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釣具のお手入れ方法と最低限やっておきたいメンテナンス

初心者向け釣りガイド

釣りは道具が水に触れる趣味。竿やリールなどの釣り具は水との接触が避けられません。

特に海釣りは、川釣りなどの淡水と比べて塩分で道具が汚れやすかったり傷みやすくなります。そもそもエサや魚なんてヌルヌルでクサイものですし、どんなに透明度の高い綺麗な海水だって汚れやサビのもとになるし、塩が固い結晶になればリールの回転などに悪影響をおよぼします。道具のお手入れという面では他の趣味より大変かもしれません。

本格的なメンテや手入れとなるとちょっと敷居が高いですが、釣りの後に「とりあえずこれだけやっとけば道具が長持ちする」方法を紹介します。 2,000円程度で買った安物の釣竿とリールを簡単な手入れだけで何年も使い続けている私が実践している方法です。

やるべきことをざっくり表現すると「水洗いして塩分を落とす」。要点はこれだけ。

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釣具にとって最大の敵は塩分

釣り具は濡れてもいいけど塩分は大敵

ほとんどの釣り具は濡れる前提で作られているもの。

うっかり水没させるならまだしも、雨が降った程度で壊れるようなら実用的ではありません。だからよっぽどの安物ではない限り、水がかかるぐらいなら問題が無いことがほとんどです。

では気を付けるべきことは何なのか?答えはシンプル。

釣りの中でもとりわけ海釣りに使う道具全般に言えるのは「最大の敵は塩分」ということ。この感覚を持つのは大事なので強調しておきます。

釣り具における最大の敵は塩分

塩分は錆の進行を格段に早めますし、硬い結晶になってしまうとリールの可動部がじゃりじゃりとして動かしづらくなったりします。いわゆる塩噛みってやつです。また、竿のガイドに固着するとラインを傷つける原因にもなります。海釣りの後は塩分を除去することが重要です。

リールにとって塩分は大敵

特にリールと塩分の相性は最悪。

海水をかぶってしまい運悪くリール内部に塩分が入ってしまうとすぐさま錆が進行します。その結果、高確率でリールの調子が悪くなります。

ハンドルを巻くとゴリゴリと違和感を感じたり、回るべき部品が固まって回らなくなったり。内部のワンウェイクラッチという部品が錆びて壊れてしまうと、ハンドルを回したらリールが逆回転するという予想外な壊れ方をしたりもします。

淡水なら多少は大丈夫。そもそも釣具は濡れる前提の道具です。たとえリールが雨で濡れてしまっても軽く水分をとって乾かせば何の問題もなく使えます。あとで解説しますが、そもそもお手入れ時に水道水をぶっかけるのがセオリーです。

内部まで水が入ってしまったら問題もでてきますが、しっかりとグリスやオイルが塗られていれば水の侵入が防止できるのでそうそう壊れません。

というわけで日々行うべき釣り具のメンテナンスは、ロッドとリール共に「汚れや塩分を水道水で洗い流す」ということを目標しておけばまずはOKです。

スピニングリールのお手入れ方法

釣具の中で最もメンテナンスの重要度が高いのはリール。

リールに巻かれたラインはずっと水に浸かっていますし、そのラインを巻きとればいくらかの海水がリールに戻ってきます。

リールは精密機械。内部で金属のパーツやギアが複雑に噛み合って動いています。長く快適に使いたいなら、こまめなお手入れが必須。海釣りから帰ったら必ずやっておかなければならないこともあります。

リールにもいろいろありますが、ここでは初心者用のリールとして最も使われる機会が多いであろうスピニングリールのお手入れ方法を紹介します。

ラインなどに付いた塩分を取り除く

釣具の中で最も長い時間海水に浸かっているもの、それはリールに巻かれたラインです。釣りが終わったあとも、ラインには塩分が残ります。

この塩分を取り除くお手入れは「塩抜き」と呼ばれ、釣りに行ったらできるだけ毎回やっておきたい作業といえます。

ラインの塩抜きには主に2つの方法がある

ラインの塩抜きについて理想的なのはリールからいったんラインを取り出して行う方法。リールのスプールから糸を抜き出して別のスプールに巻き、それを真水に漬けて塩分を抜きます。

