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大阪湾岸で釣れる身近な魚についての雑メモ

自分自身の経験にもとづき、大阪湾の陸から釣れる魚についての雑多なメモを残しておこうと思います。

釣りの対象魚の中でもとりわけ身近で手軽なファミリーフィッシングで釣れる魚を中心に。基本的に私自身の備忘録ですので間違った認識や憶測もあるかもしれませんがあしからず。一部気になった内容については、資料や伝聞で聞いた内容も書いています。

大阪湾の中でも尼崎あたりから明石海峡あたりの釣り場しか実体験としてカバーできておりません。大阪湾側の淡路島、大阪港から泉南地域~和歌山あたりの釣り場ではほとんと釣りをしたことがないので、そのあたりは伝聞での情報となります。

なお、釣りシーズンが始まるのを4月からと仮定し、その前提で釣れ始める時期、釣れ終わる時期を書いています。

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アジ(マアジ、マルアジ)

釣れる時期や場所

  • 釣れ始めの時期は5月下旬ぐらい。その時期になるとアジュール舞子、泉佐野食品コンビナートあたりから10cm未満の豆アジの釣果が聞こえ始める。明石海峡を通る北からのルートと、紀淡海峡を通る南からの回遊ルートがあるのだろうか?
  • その前の冬が暖冬傾向で水温も早めに高くなれば回遊が早いのかも?(例えば2016年)
  • 尼崎の釣り公園や南芦屋浜などの湾奥で釣れ始めるのは7月初旬ぐらいから。大阪湾内では一番回遊が遅れる場所。
  • 初夏に回遊してくる豆アジとは別におそらく大阪湾に居ついているのであろう中型のアジが陸から季節を問わず釣れることがあるが、基本的には単発で釣れるものと考えたほうがいい。
  • 秋~冬のアジは日中は回遊にムラがあり、朝夕マズメにまとまった群れが回遊してくることが多い。
  • 初夏~冬のシーズン中、小アジに交じってまれに大型の個体(30cm前後)が回遊してくることがあり、波止から釣れるとラッキー。とはいえ岸から安定して数釣りができる最大サイズは20cmぐらいが上限。
  • 安定して釣れるシーズンは基本的に初夏から晩秋ぐらいまでだが、その年の気候と場所によっては年をまたいだ冬場も岸からパラパラと釣れることがある。
  • サビキで釣れるアジは主にマアジとマルアジの2種。
  • マルアジは中層から表層、マアジは底層で釣れる傾向。

釣り方

  • 数を伸ばすならサビキが最も効率良し。
  • 初夏から初秋の豆アジの時期は日中でも表層付近で釣れることが多い。その時期でも朝夕に底を狙うとやや大きめの小アジが釣れることも。
  • 秋冬の寒い時期は底のタナが基本。
  • まれに回遊のある大型(30cm前後)のアジも底のタナ。
  • 撒き餌(アミエビ)の有る無しで大きく釣果が異なる場合がある。無くてもあまり釣果が変わらない場合も。
  • サビキ仕掛けの高い安いはあまり釣果に関係ない。それよりその日のコンディションに合ったカラーを見つけて使う方が大事。ただし安い仕掛けは耐久性や信頼性に不安あり。
  • 豆アジが釣れる時期はなるべく小さい針のサビキ仕掛け、0.5号~1号を使う。太ハリス仕様の仕掛けならある程度大きいサイズの魚も釣ることができてつぶしが利く。
  • オモリとアミエビの重量を含むと仕掛けの総重量が大きいので、浮きサビキをする場合はウキ止めをしっかりとつけないとウキ止めが滑ってタナがずれる。ウキ止め糸を2つ結ぶなどの対策が必要。

エサ

  • 基本はサビキ仕掛けで撒き餌にアミエビ。
  • サビキ仕掛けの針にサシアミなどの付け餌をつけるのも効果的。特に寒くて渋い時期や大きな個体が釣れる時期など。
  • 過去に釣れた実績のあるエサは、サシアミ、アオイソメ、キビナゴの切り身、鯖の切り身、イカの切り身。意外と何でも食べる。フィッシュイーターという側面もある。

