遊具が備え付けられたキッズスペースがあり、特に屋内のキッズスペースは独立した棟なので泣き声や遊ぶ声も気にせずに過ごせます。確か夜間も開放されてたはずなので、寝付かずにぐずった子供も連れて行けます。個人的にはそこにビールの自販機が置いてあるのがGOODというかズルイと思いました。そりゃ買ってしまいますやん。

生シラス解禁日直後の淡路島へ

生シラスをブランド化するにあたっていろいろルールが決められているようで、お店で出すことが出来る時期、いわゆる解禁日も決められていて今年2016年は4月21日。

たまたまネットニュースで見かけて居ても立っても居られなくなり、何も予定が無かった週末、急遽淡路島行きを決定。

自宅から車で所要時間1時間、明石海峡大橋を渡って淡路島へ上陸。もう何度も渡っている橋ですが、神戸方面からトンネルを抜けて橋にさしかかる瞬間の開放感がたまらなくて叫びたいぐらいにテンションが上がります。

まずは食事前に花さじきへ。ちょっと時期が悪かったようでどの花も中途半端な咲き具合。とはいえ淡路島中央の尾根にあるこの場所、360度見渡す範囲が空で気持ちのいい場所でした。

「道の駅あわじ」で生シラス丼を食す

花さじきから移動することおおよそ15分、淡路島の最北端に位置する道の駅あわじへ。ここのお店で生シラスをいただくことにします。

ここは明石海峡大橋の真下にある道の駅。橋を挟んだ対岸はお馴染みのアジュール舞子。ここは釣り人の性、今日はどんなもんかなと海を覗いてみましたが、暦では大潮でちょうど下げ潮の時間。すごい勢いで潮が流れていました。海中に目を凝らすと潮に逆らって泳ぐボラの群れ。ここでも釣りは出来るみたいなんですが、駐車場にデカデカと”釣り目的の駐車禁止”みたいな掲示があるんで私は遠慮しときます。

時間はまだ10時半でしたが早めの昼食を。

ここではレストラン的なお店と食堂的なお店、2箇所で生シラスが食べられるんですが、当然食堂的なお店のほうがリーズナブル。迷わずそっちを選択する我が家。海鮮丼的なメニューが豊富に並ぶ中、もちろん私は生シラス丼を注文します。確か850円で玉ねぎのみそ汁つき。そして出てきたのがこちら。

見てくださいこの生シラスの透明感!味はどうかといいますと、身の甘み、そしておそらくは内臓に起因する若干のほろ苦さ。結構大人の味です。

ここで生シラス丼を食べるのは2回目なんですが盛り付けが前回とは違う。毎年違った趣向をこらしているようです。

生シラスの上にのっているのは生姜のジュレ。タレは出汁醤油。生シラスの他にも魚の刺身が三種。なんと今年はサヨリがのってますよ!しかも脂がのったかんぬきサイズです。これは価値ある一切れ。あとマグロ。そしてもう一種、特定できなかったんですが、甘みのある白身の細長い魚が。キスっぽいんだけどちょっと自信ないです。

とにもかくにも美味しかった!ここまで足を運んで食べる価値はあります。終了時期は知りませんが、少なくとも7月ぐらいまではやってるはずなので是非ご賞味あれ。島内いろんなところで食べられるみたいですが、道の駅あわじは最も手軽に生シラスが食べられる場所だと思います。

参考までに2013年に同じ場所で食べた生シラス丼の写真を載せときます。色的にも味的にもシンプル。やっぱり今年の生シラス丼のほうが価値あるな。

翼港でイワシとガシラを釣る

お腹が満たされたところで午後からは釣りです。

「あわじ交流の翼港海の駅」へ

昨年同時期にも行った交流の翼港で釣りをすることに。

道の駅から翼港までの道すがら、淡路島では有名なエサピチという釣具店で餌の調達。ここはホームページで淡路島全域の釣果情報を出しているので、淡路島への釣行時は要チェック。今回もそこで釣果情報を見て、イワシやアジなどの青魚が釣れているという情報が釣行のきっかけでした。

アミエビレンガひとつとシラサエビ一杯を入手して、目的地の翼港へ5分ほど車を走らせます。

釣り人には「翼港」と呼ばれていますが、正式な名称は「あわじ交流の翼港海の駅」。15年ほど前の花博のときにできた人工島のような港で、当時は神戸方面からの海上アクセスポイントとして機能していたらしいですが、今は個人所有の船が立ち寄れる道の駅であると同時に釣り公園的に利用されています。