スプールはラインが巻いてあった空のスプールを流用することもできますし、塩抜き専用のスプールも売られています。

でも釣りに行くごとにこの作業ををやるのは大変なので現実的ではありません。そのため、日常的な釣行後はリールのスプールにラインを巻いたまま塩抜きを行います。

このリールのスプールに巻いたラインの塩抜きについては、釣り人の間で以下2つの流派が存在しています。

スプールに巻かれたラインの塩抜き方法
  1. ドラグを締めたうえでラインについた塩分を流水で洗い流す派
  2. スプールを取り外し水にドボンと浸してしばらく待ち塩分を取り除く派

といっても2の方法を実践する人は少ないと思われます。主流は1の流水で洗い流す派。日常的な塩抜きはそれで十分。

かくいう私はもっぱら水道水で洗い流すだけ。エサ釣りもルアーもやるのでナイロンラインもPEラインも使いますが、これだけで十分塩抜きができていると考えていますし、耐久性が低いとされているナイロンラインも長く使えています。秋などは週一回の頻度で海釣りに行きますが、ラインを新品に撒き換えるのは基本年一回のスパン。

スプールごと水に浸けて塩抜きするほうが当然ながら塩抜きの効果が高いと思われますが、スプールの内部にはドラグを構成するワッシャーやフェルトなどの部品が内蔵されているため、そちらへの影響が避けられません。きちんとドラグの仕組みを理解してメンテナンスができるひとであれば問題ないですが、頻繁にそんなことしてられないので非効率的です。

では簡単に流水でリール洗い流す手順を見ていきましょう。ラインだけではなくリール全体を水洗いする過程で行うことになります。

スピニングリールのお手入れ手順

まずドラグノブを適度に硬く締めます。これはドラグ内部に水が入らないようにするため。

ドラグノブを締める
洗う前にドラグノブを軽く締める

限界までガチガチに締めてしまうとドラグワッシャーが潰れる可能性があるので、まだ少し締める余裕がある程度に締めてください。

ドラグワッシャーは金属製の円盤とフェルト製の円盤を交互に組み合わせたパターンが多く使われていますが、このフェルトに過度な力をかけすぎると変形する可能性があります。

フェルト製のドラグワッシャーが潰れたようす
フェルト製のドラグワッシャーが潰れたようす

ドラグを適度に締めたら流水をあてながらラインの塩抜きをします。

ハンドルやラインローラーなどにこびり付いた汚れも流水で洗い流していきましょう。もちろん水道水で構いません。ここでは流水をそのままあてていますが、拡散するシャワーの方が使いやすいでしょう。

できるだけ内部に水が入らないよう流水で洗う
できるだけ内部に水が入らないよう流水で洗う

なるべくリール本体内部に水が入らないよう、リールの上方向(ドラグノブがあるほう)から水をかけて汚れを落としてきます。下から水をかけると内部に水分が侵入しやすいので避けてください。また、完全に水に沈めてしまうと内部に浸水してしまう可能性があります。

汚れがつきやすいハンドル、ラインローラーはしっかり洗っておきましょう。こんなに濡らして大丈夫?と不安になるかもしれませんが、よっぽど安物のリールで無い限りほとんど影響はありません。オイルやグリスが適切に塗布されていれば水も弾きます。大胆にジャブジャブやっちゃおう。

このとき汚れが落ちやすいようにお湯や洗剤を使いたくなるかもしれません。しかしお湯や洗剤だとリール各所に注油されているオイルやグリスが溶け出てしまいます。よってお湯と洗剤はNG。冬はきついかもしれませんが常温の水で頑張りましょう。

