タチウオのウキ釣りは遠投しなくてもいい説@神戸港某所[2016.11.03]

大阪湾のタチウオ釣りがピークを迎えるは10月から11月。

スキあらばいつでも行けるよう、この時期は常に2釣行分ぐらいのキビナゴを冷凍庫にストックするようにしています。もっぱらスーパーで売っているのを見つけてその日のうちに塩締め。そして10匹ずつジップロック的なビニールに小分けして冷凍保存。釣具屋やエサ屋で買うことは滅多にありません。マメ?いやケチなだけです。

しかしまあサバやイワシのように常時売っているわけではなくたまにしか見かけません。あったらラッキーって感じ。関西ではキビナゴを食べる習慣がないから、需要がないから入荷しないんでしょうか?産地を見るとたいがい愛媛か九州産だし。刺身で食べると妙に濃い味で美味しいんですけどね。

文化の日の前日、仕事帰りにビールでも買って帰ろうとダイエーに立ち寄りました。なんとなく魚売場を覗くと半額シールが貼られやや傷んだキビナゴが1パックだけポツン。ラップ越しにこちらを見つめるたくさんの目。耳を澄ますと「僕達を買って…」。そう聞こえました(病気)。よっしゃ、おっちゃんが買うたろ。ほんで仕方ないからこれをエサにして明日タチウオ釣りに行ったろ。

というわけで翌日の夕まずめ狙いでタチウオ釣りに出かけた次第です。

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サビキシーズンもそろそろ終盤戦

沈黙の海

このところずいぶん寒くなってきました。

10月半ばをピークにこのブログへのアクセスも緩やかに下降していっています。「寒くなってきたし釣りもそろそろ控えようか」。たぶんそんな流れなんでしょう。昨年の5月からこのブログを始めましたが、去年も同様のアクセス状況でした。

仕掛けを放り込めばとりあえず何かが釣れた9月と比較すれば、サビキの釣果にもムラが出てきたなと感じる今日この頃です。

14時に釣場に到着してすぐに家族用のサビキを2本用意。とりあえず底付近に垂らしておきましたが2時間ほどほとんど何も起きず。まだいけるはずとアミエビを詰めたサヨリ仕掛けを投げるも30分やって無反応なので断念。仕方ない、こんな日も頻繁にあるのがシーズン終盤。

たわむれにジグサビキを投げてたら数投目で根掛かりして一張羅のジグパラをロスト。タチウオ用に太いリーダー(30LB)を結束しようとするも締めるときにPEがぶちぶち切れてなかなか上手くいかず。あまりに釣れなくて息子は半泣き。ダメだわ今日。

タチウオが釣れなかった場合の保険としてアジだけは確保しておきたい。この時期はサイズもいいしこの場所ならほぼ確実なはず。

日没直前に短い回遊あり

日が傾きだすとパラパラとカタクチイワシが回りだし、空が赤くなったぐらいの時間にようやくアジも釣れはじめました。

しかし爆釣とはいかず群れが回ってきたときにパタパタっとまとめて釣れる感じ。去年の同じ時期は入れ食いが1時間ほど続いて余裕で50匹釣れたのに。今日は潮が悪かったのかな。とはいえ20センチ弱のサイズを筆頭にマアジが20匹ほど。これで十分かもしれません。

おかず釣りを標榜し5月ぐらいから楽しんできたサビキですが、今年もぼちぼち終わりの気配が。とはいえアジもサバも釣れれば大きいので、もうちょっとだけ楽しみたいと思います。

放置気味のウキ釣り仕掛けでタチウオ2本

今年は個人的にタチウオと相性悪い

今年は9月末にタチウオを釣って幸先のいいスタートが切れました。

と思いきやその後は絶不調で。

ブログには残していないのですが、10月は3回ほど狙って僅か1本のみという。アタリすらあまり楽しめていません。じゃあ今シーズンは大阪湾全体的に不調かというと皆さんご存知の通りそうでもなく。釣る人は釣ってますし、実際自分の周りでも釣れてたりします。

ああそうや、俺の腕が悪いんや…分かっとる。でも運もありますやん。いい訳ですけども。いや、完全にいい訳でしかないですけど!

