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【釣行記】爆風の中で辛くもタチウオ一本@神戸港某所[2015.10.11]

三連休の真ん中10月11日の午後から家族全員で釣行。ここ2年ほどで息子を筆頭に家族みんなが着実に洗脳されてきている釣り好きになってきている。しめしめ。

いや実際、釣りは家族が揃って楽しむにおいて最適なレジャーのひとつだと思っている。このブログのタイトルや内容には、そんな家族での余暇の過ごし方を知ってもらって少しでも広めたいという願いを少なからず込めているつもり。釣り自体もそうだし、釣り場までの移動、そして家に帰ってから調理して食べるという過程まで家族一体になって楽しめる。幼くともそして歳をとろうとも、お金があればなんとでも、なかろうとそれなりに工夫して楽しめる。こんな趣味はなかなかないで。ほんまに。

本題に戻る。

今日のプランはこんな流れ。

  1. 夕まずめのタチウオ釣りに向けて早めの場所取りがてら昼過ぎに釣り場着
  2. 夕方まではサビキで青魚を釣ったりサヨリ釣りをして楽しむ
  3. 日の入りが迫ればまずはタチウオテンヤで引き釣り
  4. 日が沈めばウキ釣りに移行

タチウオの餌はサビキでイワシぐらい釣れるだろうから、それをそのまま使うということで今回はキビナゴを買っていない。というか最近魚売場でキビナゴを見かけないのだ。ちょっと困っている。

とりあえず出発だ。行き先はいつものところ。

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西からの爆風が吹き荒れた一日

曇りのち晴れの予報

数日前まで今日は雨の予報になっていたが、早めに天気が進行して曇りのち晴れの予報になった。暑くも寒くもないし絶好の釣り日和ではないか。太陽が出ればポカポカだろうし、折り畳みイスに座ってたら気持ちよくてうっかり昼寝しちゃうかもな!そんな風に思っていたのは、釣り場に着くまでの話。

不穏な風マークが

行きは妻の運転で珍しく後部座席で車に揺られながらラクラクで釣り場へ移動。道中、念のためもう一度tenki.jpで天気をチェック。午後から晴れマークが並ぶ。気温も20度台前半、いいぞいいぞ。しかし風速の箇所を見ると「>>>」と風マークが三つ並ぶ。ちょっと風が強めなのか。まあ予報と違うことも多々あるし、夕方にはおさまるだろう。

帰る時間までずっと爆風でした

午後1時半、駐車場に車を停め大学横の通路を歩く。さして風は感じない。ほらな!しかし海が見え始めると一変した。白波が立ってるし、海岸に近づくにつれ西風が強くなる。さっきは西側に建物があったから風を感じなかっただけなのか。

場所は結構空いていたので、適当なところに落ち着く。サンシェードを広げている人が結構いるが風でたわんで今にも飛ばされそうだ。中に人が居なかったら確実に飛んでくるな、それぐらいの強い風。ここは南に大きくひらけた釣り場。西風は横風となる。これはいろいろとやりづらい。

夕方にはおさまると期待していたが、結果としてそれは叶わなかった。あとでアメダス情報を確認したらピーク時は風速10mを超えていたようだ。強風注意報が出てムコイチへの渡船も中止になっていた模様。そりゃアカンわ。風のせいで体感温度も低い。この日は終始横風との戦いとなった。

サビキはダメダメ

青魚がいません!

背後からならまだしも、この横風ではとてもサヨリ仕掛けを投げられる状態ではなかったので、夕方まではサビキに専念。この日は大潮で流れも早かったので、基本的には浮きをつけず足元サビキ。?

しかし釣れない。何も釣れない。周りもイワシ一匹すら釣れていない。生命反応がない。参った。子供は早くも飽き始め、妻は寒さに耐えかねて車に避難。空もどんより。そのまま数時間が経過した。この間、自分でもなにをやっていたかよく覚えていない…

ボラか…いや違う

西側に入ってきたファミリーが大きく竿を曲げている。サビキでボラを掛けたようだ。何にも釣れてないときってこれで結構盛り上がるよね。(ファミリーフィッシングあるある)30~40cmぐらいのサイズだったが抜き上げられずバラし。今日初めて魚をみたなとそこのお父さんと空しく笑い合う。とほほ…

数分後、自分の竿も大きく曲がった。グイングインと強く引き込む。知ってる、これボラの引きだ。こんなんでも嬉しいなとしばらくやり取りを楽しんでから抜き上げてみる。30cm程度だからうまく上がってきて地面でピチピチ。ん?大粒のウロコ感はボラっぽいけどそれにしては体高があるな。鰓ブタ辺りに黒い模様がある。超でっかいサッパ?