リールのお手入れ時にお湯と洗剤を使うのはNG

汚れが落とせたらリールを軽く振って遠心力で水を飛ばすと乾きが早くなります。

余談ですが、ジギングなどハードな釣りのあとは、自分で気づかぬうちに握力が死んでいる場合があります。そして、水を切ろうとリールを振った勢いでそのまま手からすっぽ抜けて地面にクリティカルヒットさせてしまうことも。私はこれで何度もプールを凹ませています。気を付けましょう。

洗い終えたらドラグを緩めてノブを外し、スプールを本体から外して乾燥させます。

本体からスプールを外して陰干し
本体からスプールを外して陰干し

スプールをつけたままでもいいかもしれませんが、気をつけていても多少の水分が中に入っているので外してから乾かしたほうがいいでしょう。陰干しで1日置いておけばだいたい乾きます。

スプールやシャフトにドラグのカチカチというクリック音を出すための小さなバネやギアなどの部品が取り付けてあり、機種によっては分解することで外れやすい構造になっている場合があります。無くさないように注意が必要です。

乾いたらまた組み直して、問題なく動くか異音がしないかチェックしておきましょう。ラインローラーは動いているのか目視では分かりにくいので、輪ゴムなど滑りにくいものを引っ掛けてローラーを転がすと回転している様子が確認できるはずです。

定期的に注油をする

リールはたくさんの部品が組み合わされた精密機械です。

定期的に注油してやらないと段々動きが悪くなって使い心地に違和感を覚えたり、ラインが絡まるなどのトラブルのもとになったりします。

そんなときは可動部に注油をすればいいわけですが、例えばシマノのリールであればシマノ専用のオイルとグリスを使って指定どおりの箇所に注油するのが基本です。

このシマノのオイルとグリスのセットですが、それぞれオイルとグリスをリールのどこに使うべきか、どう使い分けるべきかという説明書が同梱されています。これがシンプルで非常にわかりやすく役に立ちます。釣りをするなら必ず用意しておいてほしいメンテナンスのマストアイテムです。

注油を含めた日常メンテナンスの方法が公式サイトで公開されています。

あくまでシマノのリール用ですが、私は気にせずどのメーカーのリールにも使ってます。気になるならダイワはダイワ専用のセットを使いましょう。同様のセットがあります。

釣りに行くごと毎回内部のギヤに注油する必要はありませんが、塩がつきやすいベールやラインローラー、メインシャフトなどは頻繁に注油しておいたほうがいいです。リール自体の使い心地もさることながら、ラインのトラブル軽減にもつながります。

釣り具用を買うのはもったいないから百均で売ってる自転車のオイルを転用する…ってのもやらないよりは遥かにましですが、できるだけ釣り具用を買って使うことをおすすめします。釣り具用なら細いノズルがついてるので細かい隙間にも使いやすいし、一般的な使用頻度なら数年はおなじ缶でもつはず。

なお、スプールの内部に組み込まれたドラグについても「グリス」が使用されているのですが、ドラグで使われているグリスはドラグ専用の特殊なグリスです。オイルとセットになったグリスを使ってはいけません。

ドラグのメンテナンスについてはこちらをご覧ください。

またダイワのATD(オートマチックドラグシステム)などは予めドラグワッシャーに専用のグリスを浸透させた状態で販売されていますので、勝手に適当なグリスを塗布すると性能が落ちる可能性があります。基本的に釣具屋での取り寄せになりますが、ドラグワッシャーごと交換しましょう。

Amazonでも取り扱いがありますが、ご近所に釣具店があるなら取り寄せ料金なしで買えます。

竿・ロッドのお手入れ方法

見落としがちなガイドの汚れ

サビキ釣りをしていてエサや魚を触った手でグリップを握り、気がついたら竿がアミエビまみれウロコまみれになっていたという経験はないでしょうか。臭くなるし目立つ汚れなので、気になったら水洗いされることもあるでしょう。

しかし見落としがちなのが竿のガイドの汚れ。海水の塩分や汚れが付着したラインを受け止めるところなので汚れが溜まりやすく、放っておくと硬い塊になってラインを傷つける原因にもなります。汚れ以外にも欠けたり割れたりしやすい場所なので、お手入れをするついでにチェックすることをおすすめします。

