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2016年もタチウオシーズンに備えるの巻

8月初旬の立秋を過ぎると暦の上では秋なんだそうです。まだまだ夏真っ盛りで何が秋だという感じですが、盆も過ぎれば徐々に過ごしやすくなるかと。そうなれば秋はもうすぐ。

大阪湾岸での海釣りベストシーズン到来とともに、今年もタチウオ釣りのハイシーズンが目前に迫ってきました。9月も後半になれば大阪湾岸のあちこちからタチウオの釣果が聞こえ始めるはず。

今年もタチウオ釣りを楽しんでいきましょう。まだタチウオ釣りをしたことがないという方がいればこの記事をきっかけにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。タイミングさえ合えば簡単に釣れるし、魚も大きいので達成感がありますよ。

秋は大阪湾における海釣りのハイシーズン。それゆえ混雑する釣り場ですがトラブル無きよう大人の対応を心がけゴミは釣り場に残さず。皆さん準備はいいですか?

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釣る時期と釣る場所を考える

釣れはじめる時期と場所は釣り場により違う

とにもかくにもまずはタチウオ釣りをする時期と場所を考えねばなりません。同じ大阪湾で「とっくに釣れはじめてるよ?」って釣り場もあれば、何の気配もない釣り場もあり。

大阪湾の中でも南や西の地域は早い時期にタチウオが釣れはじめるという認識がありましたが、いまいちその理屈が分かりません。ということで調べて別の記事にまとめました。

大阪湾のタチウオ回遊ルートを読み解く
大阪湾内の各ポイントでタチウオが釣れはじめる時期には数ヶ月単位のずれがあります。 大阪湾でも南や西のほうであれば早いと夏ぐらいから、大阪湾の一番奥に位置する南芦屋浜や西宮ケーソンで...

早く釣りたいなら南か西へ、湾奥で釣りたいなら9月ぐらいまで待てと。10月以降になれば大阪湾全域にタチウオが回遊してきているはずなので場所は選び放題です。

今年のスタート時期はどうなる?

タチウオシーズンの開始を予想するうえでタチウオ以外の回遊魚、とりわけタチウオの餌となり得る回遊魚がいつ釣れ始めたか振り返りたいと思います。今年2016年は大阪湾奥での回遊魚の釣れ始めが比較的早い年だったといえます。

回遊魚の一番手ともいえるカタクチイワシ。例年ゴールデンウィーク辺りは釣果が不安定でボウズで終わることもザラでしたが、今年はどこでもそれなりに安定して釣れている印象でした。

カタクチイワシに続いてサバとアジが釣れ始めますが、これも例年より前倒しで釣れています。いつも7月に入ってからようやく南芦屋浜あたりに現れる豆アジですが、今年は6月中旬ぐらいに初観測。3週ぐらい早いですかね。

となればやっぱりタチウオも早いんじゃないか?と思うのが釣り人の性ってもんです。こればっかりはタチウオに聞いてみないと分かりませんが期待しましょう。

追記(2016/08/03):
どこでも釣れているというわけではなく大阪湾でも南か西の地域に限られますが、いわゆる”夏タチ”が好調ですね。これが秋を前に一旦終息するのか?あるいはこのまま釣れ続くのか?

追記(2016/10/15):
10月も中盤になれば大阪湾のどこでも釣れるという認識で、実際ここ2年ほどはそんな感じでした。ですが今年はちょっと違ってますね。南芦屋浜の釣果を見てても、釣れてないってことはないけどムラがあるようです。スタート時期も遅かった。自然が相手、それに輪をかけて幽霊魚とも揶揄され神出鬼没のタチウオ。難しいですねえ…

追記(2016/11/04):
なんだかんだで南芦屋浜付近の湾奥も好調になってきました。西宮ケーソンの釣果もアツイですね。さていつまで続くでしょうか

タチウオシーズン終了の時期は海水温がカギ

12月中にタチウオが姿を消し、年末年始は釣り場が閑散とするのが普通の光景。でもこの写真を見てください。

これは大晦日を明日に控えた昨年2015年12月30日16時ごろの南芦屋浜ベランダです。西端の高台になっているところから全景を撮りました。小さくて見えづらいかもしれませんが奥までぎっしりと人が入ってます。12月末の光景ですよ!?明後日はお正月ですよ!?