ゲッターにはアタリを感じるものらず

それでも前に進まねばなりません。

今日はカタクチくんの回遊もまばらでベイトに乏しい状況ですが、セオリー通り日没1時間前の16時からゲッター出撃。行け僕のゲッター。

日が沈んであたりが暗くなると周囲で1本目のタチウオが上がりました。ウキ釣りで釣れたみたい。今日も確実にタチウオは居る!どこかの誰かに毎回勇気付けられます。

ゲッターにもアタリらしきコツコツが感じられるように。いける!と思ったんですがなかなか食いついてくれず、結論から言うとこの日はゲッターでゲットできませんでした。エサもほぼ無傷。隣に入られたお兄さん(いろいろお世話になりました)は朝もやられてたみたいなんですが「ワームの尻尾だけかじられた」と言ってました。今日は食いが浅いのかもしれません。

ウキ仕掛けで竿下を狙う作戦

ゲッターを投げるかたわらウキ釣り仕掛けの竿を竿受けに固定し、そのまま竿下付近に漂わせていました。竿受けはもちろんスーパーパイプ受太郎。

タナは2ヒロ、そして岸壁からだいたい4メートルぐらいのポイントに仕掛けがあることになります。ウキ釣りって普通はみんな遠投するもんなんでめっちゃ近いですよね。でもあえてこうしてました。

というのも10月中に一本だけ釣れたタチウオ。これを同じようなポイントで釣ったからです。

釣ったというより釣れてたに近いけど。その時は朝まずめで狙っていたものの釣れないまま日の出を迎えちゃったので、もうウキ釣りはダメだなと竿受けに竿を置いて仕掛けを竿下に。ひとしきりゲッターで狙い終えてから片付けようと放置。

で、結局ゲッターもダメだったんで、引き上げて投げサビキに付け替えるかと竿を持つとゴンゴンとした手ごたえ。え?まさか?と上げてみるとタチウオが付いてました。そこで思いました。「こんな足元付近でも釣れるのか。でもルアーや引き釣りだと回収寸前にアタリがあるなんてザラだしな。当たり前っちゃ当たり前か。じゃあウキ釣りで遠投せずに竿下を狙ってもいいのでは?」。

その経験から今回試してみようと考えたわけです。

ほったらかしの竿でタチウオ2本ゲット

視界の端で電気ウキの明かりを意識しつつゲッターを投げ続けること40分。

ん?ウキが沈んでる! 急いでゲッターを回収してウキ釣りの竿に手を掛けると竿先が引き込まれたのでアワセ。と、うまく掛かったらしい。竿下でラインもほとんど出てないのであっという間に水面まで上がってきて抜き上げ。

レギュラーサイズともいえる指3本半の85センチ。ようやく今年初めてのまともなサイズです。うまいこと口先に針が掛かってますね。

やっぱり竿下でいけるんじゃなかろうか?検証を続けてみよう。

直後2度目のアタリ。

あわてて竿に手を掛けたらラインのテンションいっぱいだったようで、そのまますっぽ抜けてボロボロのキビナゴを回収。気をつけねば。

時合いが過ぎて回りも静かになったころ3度目のアタリが。

さっきの反省を活かし、竿に手を掛けるまえにベールを上げてラインを送り込みます。岸から沖に向かって半沈みのウキがゆっくり遠ざかる。これはアワセが決まりやすいパターン。指に掛けたラインでアタリを感じつつグッと引き込まれたタイミングでアワセ。のりました!これも引きを楽しむ間もなく回収。

さっきと全く同じサイズだけど腹がデップリ。のちほど確認すると卵持ちでした。

この時点で日没から1時間経った18時過ぎ。粘ればまだまだいけそうでしたが、明日は平日だしまともなサイズが2本釣れて満足したので納竿としました。

11月にして今年もようやく包丁より太いタチウオが釣れた…長かった。

なぜ竿下で釣れるのか

やはり遠投せずとも竿下で釣れることが分かりました。なぜ釣れるのか推測してみます。

  1. タチウオは意外と岸壁付近まで回遊している
  2. 潮に逆らう形で仕掛けが漂うから結果として誘いになってる
  3. 人が多い釣場ではより岸壁付近に溜まりやすい可能性があるのでは