駐車料金として1台500円、清掃協力金という名目で1人500円。清掃協力金は釣りをする人のみが対象で子供は無料となります。今日は私と息子が釣りをするので、駐車時に1,000円(駐車料金500円×1台+清掃協力金500円×1人)を支払いました。

淡路島は漁港がたくさんあって当然そこでは無料で釣りができます。そこへきて1,000円というのはちょっと高く感じるかもしれませんが、トイレや休憩所、釣具エサの販売やレンタル、安全なフェンスの設置、ファミリーもベテランも楽しめる一級ポイント、それらを考えると個人的には安いと思うぐらいです。

なおここの営業時間は朝6時かららしく、それまでは車を入庫できません。でも施設へ入ること自体はできて夜釣りのレポートも。こんな交通の便が悪いところなのにどうやって来てるのかと思えば、施設に渡る橋の前のゲート付近に路駐してるらしいです。

そんなに人の往来が無いところとはいえ路駐はまずいのではと思っていたら、どうもトラブルに発展しているらしく2016年秋ぐらいからは取締りが始まってるようです。そりゃそうなるわな。

夜間の入場が禁止になるとの話もありますので、気になる方は直接施設にお問い合わせください。

追記:
細かな経緯は分かりませんが、2017年から夜間の利用は完全に禁止となったようです。

激流なので内向きポイントに

翼港は大きく分けて東に面した外向きと西に面した内向きがあり、内向きは港としても利用されるので潮も波も穏やか。先にも書きましたが今日は大潮。明石海峡近辺は激流となる時期です。外向きはまともに釣りが出来ないだろうと予想して、最初から内向きで竿を出そうと決めていました。

駐車場に車を停めて内向きのポイントを見ると、遠くで何かしらの青魚が釣れている様子が目に入りました。真っ昼間のこの時間なのに結構人も多い。サビキをするにはいい感じじゃないっすか?手前は混み合ってたので先へ進んで、外向きとの通路がある中間あたりで竿を出すことにしました。

※この通路臭いですよね…

ほぼピンポイントでしか釣れないイワシ

周りを見ると皆さんウキをつけて投げサビキをしています。私もそれに倣って投げサビキをすることにしました。

あらためて他所で釣れている魚を見ると、それは20cmほどの大きなイワシ。おおデケェぞ!美味そうだ!イワシなんぞ何処で竿をだそうが簡単に釣れるだろうと高を括り、適当に3ヒロぐらいのタナを設定してサビキを投げます。

しかしこれが釣れない。タナが間違ってるのかと思い、表層にしたり底にしたりあれこれやってみるものの釣れない。何処を狙っても針にかかるのはオセン(スズメダイ)のみ。でも釣れてる人は釣れてる。何がダメなんだ?

釣れてる人を見ると、港にある浮き桟橋にぶち当たるぐらいギリギリに仕掛けを投げていました。現時点ではそこでしか釣れていない様子。浮き桟橋の下に居着いてるのか?おまけに潮はその付近に流れ込む感じで、私が撒いたアミエビもそっちに流れていきます。コリャだめだ。

移動しようにも浮き桟橋付近は混み混み状態で入る隙なし。潮が変わるまでアカンと判断し、一旦シラサエビで足元を狙う釣りに切り替えました。

ガシラは高活性でアタリまくり

シラサエビをエサにした胴突仕掛けを足元の岸壁際に落とすとほぼ毎回アタリがあります。こっちはいい感じ。

とはいえやはりここも釣り荒れているのかリリースサイズのチビガシラばっかり。それでもアタリがあって釣れてくるのは楽しい。このところ釣りに行ってもアタリ皆無でボウズ連発だったので癒やされました。釣り欲?が満たされていくのを感じます。

ごくたまにキープサイズかな?ってのも混じりました。翼港のガシラ、特に外向きで釣れるガシラは船から釣れるような鮮やかな赤色をした個体が多いです。翼港はそれだけ水深があるということでしょうか。この写真のガシラは堤防から釣れる標準的な色のガシラという感じですが。

潮の向きが変わってようやく釣れる

2時間ほどのんびり過ごしていると、放置しているサビキウキの動きが変わってきました。潮の流れが反転したみたい。そろそろいけるんじゃないでしょうか?もう一回サビキに集中だ!

海中に目を凝らすとギラギラしたイワシの大きな群れが移動しているのが見えました。よっしゃあそこだと仕掛けを通しますが全く反応しない。あれれ?