2015年のシーズンは異例で、クリスマスを過ぎても最盛期のようにタチウオが釣れてメジャーな釣り場は満員御礼状態。年が明けた2016年もそれが続き、1月中旬頃まで当たり前のようにタチウオが釣れていました。

その後、沖縄に雪を降らせるような強烈な寒波が到来すると共にフェードアウトしていった感のある昨シーズンのタチウオ。

シーズンが長く続いた要因は、冬を迎えてもなかなか下がらず温かいままだった海水温です。さらに高い海水温の原因となっていたのは気温の高さ。気象庁が発表した長期予報で以前から暖冬になるといわれており、実際に迎えた2015年末は秋がずっと続いているかのような過ごしやすい気候だったのを覚えています。

論よりデータ。

下は海上保安庁が公表している神戸港水温情報からデータを取得してグラフにしたもの。2012年から2016年まで11月~1月における水温低下の推移を比較できるようにしました。

データ出典:神戸港水温情報

期間を通して一番上にある赤い線が2015年の水温です。明らかに高い。12月中旬以降の水温差が顕著で2015年末は昨年より3度ぐらい高いですね。たかが3度と思うかもしれませんが、海水温の3度差は結構なインパクトです。

もう一度先ほどのグラフで2016年の赤い線をたどってください。

1/24日あたりで急降下していますね。沖縄に雪を降らせた2016年冬の大寒波が到来したのがこの時期。この日から水温が11度を切り、それと同時に某釣具店の釣果情報でもパッタリとタチウオの釣果が消えました。

水温11度。これが大阪湾の陸っぱりからタチウオが狙える限界値といえるかもしれません。今年はどうなるでしょうか?できるなら長く楽しみたいですね。

どうやって釣るかを考える

なおもエサ釣りにこだわる

私個人としましては今年もワインドには目もくれず、基本はエサ釣りで頑張りたいと思います。基本はテンヤの引き釣りとウキ釣りの二刀流でタチウオに挑みます。あくまで個人的にそうするってだけなので、皆様におかれましてはエサだろうがルアーだろうが自分に合ったスタイルでタチウオ釣りをお楽しみくださいませ。この多彩な狙い方ができる間口の広さもタチウオ釣りの魅力。

去年タチウオゲッターに惚れ込んでしまったのでメインはそれを使います。予備に普通のテンヤを携行する予定です。タチウオゲッターのメリットは、エサを針金で巻かずとも金具で挟むだけで固定できるお手軽さとエサ持ちの良さ。それとゲッターの背中のワイヤにケミホタルが仕込めたりとかフックにトレーラーフックがつけられたりするなどの拡張性の高さ。この写真はちょっとやり過ぎたなと反省していますが。

どんなエサを使うか考える

キビナゴは魚売場で調達

先にも書きましたが、私はエサ釣りでタチウオを釣ります。今年もその予定。となると一番使い勝手がいいのがキビナゴです。

タチウオのエサというとサンマの切り身やサバの切り身などが使われますが、針付けのし易さやテンヤへも使えることを考えると個人的にはキビナゴがベスト。タチウオ釣りをするかたわら、足元にキビナゴのぶつ切りを付けた針をぶっこんでおけばガシラやアナゴなんかも釣れるし汎用性が高いエサといえます。サンマやサバでも釣れますけどね。

調達できないときは仕方なく冷凍キビナゴを釣具屋で買いますが、基本はスーパーで買ったキビナゴを自分で塩締めして冷凍保存しておきます。

お造り用のキビナゴは、だいたい一パック100円から200円ぐらい。こんな感じで。

塩締めは簡単。表面を軽く覆う程度に塩を振って一晩ほど置くだけ。

これでキビナゴの観の水分が抜けて身が締まります。これによって針につけても外れ難くなりますし日持ちもします。冷凍しておいて都度使う分だけ解凍すれば1シーズンは問題なく使えます。余ったら根魚のエサとしても使えるので無駄になりません。

キビナゴを塩締めしてタチウオ釣りのエサを自作しよう
波止からのタチウオ釣りで最も安価でお手軽なエサといえるのがキビナゴ。 釣具屋の冷凍エサコーナーで販売され、数百円で20匹ぐらい入っています。水分を抜き身を固くする加工がされているも...