食べ方

  • 10cmクラス以下は揚げ物が無難。たくさん揚げすぎたら南蛮漬けに。
  • 10~15cmぐらいのサイズでも頑張れば刺身にできる。そして美味い。(※マアジに限る)
  • 15cmクラス以上なら小さくとも刺身が美味い。
  • 15cmクラス以上なら一夜干しもオススメ。寒い時期になると型も大きく脂ものってくるので塩加減はその時期に合わせて調整する必要あり。大きく脂がのったものは濃い目の塩加減で。
  • 少なくとも10センチぐらいの小アジサイズだと身の質が明らかに異なる。マアジは白っぽく身が締まっているが、マルアジは少し黒ずんでいて水っぽく柔らかい身。小さなマルアジは火を通す料理のほうが向いてそう。
  • 刺身で食べる際に皮を手で剥ぐ場合はぜいごをとらなくてもOK。皮を剥ぐときはなるべく銀色の部分が身に残るようにするとより美味しく食べられる。
  • 腹骨をすく前に皮を剥いだほうが綺麗に剥げる。これはだいたいどの青魚にもいえること。
  • 15cmクラスはアジフライに最適なサイズ。

その他

  • 大阪湾の豆アジや小アジサイズのアジは年々数が減少しているらしい。シラスの底引き網による乱獲が主たる原因とのこと。(出典:月刊関西のつり2015年4月号 鯤ヲ求ム第183回より)

 イワシ(カタクチイワシ、ウルメイワシ、マイワシ)

釣れる場所や時期

  • 大阪湾で釣れるイワシは、良く釣れる順にカタクチイワシ、ウルメイワシ、マイワシの三種。
  • 一番良く釣れるのはカタクチイワシ。釣れる期間が長く釣れる割合も多い。
  • 4月下旬ぐらいから大阪湾岸各地でカタクチイワシが釣れはじめる。そのころは15cm前後とカタクチイワシにしてはサイズが大きいことも。
  • その後ムラはあるもののカタクチイワシはシーズンを通して釣れ、12月頃まで釣れ続ける。
  • 冬場や春先に神戸周辺や明石海峡近辺に20cm前後のマイワシが回遊してくるタイミングがある。

釣り方

  • サビキ釣り一択。

エサ

  • サビキ釣りでコマセはアミエビ。
  • サヨリ釣り仕掛け、エサはイカの短冊(米粒サイズ)で釣れた経験も。

食べ方

  • 大きいサイズのイワシなら刺身。小さいのであまり身はとれないけど青魚の刺身の中では上位の美味しさ。
  • 天ぷら、唐揚げなど油との相性もいい。
  • 小さいサイズは内臓だけ取って強めのたて塩(塩水に漬ける)をしてから一夜干しにすると美味い。炙って食べるとツマミやご飯の友として最高。
  • 小さいサイズを干すときは、竹串を目に刺して10匹ほどずつまとめてやると干しやすく取り込みやすい、そして焼きやすい。いわゆるメザシ。
  • まとまった数が釣れたらオイルサーディンやアンチョビなどの調味料的な食材に加工するのも。パスタやピザの具などに最適。
  • 秋のタチウオシーズンに向けて、エサ釣りで使うエサとして冷凍保存しておくのもおすすめ。

サヨリ

釣れる時期や場所

  • 大阪湾では7月初旬ぐらいから11月ぐらいまでがシーズン。暖冬傾向だと12月も釣れ続くケースがある(例えば2015年末の南芦屋浜など)。
  • 年末年始前後から2月ぐらいの寒い時期にアジュール舞子や平磯海づり公園などの明石海峡付近で30cmを超える大型の個体が回遊するタイミングがある。
  • 大阪湾岸の釣り場の中で圧倒的にサヨリの魚影が濃いのは南芦屋浜。釣れるから人が集まる。人が集まるからコマセが撒かれてサヨリが寄ってくる好循環。
  • シーズン序盤とシーズン終盤は30cmを超えるサイズが混ざる場合が。いわゆるジャンボサヨリと呼ばれるサイズ。
  • シーズン序盤の大きいサイズは季節が進むにつれ減っていき、それにかわっての年に生まれたサヨリが成長して釣れ続く。夏の終わりで17~18センチ、晩秋で25センチぐらいに成長。