お手入れは簡単。基本はリールと同様に流水で洗い流すだけです。念のため手順を追ってみていきましょう。

竿のお手入れ手順(振り出し竿・テレスコピックの場合)

ルアーロッドなど2本なり3本なりのパーツを継いで組み立てるロッドの手入れは簡単です。水道水をぶっかけて本体とガイドの汚れを洗い流すだけ。あとは乾かして終わり。

面倒なのは磯竿などのいわゆる振り出し竿やテレスコピックと呼ばれるロッド。アンテナのように少しずつ伸ばしていくタイプです。の竿は内部に水が残りやすいためちょっと手間がかかります。

まず竿の根本にある尻栓を抜きましょう。これをやっておかないと、洗っているうちに竿内部に水が溜まって行ってしまいます。

普通はネジ式になっていると思いますので、ひねって外しましょう。

振り出し竿はまず尻栓を抜く
振り出し竿はまず尻栓を抜く

この尻栓、例えばフェンスに竿を立てかけて竿尻を地面に当てるようなスタイルで釣りをしていると、使っているうちに消しゴムのように削れて原形をとどめない形になる場合があります。ダイワやシマノなど有名メーカーの竿であればここだけ単体で注文できるので、支障があれば釣具屋経由で注文しましょう。比較的低価のはず。

次に水洗いをしていくわけですが、予め尻栓を抜いておくことで水が竿の根元から流れ出ていきます。2ピースのルアーロッドなどは竿の内部に水が入ることが少ないためそのままでOKです。その場合はそもそそも尻栓がありません。

ガイドに流水をあてながら塩や汚れをおとしていきましょう。大胆にザバーッと。

流水でガイドの汚れを洗い流す
流水でガイドの汚れを洗い流す

ガイドにこびりついた汚れがあれば、指先や使い古しの歯ブラシなどをつかえばきれいに落ちます。竿の根本、手で握っていた部分はエサや魚の汚れがついているのでタワシでこするなどして汚れを落としておきます。汚れがひどいときや匂いが気になるときは中性洗剤を使っても問題ありません。

ひととおり洗えたら竿を立てて陰干しします。干している間も根本から水分が出ていくようにしてください。数日ほどおけばあらかた水分はとれますが、多少は残っている場合は乾いた布やキッチンペーパーなどで水分を拭き上げてから竿を片付けます。

水分が残ったまま収納すると次に使うときになんともいえない異臭を放つことがあります。だからしっかり拭いて水分をとること。

私は釣りを再開した当初に買った2,000円台の磯竿をこの手順でお手入れしてきました。そして、5年経った今も現役で使い続けています。面倒だけどお手入れ大事。

※6年目にとうとう壊れましたが、竿自体は問題なく使える状態でした

お手入れ中は竿を折りやすいタイミング1位

竿のお手入れについてお伝えしておきたい大事なことがあります。

釣りを続けていれば誰しも一度は竿を折ってしまう経験をするはずです。果たしてどんなときに竿は折れやすいのか?キャストするとき?根掛かりしたとき?大物を掛けたとき?

いえ、最も竿が折れやすいのは釣りをしていない「お手入れ中」です。少なくとも私はそうでした。いままで買った磯竿は全てこのタイミングで穂先を折ってきました。

特に折れやすいのは磯竿を縮めた状態で左右に負荷を加えたとき。お手入れ時にはよくあるシチュエーションです。

縮めた振り出し竿は穂先の破損に注意
縮めた振り出し竿は穂先の破損に注意

ポッキーかよ!っていうぐらい簡単にポキッと折れます。茹でる前のパスタみたいに。とくに釣りから帰ったあとは疲れて注意力も散漫になっているからこうなりやすい。

皆さんも気をつけましょう。

ただ、折れたら折れたで自分で修理するなりメーカーに依頼するなり、そのまま使い続けられる手段はあります。

またお手入れ時以外も、釣りが終わってから竿を縮めて収納するときも折りやすいので気を付けましょう。疲れて集中力が途切れてたり、早く帰りたいあまりに焦ってしまうからです。