ちなみにお造り用の新鮮なキビナゴが手に入ったらタチウオになったつもりで生で食べてみてください。もちろん丸かぶりするわけではなく頭と内臓を取る処理をしたうえで。

プリッとした弾力のある身で大変美味いです。そりゃタチウオにしても、魚を丸呑みするんならゼイゴが邪魔なアジよりキビナゴを選ぶよなあと実感できるはず。包丁を使わず手開きできて簡単なのでぜひ一度ご賞味を。

なお、イワシ、特にカタクチイワシはキビナゴと同様の方法で手開きができますので、手順を覚えておくと何かと役に立つと思います。

現地調達エサ最強伝説

タチウオのエサとしてキビナゴがポピュラーなもののひとつなわけですが、キビナゴってたぶん大阪湾に生息していないか、いたとしても数はごく少ないと思うんですよね。本来は太平洋岸とか外洋に面したところで獲れる魚らしいし。

以前タチウオの回遊ルートを調べたときに見つけた資料に、大阪湾のタチウオの食性についての調査データが掲載されていました。しかしそこにキビナゴの記載はありません。やっぱり大阪湾にはいないと考えたほうがいい。

大阪府水産試験場研究報告 第5号 | 大阪府立環境農林水産総合研究所
地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所のサイトです。大阪府の農業、畜産業、漁業や水生生物に関する研究や、環境中の様々な物質のモニタリングに関する情報、当研究所が対応可能な技...

エサ持ちがいいし流通量も多いからキビナゴが使われるのは分かるんですが、やっぱり現地にいる魚のほうがエサとしてより適していると思うのです。浮気もするけどやっぱり最終的に美味いのはソウルフード。大阪人におけるたこ焼き。

ではタチウオにとってのソウルフードは何なのか?

先ほどの資料を見る限り、これはもうカタクチイワシ一択と言っていいんじゃないでしょうか。釣り場でもカタクチイワシの群れを追ってタチウオの群れが来るイメージをみんな持ってるんじゃないかと思います。

なので、タチウオの時合い前にサビキをしてカタクチイワシを現地調達できればベストじゃないかと。まあ、例えば小アジでも釣れないことはないですし海に生息してないはずのドジョウでも釣れるわけです。ましてや生き物ですらない樹脂製のルアーに食いつくぐらい見境の無いヤツですから些細なことかもしれませんけども。

どうやって食べるか考える

美味しく食べたいから釣る

タチウオを釣る目的はみなさんそれぞれあると思いますが、私は「美味しく食べたいから」というシンプルな目的が一番にあります。

そりゃもちろん釣り上げるまでの過程も楽しみではあります。ですが釣り自体「美味しい魚を食べたいから」という理由でやってます。竿を出しているとき、既に頭の中には食卓を思い浮かべております。

タチウオはそれ自体美味しいというのもあるのですが、調理が楽というのもポイント。ウロコがないというのは楽ですし、骨格も真っ直ぐ素直なカタチなのでさばきやすい。味にもくせが無いし生でも焼いても煮ても美味しい。キミたちは食べられるために生まれてきたのかと思うほど。

そんなわけでタチウオの味も楽しみましょう。

刺身が美味しい目安は80cm以上11月後半以降

私が一番好きな魚の食べ方。それは刺身です。

10センチに満たないような豆アジでも刺身で食べます。その他の魚でも一度は刺身で食べてみます。魚本来の味を知るにはそれが一番だと思うので。あと調理が楽ですし。

そんなわけでタチウオも刺身で食べることが多いのですが、やはり美味しいのは脂がのっている個体だと思います。大きさで言うなら80センチを越えるぐらいから。さらにそのサイズでも冬が近づくにつれて脂のりが良くなっていきます。時期的には11月下旬以降ぐらいでしょうか。この時期のタチウオは絶品。

もしタチウオを刺身で食べたことないって方がおられましたらぜひ食べてみてください。

ちょっと食べ切れんというぐらいの量だったらユッケにするのもおすすめ。焼肉のたれ、ごま油、コチュジャンなどと和えるだけです。

仕上げにネギ、卵黄を落として混ぜれば完成。皮身の食感が牛ユッケと似た食感でこれまた美味い。いくらでもご飯いけちゃう系。

”タチウオの腹身”で勝利の美酒を

先ほど脂がのっている条件として80センチ以上と書きましたが、サイズ問わず季節を通じて脂がのっている部位があります。それがここ。

お腹の部分です。

通常の魚のさばき方だと肛門から包丁を入れて一文字にお腹を開きますが、タチウオに関してはお腹の部分をざっくり切り取るのがオススメです。

結果的にV字型で細長い身が少量とれます。それをぶつ切りにしたのがこちら。

ちょっと解像度が低くて見にくかもしれませんが断面を見てください。霜降りになっているのがお分かりいただけますでしょうか?これは脂です。色は違えどマグロのトロと似た外観ですね。部位的にはトロと同じなので当然かもしれません。