釣り方

  • コマセ(アミエビ)は必須。
  • 遠投する釣り人が多いと数十メートル沖にポイントが出来る場合があるので、サヨリの仕掛けは重いスーパーボールがついたものなど遠投仕様になっているほうがつぶしがきく。
  • 南芦屋浜ベランダなど遠投仕掛けが主流の釣り場では沖にポイントができて、延べ竿で届く範囲にサヨリが居ない場合がある。特にシーズン後半は顕著。逆にシーズン初期は延べ竿でも釣れる範囲に群れることも。
  • 延べ竿で届く範囲ならサヨリがエサをくわえるのを見てアワセができる見釣りも楽しい。
  • そのときに釣れてるサイズに合わせて針のサイズを変える。夏の最初期は3号、終盤は4号、30cmサイズが混じるなら5号かつハリス1号が目安。

 エサ

  • どんなコンディションでも安定して食いがいいのは赤アミ。おすすめはヒロキューの生イキくんツインパック赤アミ。背がけにすると遠投しても針から外れにくい。
  • 活性が高いときに最も効率がいいエサはイカの切り身。遠投しても激しく誘いをいれてもめったなことでは針から外れずエサ持ちがいい。サヨリをかけても何度かそのまま再利用できる。個人的にはご飯粒サイズぐらいの小さな短冊をハサミで切り出して針付けしている。イカの塩辛を使うのもいい。 いずれにせよコストパフォーマンスは最高。
  • 過去に釣れた実績のあるエサは、赤アミ、イカの切り身(スルメイカ)、イカの塩辛、カニカマボコ、ハンペン。これから察するに練り物全般いけるような気がする。
  • イシゴカイを使うのも一般的らしいけど個人的には使ったことがないし、関西ではあまり見ない気がする。コストパフォーマンスもエサ付けの手間も悪いと思う。
  • コマセをカゴに詰めすぎるとバラけてくれないので8分目ぐらいで。

食べ方

  • 腹膜が真っ黒で臭みがあるので、内臓をとったらなるべく綺麗に掃除する。爪先でこそげとることもできるが、使い古しの歯ブラシを使うのが一番。
  • 鱗を取る際はキッチンの排水溝ネット(青いやつ)でこすると簡単で魚の身もいたまない。
  • 夏ごろに釣れる15cm未満のエンピツサイズは火を通せば中骨ごと食べられるので頭と内臓だけ取って天ぷらか唐揚げ。干物にしてもいい。
  • 20cm超えるぐらいからなんとか刺身にして食べられる。ざっくりと大名おろしで三枚におろして皮は包丁の背中を使ってはぎとる。25cm程度までなら腹骨はそれほど気にならないのでそのままでも可だが、もちろん取ったほうが食感はいい。
  • 刺身にする場合は皮をはぐ前に骨抜きなどで腹ビレを取り除いておく。そうしないと皮をはぐときに引っ掛かって高確率で失敗する。骨抜きで腹ビレをつまんで頭側に引っ張ると根元の骨ごときれいに取り除ける。
  • 冬場で30cmを超える大型のサヨリは脂がのっていて刺身が最高に美味い。
  • 残った中骨は骨せんべいに。細くて柔らかい骨なので、他の魚のように必ずしも二度揚げする必要は無い。
  • くちばしの先が綺麗な朱色~オレンジ色であれば新鮮な証拠。また腹膜が真っ黒であれば新鮮。時間が経つとくちばしの色は落ち、腹膜は白濁していく。
  • そのときの食性によるっぽいが内臓が比較的臭い魚。また内臓の分解も早く時間が経つとお腹の中がデロデロになる。釣ってから食べるまで日をまたぐなら、なるべく早く取り除いておいたほうがいい。
  • サヨリヤドリムシという団子ムシのような寄生虫が高確率でエラに住み着いているが、食べても人体には無害。