ワニグリップで挟むと、うろこがごっそり落ちて体の模様が見えてきた。黒い点々が背中に。あ!これ食べたことないけど寿司ネタで見たことある!コハダだ。標準名はコノシロか。背びれの一番後ろが糸状に伸びていたのでコノシロで確定っぽい。測ってみると30cmを超えていた。初めて釣ったがどうしたものか。まあなんか食べ方はあるだろうと、血抜きをしてキープすることに。

一応アジが釣れる時合いもあった

タチウオの時合いと平行して日没前後にアジが釣れる時間帯が30分ほどあった。しかしタチウオに手一杯で諦めた。息子がなんとか頑張って1匹だけ釣り上げたが、一夜干しで食べられるぐらいのいい型。

ここには早朝に何度か来てるけど、夕方と対を成すように早朝の日の出前後にもアジの時合いがある。先週大アジを釣ったのもその時間帯。そこを逃すとぱったり釣れない、もしくはパラパラ拾い釣りという感じに。?

この時期、アジを数釣りするなら朝夕の数十分に集中する必要があるようだ。そしてタナは底が基本。最近釣りを始めた人に多いと思うけど、釣具屋でウキサビキに必要なパーツがセットになった仕掛けをそのまま使っていて、ろくにタナを調整せずに底が狙えていない人がいる。↓こういうセット(かくいう私もこのセットで?初めてウキサビキに触れました)。

夏の豆アジの時期ならまだしも、この時期のアジはやっぱり底に居るわけで中層から上層に仕掛けがあったらどうやってもアジは釣れない。とはいえ慣れてないと底のタナに合わせてウキ下を調節するのはなかなか難しいと思う。水深のある釣り場ならウキ止めを何メートルも移動させないといけないからなおさら難しい。

そういう時は手っ取り早くウキを外しちゃおう。例外なくスナップが付いた金具(スイベル)でウキと接続されているはずだから、スナップからウキを外して金具はそのまま付けておいて問題ない。あとはアミエビのカゴを底までドボン。これでアジの泳いでいる底の層に仕掛けが到達する。

それでもサビキの種類とか針の大きさとか、足元じゃなくてちょっと沖だとか(これはウキサビキじゃないと対応が難しいけど)、その日その時間その場所によって釣れる条件が変わるので確実に釣れるわけではないけど、少なくとも魚がいる層に釣り針がないと何も始まらない。タチウオも同じ。って、その層が簡単に分かれば苦労しないんだけどねえ…。とりあえず秋のアジはまず底から!これ鉄則。

タチウオはなんとか一本

夕方には大混雑

コノシロが釣れてからまた沈黙。しかし西の空から徐々に雲が無くなり日が差してきた。相変わらず風は強いが身も心もちょっと温まる。太陽は偉大だ。

日が傾くにつれどんどん人が増えてきて入る隙間もなくなってきた。やっぱり何処であれ環境が整った釣り場ならタチウオシーズンはこんな風になるのか。ここなら大丈夫かと思っていたが仕方ないな。後で気づいたことだが、強風注意報で沖提への渡しが中止になっていたらしいから、そこから流れてきた人も多かったと思われる。

ベイト(餌)が居ないけどタチウオは回遊するのか?

しかしイワシ一匹釣れない状況で、果たしてそれを餌にしているタチウオが回遊してくるんだろうか?おまけに大潮だとあまりタチウオは釣れないと聞く。今日はいろいろダメかもと半ば諦めつつ、タチウオの仕掛けを準備し始めた。

時合いは16時半から

16時半を過ぎたころ、となりでワインドをしていた人の竿が曲がる。見事、良いサイズのタチウオが上がってきた。まだ日没まで1時間あるし早いと思っていたが、これで自分のスイッチが入って引き釣りを開始。

ワカサギを餌に引き釣り開始

ちなみにキビナゴは持ってきていないと書いたが、保険で塩締めワカサギを持ってきていた。これで釣ったことは無いけど、ほら、大きさといい形といいキビナゴとそっくりじゃないっすか。海にはいないドジョウやその形では泳いでいない切り身にも喰いつくんだからワカサギでもいけるはず。俺がタチウオなら切り身よりワカサギを選ぶね。針金でグルグルまいてビシュッとキャスト。そこそこ重量があるので爆風の中でも真っ直ぐ飛んだ。

深いタナでヒット

釣れたとはいえまだまだ浮いてきてないだろうし、深めのタナを探る。横風でラインがフケてるせいでとても底はとれないから適当に10秒ほどカウントしてただ巻き。なるべく風の影響で糸フケが出ないように竿先を下げる。すると潮位が高くて必然的に竿先とラインが水に浸かった。結果的に風の影響を受けずそのまま安定して巻くことができた。