新鮮なタチウオであればそのまま生でポン酢や醤油でいただきましょう。コリッとした食感、噛み締めるたび口に広がる脂の旨み。はいこれ絶品です!珍味好きならドストライクなはず。チャンジャが好きならホームラン級。

夕まずめにタチウオを釣ったら、私はその日のうちに内臓を抜くまでの下処理を済ませます。その過程でこの腹身が残るわけです。終わったらあらかじめ冷凍庫にビールを入れてから風呂へ。そして風呂あがり、タチウオの腹身を肴にしてキンキンに冷えたビールを流し込む。ほんまこれ最高です!勝利の美酒!このために釣りしてるんじゃないかと思うぐらい。

想像しにくいですが分類上タチウオは鯖と同じサバ亜目に属する魚です。だからかどうか分かりませんが、結構足が早くて内臓がデロデロになるのが早い。そうなるとこの腹身も臭みがでてきます。なのでこれを美味しく味わえるのは釣り人の特権といえます。

多少鮮度が落ちても串に刺して直火で炙れば大丈夫。軽く塩を振って食べちゃってください。これまた最高なんです。

ピチットシートで魚の生ハム

残った骨や頭は捨てずに出汁をとりましょう

三枚のおろしたあとに残る頭と骨も捨てずにとっておきましょう。これから非常に美味い出汁がとれます。

しばらく煮込んだらざるなどで濾して、あとはみそ汁にするなり澄まし汁にするなりいろいろ使えます。これ以外にも骨や尻尾は高温で揚げて骨せんべいにしてもOK。

タチウオに限らず、魚の骨や頭は旨みのかたまりです。冷凍しておけばしばらく持つので捨てずにとっておきましょう。

釣り場の確保について考える

大阪湾岸の海釣り人気NO.1ゆえの混雑

タチウオ釣りの人気の高さゆえ避けられない問題なのですが、とにかく釣り場が混雑します。南芦屋浜ベランダのようにトイレや水道が完備されて駐車場が近い便利な釣り場ならなおさら。

ハイシーズンともいえる10月11月だと隣の人との間隔が2メートルもないのが日常風景です。時合いとなる日の出日の入り時間付近に来ても入る隙間なんてほとんど残されていません。

じゃあどうすればいいか。先ほどの釣り名人が言っていた”昼の釣り人”になる。夕まずめ狙いであれば昼過ぎぐらいの早い時間に来て場所を確保しておくのが手堅い手段だと思います。私はそうしています。

朝まずめは夕まずめに比べると幾分混雑は緩和されますが、それでもやっぱり人は多い。まだ日が昇る気配すらない早朝4時に釣り場に着いてもぎっしり人が居たります。みんないつ起きてるの?もしくは寝てないの?まあ私も同じなんですけど。

狭いところに入る場合は両隣に一声かけましょう

とはいえ時間の余裕がなく時合い付近に釣り場に来ざるを得ない時もあると思います。その時間だと大混雑で入る場所がなかなか見つからないということがままあるかと。でもせっかく釣り場に来たんだから竿を出したいですよねえ。

一人で釣りに来たのなら「なんとか無理矢理入り込めるんじゃないかな?」ってスペースはそのうち見つかると思います。時合いも近いことだしスッと入り込んでシレっと用意してサッとキャストしちゃいまsh

天の声「割り込むんやないでー」

…はっ!そうだ。黙って割り込んじゃダメっす。両サイドの人に一声「入っていいですか?」など声かけしてから竿を出しましょう。そこで余裕があるなら「ええで~」と返してくれるだろうし、無理なら無理で言ってくれると思います。

先にも書きましたが、私はなるべく早い時間から釣り場に入って場所を確保するタイプです。なぜならこの声かけが苦手だから。うっかり怖い人に声をかけて期待に反する返事が返ってきたら半日ぐらい引きずる程度のチキン野郎なので。ゆえに声をかけられることのほうが多いです。

余裕があるスペースに挨拶して入ってこられたなら「同志よ!」という気分になります。反対に狭いスペースに無言で入ってきて竿を出されたら一挙手一投足にイライラを感じて楽しさ半減。今日はハズレを引いちゃったな~って気分に。

とにかくあいさつ大事だと思います。せっかく楽しみにきてるんだからお互いストレスの無いようにコミュニケーションをとりましょう。