仕掛け類のお手入れ方法

仕掛け類は水道水につけておく

再利用できそうな仕掛けやその関連パーツ、そしてルアーなど海水に浸かっていた道具全般は、さっと洗って少しの間水道水につけて置きましょう。これで塩分が抜けます。面倒なら流水で洗うだけでも十分です。

仕掛け類はまとめて水道水にさらす
仕掛け類はまとめて水道水にさらす

乾かして水分をしっかり取り除く

塩分が取り除けたら軽く水気をはらって乾燥させます。

乾かすときはこんな感じで何らかの入れ物にひとまとめにすれば便利です。

しっかりと乾燥させる
しっかりと乾燥させる

干すときに使う入れ物については、ザルやカゴなどいろいろ試してきました。そしてたどり着いた最適解、それは「素麺が入っていた木箱」でした。

穴がないので細かいパーツがこぼれ落ちない、穴がなく適度に硬いので針が刺さらない。ザルなんかも同じように使えるんですが、乾いた道具を仕舞おうとすると穴に針がハマっていたりしてストレスになります。

そして木がどんどん水分を吸ってくれるから乾きが早い!

木箱に入ったそうめんなどなかなか自宅用に買うことはないかもしれませんが、もし贈り物などで入手できる機会があれば思い出してください。そのうちカビってきますが、ワンシーズンぐらいなら使えるはず。

なお、仕掛けを再利用するといっても、サビキ仕掛けなどナイロンラインが使われた仕掛けには使用回数に限度があります。水を吸う性質から劣化しやすいためです。いざってときに切れたら悲しいので、再利用回数は1回だけにしておきましょう。2回使ったら潔く捨てる。

とにかく塩分を取り除く

塩分による錆の進行は驚くほど早いので、私は帰宅後真っ先にこれをやります。魚の処理よりも前に。釣り場に水道があるのなら、帰り際にさっと流水で洗い流しておくと安心ですね。

乾燥させる際はなるべく直射日光を避けて陰干ししましょう。季節や天候にもよりますが一日あればすっかり乾いているはずです。

乾燥後、ハサミやプライヤーなどは接合部や刃が重なる部分に軽く注油しておきます。これはリール用のオイルを使いまわせばいいでしょう。

シリコンスプレーは釣具メンテの万能ツール

リールは必ずメンテが必要になる

先ほども書きましたがメーカー製のリールはメーカーが推奨しているオイルやグリスを使ってメンテナンスを行うのがセオリーです。でもそれなりの値段がするので(千円台ですが)、安物のリールを使っている立場としてはどうしても「もったいない」と感じてしまう。

でも注油せずにリールを使い続ければ必ず動きが悪くなる時期がやってきます。油がきれた金属を塩分にさらしてたら錆びは避けられないし。

素材を問わず使えるシリコンスプレー

そこでとりあえずの対策としておすすめしたいのがこれ。

クレ556でお馴染みのKUREが発売しているシリコンスプレーです。応急処置的なことも含めて、釣具全般に有用です。

クレ556も万能な潤滑防錆剤なのですが、溶剤が含まれるため使用できる素材が金属に限られています。釣具のメンテナンスにはおすすめできません。安めのリールは可動部の素材にプラスチックが使われていることも多いので、556を使うとかえって寿命を縮めてしまう可能性もあります。

また、556の溶剤はもともと塗布されているオイルやグリスを洗い流してしまう可能性があるので、一時的には動きが良くなってもしばらくすると悪くなる可能性があります。被膜が薄いので防水効果もあまり期待できません。

たぶん昭和生まれの人は、自転車でもなんでもかんでも556を吹いておけば大丈夫という認識を持ちがちなので気をつけましょう。なぜなら私がそうだったからです。昭和当時は頻繁にCMをやってましたし、たぶん一家に一つは必ずあるといって差し支えないほど普及してたはず。