[1]はルアーや引き釣りでタチウオを釣る人にとって既知の事実です。そもそもタチウオのエサとなる小魚はサビキで釣れるような小魚。サビキは遠投することもできますが、ほとんどの場合は竿下で釣りますよね。なぜなら竿下に群れがいるから。ということはそれを狙うタチウオが竿下に居ても何の不思議も無い。

[2]について。普通はウキ仕掛けを潮に乗せて流しますが今回は固定している状態です。図らずしてエサが潮に逆らう形になり、自然と誘いやアクションになっているのではと考えました。潮にのせて流しているときより食い込みが早かった気もする。

[3]は人が多い釣場だとタチウオの時合い寸前までサビキファミリーがわんさかアミエビを撒いてくれるので岸壁付近にベイトが溜まっているのではないかと。結果としてタチウオもそれに寄ってくるのではないか。タチウオ仕掛けの回収時にタチウオが追ってきて溜まる可能性もあります。

竿下で釣るメリットとデメリット

ウキ仕掛けは基本的に潮にのせて流します。混雑した釣場だと隣の人との干渉を常に考えないといけません。

あそこまで流したら回収しよう、潮上の人が仕掛けを上げたら斜め前に投げてなるべく長く流せるようにしよう、でも斜めに投げたら迷惑にならないかな、仕掛けを投げたいけど隣の人はワインドでどこに投げれば大丈夫分からん…など。ずっとプレッシャーがかかってます。

その点、竿下なら仕掛けの可動範囲が左右数メートルほどなんで放置しても大丈夫。仕掛けを投入するポイントは自分の目の前でいい。大混雑した釣場でもストレスフリー。余裕があるならその横でワインドなど他の釣り方をするのも問題ありません。

メリットがある一方で今回感じた大きなデメリットがあります。

それは「楽しくない」ということ。

ほぼ竿の長さ=針先までのラインの長さなんで回収があっという間です。延べ竿で釣ってるような感じ。これだとタチウオの強烈な引きを味わう間がほとんどない。これホントにデメリット。どうせなら楽しみたいしなあ。悩ましい…

新しいメソッドが出来た!と思ったけど…

こういう釣り方をしてる人はいない!ワシが考えた!この釣り方に名前をつけてやろう!なんて思ったりもしましたが、冷静に考えるとこれってただ単に「ウキを付けたズボ釣り」なんですよね。もっと積極的にやるならこれに投光器を追加するという、関西でもたまに見かける釣り方です。たいがい年配の方がやってる釣り方です。

そもそも足元で釣れるなんてベテランの人ならみんな知っとるわな。でもまあ一つの選択肢としてありかなと。より確実にタチウオを確保する手段のひとつとして、混雑してどうしようもない場合の対策として、自分の引き出しに入れておこうと思います。手段はともかく、とにかくタチウオが食べたいという欲求も自分にはあったりするんで。

棒ウキよりドングリウキ形状のウキがこの釣り方には合ってそう。前から気になっていたチャップオンを検討中です。

投光器まではいかないにしても、集魚灯は来年に向けて導入してみようかと早くも来シーズンに思いをはせています。

釣果情報

  • 釣行時間:2016年11月03日(14:30~18:30)
  • ポイント:神戸港某所
  • 天気:晴れときどきくもり(過去天気リンク
  • 気温:昼間に日があると暑いが日が暮れて風が吹くと冬の寒さ
  • :強い北西風のち日没後ほぼ無風
  • 自分の釣果:タチウオ×2、マアジ×21、サバ×3、カタクチイワシ×30、ガシラ×1
  • 周囲の釣果:上に同じ

料理方法

  • タチウオ:刺身
  • マアジ:刺身、炙り刺身
  • サバ:炙り締めさば
  • カタクチイワシ:メザシ