めげずに仕掛けを打ち返していると、スズメダイとは違う明確なアタリでウキが消しこみました。リールを巻いていると銀色の魚体が見えます。ようやくきたぞ!口切れに注しつつやさしく巻いているとイワシの後に続いて大きな魚体が。スズキが追ってきてる。今日は大物を釣る準備はしていないので急いでイワシをあげてお引き取り願いました。

というわけでようやくイワシゲット。

ウルメイワシかなと思って手で掴むと、ウロコがゴソッと剥がれて体の側面の斑点が。おおマイワシじゃないですか!実は生まれて初めて釣ったマイワシ。憧れのマイワシ。20cmはありそうな良いサイズです。ちなみにこれは翌日刺身で食べましたが、脂のりが最高で口の中でとろけるような食感でした。食べた個体は全て大きな卵持ちか白子持ちだったので産卵がらみで接岸してたんでしょうかね。

よっしゃどんどんいくでー!とその後も仕掛けを打ち返し続けましたが、結局5匹のみに終わりました。デカイんで仕掛けを致命的に絡ませるし、ここは根も多いらしく釣れたはいいけど根掛かりして仕掛けと魚もロストしまくり。アミカゴの手持ちがなくなったところで強制終了。

何度かナブラがたつタイミングもあって水面がバチャバチャしてました。そうか、仕掛けに反応しなかった群れはスズキに追われてたんだな。あそこにルアーを通したら釣れるんだろうなと思いつつも道具がないので今日は眺めるのみです。

時計が15時をまわると雨も降りだしたので翼港を後に。大漁ってわけでもないけど久々に釣りらしい釣りができたので心は満足。島を南下してたこせんべいの里に寄り試食をバクバク食べ帰路につきました。

(試食だけじゃなくちゃんと買いましたよ)

2016年04月23日@翼港釣果等まとめ

淡路島を堪能した一日でした。京阪神の釣り場に比べれば淡路島の釣り場は空いてるし魚影も濃い。まだ釣りシーズンが始まっているかいないのか微妙なこの時期ですが、淡路島は少し季節の進みが早い印象を受けます。

もちろん交通費がネックでそう頻繁には行けないわけですが、高い高いと言われている明石海峡大橋の通行料も今は普通車900円です。まあこれでも高いっちゃ高いんですけど、神戸周辺の釣り公園に一日居ると考えたら大差ないコストともいます。

日頃京阪神の海で釣りをしている皆さん。家族の日帰りレジャーを兼ねてちょっと遠征してみるのはいかがでしょうか?

釣果情報

  • 釣行時間:2016年04月23日(12:00~15:30)
  • ポイント:翼港(内向き)
  • 天気:曇り
  • 気温:半袖で暑くもなく寒くもなく
  • :ほぼ無風
  • :大潮で14:30ぐらいに干潮
  • 混雑具合:ほどほどの混み具合で釣座に困ることは無し
  • 自分の釣果:マイワシ×4、ウルメイワシ×1,ガシラ×リリース分を含めて15匹ぐらい、スズメダイ×10
  • 周囲の釣果:マイワシ、ウルメイワシ、ガシラ、チヌ

料理方法

  • マイワシ、ウルメイワシ:刺身
  • ガシラ:みそ汁
  • スズメダイ:チャリフェ

淡路島翼港 釣り場情報(2016年4月24日時点)

  • 交通手段:淡路島は公共交通機関に乏しいので自動車が適当。
  • 駐車場:一台500円で一旦外出も可能。夜間は入出庫不可。
  • 利用料:清掃協力金として大人1人500円。釣りをしない見学者と子供は無料。
  • トイレ:休憩所と屋外に一箇所ずつあり。休憩所は多目的トイレも併設。
  • 安全性:1m以上のフェンスあり。外向きは所どころにフェンスの切れ目があるので幼児からは目を放さないように。
  • 喉が渇いたら:ドリンクの自販機あり。
  • お腹がすいたら:徒歩5分ぐらいに夢舞台という総合施設があるので、そこのレストランを利用するなど。
  • 近隣釣具店:エサピチという釣具屋が車で10分以内の距離にあり。また休憩所内でも仕掛けやエサ(冷凍餌)の販売あり。レンタル竿もあり。
  • コンビニ:車で10分ほどの距離にあり。
  • 釣りに飽きたら:近辺に広大な国営明石海峡公園がある。ファミリー的には淡路島観光とセットで釣りを楽しむのがオススメ。