その点シリコンスプレーは素材を問いません。金属はもちろん、ゴム、プラスチック、木、紙までにも使えます。だから安物のリールでも大丈夫。とりあえずは。

リールの可動部にもラインにも

動きの悪くなったリールの可動部分にスプレーすれば必ず動きが軽くなります。シリコンの皮膜ができることで滑りが良くなるようです。

ガイドローラーは分解しないと注油が難しいですが、とりあえずこれを上からスプレーしとけばスルスルに。浸透性があるので細かな部分にも行き渡ります。

竿のガイドにスプレーしておけばスムーズにラインが通りますし、リールに巻かれたPEラインにスプレーすれば滑りが良くなりルアーの飛距離が伸びるようになります。これはイレギュラーな使い方ではなく、メーカーが推奨していてちゃんとシリコンスプレーの商品説明にも書かれていることです。

潤滑効果とあわせて防水効果もあるので釣具に対しては本当に万能。いろいろ揃えるのが面倒ならこのシリコンスプレーだけでしばらく戦えます。

ただ、何度も書いていますが、本来はメーカー指定のツールでメーカーの指示に従うのが原則なのはご承知ください。シリコンスプレーはあくまで間に合わせです。

部屋の中でスプレーしちゃダメ!ゼッタイ!

このシリコンスプレーはもちろん釣具専用ではなく、身の回りの「滑り」が必要なあらゆる場所に使えます。引き戸の溝、タンスの引き出し、カーテンレール、イスのキャスター、パソコンのマウスにあるソールなどなど。556と違って匂いもないので家の中でも使いやすいです。

私はまずリールにこれを使い、その滑りのよさに感動しました。「こりゃすごい!超すべる!」となって家中のあらゆる箇所にスプレーして回ったんですよ。襖の溝、サッシの溝、自転車の鍵穴、兆番、思いつく限りの「滑りが必要な箇所」に。

そしたらどうなったか?快適な生活環境になったのか?

否!

家中の床がツルツルに滑るようになって大変危険な状態になりました!

ピンポイントでスプレーしたつもりでしたが、意外と広範囲に飛び散ってしまっていたようです。こりゃあかんと水ぶきしたんですが、それがかえってシリコンの被膜を広げる結果になってしまい滑りの範囲が拡大するという泥沼状態。

最終的にマイペットを吹き付けてからふきあげることで解決しました。

リールのほんの一箇所にシュッとするだけでも飛び散りますので、シリコンスプレーを使うときは可能な限り屋外で作業されることを強くおすすめします。

安い道具でも手入れすれば長持ちする

というわけで私なりの釣具のお手入れ方法でした。

私は基本的に安い釣具ばかり使ってきて、単体で1万円を超える竿やリールを持つことはまれです。7万円のリールを買うなら、サイズの違う1万円のリールを7台持つことの方に価値を感じます。

例えば1,000円以下で買えるような極端に安いものだと素材や作りが粗悪でどうしようもないこともありますが、それより少しだけ上のクラスの竿やリールなら扱い次第で長持ちします。今はメーカーで最下層クラスの釣具であっても、10年前のミドルクラスの性能に近かったりするはず。それがすぐに壊れるわけない。昔は数万円したものが数千円で買えるなんて素晴らしい。

amazonなんかで低価格帯のリールや竿の商品レビューを見るんですが「数回で壊れた」とか「即日ゴミ箱行き」とか「まるで使えません」みたいなネガティブなレビューが散見されます。私は問いたい。お前ら、ちゃんと丁寧に使っているのか、しっかり手入れしているのか?

まだ全然使えるやんって感じの竿やリールが釣り場に打ち捨てられているのを見ると悲しくなります。マナーやゴミの不法投棄云々ってのもありますが、釣具を愛するものとしてただ悲しい。

釣具に愛着をもって手入れをし、大切に扱っていきたいものです。

この記事は関西在住の釣り人が書きました

1978年大阪生まれ大阪育ち大阪在住。

家族共通の趣味を持つべく2014年に20年ぶりの釣りを再開。京阪神の海にて活動する小物ハンター。釣りの目的は現実逃避とおかずの確保。海は大きい、自分で釣った魚は美味しい。それでいい。

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