底をトレースするようなイメージで繰り返して10分ほど、ガツンときました!根がかり!と思いきやちょっとづつ巻いてこれるぞ。きたきた。今年はまだ軽い引きしか体験してないけど今回はそれなりに重い。浮いてきた、海面が近いから抜き上げも楽々。

指3本ちょいの84cm。まずまず。これでワカサギでも釣れるんだと確信した。と、ここで不用意にタチウオの頭を触ってしまい利き腕の中指をザックリ。痛くは無いが血が止まらん。ここでいろいろ時間をロスしているうちあっという間に日が沈む。下手こいた~

明確に時合いがあったという感じではなかったけど、周囲でもぼちぼち上がっていて予想外の釣れ具合。経験則やデータも大事だけどやってみなきゃ分からんね。

強風下のウキ釣りは難あり

日が沈んだのでウキ釣りにシフト。餌は同じくワカサギ。塩で締めたつもりが甘かったようで、お腹がデロデロ気味で餌持ちが悪く難儀した。淡水魚だからキビナゴとは浸透圧とか違うのかなあ。今度は塩の量と時間を増やすか。

しかし横風が強い中のウキ釣りは本当にやりにくかった。普通に真っ直ぐ投げても正面には投入できないからちょっと風上に的を外して投げるんだけど、その分糸フケが出る。少し巻いても風ですぐフケる。おまけに風は西から東へ、逆に潮は東から西へ。そんな状態だからオマツリしまくり。暗くなったせいもあって、ラインがどういう状態なのかさっぱり分からなくなった。

アタリは何度かあったんだけど、すぐに餌を放すようで20秒もしないうちにウキが浮いてくる。うねりと風があるせいでウキが不自然な動きをしていたからだろうか。おっ、沈んで横走りしてる!と思ってガツンと合わせたらワインダーの人と絡んでるだけだったりも数回。オマツリしてもみんなテキパキと気持ちよく対応してくれて助かったが、ウキ釣りはもはやここまでと納竿。引き釣りを続けてりゃよかったな。

18時半、いくぶん風が収まった中で帰路につく。

コノシロの小骨はなめろうにして攻略

とにかく小骨が多い

さてコノシロをどうやって処理しようか。とりあえず三枚におろして腹骨をすき取る。

ちょっとガタガタになってしまったが綺麗な身だ。おろしてみて初めて分かったが小骨の多いこと。写真で見ても確認できる。小さいやつならサッパみたいに酢漬けでいいんだろうけど30cm超えてるしなあ。コノシロは小さいほうが市場価値も高いらしい。かといって一本一本抜くのも面倒だし、骨きりなんて技術もないし。

なめろうに初挑戦

考えた末、小骨まで叩いてなめろうにすることにした。上の切り身を見てもらえたら分かるかもしれないが、すごく脂がのっている。試しに一切れ食べたがサーモンのごとき脂のりだった。これはいけるのではないか。

叩け!叩け!叩け!

適当に細切れに切って、ネギとシソ、味噌と酒とショウガ(チューブ)を加えて包丁で叩く。ひたすら叩く。増税、不況、老いへの恐怖、人間関係、交通マナー、釣り場のゴミ、負の感情を昇華させながら叩く叩く。

実は生まれて初めてなめろうを作りそして初めて食べようとしている。レシピには粘り気が出るまで叩くと書いてあった。なんで魚の身が粘るんだ?分からん。それでも叩く。叩き続ける。俺は負けない。…数分叩いているとたしかに粘りっ気の感触が出てきた。そして出来上がったものがこちらになります。(ちょっと叩き過ぎたかもしれない)

白ごはんにピッタリ!

熱々ごはんにのせて食べた。…何やこれ、ごはんとの相性バツグンやないか。何杯でもいけそうだ。こんな料理があったのか。今度アジが釣れたらこれだな。なめろうといえばアジだしな。なお、このビジュアルのせいか、子供は箸をつけなかった。もったいないぞ。

コノシロ、大阪湾岸の釣りではあまり馴染みがない魚だけど、釣れる地方でもサッパと同じく捨てられる系の魚だと思う。

Wikipediaのコノシロの項にはこんな記述があった。

むかし下野国の長者に美しい一人娘がいた。常陸国の国司がこれを見初めて結婚を申し出た。しかし娘には恋人がいた。そこで娘思いの親は、「娘は病死した」と国司に偽り、代わりに魚を棺に入れ、使者の前で火葬してみせた。その時棺に入れたのが、焼くと人体が焦げるような匂いがするといわれたツナシという魚で、使者たちは娘が本当に死んだと納得し国へ帰り去った。それから後、子どもの身代わりとなったツナシはコノシロ(子の代)と呼ばれるようになった。

この人体が焦げるような匂いとかいうエピーソード、サッパに関する記述でも見かけたことがある。人体が焦げる匂いは嗅いだことがないが、人の死が身近にあった昔の人がいうならそうなのだろう。自分も国から狙われるようなことがあれば、家族と申し合わせてこの作戦を取ろうと思う。まずは釣りに行って魚を確保するところから…(TOKIOメソッド)

タチウオの腹身はいかが?