タチウオ

釣れる時期や場所

  • 速ければ夏休みぐらいの時期に兵庫突堤や泉佐野食品コンビナート付近で釣れはじめるが、それより東もしくは北の湾奥で釣れ始めるのは9月中旬ぐらいが目安。
  • 上記のことから、明石海峡を通る北回りの群れと紀淡海峡を通る南回りの群があるっぽい。
  • 平均的には12月中がシーズン終了の目安となる。
  • 暖冬傾向で水温が高いと年明け以降も陸っぱりから釣れ続くことがある(例えば2015~2016年のシーズン)。
  • 最盛期のシーズンでもさっぱり釣れない日もある。神出鬼没。
  • 釣れる時間帯は日没1時間前ぐらいから日の出1時間後ぐらいまで。基本的に日没と日の出前後に時合いがあるが、夜中にもパタパタと釣れ続くことがある。
  • 日没前、日の出後の時間帯は沖合いの底付近で釣れることが。遠投できて底が取れるルアーかテンヤなら狙える。ウキ釣りでこれを狙うのは難しい。
  • 暗くなってからはウキ釣りが有利。

釣り方

  • 大阪湾で人気がある釣り方はワインドとウキ釣り。
  • 日没前や日の出後に釣るなら、遠投して深いタナが狙えるルアーやテンヤの引き釣りが有効。
  • 少々値ははるがテンヤ選びに迷ったらタチウオゲッターをおすすめ。
  • ウキ釣りの標準的なタナは2ヒロ。そこから始めてその日の状況に合わせてタナを調整する。活性が高いときはそれより浅く、アタリがないときはそれより深くするなどして釣れるタナを探る。
  • ウキ釣りのアワセのタイミングについて。ウキに不審な動きがあってもグッと我慢。浮きが海中に沈んでもまだ我慢。ラインを張り気味にして竿先がグーッと引きこまれたらようやくアワセてOK。
  • 歯が鋭いので釣り上げたら歯に触れないよう注意。何か魚体を挟めるものを必ず用意しておく。専用の魚挟みでもいいし厚手のタオルでもいい。
  • 締める場合は首を折るのがいいが、横方向に折ってもなかなか動きが止められない。アゴを掴んで背中の方向に折ると効果的。いわゆる鯖折り。
  • あまり血の気がない魚なので、血抜きはほどほどでOK。
  • 針外しには長めのペンチ、プライヤーが必要。さしあたり100均のものでもいいので必ず用意しておく。
  • 喉の奥に刺さった針はエラから手を入れて抜くほうが簡単。ただしエラにも鈍いトゲがある。歯ほど鋭くないがケガをする可能性があるので十分に注意。

エサ

  • エサ釣りの標準的なエサはキビナゴ。テンヤの引き釣りはドジョウ。キビナゴはウキ釣りでもテンヤの引き釣りでも使える。
  • キビナゴは釣具屋や餌屋で買うほか、スーパーで売っているものも使える。
  • スーパーで売っているものは塩漬けすると身がしまってエサ持ちがよくなる。
  • その日釣り場で釣った小型の魚をエサにするのもいい。中でもカタクチイワシが最適。
  • キビナゴがスーパーで見つからない場合はワカサギでも代用可。シシャモですら代用可能という話もきく。

食べ方

  •  80cmを超えるサイズなら刺身がおすすめ。シーズン終盤の寒い時期なら脂ものってきていて美味。
  • 50cm~70cmぐらいの小さいサイズは唐揚げなど。小さすぎると3枚におろすのも困難なので、背ごしにして酢漬けなども。
  • 内臓周辺の身はタチウオの身の中で最も脂がのっていて美味。さばくときに捨てがちだけど、他の魚のように目立った腹骨が無いため食べやすい。生のものを細かく切って醤油で食べてもいいし、軽く炙ってから塩をふって食べるのも最高。
  • いい出汁が出るので頭や骨も捨てずに取っておくのがおすすめ。すまし汁の出汁、味噌汁の出汁、いろいろ使える。保存する場合は一旦干してから水分を飛ばして冷凍しておくとなおいい。
  • ウロコがない代わりに体表はグアニンという銀箔のような物質で覆われている。通常はそのまま食べられるが、鮮度が落ちるとこれが原因で中毒になる場合があるので注意。
  • 骨は低温の油でじっくり揚げて骨せんべいにするのもオススメ。