定番の刺身とアラはすまし汁の出汁に

タチウオは例によって刺身。さすがにこのサイズになると脂ものってきて美味い。反対にベルトサイズは刺身以外で食べるべきだと思い直した。

残った頭と骨は出汁をとってすまし汁にした。さすがいい出汁がでる。子供も喜んで飲んでいた。今回の個体は雌らしく抱卵していたのでそれも具にして食べる。これも美味い。サラサラ系魚卵(not プチプチ)。

タチウオのさばき方

余談だけど、自分はタチウオをさばく時、こういう風に切る。

肛門から包丁を入れてピーッとお腹を一直線に切るんじゃなくて、おなかの一部をざっくり切り取る。何故なら最初にタチウオの捌き方を調べたとき、太刀魚はお腹が硬いからこうするといいと書いてあったから。以来、ずっとこの捌き方をしている。

タチウオの腹身とは?

結果、V字型をしたお腹の皮のパーツがごく少量だけ取れる。サヨリのように黒い腹膜がついてるから爪かなにかでこそげとると白い身が。上下逆だけど断面はこんな感じ。この写真で分かるかな?霜降り肉みたいにサシが入ってるでしょう?いかにも脂のってるって感じでしょう?この部位が好きでして。正しくはないと思うが、勝手にタチウオの腹身と呼んでいる。(肉の部位であるハラミが横隔膜周辺の肉というのは分かってます)

食感コリコリ脂ノリノリ!酒のつまみに最適!

小さく切ってポン酢をかけ、これをつまみにしつつ酒を飲む。コリコリとした食感かつ脂がノリノリ。噛み締めると脂と旨みがジワーッと出てくる。珍味っぽい味わいで最高!例えばチャンジャが好きな人はいける味だと思う。はらわたの周囲はすぐ傷むし、市販のタチウオじゃお腹は既に開いてある状態がほとんどだからなかなか食べられないはず。

誰か賛同してくれる方はいないでしょうか?

今思いついたが、塩をして干したらもっと濃厚な味になって美味くなりそうだ。ジャーキーというか鮭とばみたいになりそう。チャンジャみたいにコチュジャンと和えるのもアリかも。こうしちゃいられない。忙しくなるぞ!一匹につき少ししか取れない貴重部位だからたくさん釣らないと。

追記(15/10/15):
後日、クックパッドで同志を発見。この方も”タチウオの腹身”と呼んでいる。なるほど串焼きか。それもいい。

タチウオの腹身で 最高の串焼き by ゆりYO船長
タチウオの一番脂の乗ってる所、腹身。ここはひと手間かけて、さらにおいしく頂きましょう。

追記(15/12/01):
塩をして干してみた。食べてみた。うん、ジャーキーみたいな食感。でもちょっと生臭い。なので串にさして軽く炙ってみた。まもなくぽたぽたと滴り落ちる脂。おもむろに食べる…にじみ出す脂と旨み。これ最高!しつこくない鮭ハラスや!

2015年10月11日@神戸港某所釣果等まとめ

爆風に耐えてよく頑張った!と自分と家族を褒めてあげたい。数はともかくタチウオは今年一番いいサイズが上がったし、コノシロという普段は口にしない魚も美味しく食べられた。

去年のタチウオ釣りは総計2本のみ。8回ほど釣りに行ってそれだけだったのに比べたら今年はこの時期で4本目と上出来だ。今年はもっといける気がする。

今回は珍しく夕まずめに釣りをしたが、やっぱり時間帯的に混むし、釣りが終わったら暗いしせわしいし心細いしで落ち着いて釣りが出来なかった。早起きは苦にならないし、どうも自分は朝まずめが合ってるようだ。素晴らしい釣果と共に輝かしい日の出を迎える(理想)。最高のシチュエーション。次の週末は朝まずめ狙いを予定している。

釣果情報

  • 釣行時間:2015年10月11日(13:30~18:30)
  • ポイント:神戸港某所
  • 天気:曇りのち晴れ
  • 気温:20度台だけど日が出てないと寒い
  • :西から強風のち強風 and 強風 never ending 強風
  • :昼過ぎから日没直後まで上げ潮で東から西へ 潮位が高く足元まで波がチャップン
  • 混雑具合:昼過ぎまでは余裕 夕方になるにつれ大混雑
  • 自分の釣果:タチウオ×1、コノシロ(大)×1、アジ×1
  • 周囲の釣果:タチウオ、アジ